日本酒ベンチャーClearが7,500万円の資金調達 !その裏側に迫ります

生駒龍史

株式会社Clearは、日本酒をもっと知りたくなるWEBメディア「SAKETIMES」、131カ国で読まれる英語版の「SAKETIMES International」を運営する日本酒に特化したベンチャー企業だ。

2018年7月に、オリジナル日本酒の開発・販売を行うECサービス「SAKE100(サケハンドレッド)」をリリース。

『100年誇れる1本を。』をテーマに、高付加価値の日本酒を販売し、日本酒における高価格帯市場の形成を目指します。

今回は、株式会社Clearの生駒さんに、資金調達においてどのような点に気を使ったのか、実体験に基づいた重要なポイントについて余すとこなく共有していただきました。

特にシード期、シリーズAのベンチャー企業を経営している方は必見の内容となっています。

レガシーな業界こそチャンスがある|日本酒メディア「SAKETIMES」立ち上げまで|

生駒龍史

生駒龍史
株式会社Clear 代表取締役社長
日本酒をもっと知りたくなるWEBメディア「SAKETIMES」、131カ国で読まれる英語版の「SAKETIMES International」を運営。2018年6月に老舗酒屋有限会社川勇商店のM&Aを実施し、酒販免許を獲得。同年7月に、プレミアム日本酒ブランド「SAKE100」をリリース。「未来視点のサービスでSAKEの市場と文化を発展させる」をミッションに、一貫して日本酒の魅力を世界に伝えるための活動を行なっている。

ーー日本最大規模の日本酒メディア「SAKETIMES」を運営されていますが、そもそも日本酒というニッチな領域でなぜ事業を始めたのか。その背景について教えてください。

単純に日本酒が好きだからです。熊本県酒造研究所という酒蔵の「香露(こうろ)」という酒に出会って日本酒の魅力に気付きました。

しかし、ビールやワインに負けないポテンシャルがあるのに周りに飲んでる人が少なくて、日本酒の魅力が伝わっていないと強く感じました。

その時に「日本酒の魅力をもっと広めていきたい」と思ったことが、事業をはじめたきっかけです。

それから日本酒市場について調べてみると、産業的に過渡期にあって、パック酒のような安い酒の需要は減っていく一方、高くて美味しいお酒の需要が伸びていることに気がつきました。

古いレガシーな業界こそ、スタートアップとして参入するのはチャンスだと思い、挑戦してみようと思ったことが背景にあります。

26歳の時に思い余って起業して、これまで日本酒のサブスクリプションコマースや日本酒ダイニングバーをやってました。それからは、もっと日本酒の魅力を情報として届け、日本酒を愛飲する人を増やしたいと思い「SAKETIMES」を開設したという流れになります。

このメディアは今年で5年目になるのですが、日本酒に関するコンテンツだけでひと記事に4000いいねがつく程、多くの熱狂的なファンを獲得しています。

今回の資金調達では、熱量の高いコミュニティーを持っていたことが評価につながったと実感しています。

日本酒の魅力を世界に伝えたい〜目指すは世界一の日本酒企業〜

生駒龍史

ーーー先ほど日本酒の市場は過渡期にあるとお話がありましたが、もう少し詳しくお願いします。 

日本酒は小売市場でいうと、大体6100億円くらいあります。市販用の麺類市場ではラーメンが約5000億円なので意外と大きなマーケットなんです。

参考:https://www.ryutsuu.biz/topix/k051721.html

ただ、全体としては下降傾向にあって、パック酒などの安い酒を飲まなくなってきていることが背景としてあります。

ーーー市場が下降傾向にあるとファイナンスにおいては不利なように思いますが、どのように交渉を進めたのでしょうか。

市場がアップトレンドなのかダウントレンドなのかは、ファイナンスにおいて確実に聞かれるポイントです。

投資家からすると、アップトレンドであればほっといても成長していくので出資しやすいと思いますが、ダウントレンドの市場で「起業するから出資してくれ」と言っても聞く耳を持ってくれません。

