社長が急死!?中小企業のオーナー社長が亡くなった場合の相続や承継

社長が急死!?とりあえず何を注意すればいい?

中小企業にとって、オーナー経営者である社長が亡くなってしまった場合の対応というのは非常に難しいものです。

事前に相続に関する遺言の対応を万全にしていたり、後継者をすでに指名しており、いつでも事業承継できる形にしていれば問題は少ないでしょう。

しかし、現実的にはそこまで万全にしていない企業も多いのではないでしょうか。

もし間違った対応をしてしまうと、従業員、遺族ともに不幸な結果を招いてしまうことになりかねません。

今回は中小企業でのオーナー社長が急死してしまったような場合に、注意しておかなければならないことをいくつか挙げておきたいと思います。

お金の支払いを止めず、取引先に連絡する

お金の支払いを止めず、取引先に連絡する

まずはとにもかくにも、社長が亡くなったことを取引先や融資を受けている金融機関などに連絡する必要があります。

しかし、会社によっては社長が経理の担当や取引先とのやり取りを直接行っている場合があり、このような場合は取引先に連絡することすら大変でしょう。
こういった場合、お金の支払い滞ってしまうとその後の業務にダイレクトに支障が出てしまい、正常に業務を行うことができなくなってしまいます。

身内が亡くなってしまうことによって非常に慌ただしい状況に陥ってしまうことは目に見えていますが、そんな時こそ冷静に対処をしましょう。

企業がお金を払う先は以下のようなところがあります。

1. 取引先、発注先、仕入先など

まず最初に優先すべきはやりとりしている取引先です。
特に、仕入れ先などへの支払いが遅れた場合、今後の信用問題に関わってしまい、事業が立ち行かなくなる可能性もありますので、早急に連絡を取り、支払いの遅れがないようにしておくべきでしょう。

2. 従業員の給与

また、従業員の給与の支払いもどうなっているのかしっかり把握しましょう。
当然ですが給与の支払いが一日でも遅れてしまうと、従業員達のモチベーションに影響し、会社としての信用をなくしてしまいます。

3. 事務所などの家賃

事務所、工場などの賃貸のお金の支払が遅れてしまうことも重大な問題です。

銀行などの金融機関

銀行などから融資を受けている場合、支払いに滞りがないようにしましょう。
また、銀行から借り入れをしている時には、オーナー社長が個人で連帯保証人になっていることがあり、後継者と銀行との間で借り入れ金の保証人をどうするべきか話し合いが持たれることがあります。

社会保険・税金

社会保険や税金は比較的余裕があると思われますが、支払期限が近い場合は十分注意しておくべきでしょう。

株式の買取等を行う

株式の買取等を行う

会社というものは、株式を保有している方が会社の決定権、支配権を持っています。
オーナー社長の場合、社長が生前保有していた株式は当然、配偶者や子供などの相続人が受け継ぐことになりますね。

ところが、社長の親族が会社経営に関して無関心だった場合、会社にとって不幸な方向に舵を切られてしまう可能性があります。

例えば、社長が生前に遺言書を残しており、自社で働く息子を後継者として100%の株式を相続させることになっているのであればさほど問題はありません。

しかし、親族が後継者となるための準備が整っていない会社の場合は非常に危険です。
従業員や役員の方で事業をしっかり生き残らせる意思のある方は、早めに行動を起こすべきでしょう。

会社として株式を買い取って取得する(金庫株)という方法や、M&Aなどを使って事業承継を行うという手法もあります。
こういった手続きを考える際には、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

個人保証の承継は大丈夫?

個人保証の承継 大丈夫?

さきほど、銀行などの金融機関から融資を受けている場合の個人保証の話を少しさせていただきました。

社長が生前個人として連帯保証を負っていた場合、金融機関は後継者となる次期社長に連帯保証も移行させたいと考えて当然です。
実際、しっかりと後継者として事業承継をする準備が行われていれば通常はそのようなことになるでしょう。

ところが、会社の財務状況や経営についての詳細を知らず安請け合いしてしまうと大変なことになります。

財務状況がわからないなら焦らない

いち従業員や役員であれば、会社が倒産しても本人に大きなリスクはありませんが、社長となり連帯保証人となってしまった場合は倒産した時に担保を取られたりと本人に負債の支払い義務が生じてしまいます。

親族でも従業員の方でも後継者として事業承継する場合は、その点が大丈夫なのかどうかきっちり見定めましょう。

この点も、どういった方法で切り抜けられるのかというのは事業の状態によりますので、専門家に相談する方が得策かもしれません。

経営権を相続して大丈夫?遺族が注意すべきこと

経営権を相続して大丈夫?遺族が注意すべきこと

遺族の方で事業ごと相続するべきと考える方は要注意です。

すでに会社経営に十分関わっている方ならまだしも、これまで経営にタッチしてこなかった方が事業をまるごと相続してしまうと大変なことになりかねません。
相続をするということは、良きにつけ悪しきにつけ様々なものを受け継ぐことになりますので、決して気軽に相続しないほうが良いのです。

上記の連帯保証が特にそうですが、連帯保証人としての立場も相続されてしまいます。
後継者が倒産させてしまうことによって自らへのリスクが非常に大きくなることを知っておきましょう。

経営そのものに関わっていない場合でも連帯保証人として負債の支払い義務が生じる場合もありますので、この点も注意しておきましょう。

相続放棄の活用

相続が起こったことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きをすれば、相続放棄が可能です。
相続放棄をしてしまうと、一切の資産が相続できませんが、連帯保証人としての立場からも逃れられます。

相続放棄はこうやればいい!手続方法、流れ、必要書類などをわかりやすく解説!

ただし、手続きのできる期間が短いということは知っておきましょう。

こういった手続きをするかどうかというのは重大な決断です。
オーナー社長の親族で相続人の方は、しっかり状況を見定めで決断しなければなりません。

また、何も手続きをせず放置していると、基本的には自動的に相続されることになりますので注意が必要です。

生命保険の保険金を受け取る

社長に生命保険をかけている時には、死亡保険金を受け取ることができます。
これは保険金ですので、相続とはまた別にお金を受け取ることができるようになっています。

とにかく手元に現金がなければどうにもならない場合がありますので、この現金は非常に重要です。

死亡保険金を受け取る際には、会社の代表取締役を変更する登記が必要になるケースもあるため、保険会社に問い合わせをしましょう。

役員が社長の他に誰もいないときは手続きが大変になる場合もあります。

迅速な対応と決断が迫られる社長の急死

急に身内が亡くなってしまうと、非常にショックであると同時に慌ててしまう気持ちは抑えられません。

しかし選択を間違ってしまうと、自分のみならず他人や家族までも巻き込んでしまうほど会社経営というものは巨大なものです。

生前の社長がしっかり者で全てを任せてしまっているような場合、従業員や親族は「何も知らない」という状態になりがちですが、知らなかったことで大変な目に遭ってしまうことは多々あります。

できるだけ早急に専門家へ相談されるか、社長が元気なうちに事業承継の準備などを進めておくことをおすすめ致します。