株主価値とは?企業価値や事業価値との違いまで徹底解説!

株主価値

「株主価値という言葉を聞いたけれど、イマイチ意味がよくわからない」なんて、お悩みではないでしょうか?

株主価値とは、企業が将来にどれくらいのキャッシュフローを生み出すのかを評価したものです。似た言葉に、「企業価値」や「事業価値」という言葉があります。

それぞれの言葉の意味をしっかり理解することによって、会社経営や株式投資に役立つ可能性が高いです。逆に、「株主価値」「企業価値」「事業価値」といった言葉の意味がわからないと、会社経営や株式投資は失敗してしまうかもしれません。

そこで今回は、株主価値の意味や企業価値・事業価値との違いを解説していきます。株主価値の計算方法までご紹介するので、今よりも調子良く会社経営や株式投資を行えるようになりましょう。

株主価値とは

株主価値とは

株主価値とは、企業が将来にどれくらいのキャッシュフローを生み出すのかを評価したものです。

キャッシュフローとは、現金の流れのことを言います。多くの場合、キャッシュフローは事業を行った収入からさまざまな支出を差し引いて手元に残る現金のことです。

したがって、株主価値は単に株主が受け取る配当金額が高いかどうかを示すものではありません。

株主に配当金を出しすぎると事業に使える現金が減って、上手い投資が行えなくなります。そうなると、将来のキャッシュフローは減って株主価格は下がってしまう可能性が高いです。

このように、株主価値とは現在だけではなく将来も見据えた評価方法となっています。現在の株主配当金だけを見ているわけではないことを知っておいてください。

最近の日本では、株主価値を意識した経営を行う企業が多いです。株主価値が高まれば、将来に渡って株主が離れないため安定した経営が行なえます。

会社経営をするのであれば、企業ができるだけ長く続くためにさまざまなことを考えるはずです。その際に株主価値を意識することは非常に重要だと言えます。

また、株式投資をする際にも、将来を見据えた経営ができている企業に投資を行わなければ、突然倒産されてしまうかもしれません。この前までは配当金をたくさんもらえていたのに急に倒産されたということにならないようにするべきです。

以上が、株主価値の基本的な解説でした。

ここからは、「企業価値」や「事業価値」との違いを見ていきましょう。

企業価値や事業価値との違い

企業価値や事業価値との違い

株主価値と似ている言葉に、「企業価値」や「事業価値」という言葉があります。言葉が似ているので同じ意味だと考えている人もいますが、それぞれには明確に違いがあるので注意が必要です。

「株主価値」「企業価値」「事業価値」という3つの言葉が同じものだと考えている人は気をつけてください。会社経営でも株式投資でも、これらの言葉の意味を理解していることは重要となります。

株主価値についてはすでに説明したので、ここからは企業価値と事業価値について順番に見ていきましょう。

企業価値とは

企業価値とは、会社全体の価値のことです。株主価値も含めたさまざまな要素を考慮して判断されるのが企業価値となっています。

株主価値は会社全体の価値の中でも株主に焦点を当てたものです。

しかし、企業価値は、株主価値に有利子負債を加えて計算されます。有利子負債とは、会社が利子をつけて返済しなければならない負債のことです。株主価値を高めることによって、企業価値も高めることができると覚えておきましょう。

企業価値を高めることによって、企業にとってさまざまなメリットが生まれます。たとえば、M&Aを行おうと思ったときでも自分の企業が交渉において有利に物事を進めることができたり、経営を長く続けていても倒産しにくくなったりするのです。

会社の規模に関係なく、企業価値を高めていくことは有効な経営への考え方だとされています。経済も日本だけではなく海外も見据えたグローバル化が進んでいるので、企業価値が高い方が経営者も株主も安心です。

事業価値とは

事業価値とは、事業が持っている価値のことです。事業価値は企業価値を計算する際に使われます。

事業が持っている価値とは、目に見えてわかる事業用設備や不動産だけではなく、事業のブランド力や取引先からの信用などの目に見えない資産までも含まれるので覚えておきましょう。

しかし、事業を行っていれば、使っていないけれど所有している設備などの遊ばせたままの資産も出てくるはずです。こうした事業外の資産を事業価値に加えることで、企業価値が計算できます。

