会社解散の流れとスムーズに行う方法をわかりやすく解説!

会社解散の流れとスムーズに行う方法をわかりやすく解説!

現在業務を行っていない会社や、会社の業績が悪化し経営していくメリットがなくなってしまった場合、会社を解散させる場合があります。
また、後継者がおらずこれ以上業務を続けることができない場合も同様です。

しかし、会社とは会社法で定められた法人ですので、解散をするとなると法的手続きを行わければなりません。

この記事では廃業・解散の手続きをスムーズに行い、会社を消滅させるための手続きについて説明をします。

会社を解散してもすぐにはなくならない

経営者の方であれば、会社をなくしたい、やめたい、消滅させたいと思うこともあるかと思います。

事業を起こすために設立した会社の意義がなくなってしまったり、業績の悪化によって経営しているメリットがない、経営できる状況ではなくなったという場合には、廃業=解散を選ぶ場合もあるかと思います。

しかし、会社を解散させたからといってすぐに会社が消滅するわけではありません。

事業を全て止め、解散手続きをした後も清算人を選任し、事業の精算を行う必要があります。
つまり、会社という組織自体を実質的に全てゼロにしてしまう必要があります。

会社解散の事由

会社を解散する場合は、以下の事由に当てはまることとされています。

会社法第471条
株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。
一 定款で定めた存続期間の満了
二 定款で定めた解散の事由の発生
三 株主総会の決議
四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。)
五 破産手続開始の決定
六 第824条第1項又は第833条第1項の規定による解散を命ずる裁判

もちろんこの中には経営者が望まずとも解散になってしまう「破産」や「解散を命ずる裁判」などのケースもありますが、今回は主に「株主総会の決議」における解散の流れについて説明をしたいと思います。

休眠会社

補足としてですが、休眠会社は「みなし解散」として扱われ、法務局の職権で解散の登記がされます。

これは会社法第472条にあります。

会社法第472条
1. 休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。

具体的には、最後に登記のあった日から12年を経過した場合に休眠会社としてみなされることになります。
その後、役員変更等の登記をするか、事業の廃止をしていないという事を届出しなければみなし解散となります。

銀行や保険会社の解散

会社法以外にも、特別法で解散事由が定められている業種があります。
銀行は銀行法、保険会社は保険業法でそれぞれ解散事由が定められており、それらに該当する場合は解散となることもあります。

会社の解散(廃業)と精算の手順

会社の解散(廃業)と精算の手順

自主的に会社解散をしたいという場合は前述の解散事由から「株主総会の決議」が必要ということになります。

株主総会で解散を決める時の流れは以下を参考にしてみてください。

会社解散の簡単な流れ

①株主総会での決議
②清算人、代表清算人の選任・登記
③解散通知・広告、確定申告
④負債の精算・資産分配
⑤清算結了登記

1. 株主総会の特別決議 廃業・解散の決断

解散の決議を行う場合、普通の決議ではなく特別決議が必要となることに注意をしましょう。
特別決議は普通決議と条件が異なります。

発行済株式総数の過半数の株式を有する株主が出席
議決権の3分の2以上の多数

この2つを満たすことが条件となります。
解散日は議決で決定した場合はその指定した日、解散日を明示しない場合は解散決議の議決日となります。

2. 清算人選任

株主総会の場で清算人の選任をするのがスムーズです。

清算人は、会社解散の後に会社の精算事務を行う者で、定款で定められていなければ株主総会で選任することができます。
また、代表取締役が清算人になることも可能です。

3. 関係者に廃業のお知らせをする

廃業をするとなった場合、これまでの取引先や顧客、債権者などに対して挨拶をする必要があります。
お知らせをしないまま解散してしまうと、今までお世話になった相手に迷惑をかけてしまいますので、その点は注意しておきましょう。

できれば廃業1ヶ月前には挨拶状などを出しておくべきでしょう。

4. 解散・清算人の登記

解散の日から2週間以内に法務局で解散の登記、清算人の登記を行います。
費用はそれぞれ登録免許税として解散の登記が3万円、清算人選任の登記が9,000円がかかります。

登記申請をする時には、定款、株主総会議事録などが必要となっています。

解散の日から2ヶ月以内に解散確定申告書を提出しなければなりませんので注意をしてください。

5. 税務署、役場などへの届出

会社を解散することができたら、税務署、税事務所、市区町村役場、ハローワーク、労働基準監督署、社会保険事務所などへ届出をします。

6. 財産目録・賃貸貸借表を作成する

解散登記を終えたら、官報で解散公告を出します。
債権を申し出るべき債権者に、解散を知らせます。
この場合、少なくとも2ヶ月以上の公告が必要
となります。

もちろん、会社側で把握している債権者には事前にお知らせをしておくべき場面です。

一方清算人は就任後、精算の手続きに必要な会社の財産を調査し、財産目録と賃貸貸借表を作成します。
また、株主総会で承認を得る必要があります。

7. 解散確定申告書を提出

解散日から2ヶ月以内に確定申告を行います。
事業年度開始~解散日までが対象です。

8. 負債の返済と株主への資産分配

解散日から2ヶ月が過ぎたら会社は精算手続きに入ります。

保有している資産を換価し、負債の返済に当てます。
この際、売掛金や貸付金などがあれば清算人は回収をします。

残余財産が確定した後、財産は株主に分配され、精算されます。

9. 精算確定申告書を提出

所得があるような場合は残余財産確定後、1ヶ月以内に確定申告をして納税します。

10. 決算報告承認総会の開催

清算人は精算終了後、決算報告書を作成します。
株主総会を開催し、精算事務報告の承認を得ます。

11. 清算結了の登記・税務署等への届出

株主総会での精算事務報告承認後、2週間以内に法務局で清算結了の登記申請を行います。
清算結了登記申請書には、決算報告承認総会での議事録を添付することが必要です。

この際の登録免許税は2,000円です。

12. 税務署、役場などへ届出

税務署、都道府県税事務所、市町村役場に精算結了の届出を提出して、解散手続きは完了です。

会社解散をスムーズに行う方法は?

会社解散をスムーズに行う方法は?

会社解散手続きは非常に複雑

以上、流れを見ていただいておわかりのように、会社解散の手続きというのは複雑な流れを持っています。

もちろん、解散手続きについて特に専門家に頼ることなく自分自身で行うことも可能ですが、少なくとも2ヶ月以上の期間を要するため、手間がかかることは確かです。

また、株主総会の議決や、法務局などへの登記、手続き、負債の返済など、手を付けなければならない業務がたくさんあることもおわかりいただけたかと思います。
素人が手を出すと何度も手続きが必要になるケースもあるでしょう。

時間も手間もかかる解散手続き

今回の記事ではできるだけわかりやすく噛み砕いて解散手続きについて説明をしてみましたが、会社を消滅させるには相応の手間がかかることはおわかりいただけたかと思います。

会社の解散、届出を経て、確定申告を含む精算、そして清算結了の登記と、時間と手間が非常にかかる面倒な手続きです。

会社解散手続きは専門家へ依頼するのも1つの選択肢

廃業、解散、精算の流れは決して単純ではありません。

そのため、どのように立ち回って対応をするかによってスムーズさや残るお金の額も変わってきます。
会社の廃業や解散などに詳しい司法書士などの専門職であれば議事録作成や公告の代行なども可能となり、手続きは楽になることでしょう。

ご自身で会社解散を進めることが難しいと感じられた場合はそういった専門職への相談も検討してみてはいかがでしょうか。