資金調達は攻略できる。連続起業家が明かす、事業開始1年半のエクイティ・ストーリー【#生事業計画書】

箕輪厚介 正田圭

メディアやSNSを賑わせる、資金調達のニュース。何千万円、何億円の調達に成功した企業のリリースを頻繁に目にする機会が増えています。同様に、あちこちでファンドが組成される様子も見かけるようになりました。

第4次ベンチャーブームと叫ばれるようになった昨今、ベンチャー企業の資金調達環境が良くなっている話もちらほらと耳にします。起業の選択肢が珍しくなくなった今、ベンチャー企業への出資のハードルがぐんぐんと下がっていることの表れでしょう。

ところが、数々のニュースの裏側で、資金繰りに悩む企業があとを絶たないのもまた事実。決して表には出ないだけで、大型資金調達成功の裏側には、苦渋を味わう企業の姿だってあるのです。

そこで今回は、資金調達におけるプロセス、ノウハウを公開する本イベント「資金調達は攻略できる。連続起業家が明かす、事業開始1年半のエクイティ・ストーリー」を開催。モデレーターとして箕輪厚介氏をお招きして、直近で2.5億円の資金調達に成功したTIGALA代表・正田に資金調達の裏側を丸ごと語ってもらいました。

今後、資金調達を検討している方や、現状の資金調達市場に対して興味をお持ちの方は、必見の内容です。今回は、開催されたばかりのイベントをレポートしていきます。ぜひ、お時間のある際にゆっくりとご覧ください。

起業家やVCとのつながりを制するものは、資金調達をも制する

箕輪厚介 正田圭
TIGALA株式会社   CEO 正田 圭(まさだ・けい)
15歳で起業。インターネット事業を売却後、M&Aサービスを展開。事業再生の計画策定や企業価値評価業務に従事。2011年にTIGALA株式会社を設⽴し代表取締役に就任。テクノロジーを用いてストラクチャードファイナンスや企業グループ内再編等の投資銀⾏サービスを提供することを目的とする。2017年12月より、スタートアップメディア「pedia」を運営。 著書に『サクッと起業してサクッと売却する』『ファイナンスこそが最強の意思決定術である。』『ビジネスの世界で戦うのならファイナンスから始めなさい。』『15歳で起業したぼくが社⻑になって学んだこと』(いずれもCCCメディアハウス刊)、『この時代に投資家になるということ』(2018年6月発売・星海社新書)がある。

正田:今日はよろしくお願いします。僕は17年前、15歳のときに初めて起業しました。これまでには6回の売却に成功しています。僕自身、これまではずっと自己資金で会社を運営していました。ただ、今回初めての資金調達を経験して、結果として2.5億円調達できました。ただ、資金調達のノウハウって、意外と知らない人が多いような気がするんですよね。そこで今回は、僕が資金調達を行なった際の話をお届けしたいと思います。

箕輪厚介 正田圭

株式会社幻冬舎  編集者 箕輪 厚介(みのわ・こうすけ)
2010年双葉社入社、ファッション雑誌の広告営業として四年間、タイアップや商品開発、イベント企画運営、『ネオヒルズジャパン』与沢翼 創刊。2014年から編集部に異動し『たった一人の熱狂』見城徹/『逆転の仕事論』堀江貴文 2015年幻冬舎に入社。 東洋経済オンライン、アドタイでコラム。オンラインサロン運営、堀江貴文大学校で特任教授など。「多動力」堀江貴文・「ネオヒルズジャパン」与沢翼・「悪意とこだわりの演出術」藤井健太郎でアマゾン総合ランキング1位を獲得。 他に「日本3.0」佐々木紀彦、「空気を読んではいけない」青木真也、「まだ東京で消耗してるの?」イケダハヤト、「新企画」鈴木おさむ等。堀江サロン教授、渋谷のラジオ、ニューズピックスブック創刊。2017年に合同会社波の上商店を設立。2018年1月に設立する株式会社CAMPFIREと株式会社幻冬舎の共同出資会社、株式会社エクソダス取締役就任。

