農業・農家の事業承継ってどうすればいいの?

農家 事業承継

子供に話を切り出すタイミングがない…
親と農業の話をしっかりする機会がない…

そんな農家の方も多いのではないでしょうか?

農業経営者も会社経営者と同じく事業を後に守り引き継ぐ「事業承継」というものを考えなければいけない時代に来ています。

いくら先延ばしにしても必ず訪れる引退の時。
決断が早ければ早いほど有効な対策を取る事ができます。

今回は農業・農家における事業承継のあり方について解説をしました。
是非参考にしてください。

農業でも会社でも避けては通れないのが事業承継

農家 事業承継 必須
事業承継というのは日常生活ではあまり馴染みがありませんが、会社経営においては非常に重要な仕事です。

社長のイスを譲り渡せば終わりというものではなく、きちんと資産などを引き渡し、後継者が事業を発展させる事ができるように土壌を整える必要があります。

農業においてもそれは同様で、農地、農機、設備、現金や預貯金、または借金まで、譲り渡さなければならないモノは非常に多いです。
一方、技術、地域の人や取引先との関係など、目に見えないものまで引き継ぎが必要になります。

これだけの内容を後継者に託すには、思いつきでは到底つとまりません。
そのため、時間をかけてきっちり準備をした上で事業承継を行っていく必要があります。

離農が加速する日本の農業

農家 事業承継 離農
JAの正組合員は現在、70歳以上の方が半数近くとなっているのをご存知でしょうか。
農業法人は国が力を入れて推し進めているだけあって増えてはいますが、実際にはまだまだです。

新規の農業従事者も増えているようですが、耕作放棄には歯止めがかからず、今後も離農は進んでいくものと思われます。

その背景には、農家では事業承継がきちんと行われにくいということが関係していると言えるでしょう。

団塊の世代も70歳を超えるようになった今、農家は事業承継について真剣に考えて取り組むタイミングに迫られていると言えるでしょう。

全ての農家は必ず選択が迫られる

農家 事業承継 選択
農家に限ったことでありませんが、あらゆる事業体、個人事業は今の経営者のまま永遠に続くわけではありません。

経営者も年を取っていきますし、いつかは引退しなければならないのです。
しかし、対応があまりにも遅すぎると、引退のためにベストな選択をするタイミングを逃してしまい、

こんなはずじゃなかった…

といった結末になることもあります。
決断を先延ばしにする前に、農業経営について知り、必要な判断をしておきましょう。

農業経営は最終的に以下の3つのうちどれかを必ず選ぶことになります。

承継する

後継者に事業そのものを引き継ぐことです。
農業であれば、子供など親族に引き継ぐパターンが多いでしょう。
しかし、事業承継はすぐにできるものではありません。

様々な制約もあり、有利に進めるための税制なども沢山ありますので、きちんと計画を立てて早めに行動に移すのがベストです。

売却する

売却をすることも一つの選択肢です。
しかしながら、現状としては農家の事業は買い手がたくさんいるという状況ではないため、良い条件で売却できることはあまりないでしょう。

廃業する

寂しいことですが、誰も後を継ぐことなく、売却の目処も立たなければ廃業ということになります。
現在日本では耕作放棄地は増加しており、今後も廃業する農家は増える可能性があります。

事業承継が速やかにできない理由とは?

事業譲渡 事業承継
農家において事業承継がなかなかスムーズにできないのにはいくつか理由があります。
具体的には親子だから、親族だからとあまり突っ込んだ話を先延ばしにする傾向になるようです。

農業に従事している方からよく聞かれる声をピックアップしてみました。
もし自分も当てはまっていると思われた方は要注意です。

現事業主の声

子供にあらたまってそんな話をするタイミングがない
子供に継がせるのは大変そうだ
経営の話をするのが面倒で難しい

子供や親族の声

まだ本人は元気なので切り出すことができない
いつかは継ぐことになるとは思うが何も決めていない
継ぐ覚悟が決まっていない
経営の話などをするといつも口論になるので困る

親子で農業の事業承継をする際のステップ

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1. ルールを作成する

感情的にならない、毎週一回時間を決める、お酒を飲んで話さないなどです。
親子とは言っても別々の人格ですから、触れられたくないこともたくさんあるでしょう。
お互いに「○○の話はしない」「怒らない」などある程度ルールを決めておくとスムーズに話がしやすいでしょう。

2. プランを立てる

農業の話はもちろんですが、家族関係のことや今後のお金のことなどをしっかり話し合い、計画していきましょう。

3. 経営実態を把握

個人経営などの場合は特に、経営実態などがあまりチェックされていない事が多いでしょう。
また、子供などは手伝いはしていても実態までは知らないかもしれません。
資産、機械装備はどんなものがあるか、負債はどれくらいあるかなど農業経営の内情をきちんと整理します。

4. 具体的に必要なことを考える

次はいざ事業承継するとなった時に必要なことをまとめてきます。
お金や資産の承継、技術的なことや顧客などの情報をどう承継していくかなど、具体的な話を進めます。
法的な手続き等が必要であったり、税金がかかってくる部分なども把握しておきましょう。

5.事業承継計画書を作成

話し合いが机上の空論で終わらないよう、スケジュールを立てます。
具体的に「いつまでに何をするのか」ということを細かく決めると良いでしょう。
数年~10年ほどかけて、きちんと事業承継をして引退できるようにしましょう。

家族経営農業の事業承継におけるメリット

事業譲渡 事業承継
日本では、農業の9割以上が家族経営です。
そのため、家族経営ならではとも言える事業承継のメリットが多々あります。

ゼロからのスタートではないため、事業承継をすることにも一定のメリットがあります。

農地、農機などが引き継げる

土地や設備を引き継ぐことができるため、通常かかるはずの初期投資がかからないというメリットがあります。

技術を受け継ぐ事が可能

家族で事業承継をするとなれば、技術もしっかりと受け継ぐことができます。
また、すでに後継者が兼業で農業の手伝いなどをしている場合は内容をある程度把握していることも多いでしょう。

信頼も引き継げる

子供や親戚が農業を引き継いだとなれば、地域の人々や従業員、取引先などが納得をしてくれる場合が多いでしょう。
そのため、信頼や顧客なども引き継ぎでき、新規事業と比較して開始しやすいですね。

事業承継のタイミングは「今」

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もし農業の事業承継を考える後継者や事業主なら、是非積極的な態度を持ってすぐに行動に移した方が良いでしょう。

時間は有限です。
例えば現事業主が亡くなってから引き継ぐことになれば、それは事業承継ではなく相続です。

相続は非常に受動的なものになってしまうため、事業承継もスムーズに行かないことが多いのです。

また、事業主が元気なうちであればあれこれと決めごとをすることもできますが、元気でなくなってしまうとそんな話をすることもできなくなります。

事業承継は数年かけて行うことによって、できるだけ有利な状況を作ることができるものです。
早めに話を切り出すことには何のデメリットもありませんので、是非すぐに行動を起こしてください。

また、親子関係であらたまった話をするのは気恥ずかしい、自信がないという方も多いでしょう。

そういった方は税理士などの専門家に相談してみることをオススメします。
第三者目線で必要なことを示すことができますので、きっと事業承継を前に進めてくれることでしょう。