生前贈与する際に書いておくべき贈与契約書を素人でもわかりやすく解説!

生前贈与 相続税の申告や納付期限はいつまで?期限を過ぎると罰則があるので要注意!

「相続税が高くなりすぎないように、贈与を活用したい」
「贈与税には控除額があるので、うまく使えば有利になる」

このような話を聞いたことはありませんか?

相続問題をスムーズに解決するためには、相続が発生する(被相続人が亡くなる)前の段階から準備をしておくことが最善の方法でしょう。
備えのない状態で急に相続が発生してしまうと、家族間の争いに発展してしまったり、相続税が高額になりすぎて親族にしっかりと遺産を残すことすらできなくなることもあります。

そのため、被相続人(遺産を残す側の方)が亡くなる前に生前贈与という方法を使って財産を譲り渡しておく方法が一般的です。
この記事では生前贈与をしたい、生前贈与を受けたいという方が必ず知っておくべき贈与契約書について詳しく解説をします。

贈与税と贈与契約書

贈与税とは何かご存知ですか?

個人から個人へ財産を贈与した際に課される税金が贈与税です。
贈与税の対象になるのは金銭だけでなく有価証券、不動産など様々な財産となります。

「個人間でのやりとりなのだから税金なんてかからないでしょう?」

と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それは違います。
贈与税がかかるようなケースには申告・納税の義務があり、申告漏れの場合は追徴課税が課されるなどペナルティもあるため、きっちりと贈与税については知っておく必要があります。

この贈与の額や贈与者、受贈者などをしっかりと客観的に残しておくのが贈与契約書です。

贈与税の基礎控除額は年間110万円まで

まず、贈与税の基本です。
贈与税にも基礎控除額があります。

それは年間一人あたり110万円の受贈までは無税で受け取ることができます。
受け取る側の金額が年間いくらになるのかということで税金の金額が確定しますので、贈与をする側には特に基礎控除額の上限はありません。

例えば5人の子供や孫に贈与する場合は…

110万円 × 5人 = 550万円

となりますので、年間550万円までは無税で贈与をすることができます。
受け取る側の方は、複数人から受け取ってしまうと「受け取った合計額」が贈与税の対象となりますので注意しましょう。

しかし、この基礎控除が適用されないケースなどもありますので、その点を把握する必要があります。

贈与税の基礎控除について注意

このように、遺産相続する前に贈与しておけば贈与税もかからず、相続税も軽減できるため、節税目的が明白な場合などは基礎控除が適用されないこともあります。

例えば、毎年同じ人物に、同じ時期、同じ金額(例えば110万円ちょうどやギリギリなど)を贈与し続けていたとします。
こういった場合は「計画的にまとまった金額を贈与しようとしている」とみなされてしまうのです。

結果的に、何年もかけて同じ金額を同じタイミングで贈与し続けると、一括贈与をしたのと同じ贈与税を課税されることもありますので、知っておきましょう。

贈与契約書の重要性

生前贈与 株式相続 相続税2割加算の計算方法

贈与とは契約である

「贈与」という行為はひとつの「契約」です。

少なからず財産を無償で贈る、受け取るという関係になりますが、こういった場合には税務上定められている内容をしっかり踏まえて対応しなければならないのです。
個人間であるから黙っておいても良い、証拠もなくても良いという風に対応していると問題が起こってからでは遅すぎますよね。

例としては、親が子供に贈与のつもりで子供名義の口座にお金を振り込んだとします。

子供がきっちりとそのお金を管理していない場合、親が亡くなった際にそのお金は「親の遺産である」と判断され、せっかく贈与しても無駄になってしまうこともあるのです。
贈与を受ける相手が未成年であっても、しっかりと契約をしているということを残す必要があります。
そのため、贈与契約書というものが必要になります。

贈与契約書とは

確かに贈与契約書がなくても贈与はできるかもしれません。
少額であれば問題はありませんが、年間110万円ともなると決して少額ではありませんので、きっちり契約書として残しておくことをおすすめします。

このように、贈与をした、された、という契約を書面できっちり形として残しておく場合の書類を贈与契約書と言います。

贈与契約書のわかりやすいポイント

生前贈与 注意点

次に贈与契約書を作成する場合に必要なポイントを解説します。

贈与契約書 5つの重要なポイント!