箕輪:よろしくお願いします。資金調達の話っておもしろいですよね。僕は、幻冬舎の編集者として『お金2.0』や『多動力』を作っています。今回のイベントに沿った面としては、合同会社をやっていて、株式会社にしようかなと……そういえば、正田さんから「株式会社にしたら?」って言われてから、早1年経ちますね。

ーーそれでは、資金調達の話に移りましょうか。はじめに、そもそもどうして資金調達を行なったのかから、伺っていきましょう。

箕輪:僕にとっては、正田さんってお金くれるいい人ってイメージなんですけれど(笑)。でも、正田さんはお金の天才だから打ち手が素晴らしいと思っています。僕が昔、自分の価値をわかっていなくて「月5万円でコンサルします」とSNSで投稿したら「30万円出します」って価格を上げて出してくれたんですよね。その出来事を皮切りに関係を作っている気がします。いろいろな人との関係構築もうまいし、オンラインサロンもすごいし、ベンチャー界隈のメジャーシーンに出てきていて。

正田:計算して行動しているんです。そもそも、どうして資金調達したのかってことに話を繋げると、株主をたくさん作りたかったんです。というのも、僕の会社では、企業のM&A仲介を行なっています。1年半前に事業をはじめたのですが、仕事の相談はリファラル経由が一番多くて。会社を初めて売るときは売ったことがある人に相談したいと思うんですよね。

そこで、僕自身が株主との関係をたくさん作っておくことが非常に重要だと考えました。とはいえ、僕が株主に向けて「知り合いに会社を売りたい人がいたら紹介してください」って言うのはなんだか気が引けるじゃないですか。商売は、本来同じ方向性を向いて行うはずなのに。

箕輪:それは、それぞれのベクトルが異なって商売相手になることが嫌、みたいな?

正田:そうですね。金で友達を売ったみたいになってしまうかなと。そこで、僕自身が株主コミュニティみたいなものを作れば、自然に紹介が得られると考えたんです。今回のイベントの会場であるデジタルガレージの投資子会社(DGインキュベーション)もベンチャー企業170社くらいに投資していますし、うちに投資してくださっているベクトルさんもベンチャー企業に投資していて。そんな具合で、ベンチャー界隈のネットワークを作るために資金調達を行いました。

箕輪:なるほど。資金が足りなかったとかではないんですね。

正田:そうです。僕、資金調達前は今の株主の誰とも知り合いじゃなかったんです。じゃあ、どうするか。まずは、ベンチャー界隈の有名な人とつながることからはじめました。多くの経営者やVCはTwitterを利用してコミュニケーションを取るので、Twitterのアカウントを登録して。

その後、当時インフルエンサーだった箕輪さんに声をかけた流れです。あとは、今回のイベントを主催している「FastGrow」で起業家との対談記事を掲載してもらって。300万円で6本の記事広告を配信したのですが、結果的にネットワークづくりとメディア露出の点でプラスに働きました。ちなみに、その対談をした起業家のほとんどが出資してくださってます。

箕輪:本当にやり方がうまいですよね。

正田圭

正田:ありがとうございます。これまでVCで働いていたとか知り合いにインフルエンサーが多いとかなら困らないかもしれないですが、多くの起業家はそう恵まれた環境にはいないので。僕のやり方は参考になると思っています。

箕輪:自分の名が売れてないときは、インフルエンサーと絡むことが大切ってことだよね。

正田:企業に出資するのはVCなので、彼らとの共通の知り合いを増やしておくことが大事です。具体的な指標は、Facebookでの共通の友達の数が何人いるのか。エンジェル投資家でもいいのですが、「共通の友達の数=信用の証」でもあるんです。

箕輪:SNSが発達しすぎたゆえに、共通の知り合いがいないと怪しいって感じますね。

正田:「アカウントがありません」ってなると、さらにまずいですね。過去になにか悪いことでもしたのかも、とか思われてしまうから。

箕輪:僕も、正田さんから連絡来たとき、最初は怪しいなって思ってたもん(笑)。まあでも、コンサルして30万円くれるならいいかなって思ってたから術中だったのかな。共通の知り合いを作ることは本当に大事ですよね。

正田:30人くらい共通の友達がいたら、個人投資家なら1/3くらいからは出資が受けれると思います。事業内容がなんであれ。

箕輪:わかります。僕自身、企業に出資するようになったけれど、正直なところビジネスの内容なんてわからないんです。法に触れるみたいに、よっぽどダメなビジネスじゃないと。

「うまくいかない」なんて断言できないじゃないですか。頑張り続けたらうまくいくかもしれないし。だから、周りの人からの信用度とその人の本質を見て、出資するかどうか決めます。

正田:この間、本田圭佑さんと一緒に出資していませんでしたっけ?