なぜダウントレンドにわざわざ参入するのか、その理由を明確に説明してあげることが重要です。

例えば僕らの場合だと、『日本酒全体の市場は下がっていますが、「特定名称酒」と言われる高付加価値の日本酒の市場は伸びていて、海外の需要も増加傾向にあるんですよ!』というように、市場全体では下降傾向にあっても、一部のカテゴリは伸びているという自分たちしか知らない情報をまず教えてあげる。投資家にとって学びのポイントを作ってあげることで聞く耳を持ってもらえます。

また、この市場の変化にメーカーが対応できていないという現状があります。日本酒の中でハイクラスの「純米大吟醸」でも、5000円以内で買えてしまうんですよ。

ワインだと一本あたり何十万円するものもありますよね。ワインの場合は幅もあるし高さもあるから市場規模が大きいんです。

だけど日本酒は幅があっても高さがない、だから市場規模に広がりを見いだせていない。

今年7月にローンチした「SAKE100」では、新たな高価格市場を作ることで、ハイエンドの部分を引き上げていきたいと思っています。

ーーー「SAKE100」とはどのような事業なのでしょうか?

一言でいえば、「日本酒のD2Cコマース」です。『100年誇れる1本を。』をテーマに、日本酒のブランドを作るためにはじめました。「SAKE100」で提供するお酒は全てが高単価ですが、その分唯一無二の価値をもった上質な酒を提供します。

SAKE100のイメージ

世界観的には、ボルドーといえば赤ワインの聖地だよね。ラルフローレンといえばアメリカンとトラディショナルブランドだよね。「SAKE100」といえば「至高の日本酒を提供する酒のブランド」と一般的に認識されるところまで持っていくことを目標としています。

ーーファイナンスにおいて、事業計画書はやはり重要なのでしょうか?

もちろん重要です。妥当な計画なのか、実現性があるかどうかは見られます。ただ、それよりも、視座が高いか、信頼できる経営者なのかをシード期には最も見られます。

以前、正田さんが「70点を取りに行く起業家と100点を取りに行く起業家がいたら、どちらに投資したいか」というお話をされていました。

資金調達の成否は、たとえ赤字で利益が出ていなかったとしても、しっかり高いところを狙っていることを明確に説明できるかにかかっていると思います。

特に1億以内の資金調達をする場合、事業計画書よりも「この人は本当に諦めないか」「信用できるか」「高い視座を持っているか」といったところを見られているように感じました。

なので、資料を作る際には「いかに高いところを目指しているか」を示すようにするべきだと思います。

もちろん嘘はいけませんよ笑。嘘ついたところで伸びないので。

あと、事業のアウトラインを一言で説明できるようにしておくことも大切です。長々と話しても聞いてくれないですからね。

例えば「日本酒のD2Cコマース」というように、投資家のわかる文脈で一言でいえるようにする。

D2Cといったトレンドのワードを入れることも1つあると思いますが、別の成功している事業に当てはめて紹介できると、投資家の理解度が早くなると思います。

資金調達におけるポイント

ーーーそれではここから具体的にどのようなことに気を使ったのかについて聞いていきたいと思います。

ベンチャーの資金調達には大きく分けて借入れと増資がありますが、今回集まっていただいた皆さんは主に増資に興味があると思うので、そちらにフォーカスしてお話していきたいと思います。

僕が今回資金調達をするうえで、以下のようなことに気を使いました。

  • 調達額 調達下限 調達上限
  • バリエーション 希薄化
  • 法人or個人
  • 投資実績
  • スケジュール
  • フォロー体制
  • 投資家人数
  • 投資契約書
  • 交流コスト