まずは贈与契約書には以下のような項目を必ず記載し、客観的に契約内容が明確になるように対応してください。
基本事項が抜け落ちていると、贈与契約が自体がなかったことになってしまい、基礎控除が受けられないという事態になりかねません。
以下の5つが、贈与契約書を作成する上で必ず必要なポイントです。

・誰が贈与するのか?(贈与者)
・誰が受け取るのか?(受贈者)
・いつ贈与するのか?(贈与の時期)
・どのように贈与するのか?(贈与の方法)
・何をどれだけ贈与するのか?(贈与財産の内容)

贈与する際に登記などが必要な場合

贈与するものが現金でない場合は注意が必要です。

例えば土地、建物などの不動産の場合、対象となる不動産の登記をする必要があります。
登記がなされていなければ、結果的に贈与したことにはなりません。
しっかりと法務局で「登記事項証明書」を取得し、物件の詳細を調べておき贈与契約書に記載する必要があります。

また、もちろん法務局での登記手続きも行うことなります。

贈与契約書には、

不動産物件の所在
家屋番号
種類
構造
床面積

こういったことも記載をする必要がありますので十分注意しましょう。

生前贈与を活用する際に注意しておきたいこと

生前贈与 注意点

さらに、生前贈与する際に注意すべきことを追加で解説します。
こういった点を見逃してしまうと、せっかくの生前贈与が無駄になってしまいかねませんので気をつけましょう。

お金のやりとりが残る形で贈与する

贈与契約書はもちろんですが、お金を贈与する場合はしっかりと振込の記録が残るようにしてください。
また、通帳や印鑑の管理も受贈者(贈与を受ける方)がしておく必要があります。

例えば、実質的に親が口座の管理を行い、お金の引き出しなどを本人が行っていない場合、名義だけ子供に貸しているとみなされてしまうことがあり、子供の預金とは見られないことになります。

株式を贈与する場合は名義変更を

土地や家屋、建物などの不動産の際と同じ理屈ですが、株式を親族に譲るような場合も暗黙の了解では済ませられません。
きっちりと株式の名義を変更する手続きが必要となりますので気をつけてください。

非上場株式の場合は発行会社とのやりとり、上場株式の場合は基本的に証券会社での手続きとなるでしょう。

相続が発生した際は3年さかのぼって相続扱いとなる

予測が難しい事例ではありますが、贈与者が亡くなってしまうケースも想定する必要があります。
贈与者が亡くなると、遺産相続が発生するのですが、相続発生時点(亡くなったタイミング)からさかのぼって3年以内に贈与された財産は「贈与ではなく相続したこと」として扱われることになります。

そのため、相続税対策の意味で生前贈与を活用されたいような場合は、一刻も早く手を打っておくことが重要となります。

贈与額が多すぎるのも注意が必要

相続するよりも贈与をする方が有利であると思いこんでしまうため、贈与をしすぎるのも注意しましょう。
今回の記事のように贈与契約書を作成してきっちりと誰が見ても贈与したこととする場合、贈与した後のお金や財産は取り戻すことはできません。

例えば親子関係が悪化してしまって返してほしいと言っても通用しないのが実状です。
そのため、贈与者の側が老後のたくわえなど必要なお金をしっかりと担保しておかなければならないということも是非知っておいていただきたいと思います。

生前贈与をスムーズに進めるために

いかがでしたでしょうか?

生前贈与というものが活用されるということを知って、贈与を活用されたいと考えていらっしゃる方は多いはずです。
しかし、焦りは禁物です。

しっかりとした計画に基づいて順序立てて対応をしなければ、生前贈与自体が無駄になってしまうこともあるとおわかりいただけたかと思います!

生前贈与を誰の目から見ても問題ないものとするため、贈与契約書の存在は必要不可欠と言って良いでしょう。
贈与契約への対応が難しい、わかりづらいという場合、そのまま放置しておくのは良くありません。
早急に対処するためにはしかるべき専門家や相談できる方に詳しく話を聞いておくべきではないでしょうか。