箕輪厚介 正田圭

箕輪:「fever」というサービスを運営している企業に、本田圭佑さんと連名で出資しました。だけど、ビジネスのことはあんまりわかってないです(笑)

正田:やっぱり、知名度というか信用度は大事ですよ。リードインベスターが本田圭佑さんのクラスだとすごいって誰しも思うだろうなと。

箕輪:大きなVCが出資するから、みたいなフィルターもありますか?

正田:ジャフコが出資するなら銀行系のVCが出資する、とかはよくありますよ。

箕輪:信用が付くんですね。アイドルオーディションでホリプロやエイベックスが良いって言ったらそれが価値、みたいな(笑)

正田:そうそう。実際に資金調達するときも「ほかに出資しているのは誰?」って必ず聞かれますからね。つまりそういうことです。

箕輪:三流みたいな人はだめってことなのか。

正田:(笑)。会社を何年も経営していてわかるのですが、企業として利益出すのってすごく難しいんです。だけど、資金調達はお作法に乗っ取れば意外と簡単だと思います。

箕輪:本質的なところですが、それって不思議な話ですよね。どうしてなんでしょう。

正田:景気が良いから、かな。あとは、ベンチャー界隈の調達市場が右にならえだからっていう理由もあります。ベンチャーに出資するって概念自体がここ5〜6年のものですし、現状もまだ広がっています。それに対して、利益に関しては、事業において利益は競合他社を出し抜いて市場を取らないといけないじゃないですか。だから、すごく大変です。

資金調達成功の鍵は「お作法」にある

正田圭

正田:僕、一度資金調達に失敗しているんです。というのも、最初から大和企業投資やニッセイキャピタルに伺ってて。僕たちとしては実績も利益もあったから出資を受けられると思っていたのですが、じつは大切なことはそこではありませんでした。彼らからの出資が得られなかったのは、僕が「わからない人」だったからなんです。

箕輪:それは、ビジネスモデルがわかりにくいってこと?

正田:違います。資金調達って、フェーズがあるんですよ。まず、バリュエーションが低いときに個人投資家を中心に集めるシード。数千万〜数億円規模の調達です。その次がシリーズA。バリュエーションはだいたい10億円くらいですね。僕は、個人投資家への出資に頼ることなく、すぐに銀行系のVCであるジャフコやニッセイキャピルタルの元を訪ねてしまった。だから、彼らにとっては「わらからない人」だったんです。要するに、お作法と違うと思われてしまったんです。

箕輪:お作法があるんだ(笑)。逆を返すと、お作法さえしっかりしていれば事業ってどうでもいいんですかね?

正田:それだけでは上場できないですけれどね(笑)。でも、事業成長のために必要な個人投資家の方に出資いただくフローは大切ですよ。

箕輪:たとえば?

正田:箕輪さんだったらUUUMの鎌田さんとか、SHOWROOMの前田さんとか、CAMPFIREの家入さんとかに出してもらうのがキレイじゃないですかね。資金調達だけを狙うなら、お作法9割といっても過言ではありません。

箕輪:なるほど。ということは、資金調達のうえで大事だったのは、まず個人投資家を得ることだったんですね。

正田:そうですね。そのフローを逃すのは本当に危険です。

箕輪厚介

箕輪:しかも、そこまでいく前に、正田さんはSNSでのフォロワー数を増やしたり、人間関係を構築して雰囲気づくりをしていたってことですよね。すごい!!!

正田:それに、意外とTwitterが大事で。というのも、シード期の出資をするVCの意思決定者(パートナー)って日本は今50人もいないんです。

箕輪:それは、昔で言うところの、ジャフコの穐田さんみたいな存在ってこと?