ーーーなぜ調達額を決めておくことは重要なのでしょうか。

当たり前ですが、これからやりたい事業にいくら必要なのかはっきりさせておくことが大切です。

特にシード期の企業ではリリースまでのお金がいくら必要になるのか、見積もりをしっかりしましょう。

「できるだけたくさん欲しいです!」みたいなことをいうと、投資家からすれば、「この人計画立てられない人なんだな、」って思いますよね笑

計画も立てられない人が事業を成長させることなんてできないと考えるのが普通なので、最低限、いくら必要なのかは説明できるようにしておきましょう。

生駒龍史

ーーー調達下限と上限は事前に決めておくべきでしょうか。

事前に決めておくべきです。目標金額を設定することも大切ですが、目標まで届かなくても最低限これだけは必要といったミニマムの目標を設定することも大切です。

例えば、5000万円を調達目標にしていて、3000万円まではすぐに集まったとしましょう。しかし、残りの2000万円がどうしても集まらない。

このまま2ヶ月、3ヶ月とだらだら続けていてもチームの士気が下がってきてしまいます。

また、経営者の本来の仕事は、ファイナンスではなく事業を伸ばすことです。ファイナンスにマインドセットを奪われてしまうと会社としての損失が大きくなってしまいます。

この時に最低でいくら必要なのか、考えておくことが重要になってきます。最低5000万円ないと事業がスタートできない、グロースできないというのであれば、無理してでもファイナンスを続ける選択肢もあるかもしれません。

しかし、最低3000万円で事業がスタートできるのであれば、やめるべきです。

だらだらファイナンス、ダメ。ゼッタイ。なので笑 

ファイナンスはいかに短期間で終わらせるかが重要です。

また、調達上限を設定しておくことも大切です。目標金額よりも多く集められるとなった時、際限なく調達することは絶対にやってはいけません。

僕たちは今回、1億円以上の調達も可能でした。しかし、それでは調達しすぎになってしまいます。

例えば、1億円の企業価値のある会社に1億円の出資をしてしまうと、2億円の価値がつくことになりますよね。

そうなると、次回調達では2億円以上の価値になっている必要があります。事業が着実に伸びていればいいですが、実際の企業価値に見合った金額になっていないと、次回のファイナンスで不利になることになります。

あと、1億円の会社に1億円の出資を受けてしまうと議決権的にもよくないですよね。少し上振れることについては問題ないと思いますが、やはり際限なく資金を集めることは絶対にやめましょう。

なので、最大でいくらまでなら出資を受けるのか上限を決めておくようにしましょう。

金額の目安ですが、10-15%を放出すると考えておけいいのではないでしょうか。

企業価値について詳しく知りたい方はこちら「企業価値を向上させよう!メリットや方法・コンサルの選び方を解説」の記事を参考にしてください。

ーーー少し多めに見積もって資金調達した方がいいのでしょうか?

これはバランスが重要です。先ほどの話でもありましが、集めすぎてしまうと企業価値が上がりすぎてしまい、自分の持ち株が希薄化してしまいます。

結果が出ていないのに調達しすぎると、企業価値が上がりすぎてしまうので、次回のファイナンスが難しくなるとか、ダイリューションしてしまうといった自体を招くことになりかねません。そうすると経営権が他人に移ってしまうことになるので、資金調達の金額についてはバランスが重要です。

今回僕たちは、当初目標より多く集めておくことにしました。

特に2Cの事業に関しては、マーケティングコストがどのくらいかかるのか不透明なところが多く、高単価の日本酒についても前例がなかったのでそうしました。

ーーー資金調達にはどのくらいの期間を要するのでしょうか? 

VCの方と名刺交換してから着金まで、6ヶ月くらい見た方がいいと思います。

企業の方針によっても違いますが、担当者・決済者・投資委員会とプレゼンを進めていくことになるので、そのぐらいはかかりますね。

大体半年以内を1つの目処にして、できるだけ早く終わらせることを意識した方がいいかと思います。

先ほどの話にもありましたが、いくらまでなら調達できるのか、最低いくらでクロージングしてもいいのか、事前に決めておくようにしましょう。

株は会社の命|調達しすぎには注意が必要|

生駒龍史

ーーーバリュエーションが高いことは経営者にとって有利なのでしょうか。

例えば、今あなたの会社が9000万円の価値があるとします。投資家から1000万円出資してもらえたとすると合計で1億円。投資家が10%の株を持つことになりますよね。これがいわゆるエクイティファイナンスです。

これがもし、企業価値が4000万円だとすると、同じ金額でも渡す株は多くなりますよね。この場合、投資家は20%の株を持つことになります。

もし株を希薄化させたくないのであれば、企業価値が高い方が良いのです。株主側としては企業価値を高めたいと思うのが一般的です。

しかし、投資家からすると全くの逆。同じ1000万円出すんだったら、たくさん株をもらいたいですよね。その方が上場したりM&Aしたときの売却益がたくさん入ってきます。

