相続税を延納するとこうなる!延納期間や利子税などの延納制度をわかりやすく解説!

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遺産相続で問題になるのが相続税です。

財産を相続することになったものの、遺産総額が多いために相続税を支払うことができず、財産を処分していかなければならないケースは多々ありますよね。

しかし、場合によっては相続税は延納ということで一度に支払わなくても良い場合があります。
今回は相続税の延納に関して

  • 延納のための条件
  • 利子税の利率
  • 延納期間
  • 特例による利子税の軽減

などについて解説をします。

相続税を延納できる?

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相続税は要件が整えば延納することができます。
その場合、相続税の納付期限までに申請書を提出し、手続きを行います。

何年かかけて支払いをしますが、その際には利子税というものがかかります。
支払い方法は年賦方式となり、さしあたって手元にあるお金で支払いができる上、先々にわたって少しずつの納付ができるようになっています。

また、近年では銀行の金利に応じて特例による利子税の軽減も行われています。

相続税延納のための条件

  • 金銭で一度に納めるのが難しい場合
  • 相続税額が10万円以上
  • 延納税額に見合うだけの担保を提供する

担保として認められるものは以下のもの

(1) 国債及び地方債
(2) 社債その他の有価証券で税務署長が確実と認めるもの
(3) 土地
(4) 建物、立木、登記される船舶などで、保険に附したもの
(5) 鉄道財団、工場財団など
(6) 税務署長が確実と認める保証人の保証
※ 税務署長が延納の許可をする場合において、延納申請者の提供する担保が適当でないと認めるときには、その変更を求めることとなります。

引用元:国税庁ホームページ

 

相続税を延納している間には利子税がかかる

利子税は、年賦方式で支払う相続税にかかる利子です。
延納している相続税を支払う際、支払い金額と同時に年利の分を支払っていくということになります。

延滞税は利子税とは別

もちろん、利子税とは別に延滞税もあります。
利子税は延納制度を使った場合の利子ですが、延滞税は期限までに納付しなかった場合のペナルティのようなものです。

利子税の税率と延納期間は?

気になるのが利子税の割合や延納期間ですよね。
この利子税の割合や延納期間は、相続財産の内容によって変わることになっています。

例えば相続財産の中で現金が多かったのであれば「支払い能力が高い」ともちろんみなされますので、延納期間も短く、利子税率も高くなります。

具体的な例は以下の一覧表で確認をしてみてください。

税率と延納期間一覧

区分 延納期間
(最高)
延納利子税割合
(年割合)
特例割合
不動産等
の割合が
75%以上
①不動産等に係る
延納相続税額
10年 5.4% 1.1%
②不動産等に係る
延納相続税額(③を除く)
20年 3.6% 0.7%
③森林計画立木の割合が
20%以上の森林計画立木に係る
延納相続税額
20年 1.2% 0.2%
不動産等
の割合が
50%以上
75%未満
④動産等に係る
延納相続税額
10年 5.4% 1.1%
⑤不動産等に係る
延納相続税額(⑥を除く)
15年 3.6% 0.7%
⑥森林計画立木の割合が
20%以上の森林計画立木に係る
延納相続税額
20年 1.2% 0.2%
不動産等
の割合が
50%未満
⑦一般の延納相続税額(⑧⑨⑩を除く) 5年 6.0% 1.3%
⑧立木の割合が30%を超える場合の
立木に係る
延納相続税額(⑩を除く)
5年 4.8% 1.0%
⑨特別緑地保全地区等内の
土地に係る延納相続税額
5年 4.2% 0.9%
⑩森林計画立木の割合が
20%以上の森林計画立木に係る
延納相続税額
5年 1.2% 0.2%

税率は以上の表のようになっています。
ただし、現状は銀行の低金利の影響で特例制度を活用することができるようになっており、特例割合の税率が適用されています。
この割合は変動するものとなっていますので注意が必要です。

利子税には特例制度がある

銀行の金利に応じて、一番右側にある特例割合が現状適用されるようになっています。
そのため、実質的に相続税の延納の利子税は通常よりも低くなっています。

なお、各年の延納特例基準割合(※)が7.3%に満たない場合の利子税の割合は、次の算式により計算される割合(特例割合)が適用されます。

(算式)
延納利子税割合(年割合) × 延納特例基準割合(※) ÷ 7.3% (注)0.1%未満の端数は切り捨て

※ 延納特例基準割合
各分納期間の開始の日の属する年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合

引用元:国税庁ホームページ

何やら難しい計算ですが、現状の銀行の金利が極限まで低くなっていることを受けて、特例措置で利子税が軽減されます。
これは毎年変化するものですので経済の状況が変われば変化しますが、2018年現在の状況では利子税が通常よりも低くなる傾向にあると考えて良いでしょう。
そのため、銀行から借り入れをして相続税を支払いするよりも延納制度を使った方が有利になると言われています。

贈与税の延納制度

相続税の申告や納付期限はいつまで?期限を過ぎると罰則があるので要注意!

贈与税の場合も相続税と同様に納付が難しい場合は延納制度を活用することができます。
延納制度を使えば最長5年間の延納ができることになっています。

贈与税を延納する際の要件

  • 贈与税額が10万円を超えていること
  • 金銭で一度に納めるのが難しい場合
  • 担保を提供する

(ただし100万円以下、延納期間3年未満の場合は担保不要)

贈与税の利子税

贈与税にも当然利子税があります。

贈与税の利子税は原則年6.6%ですが、こちらも現在の税制では前々年の10月~前年の9月における短期貸付の平均利率によって、特例割合が適用されることもあります。
延納特例基準割合というものが7.3%に満たない場合は軽減される仕組みとなっています。

贈与税の延納利子税の割合について、各分納期間の開始の日の属する月の2ヵ月前の月の末日の日本銀行の定める基準割引率に4%を加算した割合(以下「延納特例基準割合」といいます。)が7.3%に満たない場合には、その分納期間においては現行の利子税の割合に延納特例基準割合が7.3%に占める割合を乗じて計算した割合(以下「延納特例割合」といいます。)となります。

現行のの延納利子税の割合(6.6%) × 延納特例基準割合 ÷ 7.3%

引用元:国税庁ホームページ

こちらも相続税の特例の場合と同じく、6.6%より低くなる可能性があります。

相続税の延納を活用するかどうかは税理士、弁護士に相談を

いかがでしたでしょうか?

いくつかの条件を満たせば相続税を無理に払うよりも延納制度を活用した方が有利になる場合もあるのではないでしょうか。
ただし、今回述べたような条件や利子税がどこに当てはまるのかなどによって判断を変えるべきではないかと思います。

相続税の支払いに悩んでいるよりも、相続に強い税理士や弁護士などの専門家に一度相談してみると有意義な提案が受けられるのではないでしょうか。