iSGSインベストメントワークス 五嶋氏が語る「独立系ベンチャーキャピタルとしての、iSGSのいま」

iSGSインベストメントワークスは、東証一部上場企業であるアイスタイルの子会社としてスタートし、ファンドの運営はもとより、現在では会社の資本構成、組織体制、経営全般、すべてアイスタイルから独立している。「iSGSにとって、アイスタイルは家族であり応援団長。」と、iSGSインベストメントワークス 代表取締役 五嶋氏は説明する。

iSGSインベストメントワークスは、東証一部上場企業であるアイスタイルの子会社としてスタートし、ファンドの運営はもとより、現在では会社の資本構成、組織体制、経営全般、すべてアイスタイルから独立している。**「iSGSにとって、アイスタイルは家族であり応援団長。」**と、iSGSインベストメントワークス 代表取締役 五嶋氏は説明する。

アイスタイルと事業シナジーがあるから投資するのではなく、投資先のスタートアップにとって有意義であれば、アイスタイルのリソースを存分に活用する。ファンドの資金も9割以上を外部の投資家から集めており、アイスタイルのCVCではなく、完全に独立した運営を行うベンチャーキャピタルとして活動するのが「iSGSインベストメントワークス」である。

「iSGS」は、アイスタイルの「i」と代表パートナー3名の頭文字が由来する。
代表パートナーは、元サイバーエージェント・ベンチャーズで日本を代表する女性キャピタリストとして活躍してきた佐藤氏、元ディー・エヌ・エーで球団買収や子会社経営の経験をもつ五嶋氏、アイスタイルの創業時から東証一部上場までを実現したアイスタイルCFOの菅原氏の3名。全員が事業会社出身で事業経験も長く、投資経験も平均約15年のベテラン。「実務家」「経営者」、そして「投資家」として、豊富な経験と実績を持っている。

**我々3名で年間300人程度の起業家と会っていただいていますが、その概ね2/3が他の投資家からの「協調投資のお誘い」などではない、われわれ独自のルートです。パートナーそれぞれが長いキャリアを持ち、前職から様々な繋がりがあるので、紹介ベースが多いです。**

**僕らはinfoのメールアドレスもなければ、ウェブサイトにもコンタクトフォームを持っていません。オープンなアクセス方法を、いまはあえてもってない。また投資実績も僕らからは一切開示していなくて、投資実行後に僕らの名前をプレスリリース等に出すか出さないかも、投資先にお任せしています。**

五嶋氏がそう語るように、iSGSのウェブサイトをみると、概要と住所、フェイスブックのアカウントは掲載されているが、問い合わせ先やポートフォリオは一切開示されていない。

**情報発信に注力した方がいい、とは言われていて、たしかにその通りだと思うのですが、スタートしたばかりのiSGSが、本分である「投資先の発掘と成長」以外のことに力に注ぐ必要はないし、まずファンドの投資家様をはじめとするステークホルダーの皆さんとのコミュニケーションをしっかりすることが優先で、それ以外で目立ってもしょうがない(笑)**

投資対象は、オールジャンル・オールステージ。シリーズAを中心に、シード、アーリーからレイター期のスタートアップに対し、1社あたり500万円〜1億円程度の投資を行っている。

**オールジャンル・オールステージへの投資というと、けっこう賛否両論いただいていますが、僕らは欲張りなので(笑)、この1号ファンドではいろんな領域に関わっていきたい。インターネット領域だけでなく、インターネット化されていないレガシーな領域にインターネットが加わるとおもしろいと思っています。もちろんチャレンジングな案件も多いですが、その分成功すれば大きなリターンを得られますし、これからもっと挑戦できることがたくさんあると思っています。**

昨年6月の1号ファンド設立から約10ヶ月、これまでに投資した企業数は全33社に及ぶ。五嶋氏によれば、投資件数としてはシード、アーリーが多く、金額ではシリーズA、シリーズBが多いという。

**iSGSはパートナー3人が分業体制を取らず、案件の発掘から投資後の支援、売却まで一気通貫で、ひとりひとりが責任を持って全部やっています。ただし、その中で投資先の支援については、投資先の課題やフェーズにあわせて必要に応じて、3人それぞれの得意分野を持ち寄って、全員でサポートを行います。**

**投資判断についても、3人それぞれの視点や得意領域が違っていて、それがiSGSの個性であり強みなのですが、僕の場合はステージが若ければ若いほど、起業家の筋・事業の筋・ユーザーの熱量、の3点を重視し、レイターになればなるほど、IPO前提でどの程度リターンが期待できるか、を重視して投資します。**

**シード、アーリーを支援する投資家の中には、ピカピカの経歴で、プロダクトもできあがっていて、そのKPIも見えていて、チームもバッチリ、のような、整った起業家を支援したがる人もいますが、僕らは整った起業家を応援するというよりも、足りないものがあるからこそ、僕らが入って一緒にできることがあるし、足りないものを補うからこそ得られるリターンが大きい、と思っています。**

**また一般的に、VCはIPO時点やその後数ヶ月で保有株をほとんど売却するケースが多いですが、iSGSはパートナー陣が上場企業のIRにも携わっていた経験もあり、そして株価は毎日変わるものだから、きちんと株式市場との対話ができて、業績がついてくれば、株価は上がっていくはず、と考えているので、上場後もできれば株を保有し続けて、投資先企業のIRをサポートして、投資先と一緒に株価を高くしていきたいと考えています。**

**投資後のサポートについて、これもiSGSはパートナーそれぞれが、得意分野や手法が異なるのですが、僕について言えば、最初は、あるいは出資前から「可視化」にこだわったサポートを心掛けています。**

**会社経営も資金調達も採用も事業もビジョンも、すべて「数字」と「文章」による「可視化」にこだわって、なにをどう読むか?なにをどう伝えるか?を最初に議論していきます。例えば事業面では、KPIをみて数字による「可視化」をしないと、サービスの真の姿やお客様の真の姿を把握することができないし、それが正しく見えないと、なにも手が打てないはずですよね。**

**ビジョン・強み・課題・サービス・計画・起業家の想い、なにごとも「可視化」できなければ、社内も社外も、だれとも共有できません。まず起業家のアタマの中や事業の姿を「可視化」して「共有」することが、事業の成長にも、組織マネジメントにも、資金調達にも、人材獲得にも、最も重要だと考えています。**