正田:そんな感じですね。最終的に出資するかどうか決める人です。ベンチャー界隈って「ベンチャー村」と呼ばれるくらいには村ほどの規模しかないんです。共通の知り合いがいれば紹介してもらうこともできるけれど、そうじゃない場合はTwitterのDMを送ってアポを取るほうがつながれるんです。もちろん、そのときにフォロワーがすごく少ないと怪しまれてしまうので、しっかりとTwitterも運用しておいたほうがいいよねと。

箕輪:たしかに。フォロワーが10万人の人から連絡きたら会うもん。

正田:(笑)。10万人とまでは言わないけど、2000人〜5000人くらいはいたほうがいいと思います。

箕輪:あとは、誰がフォローしているのかも大切かもしれないですね。僕、毎日Facebookの友達申請が20〜30人くらいはくるんです。だけど、共通の友達が10人いても承認できないですね。

正田:やっぱり30人くらいは必要じゃないですか?

箕輪:そうそう。10人くらいなら、たまたま界隈が近かったくらいでなんとかなるんですよね。本当に信じられるのは30人くらいは共通の友達がいる人。

正田:Facebookで共通の友達を増やして、Twiiterでフォロワーを増やして、DMを送る。SNSはそんな風に利用するのが良いと思います。

事業計画書の「代表者プロフィール」を甘く見ないこと

箕輪厚介 正田圭
箕輪:事業計画はひとまず置いておいて、まずは信頼を作ること。そのために、起業家のネットワーク形成が必要ってことでしたね。そうはいっても、資金調達をするうえでは、事業計画書も大事ですよね?

正田:大事です。比率としては、お作法が7割。事業計画書が3割くらいかな。

箕輪:お作法の割合が多い……。むしろ、お作法だけでどこまで調達できるのか試してみたいかも(笑)

正田:(笑)。VCって、あまりに多くの企業を見ているから、すべての事業内容は覚えていられないんですよね。たとえば、箕輪さんがVCになったとして、常に5〜10人と事業相談をして、出資して……なんて働いていたら3ヶ月たった頃には忘れちゃうと思いません? だから、著名な人が出資することが安心材料になるんです。

箕輪:レアル・マドリードからオファーきてるサッカー選手だったら、オファーしておこうと思うし、講談社の編集者と名前を知らないWeb編集者のどちらかだったら、講談社のほうが信頼できる、みたいなことですね。いちいち見極める時間もないですし。

正田:それに、事業を完全に理解することもリソース的に不可能かなと。

箕輪:理解する意味もあんまりないですよね。

正田:ざっくり判断した方がコスパが高いです。

箕輪:ひとまず出資して、きちんと回収できればいいと。ちなみに、残りの3割の要素は?

箕輪厚介 正田圭

正田:事業計画書そのものにもお作法があるんですよね。まず最初に、代表者プロフィールを出すんです。

箕輪:どんな感じで書くんですか?

正田:前職の経歴とか。要は、履歴書みたいなイメージですね。本当にここはあなどれなくて。というのも、資料でプレゼンを行うときは、最初の引きがすごく大切です。某IT企業とか書いてしまって埋もれてしまうのはもったいないので、できる限りインパクトを残せるように書きます。

箕輪:本を出すときも同じかも。大谷翔平が本出したいならテーマはさておき「いいよ」って言う気がする。すごい人なのかどうか、ってことですよね。

正田:有名ではなくても、最大限に盛るのは必要です。たとえば、フォロワー3万人の人が「フォロワー3万人のわたしがおすすめするフォロワーの集め方」みたいなタイトルの本を出版したら堂々としていて魅力的ですよね。でも、それって箕輪さんからしたら、フォロワー3万人は少ないわけで。だからといって「恐縮ながら……」みたいなテンションで本を出されても読みたいって思わないだろうなと。

箕輪:たしかに。あと、そういったフレーズはいかようにでも作れるから心配いらない気がしますね。事業計画書っていうから堅苦しいのかと思っていたけれど、そんなことないんですね。ハッタリかまして上手に演出するのか。まあでも、お金をもらうんだから当たり前ですよね。むしろ、「出資しないと損しますよ」くらいの気概でいないと。