この点においては、経営者と投資家で意見がすれ違ってしまいます。

この時にバリュエーションが大切になってきます。大体10%~15%を1つの目安にしたらいいと思います。

最近のバリュエーションの傾向としては、正味価値より若干高くつきやすいようです。

経営者にとって有利にも思えますが、企業価値が高くつきすぎると投資家が出資を渋る可能性もあります。

なのでバランスが重要です。わからないことも多いと思うので、疑問に思うことがあれば先輩経営者に聞くなどの判断軸があった方がいいかなと思います。

バリュエーションについて詳しくはこちら「バリュエーションとは?その種類や方法、M&Aで使う企業価値の算出手法を徹底解説!」の記事を参考にしてください。

ーーーファイナンスをしすぎるとなぜよくないのでしょうか。

たまに聞く話ですけど、悪い投資家もいて、いっぱい出すよと言われてあっという間に株式全体の50%を取られてしまうこともあるかもしれません。

経営者の心理としては、3億円調達できたら「プレスリリースがうてる!」とか、「従業員の給料あげられる」とか考えてしまうんですよね。

だけど、株は本当に会社の命なので、株を失うほど会社が自分のものではなくなってしまいます。

僕の知っている人にもファイナンスをしすぎた結果、希薄化して自分の会社をクビになってしまった人がいます。

先ほどの調達上限の話にもつながりますが、ファイナンスのしすぎには気をつけるようにしましょう。

希薄化についてはこちら「ダイリューションとは?ベンチャー企業における希薄化の目安も解説」の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

投資を受けるなら法人か個人どちらがいいのか? 

生駒龍史

ーーー法人と個人ではどのような違いがあるのでしょうか 

ここは重要なポイントです。はじめに法人と個人のメリット・デメリットについて触れておきたいと思います。

法人のメリットは大きな金額を出してくれることですね。なかなか個人だと1億、2億という金額は出せないので。また、法人の場合、仕事でやっているので出資した会社を成功させるためにコミットをしてくれます。そのため、しっかりハンズオンしてくれることもメリットです。

今回の場合だと、KVP(KLab Venture Partners)はD2Cコマースへの出資経験があり、的確なアドバイスをしてくれるので大変助かっています。

経営者の中には、ハンズオンは不要だという方もいるかもしれませんが、尊敬しあえるいい距離感でアドバイスをもらえる点はいいかなと思います。

デメリットとしては、投資資金を預かっているので、リターンを返す責任があります。事業がうまくいかなかった場合に、イグジットのバイアスがかけられることは覚悟しておいたほうがいいかと思います。

僕がVCを何社か回った実感として、面談の時点で高圧的なタイプの人もいましたね。笑VCの中にもいろんなタイプ人がいるので、一緒に事業をやっていきたいと思える人を見つけるべきだと思います。

個人投資家のメリットは意思決定のスピードが早いことですね。今回の資金調達でいうと、15分のプレゼンテーションをし終わった後、すぐ出しますと言ってくれた方もいました。本当にありがたいことです。

もちろん、早ければいいというわけではありませんが、事業の成長にコミットするのが僕らの仕事なので、早いことに損はないですよね。

もう1つのメリットは、いい意味でところですね。個人投資家の人は自分で事業をされていた方が多いので、経営者は自由にやらせたほうがいいと思っている人が大半です。

なので、「困った時は相談してね」というスタンスの人が多いと思います。個人で投資家をされている方の多くは1社だけでなく何十社も出資をしていて忙しい方も多いので。

誰からも干渉されず、自由に事業をやりたいという方は個人投資家から出資を受けたほうがいいと思います。

一方で僕らみたいに、「適度にアドバイスが欲しい」「第三者の目線でガバナンスを効かせたい」と思う場合は、VCなどの法人から出資を受けるのもいいかと思います。

ーー今回の資金調達ではVCを1社にされていますがどのような意図があるのでしょうか?