ただし、事業価値には具体的な計算式は存在していません。したがって、目に見えない資産も積極的に増やしていくことが、企業価値を高めるためには重要なのです。

以上が、企業価値と事業価値についてでした。

企業価値という大きな枠組みの中に、株主価値と事業価値が含まれていると考えましょう。したがって、「企業価値を高めよう」という言葉には、株主価値を高めるという意味と事業価値を高めるという意味が出てきます。

会社経営でも株式投資でも、言葉の意味を深くまで理解することを意識してみてください。そうすることで、会社経営者株式投資が成功しやすくなります。

株主価値との関係性もおさえたところで、話を戻して株主価値の計算方法を見ていきましょう。

株主価値の計算方法

株主価値の計算方法

株主価値の計算方法は、簡単に説明すると以下のような計算式です。

株主価値 = 企業価値 − ネットデット

ネットデットとは、利子をつけて返済しなければならない負債から、金融資産を差し引いたものです。金融資産というのは、現金や有価証券、不動産のことを言います。

このように、株主価値の計算には企業価値の計算が必要です。企業価値がわからないことには、株主価値も計算ができません。

そうは言っても、企業価値の計算方法がわからないという人も多いはずです。そこで、企業価値の計算についても見ておきましょう。

企業価値の計算方法

株主価値を計算するために、まずは企業価値を計算してみましょう。企業価値の計算方法は、簡単には以下のような式で求められます。

企業価値 = 事業価値 − 営業負債

このとき、事業価値というのは営業資産と含み益、営業権のことを言います。

詳細な企業価値は『DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法』という方法で算出されることが多いです。詳しい計算方法を知りたい人のために、『DCF法』についても見ておきます。

DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法

DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法は、これからの事業計画によって企業価値を計算する方法です。したがって、今後の事業計画をいかに上手く示せるのかが重要となってきます。

具体的には、以下の計算式が用いられるので見ておきましょう。

  • 企業売却の価格 = 企業が生み出すフリーキャッシュフローの期待値を加重平均資本コストで割り引いた価格

フリーキャッシュフローとは、必要な税金を納めて事業への投資を行ってから債権者や株主に分配できる金額です。なので、以下のようになります。

  • フリーキャッシュフロー=営業利益 ×(1 − 法人税率)÷ 減価償却費 − 運転資本増加額 − 設備投資額

最後に、加重平均資本コストとは、企業経営での借入にかかる費用と株式調達にかかる費用を加重平均したものです。加重平均資本コストの正確な計算は専門家でなければ難しいとされています。

経営者であればフリーキャッシュフローの期待値を高め、投資家であれば企業のフリーキャッシュフローの期待値が高いかどうかを見極めましょう。

DCF法を理解できれば、企業価値を計算できるようになります。そうすれば、株主価値を計算することも可能です。

以上が、株主価値の計算方法でした。株主価値を適切に計算することで、会社経営や株式投資が上手く行えるようになります。

しかし、企業価値や株主価値の計算は複雑です。したがって、自分でやってみても上手くできないようであれば、専門家に相談したほうが安心できます。専門家に相談すれば、企業価値や株主価値の計算だけではなく、経営や投資のアドバイスももらえるはずです。

必要に応じてプロに相談しよう!

必要に応じてプロに相談しよう!

株式価値について詳しい知識を知りたいのであれば、プロに相談しましょう。会社経営や株式投資を行うなら、専門的な知識が必要になることも多いです。その際には、企業価値や株式価値の計算も必要となります。

そうは言っても、なかなか自分だけで行うのは難しい人も多いはずです。ご紹介した計算式の意味は理解できても、自分で行った計算が正しいのか自信を持てない人もいると考えられます。

そのようなとき、プロに相談することによって正しい企業価値や株式価値を知ることが可能です。それによって、会社経営や株式投資も上手くいきやすくなります。

プロに相談したことがないから緊張するという人もいるかもしれません。しかし、多くのプロは優しくあなたの悩みを聞いてくれ、解決に動いてくれます。特に、相性の良いプロを見つけることで何でも気楽に相談できるようになる可能性が高いです。

会社経営や株式投資に必要な専門知識は、自分だけですべてを完ぺきにまかなうことは難しいと考えられます。人によって得意分野や不得意分野はあって当然です。したがって、不得意な分野はプロに頼んだほうが安心できます。

「プロに頼むのは金銭面でもったいなく感じる」という人もいるでしょう。しかし、プロに頼んで会社経営や株式投資を成功させたほうが結果的には得をすることがほとんどです。最初の相談は無料で行っているというプロも多いので、まずは相談に行ってみましょう。

