Tokyo VR Startups、第2期生の成果発表会「Tokyo VR Startups Demo Day」を開催

日本初のバーチャルリアリティ(VR)に特化したインキュベーションプログラム「Tokyo VR Startups」は、第2期インキュベーションプログラムの参加者によるデモンストレーションとプレゼンテーションを、3月29日に東京・秋葉原で開催した。


日本初のバーチャルリアリティ(VR)に特化したインキュベーションプログラム「Tokyo VR Startups」は、第2期インキュベーションプログラムの参加者によるデモンストレーションとプレゼンテーションを、3月29日に東京・秋葉原で開催した。

同プログラムは、VR/ARを利用したプロダクトやサービスを開発するためのインキュベーションプログラム。2016年1月から第1期がスタートし、参加したVRベンチャー企業5社のうち4社が資金調達に成功しており、育成に取り組んでいる。

今回Pedia Newsでは、第2期に参加したVRベンチャー企業を紹介する。

### 世界初、2次元キャラクターVRライブ配信サービス『COVER』
#### カバー株式会社

タウン情報サービス『30min.』をイードに譲渡した、元サンゼロミニッツ代表取締役の谷郷元昭氏が、VR/AR時代のUGC/ソーシャルサービスを提供し、コミュニケーションの課題を解決するために立ち上げた会社。

すでに、世界中のユーザーや友達と卓球のオンライン対戦ができる、世界初の無料VR対戦卓球ゲーム『PING PONG LEAGUE』を世界最大PCゲームプラットフォームSteamで配信しており、「複数人参加型VRサービス」の開発ノウハウを蓄積している。

その経験をもとに開発しているのがVRライブ配信サービス『COVER』である。COVERは、ライブ配信とアニメを組み合わせて2次元キャラクターになりきって歌やダンスをカバーできる、VRライブ配信サービス。配信ユーザーと閲覧ユーザーが同じ空間を共有することで、誰でも最前列の体験を間近で味わえる。

ユーザーはVRデバイスを使ってアバターを簡単に操作できるほか、自分の好みやシチュエーションに応じてアバターを着せ替えたり、3DCGや360度写真で彩られた多種多様なステージを使って演出を楽しみながら、パフォーマンスを披露できる。

また観客となって、ボイスでコメント、手でジェスチャーして応援したり、投げ銭ができる。もちろん、VRを持っていない人でも楽しめるように、PC、スマートフォンからも閲覧できる。

今後は、世界初2次元キャラクターVRライブ配信サービスとしてPC向けα版を早期リリースし、スマートフォンVRにも対応していく計画だ。

**初音ミクのように、配信ユーザーとクリエイターがコラボできるコミュニティを形成し、IP、声優とコラボを行っていきたい。VR/AR時代のUGCサービスを提供し、2次元キャラクターを世界へ広げたい**(谷郷氏)

### MRファースト、未来のコミュニケーションツール『GATARI』
#### 株式会社GATARI

第2期の最年少チーム。東京大学4年生、東大VR学生団体UT-virtual初代代表の竹下俊一氏が、同世代の学生らと設立した会社。音声による操作入力を核に、MR時代のコミュニケーションを再発明するために「MRファースト」で開発を行なっている。

GATARIが作る未来のコミュニケーションツールでは、音声のテキスト化によって、話した言葉を空間において残したり、声でテキストチャットしたり、会話を自動翻訳したり、文字にリンク情報を紐づけてブレストできる他、視界を共有できるという。

今回のインキュベーションプログラム中には、これらをVR空間上で実現した。具体的には、音声技術を使って声による入力、話した会話を自動的に相手の言葉に合わせて翻訳、話した言葉を空間に残して相手に共有、会話のキーワードを自動抽出して保存、といった「声のテキスト化」「言葉を空間に残す」「翻訳機能」を開発した。今後は、「視界共有」「みた瞬間を切り取ってすぐに友達と共有」できる機能を開発し「MRデバイスコミュニケーションツール」として確固たる地位を築くことを目指すという。

**スマホの次を担うデバイスはMRデバイス。MR時代は手の入力から音声の入力に変わるので、MRファーストで開発していく。MRデバイスの開発は始まっており、サードパーティからも開発者側に提供が始まる。再来年にはMRデバイスがオフィスへ導入されるかもしれない。その時のコミュニケーションデバイスをGATARIが担いたい**(竹下氏)

### CT画像の3D化、医療向け3DVRサービス『HoloEyes』
#### HoloEyes株式会社

3D、VR、ロボットに精通するテクノロジスト谷口直嗣氏と、国際医療福祉大学大学院の准教授で外科医の杉本真樹氏らが、VRやARを活用した新しい医療ヘルスケアサービスを提供するために設立した会社。

同社では、CT画像をベースにした、3DVRでコミュニケーションできる医療向けサービスを開発している。

患者本人のCTデータを3D化し、人によって異なる患部までを再現した立体的な「3D VR Map」を使うことで、これまでにはない「VR医療」を実現する。複数人で3D VR映像を共有することも可能なので、手術前の術式の確認や教育などに活用できる。

また、マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」を活用し、データをクラウド化しているため、QRコードを利用してデータを共有できるという。

**MedicalとVR/MRを融合して、最終的にはデータライブラリを作っていきたい。そのために、今Deep Learningも研究している。マーケティング戦略としては、マイクロソフトやエムスリー、アスクにも協力してもらいながら、サンプル素材を教育機関に配布したり、大学病院との共同研究や学会発表などを進めており、東京都立墨東病院や慶應義塾大学病院などで利用されている。マネタイズは、まずは歯科向けのサービスとして立ち上げて「歯科業界のGitHub」としての地位を確立するとともに、外科向けにも提供していきたいと思う。最終的には、これらの情報を整理して、医療データのオープン化を進め、海外にも展開していきたい。**(谷口氏)