贈与税の非課税枠の金額は?基礎控除や節税に使える制度を紹介

贈与税 非課税枠

贈与税には、基礎控除という誰でも使える非課税枠の制度があります。

贈与税の基礎控除とは、1年間に110万円までの贈与なら課税されないというものです。

「贈与をしたいけれど、贈与税が心配。。」なんてお悩みの方は、基礎控除の非課税枠を活用しましょう!

また、基礎控除以外にも、贈与税を節税できる制度や特例があるんです。

今回は、贈与税の非課税枠の内容やそれぞれの制度や特例の使い方についてご紹介します。

贈与税を非課税にする制度や特例について理解して、できるだけ贈与税をおさえて財産を渡しましょう。

1.贈与税の非課税枠とは

贈与税 相続税対策 節税

贈与税の非課税枠とは、一般的に1年間に110万円までの贈与なら贈与税がかからない基礎控除のことを言います。

この非課税枠を使えば、1年間に110万円までなら贈与税をかけずに財産を渡すことが可能です。

贈与税の1年間110万円の非課税枠は誰でも使うことができ、課税方法は暦年課税贈与と言われます。

贈与したい財産が110万円を超えていても、何年かにわたって贈与を行えば、非課税のまま贈与を行うことが可能です。

また、他の制度を活用することで非課税となる金額が増える場合があります。

例えば、教育資金を一括で子どもに贈与するときは、2,500万円が非課税となるのです。

また、そもそも贈与税の対象にならない非課税の財産も存在しています。

まずは贈与税が非課税の財産を見ておきましょう。

2.まずは贈与税が非課税の財産を確認しよう

贈与税 非課税 財産 確認

財産の性質から考えて、贈与税の対象ではない財産も存在しています。

贈与税の対象外の財産は以下のようなものです。

  • 法人からもらった財産
  • 扶養義務があるとき都度で渡す生活費や教育費
  • 公益事業のために使われる財産
  • 特定の公益信託から支給される奨学金
  • 心身障害者共済制度の給付金
  • 特別障害者扶養信託契約に基づいた信託(6,000万円まで)
  • 公職選挙法が適用される選挙候補者が選挙のために手に入れた財産
  • 香典や年末年始の贈答、祝物、お見舞いなど社交上必要と認められるもの
  • 離婚による財産分与でもらった財産

もしも贈与したいと考えている財産がこれらに当てはまるなら、贈与税の対象ではないので安心してください。

ここに挙げられていない財産であれば、110万円を超えたら贈与税の対象となります。

ただし、基礎控除以外にも贈与税が非課税になるケースがあるので、それに当てはまれば贈与税がかからないかもしれません。

ここからは、贈与税が非課税になるケースについて確認していきましょう。

3.贈与税が非課税になるケース

贈与税 非課税 ケース 確認

基礎控除の年間110万円の非課税枠は誰でも使えるものですが、他にも条件を満たせば利用できる非課税の制度があります。

贈与税が非課税となるケースは、以下のような場合です。

ケース1.夫婦間贈与時の配偶者控除を利用するとき
ケース2.住宅取得等資金贈与を行うとき
ケース3.教育資金の一括贈与を行うとき
ケース4.結婚・子育て資金の一括贈与を行うとき

それぞれのケースについて、順番に確認していきましょう。

ケース1.夫婦間贈与時の配偶者控除を利用するとき

居住用の不動産を手に入れるために資金を贈与するケースでは、配偶者控除の特例で夫婦間の贈与が非課税となる場合があります。

配偶者控除の特例とは、住むための不動産の購入や建築のため、夫婦間で資金を贈与するときに一定の金額が非課税となるものです。

配偶者控除の特例の節税効果

配偶者控除の特例では、2,000万円までなら贈与税がかからなくなります。

この特例は、1年間に110万円までの贈与なら非課税となる基礎控除と併用が可能です。

したがって、2,110万円までは非課税ということになります。

配偶者控除の特例の注意点

注意するべき点は、配偶者控除は誰でも使えるわけではないということです。

配偶者控除の特例を利用するには、以下のような条件があるので確認しておきましょう。

  • 贈与する人は、婚姻の届出の日から贈与日まで20年以上の配偶者である
  • 国内にある居住用不動産のための費用である
  • 居住用不動産は、現在住んでいるか翌年3月15日までに住む見込みである
  • 過去に同じ贈与者からの贈与で、この特例を使ったことがない場合である

条件にあてはまるようなら、2,000万円もの金額が非課税となるので、利用するようにしましょう。

配偶者控除の特例の利用手続き

配偶者控除の特例を利用するには、以下の書類を添付して、贈与税の申告をすることが必要です。

  • 財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍謄本または戸籍抄本
  • 財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍の附票の写し
  • 居住用不動産の登記事項証明書など贈与を受けた人がその居住用不動産を取得したことを証するもの

