AIが助ける、ヒトの仕事 レトリバ河原社長が語る、AIによる仕事とヒトによる仕事

レトリバは、2016年11月にPreferrerd Infrastructureの製品事業部がスピンアウトしてできた、AI技術の自然言語処理に特化した会社。今年3月には東京大学エッジキャピタル(UTEC)から資金調達を実施、また5月にはシーエーシーと金融機関向けの自然言語処理に関するソリューション開発の協業、朝日新聞社と自然言語処理に関する共同研究を発表している。

2000年代から現代に至るまで、第三次人工知能(AI)ブームがまさに進行中である。その背景には、膨大なビッグデータの収集、センサーや通信モジュールの小型化・低コスト化などがあり、これらの情報の蓄積により、機械学習や自然言語処理の技術が急速に発展し、今後AIの活用がさらなる広がりを見せることが期待されている。

いま人工知能は、実用段階のフェーズに入っている。AIの活用事例として新たに広まっているのが、カスタマーサポート分野での利用である。カスタマーサポートというと、対人コミュニケーション能力が必ず問われるが、AIによって実務的な効果はどの程度あるのだろうか。

人工知能開発が様々な分野で急速に進んでいるが、もちろん今すぐ、人工知能が人間の知能にとってかわるわけではない。あくまでも、過去に経験したことのある特定の分野であれば、大量のデータから学習し、解析と検証を進め、成長できる。

現在、人工知能が得意としているものの一つに「自然言語処理」がある。ある場面において、過去のデータをもとに、簡単な質疑応答をすることが可能だ。その活用事例として最たるものが「コールセンターでのAI導入」である。

レトリバは、2016年11月にPreferrerd Infrastructureの製品事業部がスピンアウトしてできた、AI技術の自然言語処理に特化した会社。同社では、最先端のAI技術を活用し、コールセンターのオペレーターの回答を支援する「Answer Finder」と、コールセンターのデータ分析を支援する「VoC Analyzer」という人の業務を支援することに特化したAIサービスを提供する。

検索がコモンディティ化する中、もともとの強みでもあった自然言語処理を活かして、技術の強みが出る市場かつニーズの高い市場で事業を展開したいと思いました。そこでたどり着いたのがコールセンターにおけるAI活用でした。コールセンターは人と人とのコミュニケーションです。

僕らは何も人の仕事を奪うためにAIを活用しているわけではありません。今のAIは市場から期待されるほど何でもできるレベルには到達しておらず、論理的な整合性を取ったりすることができなくて全ての会話をAIで置き換えることはできません。

コールセンターはコストセンターとも言われ、コストカットが叫ばれている部署でもあり、できるだけ顧客との応対を効率化しようとする動きも見受けられます。しかし、これまで属人的に行われていた部分の情報を整備し、AI技術を活用して簡単な質疑応答ができるようになれば、より対人コミュニケーションに集中できるようになると考えています。それが強いては、顧客満足度の向上や課題解決への注力、開発の手がかりにも繋がると思います。とりあえずな回答ではなくより良い情報を集めたい、だから僕らはあえてチャットボット事業を手がけていないんです。(レトリバ 代表取締役 河原一哉氏、以下 河原氏)

今年3月には東京大学エッジキャピタル(UTEC)から資金調達を実施、また5月にはシーエーシーと金融機関向けの自然言語処理に関するソリューション開発の協業、朝日新聞社と自然言語処理に関する共同研究を発表している。

以前、Preferrerd Infrastructureが東京大学の産学連携プラザ内に入居していたこともあり、UTECさんは僕らの技術について理解がある方々でしたし、技術要素のビジネス化を進める上で一番ベストなパートナーだと感じて投資していただくに至りました。AIは、まだアカデミアの中では新しい分野ではありますが、非常にアカデミックで難易度も高いAIの技術要素と、データ資源という非常に泥臭い部分が組み合わさっていてビジネス化する上で非常に面白い分野だと思います。(河原氏)