FinTech革命と働き方革命の共存、「未来の金融」を東京から世界へ生み出す「FINOLAB」第二章へ

FinTechに特化したコミュニティ・スペース「FINOLAB」も、2016年の立ち上げから2017年2月より大手町ビルに移転、フロアも拡大し、新たなステージへと突入した。FINOLAB発起人の一人、電通 ビジネス・クリエーションセンター プランニングマネージャーの蓮村俊彰氏である。

新卒一括採用、年功序列、終身雇用といった日本ならではの雇用制度が崩れはじめ、組織や集団で働く力が求められた「組織の時代」から、インターネットやSNSの登場によって個が様々な制約から解放され、誰もが自分らしい働き方を模索する「個の時代」へと働き方を見直そうという機運が高まっている。硬直化した働き方では、イノベーションの創出はないということに気付きはじめているからだ。

働き方革命の元年とも言われた、2016年。それから1年経った今2017年は、働き方革命の第二章が始まろうとしている。最近では、経済産業省の若手官僚たちがまとめたレポート「不安な個人、立ちすくむ国家〜モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか〜」は、勢いよくSNSで拡散され、大きな話題になった。

時を同じくして、FinTechに特化したコミュニティ・スペース「FINOLAB」も、2016年の立ち上げから2017年2月より大手町ビルに移転、フロアも拡大し、新たなステージへと突入した。

世界有数の国際金融街、東京・大手町エリアの真ん中に、日本初のFinTechに特化した拠点FINOLABはある。金融集積地域、大手町ということもあって、許認可や法規制、業界慣習などインターネット系スタートアップに比べて敷居の高い悩みを抱えたFinTechスタートアップや大手金融機関の新規事業担当者がこぞって集まる。

落ち着いた雰囲気のスペースには、年齢も国籍も多種多様な人たちが行き交う。ネット系スタートアップが多い、渋谷とはすこし様相が変わるように感じられる。

入口の扉をはじめとして同施設内の扉の全てに、FINOLAB設立初期からの参画であり、独自の生体認証技術を用いた決済・認証サービス「Liquid」の指紋認証セキュリティシステムが導入されている。FINOLABはFinTechの実証の場として、積極的にメンバーのテクノロジーを採用している。

**FINOLABを立ち上げてからというもの、この1年で様々なメディアにFinTechが取り上げられ、マクロ環境でも大きな盛り上がりを見せました。結果として、設立当初の累計4倍以上の方々にFINOLABの会員になっていただくことができました。それにより手狭になったことや、より恒久的な施設として運営しようと、今年2月にリニューアルしました。**

そう語るのは、FINOLAB発起人の一人、電通 ビジネス・クリエーションセンター プランニングマネージャーの蓮村俊彰氏である。

設立1年目は、30~40代が多かったというが、今では10代〜50代Overまで幅広い年齢層のメンバーが入会しており、女性比率は蓮村氏体感で全体の3割を占める。また、海外のFinTechスタートアップも増えており、イギリスに本社を構えるP2P海外送金のTransferwiseや、韓国から生まれたモバイルセキュリティ企業NSHCらが入会している。

今年2月のリニューアルに伴い、床面積を2.4倍の650坪(銀行協会ビルの際は約275坪)にまで拡張し、企業会員向けプログラムを刷新した。現在、7社が会員となっている。入会しているスタートアップとともにプロジェクトを進めるだけではなく、新たな施策として、スタートアップとの連携を見据えた大手企業向けプロジェクトルームを設置。すでに、みずほフィナンシャルグープがラボを設置しており、 Bank API領域において、FINOLAB会員のスタートアップとのオープンイノベーションを推進している。

**FINOLABでは、あくまでも企業単位ではなく個人単位の会員制で、FINOLABの思想に共感していただき、価値観を共有できる方々に入会していただいています。大企業とスタートアップのコラボレーションは、もちろん困難は多々ありますが、みんながホストでありゲストとなる主客一体なコミュニティ作りをFINOLABでは目指しています。**(蓮村氏)

運営は、三菱地所、電通、電通国際情報サービスの3社が一つのチームとなって共同で行っている。3社はいずれもそれぞれが東証一部上場の大企業ながら、彼らのチームもまた社内ベンチャーであり、スタートアップなのだ。

**「FINOLABから、時価総額1000億円を超えるFinTechスタートアップを世界に生み出したい」**蓮村氏の熱い言葉の裏には、資本主義の根幹に挑むFinTechスタートアップに対する希望が込められている。

**これまで金融機関は、終身雇用意識が強く、一度入社すると自発的にその組織から離れて新たな挑戦をしようとする人は稀有な存在でした。それが経済合理的な最適解だったのだと思います。しかし、インターネットやテクノロジーが発展・普及し続けることで、大きな資産や資金を持っている人でなくても、初期投資を限りなく抑えた形で起業できる時代になりました。これからは資本や資産の集積による競争優位性を測る単位「企業」よりも、資本の集積以外の優位性を発揮する単位、「個人」や「個と個とネットワーク」がフィーチャーされる世界がやって来ると思います。この時代の流れは、りんごが木から落ちるのと同じくらい当たり前かつ普遍的に世界中で誰が望むでもなく勝手に進んでゆくものだと思います。その過渡期・普及期においては、時代の要請として、個と個のネットワークの時代の到来に必要なインフラなりテクノロジーを開発し提供できる企業は大きく躍進するのだと思います。GoogleやAmazonがそうだったように、です。FinTechはまさにその一つの領域であり、第4次産業革命の経済基盤を担うインフラ技術です。**

**これからFINOLABからユニコーン企業が誕生し、スティーブ・ジョブズやイーロン・マスクのようなカリスマ的な起業家によるサクセスストーリーが生まれたら、それは若手の起業も大手金融機関に勤める人たちの起業も後押しできる新しい”大きな物語”の誕生かもしれません。FINOLABは日本のFinTechスタートアップシーンで、起業家を増やすための起爆剤になりたいと思っています。**(蓮村氏)

多種多様な人々と彼らの働き方を融合し、未来の金融に向けてオープンイノベーションを加速させるFINOLAB。FINOLAB出身のFinTechスタートアップが、世界を驚かせるような金融デジタル革命を起こして、FINOLABの名が世界に広まる日もそう遠くはないだろう。

* The FinTech Center of Tokyo, FINOLAB
* http://finolab.jp
* 東京メトロ丸ノ内線、千代田線、半蔵門線、東西線、都営三田線「大手町駅」直結。
* 〒100-0004 東京都千代田区大手町一丁目6番1号 大手町ビル4階