会計とファイナンスはつながっている!まずは財務三表から【#基礎からゆっくり学ぶファイナンス講座①】

資金調達額

「ファイナンスは、ビジネスの世界において非常に良く切れる『刀』のようなものです」(正田圭 著 『ビジネスの世界で戦うのならファイナンスから始めなさい 』より引用)

今までpedia salonでは、2時間ほどの勉強会に詰め込んでファイナンスの講義をしていました。今回の連載記事では、かなり基礎的なところからしっかり取りこぼしのないようやっていきます。それではさっそく始めていきましょう。

「ファイナンス」と「会計」はつながっている

まず「ファイナンス」のことを説明していく前に、今日からしばらく「会計」の話をします。「ファイナンス」と「会計」はしばしば別物のように考えられがちです。皆さんのイメージでは、「ファイナンス」は投資銀行にいる人たち、「会計」といえば会計士さんや税理士さんをイメージされるかもしれません。

しかし、根本的な部分では「ファイナンス」と「会計」はつながっています。そして、どっちを先に理解しないといけないかというと、「会計」を先に理解しなければいけません。そのため、今日からしばらくの間は「会計」の基礎的な概念のお話をしていきます。

そもそも「会計」とは?複式簿記を理解する

会計とは、一言でいえば「複式簿記」のことです。複式簿記とは、会社の取引を記録するものです。例えば、100円でコーヒーを買う場合のお金の流れは非常に単純明快です。ただ、そのコーヒーの代金を支払うのが末締めの翌末である場合や、買ったコーヒーを200円で誰かに売り、お金を払うのは末締めの翌々末払いである場合などなど、だんだんと複雑な取引になり、会計上も複雑になります。

そこで簿記では左に「借方(かりかた)」、右に「貸方(かしかた)」という欄を作ります。そして、コーヒーを100円で買った場合、自分のお金が出ていく事象は右の貸方に記入します。左側には100円のコーヒーの勘定科目(会議費か、接待交際費)を記入します。これらは必ず対応させて記入します。銀行から100万円を借りた場合、現金が100万円増えるため、左側に100万円を書き、右側に長期借入金として100万円を記入します。

これらが積み重なったものが「バランスシート(BS)」です。さらに、これをずっとつけていけば会社の状況は必ず分かるのですが、仮にこれが1か月で1,000行以上もあったとしたら、誰もすぐには全体を理解できません。そのため、それらを用途ごとに見やすい形にしたものが「財務三表」と言われます。

経営者は財務三表を見て、理解できるようになるべき

今日からしばらくは財務三表についての話となります。理想的には経営者自身が財務三表を自分で作れた方がより理解は深まります。ただ、なかなかそこまでの時間はないため、経営者としては見て理解できるようにはなっておきたいところです。逆に財務三表を見て理解できないと、経営者としてやっていくのは難しいかもしれません。そのため、まずは財務三表の見方を教えていきます。

特に今日は会社のお金の流れに関して説明していきます。会社の個々の取引の集積体が「帳簿」であり、その帳簿を見やすく分けたものが「財務三表」になります。PLもBSも、元は複式簿記の帳簿からできているものです。具体的には、よくBSでは左側に資産、右側が負債であると言いますが、仮に現金100万円を借りた場合、負債である長期借入金として貸方の方が増えます。また、100万円借りると同時に現金も100万円増えるため、借方も100万円増えます。イメージとして、これらは全部帳簿から成り立っているということは、常に意識しておいてください。

資本金を得る方法。デットファイナンスとエクイティファイナンス

会社を設立して商売をする場合、まずは資本金が必要になります。その資本金を得る手段としては大きく2つあります。

1つ目は友人や家族、個人から借り入れて資本金を調達する方法です。もう一方が投資家やベンチャーキャピタル(VC)に株を配当して資金を調達する方法です。投資家やVCは配当や株の値上がりによるキャピタルゲインを期待してお金を入れます。

前者の方法は負債で集めているため「デットファイナンス」後者の方法は資本で集めているため「エクイティファイナンス」と呼ばれます。デットファイナンスの場合、元本は必ず返してもらう前提であり、その上で利息を求めるというローリスク・ローリターンな形になります。一方のエクイティファイナンスでは、出資しているお金が最悪の場合なくなることも前提に、株の値上がりなど大きなリターンを狙っています。ハイリスク・ハイリターンですね。

資金調達によって資本金を得たら、これらで集めたお金で何をするのかを考えます。おにぎり屋さんのケースを考えると、まず土地を買ったり、内装をきれいにしたりといった、設備投資を行います。そしてオープンしたら営業活動に入ります。具体的には、チラシを作ったり、一口サイズのおにぎりで試食をしてみたりするかもしれませんね。そうした営業やマーケティングが上手くいけば、そのおにぎりは売れます。その売れたお金が使ったお金よりも多ければ「利益」となり、資本になります。これは「利益剰余金」と呼ばれます。このお金で再投資をして会社を大きくしていくというのが、企業活動の大きな流れです。

<第2回へ続きます>