CONCORE’S代表 中島氏「レガシーな建設業界だからこそ、インターネットの力で変革したい」建設 x ITに挑む、20代スタートアップがプライマルキャピタルから1,500万円を資金調達

CONCORE’Sは、プライマルキャピタル2号投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資を実施し、総額1,500万円の資金調達を実施したことを発表。今回、Pedia Newsでは、CONCORE’S 代表取締役CEO 中島貴春氏とプライマルキャピタル 佐々木浩史氏にインタビューを実施し、今後の展望について伺った。

情報通信市場は、AI(人工知能)・IoT(モノのインターネット化)など多種多様な技術革新とともに様々な産業構造の変化が起きている。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、建設業界の活況がある中、供給側の建設業では、生産力確保の取り組みとして、作業の効率化や新時代の建設システムの導入を検討するなど入念な準備を始めている。レガシーな建設業界は、2020年の高まる需要の備えと共に、次世代の建設業界に備えるべく、今まさにイノベーションの足音が静かに聞こえる。この建設業界へ新たに挑戦するスタートアップこそ「CONCORE’S(コンコアーズ)」だ。

CONCORE’Sは、本日(12月5日)、プライマルキャピタル2号投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資を実施し、総額1,500万円の資金調達を実施したことを発表。

今回、Pedia Newsでは、CONCORE’S 代表取締役CEO 中島貴春氏とプライマルキャピタル 佐々木浩史氏にインタビューを実施し、今後の展望について伺った。

国土交通省は、企業間取引の効率化・高度化の促進及び取引の適正化・透明化の確保による法令遵守の促進を図るため、建設業におけるEDI(Electrical Data Interchange)の普及促進を進めている。つまり、建設業におけるITの活用を促進するために、標準化や関係法令の改正などの環境整備を進めている。

一度は、街中で建設工事現場を見たこともある人が多いだろう。建設工事といえば、公共・民間を問わず、生産過程において大量の写真を撮影する。彼らにとって、工事写真は、施工状況を記録する唯一の証拠だ。日々の業務はもちろん、関係者同士のコミュニケーションにおいても、この写真が頻繁に活用される。その一方で、通常、工事写真は、デジタルデータではなく、アナログデータとして保管される。そのため、写真の撮影・整理は非常に煩雑な作業となり、管理することに多くのコストをかけているのが現状だ。

そこで、誕生したのが、建築生産者のための写真共有アプリ「Photoruction」だ。「Photoruction」では、工事写真に関する業務の効率化及び建築の品質向上を支援する。実際、すでに建設現場でベータテストが行われており、大手ゼネコンから地域特化の工務店まで幅広く活用されているという。

**建設業界は、今後、人手不足による生産力の低下が懸念されています。僕らはそれをなんとかしたい。これまで建設業界では、ノウハウの塊である工事写真が正しい形で蓄積されておらず、データ分析をしたくてもできないというのが現状です。もともと僕らは建設業界出身ですから、実際の業務はもちろん、業界が抱える課題も痛いほどわかります。だからこそ僕自身が前職の業務の中で「こんなのがあったらいいな」というアイデアを元に、「Photoruction」を開発しました。実際に「Photoruction」のベータ版をいくつかの企業に導入していただいていますが、想定よりも高評価を得ています。実際にご利用いただいた企業から「こんなのが欲しかった」「こういうのを待っていたんだ」という声を数多くいただいております。**(CONCORE’S 代表取締役CEO 中島貴春氏)

そう語る中島氏は、芝浦工業大学大学院建設工学修士課程を修了後、竹中工務店に入社。竹中工務店では、大規模建築の設計および現場監督を経験した後、建設現場で使うシステムの企画・開発及び3次元CAD推進を行ってきた。また、中島氏によれば、インターネット好きな母親の影響を受け、小学生の時からブラウザゲームやホームページを自作するなど、インターネットに強い関心をもっていたという。

**大学の時から建築 x ITで何かやりたいと考えていました。実際に建設業界の中の人たちと付き合ってみると、みなさんITリテラシーが高いんです。ただ、中のシステムが追いついていないんです。だからこそ、ITの力でレガシーな建設業界を変えていきたいと思いました。**