シード期の弊社に限った話で言うと、VCばかりになってしまうと、それぞれ別の意見を言ってきて混乱してしまうこともあるかと思うので、信頼できるVC1社に絞るのがいいかと思います。

VCはファンドを組んだ時にリターンの期限があるので、それぞれ都合が違います。あるVCは「5年くらいかけてやりましょう」と言ってくれても、他のVCが「あと2年くらいで期限が切れるので上がってもらわないと困るんだ」ということになると、どうしても混乱してしまいますよね。

2億、3億といったスケールで出資を受けたい場合は、複数社のVCについてもらうのもありかと思いますが、僕らのように1億円未満の場合はVC1社にすることをお勧めします。また、VCの償還期限は事前に聞いておくようにしましょう。

あと、VCを選ぶときのコツとして、投資実績が豊富で、自分達がやろうとしていることと近い事業への投資経験のあるところを選ぶべきです。トラブルが起きた時には冷静に対処してくれますし、その事業についての知見が溜まっているので、いいアドバイスがもらえると思います。

ーーーVCを選ぶ際にはどのような点を重視したのでしょうか。

出資してくれた場合に、どのくらい壁打ちや相談に乗ってくれるのか確認するようにしましょう。

有名な投資家から出資を受けても忙しすぎて相談に乗ってくれないこともよくあるので。月に一回は事業の進捗を見てアドバイスをもらえると理想ですね。

僕らに出資してくれたKVP(KLab Venture Partners)とは、まだ立ち上げの段階なので、週に1回ミーティングをしています。これから事業を伸ばすための戦略について、真摯に相談に乗ってくれています。

ーーー出資は何人から受けたらいいのでしょうか?

投資家の人数を増やしたいのかどうかがポイントになってくると思います。

仮に4億の企業価値があったとしてVC1社から1億円の出資を受けたとします。そうするとこのVCは20%の株を持つことになりますよね。1社に絞るメリットとしては管理コストが減るということが挙げられます。

しかし、相性が悪く、毎回経営方針が対立してしまうようなことになれば最悪です。なので、相手を信頼していて、シナジー効果を期待できるならば1社に絞るのもいいかと思います。

もう1つのパターンが500万円を20人から集めるパターンもあります。この場合だと、何か重要な意思決定をする場合、自分の意見が通りやすくなります。

しかし、管理コストがかかります。次回の資金調達の際には、株主の合意を得る必要があるので、20人から意見をもらうとなると大変ですよね。

なので何パーセントまで株を放出するのか、何人から出資を受けるのかはあらかじめ決めておいた方がいいと思います。

ーーー投資契約書はどのような点に注意すればいいでしょうか? 

投資契約書は事前に見せてもらうようにしましょう。

出資の契約が成立した後に契約書を見たら理不尽な内容だったということも少なからずあります。

一番最悪なパターンが、複数人からの出資を断って1社に決めた後に、投資契約書を見たら到底受け入れられるような内容ではなかった場合。他も全部断ってしまっているので後に引けませんよね。そうならないためにも投資契約書は事前に見せてもらった方がいいです。

あとは投資契約書の内容がわからないというケースも考えられます。

シリコンバレーの経営者だと会社側から提案するケースもあるみたいですが、日本の経営者はノウハウがないことが多いと思います。

内容が理解できないという場合には、スタートアップ系の投資契約書に詳しい、弁護士を探して見てもらうようにしましょう。できれば先輩経営者にも見てもらえるといいですね。経営者目線のアドバイスがもらえるので。

まとめると、あとがない状況を作らないように、不義理をしない程度に同時並行で平行でいろんな投資家と話を進めることがポイントですね。あと、投資契約書も見るのに時間がかかるので、早めに見せてもらうようにしておきましょう。

生駒龍史

ーーー最後に一言お願いします。

今回の資金調達を通して、ニッチな事業の方が投資家の受けがいいと感じました。

もちろん、フィンテックやブロックチェーンといった大きなトレンドに乗ることもファイナンスにおいて重要な要素にはなります。

しかし、半端なゼネラリストよりもスペシャリストが伸びていく時代において、トレンドに乗っていなくても、他の人が参入しにくい産業でアドバンテージを持っておくことは、資金調達においてポイントになってくるのと思います。

また、資金調達しやすい環境が整ってきていると思います。しかし、情報が多すぎて、自分にあった情報を見つけるのが難しい。先輩経営者にアドバイスをもらうなどして、資金調達を進めていってください。

ーーーありがとうございました。