正田:ときどき、事業計画書を作るための合宿を行うんですけれど、プロフィールに関して僕からダメ出し受けない人っていないですもん。

箕輪:「自分とは」と研ぎ澄まして考えないと、良いプロフィールは生まれなさそうですね。

箕輪厚介 正田圭

正田:あとは、細かいことですが、事業内容を必ず1行で書くことも意識してます。投資家が、なにに対して出資するのかわからないと困るので。僕だったら、本来はコミュ二ティやメディアなどいろいろ書きたいけれど、シンプルに「ベンチャー起業家のM&Aエグジット支援」としてます。

箕輪:たしかに、昔秋元康が「記憶に残る幕の内弁当はない」って言っていた話を聞いたことがあります。いかに捨てるか。「“あの”〇〇」って言われたら強いよねと。そう考えると、CASHの光本さんもすごくうまいですよね。「CASH」も「TRAVEL Now」もいずれにせよ金貸しだけど、良いサービスだって思えますし。ネーミングと見せ方の話もありますね。

正田:余談ですが、マクドナルド兄弟がとある事件をきっかけに「マクドナルド」って店の名前を奪われてしまったからと別の名前で店を開いたら、すぐに倒産した話を思い出しました。

箕輪:光本さんだって「CASH.jp」のドメインを300万円かけて取ることに一番力をいれたそうですしね。ちなみに、実際に調達した資金は、どう利用すると伝えると整合性が取れるのでしょう。

正田:100点満点なのは広告ですね。あくまで一般論ですが、プロダクトやサービスって、市場に受け入れられることが大事なんですよね。だから、調達時に「あとは広告にさえリソースをかければ」って伝えることで整合性が取れます。CPAやLTVの数値を用いて、プロダクトが良い調子であることを示して、あとは広告費が必要と伝えるのが良いと思います。

箕輪:メルカリも調達した資金をCMに全部使っていたましたよね。良いプロダクトを作って、CMを打ちまくって、それはそれでたどり着けない境地までいっていたと思いますよね。だからこそ、広く認知されたサービスになっていますし。

議論の余白を作って、ディスカッションできる事業計画書を

箕輪厚介 正田圭

正田:あとは、プレゼン資料って紙なので、読みたくなるようなデザインが大事だと思っています。

箕輪:それなら、僕は佐藤可士和さんにお願いしたいなあ。

正田:(笑)。箕輪さんなら佐藤可士和さんにお願いできるかもしれないけれど、若い人だとデザインにはなかなかお金をかけられないじゃないですか。そのときにどうするか。人が作った、良いデザインを活用するんです。取引先のロゴや本の表紙のように、デザイナーさんがデザインしたものを活用する。僕は、今までに書いた本の表紙を並べて美しさを持たせました。

箕輪:なるほどなあ。圧巻で、メジャーで、ポップな感じが必要なんですね。とはいえ、一貫していえるのは、信頼性があるかどうかなんですね。ものすごくクオリティが高くて「なんじゃこりゃ!?」みたいなビジネスモデルではなくて、信頼できる人間関係やデザインで担保していく。

正田:75%くらいはそこですね。

箕輪:残りはなに?

正田:事業の真の真の部分は5%くらい。20%は、事業そのものや市場に対して議論の余白を残すことです。「これから提案する事業が成功すると思いますか?」っていきなりプレゼンされても、つい粗探しをしたりノーって言える要素を見つけたくなると思うんですよ。

箕輪:知らない人から言われたらイエスとは言わないですよね。

正田:相談ベースで話したり、議論の余地があったほうが、意見やアイデアも入ってより良くなりますし。

箕輪:自分ごとになりますよね、話している時点で。

正田:そうなんです。だから、事業計画はプレゼンのイエス・ノーを判断するために作るのではなく、ディスカッションペーパーとして使うために作る。まず、市場やビジネスモデルに現状の課題や変化の見込みがあることを合意して、そのうえでの話をすることが大事です。