**もともと「Photoruction」は去年8月頃から趣味ではじめたプロダクトでしたが、B2Bサービスなので、いつかは法人化したいと考えていました。佐々木さんとは、去年(2015年)12月、「G’s ACADEMY(ジーズアカデミー)」のデモデイでお会いしました(※ 中島氏はデジタルハリウッドが運営するプログラミングスクールG’s ACADEMYの一期生)。その時に、いろんな方々とお話したのですが、一番、建設 x ITをやりたいという想いを共有できたのが佐々木さんでした。佐々木さんに、会社の作り方から教えていただいて、今年3月に起業しました。いまメンバーは3人なのですが、共同創業者の共同創業者の藤田は、前職で一緒に働いたことがあって、建設業のこともITのこともわかる人物で、もう一人は、僕の大学の同級生で同じ建築学科だったのですがIT系の会社に新卒入社した人物なんです。また、社外アドバイザーとして、芝浦工業大学の志手一哉准教授にも参画いただいています。僕らは、建築業界出身者だからこそ、業界の中に入り込めることができるし、社外アドバイザーの志手准教授の知識とネットワークでそれをさらに深めることができます。**(CONCORE’S 代表取締役CEO 中島貴春氏)

レガシーな建設業界だからこそ、インターネットの力で変革したいーーー中島氏自らの原体験が、その想いを強固なものとし、起業を決断させたのだろう。

中島氏らのCONCORE’Sは、プライマルキャピタル2号投資事業有限責任組合より総額1,500万円の資金調達を実施。今回の出資の決め手について、プライマルキャピタル 佐々木氏は**「ファウンダー・マーケット・フィット、これに尽きる」**と力強く語った。

**アメリカのスタートアップシーンを見ると、C向けサービスが全体の20〜30%で、残りの70〜80%をB向けサービスが占めます。日本国内で、スタートアップと言った時には、C向けサービスは学生や20代の起業家、B向けサービスは業界経験を積んだ30代〜40代の起業家とイメージする方も多いと思います。ただ、B2Bスタートアップの場合には、業界経験だけではなく、インターネットサービスに対する過去の接触頻度も重要だと思います。**

**中島さんは、ソフトウェア、ITが子供の頃から一貫して好きで、建築業界に精通し、その業務を通じて学んだ実体験をもとに、「事業をやりたい」熱量が高いタイミングで起業しています。これは、日本のスタートアップにおいては非常に稀なケースだと思います。彼は、建物が建っていくプロセスを知っています。初見の印象は、「現代を、未来にアジャストするにはデータが必要。それに向けて因数分解した結果、一番最初に取り組むべき課題が工事写真」で、キャリアも含めてやりきる力と責任感があると思いました。僕としては、ソフトウェアやハードウェアを通じて世の中の人たちにすべからく使ってもらえるようになるものか、衣食住といった日常生活に密接な産業で大きな業務改善を生むものを、投資支援していきたいと思っています。今後、中島さんたちが、プロダクトとビジネスが綺麗な両輪を描いていくことを期待しています。**(プライマルキャピタル 佐々木浩史氏)

今回の資金調達により、CONCORE’Sは、建築生産者のための写真共有アプリ「Photoruction」の本格展開に向けた開発体制の強化を進める考えだ、3次元CADとの連携やIoT・機械学習などを活用することで、写真に関連する業務以外も支援可能な建設生産プラットフォームの構築にも取り組む予定。

最後に、今後の展望について、中島氏は、まっすぐな眼差しで次のように熱く語ってくれた。

**建設業界は他産業に比べIT化が遅れていると言われています。それが、ボタン一つで、すべてのことができるようになったら、きっとそのインパクトは非常に大きいと思います。この1年、開発とテスト運用を実施してきました。来年1年は、トラクションを広めていくことに専念していきたいと思います。建設業者のみなさんの役に立ち、便利で簡単に使ってもらえるようなサービスにしていきたいです。将来的には、写真以外にも、図面、工程表、見積書など、他の情報も取り扱い、建築生産のプラットフォームを作っていきたいと思います。**(CONCORE’S 代表取締役CEO 中島貴春氏) 

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