良いプロを見つけて会社経営や株式投資が今までよりも好調になれば、プロに相談して良かったと思えるはずです。株主価値を考えることは、会社経営や株式投資を行う際の1つの方法でしかありません。それ以外にも知っておくべきことを教えてもらえば安心です。

プロに相談する前に、簡単にでも株主価値については理解しておいたほうが話がスムーズに進みやすくなります。株主価値について知りたいなら、株主価値経営という言葉も知っておいたほうが良いです。

最後に、株主価値経営という言葉についても確認しておきましょう。

株主価値経営とは

株主価値経営とは

株主価値経営とは、株主価値が最大化するように行う経営方法のことです。企業を長く続けていくためには、利害関係者全員を満足させることが重要となります。

株主が得ることになる取り分は、企業の従業員への給料や税金、債務を支払ってから残ったものです。したがって、株主の取り分が最も高額になったとき、他のすべての利害関係者も満足していると考えられます。

実際、従業員への給与や税金などは、一定の必要金額が決められているものです。しかし、株主だけが出資した金額へのリターンがあるかどうかも保証されていない状況だと言えます。なので、株主の取り分を最も多くすることで、株主価値が最大価して経営も上手くいくと考えられるのです。

そうは言っても、株主価値経営にもデメリットはあります。それは、従業員の給料アップがなくなって株主への配当金額が上がっているなら、従業員の満足は得られないということです。そうならないためにも、従業員という利害関係者の満足も高めることが必要となります。

単に株主への利益を高めていくことだけを目的にしてしまうと、真の株主価値経営はできません。株主価値を高めながらも、株主以外の利害関係者の満足も考えることが重要なのです。株主への配当だけを意識していると、従業員や取引先が離れてしまうことも考えられます。

株主は残っても、従業員や取引先がいなくなってしまったなら、会社経営を続けていくことは難しいです。経営者なら株主価値経営が示している意味を理解して、長く続く会社を作り上げていってください。

また、あなたが株主なのであれば、投資先が本当の意味での株主価値経営ができているのかを考えるべきです。一時的に株主への配当を高めているだけで、会社経営がうまくいっていないという可能性は存在しています。株主としての利益を長きにわたって受けていくために、自分以外の利害関係者の置かれている状況にも気を配ってください。

ちなみに、株主経営と似ている言葉に、「株価経営」というものもあるので注意が必要です。

株主経営と株価経営の意味は異なるので、確認しておきましょう。

株価経営とは

株価経営とは、株価を高めることを意識して経営を行う考え方です。

株価は株式市場の需要と供給で決まります。したがって、株価経営を行うのであれば株式始業での需要を増やしたまま、株式の供給を減らすことが有効です。

株式の需要を増やすためには、企業の価値を高めなければなりません。その高めた企業価値を市場に上手く伝えていくことも必要となります。

たとえば、大衆を煽ることが上手い経営者がメディアを通して壮大な計画を話すケースもあり、そのときは株価が上がることも多いです。しかし、そのようなことをしても経営者に作り出された架空の需要で株価を高めているだけなので、適切なサービスの提供ができなければ株価は下がってしまいます。

株価経営を行うのであれば、株主経営の考え方も理解しながら行ったほうが良いです。そうすることで、会社を長く続けていきながら、株価も高めていくことができるでしょう。

安易に株価だけを意識して経営してしまうと、利害関係者が離れていってしまう可能性が高くなります。もちろん、会社経営を行う際にも株式投資を行う際にも、株価は重要な指標となります。しかし、それだけを見ていることはリスクが高いので気をつけておきましょう。

会社経営でも株式投資でも、株主経営の考え方を中心にさまざまな考え方を参考にするのがポイントです。

まとめ

株主価値とは、企業が将来にどれくらいのキャッシュフローを生み出すのかを評価したものです。似た言葉に、「企業価値」や「事業価値」という言葉があります。

それぞれの言葉の意味をしっかり理解することによって、会社経営や株式投資に役立つ可能性が高いです。株主価値の計算方法もおさえて、今よりも調子良く会社経営や株式投資を行えるようになりましょう。

また、経営者であれば「株主経営」と「株価経営」という言葉の違いも重要です。会社を長く続けていくために必要な考え方をおさえておいてください。