箕輪:プレゼンは説得するためのものじゃないですね。共に歩むための紙。

箕輪厚介 正田圭

正田:合意形成を図るために、エクイティストーリーを語るって感じです。

箕輪:そもそも、事業が成功するかどうかの答えが出るなら、そんなのビジネスじゃないですしね。世の中に必ず成功するものはないですし。「これからは市場が何十倍になると思うんですけど、どうですかね?」ってスタイルがちょうどいいですよね。

正田:だから、僕の作った事業計画書にも合意形成を図る場を取り入れていて。表紙・目次・会社概要・代表者プロフィール・メンバーのプロフィールまできたら、合意形成のためのミッションが挟まります。5〜6ページくらいかけて「なぜM&Aがミレニアル世代のなかで増えていくのか」と、問いかけます。

そして、調達するための話ではなく、市場環境の話を続ける。秘湯昔前の経営者は、困ったことがあるとすぐに税理士さんや銀行の支店長に相談を持ちかけていた。けれど、今はそうではないって事実を伝えてます。だからこそ、どうする。どんな世界観を作る。そんな流れで話をエクイティストーリーを作ります。

箕輪:僕も事業計画のプレゼンって聞く機会があるんですけれど、メタップスの佐藤さんや前田さんはそのストーリー作りがうまいですよね。犯罪者的にうまい。詳しいことはわからないけど、ワクワクするんです。

正田:ツッコミどころや可能性に対する、議論の余白を作ることですね。その合意形成ができたら、やっとビジネスモデルや売り上げやKPIの話をします。だから、事業の話はほとんどなくて、お作法がほとんど。

箕輪:ワクワクするストーリーを作ることですね。正田さんなら、小手先のテクニックだけでいろんな企業の事業計画書作って資金調達できそう(笑)

正田:そうかも(笑)。反対に、ここを理解できていないと、いつまでたっても調達できないと思いますよ。

箕輪:そういう知恵って、どうやって勘所をつかむんですか?

正田:人の真似をすることですね。投資家が気になることを調査して、きちんとつなぎ合わせる力があればいいので。たとえば、最近上場した企業のIR資料って「会社名+成長可能性に関する資料」と調べるとヒットするので、その資料を真似すると良いと思います。このあたりは、3日くらい本気で頑張ればなんとかなりますね。そして、最後に聞かれるのが株主名簿です。

箕輪:腑に落ちますね。まるで、紹介の会員制バーみたい(笑)

正田:まとめですが、まずはTwitterのアカウントを作りましょう。そこで認知を高められますし、新しいVCだとフォローしてくれたりDMをもらったりできますからね。資金調達に成功する企業が増えてきているから、ついつい調達難易度が低いと考える起業家が多いです。ただ、もちろんまだ資金調達に失敗する企業のほうが圧倒的に多い。だからこそ、今下準備をしておくべきだと思います。

箕輪:ありがとうございました!

まとめ

箕輪厚介 正田圭

さまざまなトークテーマと共にお届けした本イベント。参加者からは積極的に質問が挙がったり、熱心にメモを取る姿が見られたりと、リアルな声を学びとする熱量がたっぷりと感じられました。

また、イベントハッシュタグであった「#生事業計画書」を覗いてみると、参加者によりツイートがぎっしり。本イベントの盛り上がりを感じていただけるので、興味のある方はぜひ合わせてご覧ください。

ちなみに、ハッシュタグの由来ともなった、生事業計画書。今回は、正田が資金調達を行なった際の事業計画書に解説レポートを付けてイベント参加者のみに無料配布。イベント内でも、内容に触れながらトークを進めていきました。

そして、イベント終了後からは、noteでも販売を開始。24時間で、すでに400部売れてます!

事業計画書の一部をお見せすると、

正田圭 プロフィール

30ページを超える実際の事業計画書に、細かな解説をたっぷり3万文字加えた特別版。今後資金調達を考えている方は、必見の内容です。ぜひ、本レポートと合わせてご覧いただけるとうれしいです。

総額2.5億円の資金調達に成功したTIGALA株式会社『生の事業計画書』を全公開!▽

https://note.mu/keimasada/n/n16ab8a796b43

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました!

 

取材・文:鈴木しの

撮影:矢野拓実