配偶者控除の特例を使おうと思っている場合は、贈与税の申告の際にこれらの書類を忘れないようにしましょう。

ケース2.住宅取得等資金の贈与を行うとき

住宅を購入するための資金を贈与するケースでは、贈与税が非課税となる住宅取得等資金贈与の制度が利用できる場合があります。

住宅取得等資金制度とは、両親や祖父母などから住宅取得資金として贈与された一定の金額が非課税となるものです。

住宅取得等資金贈与の節税効果

住宅取得等資金制度で非課税になる金額は以下の表のようになります。

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
~平成27年12月31日 1,500万円 1,000万円
平成28年1月1日~平成32年3月31日 1,200万円 700万円
平成32年4月1日~平成33年3月31日 1,000万円 500万円
平成33年4月1日~平成33年12月31日 800万円 300万円

住宅用家屋の新築などへの対価の額に含まれる消費税の税率が10%なら、以下の表になります。

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
平成31年4月1日~平成32年3月31日 3,000万円 2,500万円
平成32年4月1日~平成33年3月31日 1,500万円 1,000万円
平成33年4月1日~平成33年12月31日 1,200万円 700万円

このように、平成30年度に契約すれば最大で1,200万円が非課税になるのです。

住宅取得等資金贈与の注意点

住宅取得等資金贈与の特例は、平成27年1月1日から平成33年12月31日までの期間限定の特例です。

使おうと予定しているなら、期限に間に合うように気をつけましょう。

また、以下の条件に当てはまる必要があります。

  • 贈与を受ける人の年齢が、贈与を受けた年の1月1日において満20歳以上であること
  • 贈与を受ける人の年間所得が、2000万円までであること
  • 贈与を受けた年の翌年の3月15日までに住宅を取得し、居住すること

さらに、住宅取得等資金の贈与は、リフォームをする場合にも使えますが、条件が増えます。

リフォームの条件とは、工事費が100万円以上で、自分が所有して住んでいる住宅のリフォームであるというものです。

自分のケースで住宅取得等資金の贈与が利用できるか確認してみましょう。

住宅取得等資金贈与の利用手続き

住宅取得等資金贈与を利用するには、以下の書類を添付して、贈与税の申告をすることが必要です。

  • 贈与を受ける人の戸籍謄本または戸籍抄本
  • 源泉徴収票など合計所得金額がわかる書類
  • 請負契約書や売買契約書の写し
  • 新築又は取得した住宅用家屋に関する全部事項証明書
  • 中古住宅の場合は耐震基準適合証明書

配偶者控除の特例を使おうと思っている場合は、贈与税の申告の際にこれらの書類を忘れないようにしましょう。

ただし、ケースによっては必要な書類が増えることがあるので、事前に税務署に確認してください。

ケース3.教育資金の一括贈与を行うとき

教育資金を一括で贈与するケースなら、贈与税が非課税となる制度が利用できることがあります。

教育資金の一括贈与で非課税になるのは、30歳未満の子どもか孫に、教育のための資金を贈与する場合です。

教育資金の一括贈与の節税効果

教育資金として一括で贈与するなら、1,500万円までが非課税です。

ここでいう教育資金とは、学校への入学金や授業料、塾の学費、スイミングスクールや自動車学校の費用などとなっています。

教育資金の一括贈与の注意点

注意が必要なのは、贈与を受けた子どもや孫が30歳になった段階で、残っていた教育資金には贈与税がかかるということです。

したがって、教育資金の一括贈与を利用するのであれば、教育資金を使う計画を入念にたてなければなりません。

事前に細かいスケジュールをたてて、必要な分だけ贈与を行うようにしましょう。

教育資金の一括贈与の利用手続き

教育資金の一括贈与は、金融機関を通して税務署に手続きを行います。

多くの銀行や信託銀行で行われているので、日常で使っている銀行に相談してみましょう。

利用の申込みをする際には、金融機関に以下の書類を提出しなければなりません。

  • 受贈者の戸籍謄本または戸籍抄本
  • 住民票の写し(贈与を受ける人の氏名、生年月日、住所、贈与者との続柄を証する書類)

教育資金の一括贈与を行う際には、税務署ではなく銀行で手続きをすることに注意しておきましょう。

ケース4.結婚・子育て資金の一括贈与を行うとき

結婚や子育ての資金を一括で贈与するケースでは、贈与税が非課税となる制度が利用できる場合があります。

結婚・子育て資金の一括贈与が非課税になるのは、20歳〜49歳の子どもか孫に、結婚や出産・子育てのための資金を贈与する場合です。

結婚・子育て資金の一括贈与の節税効果

結婚や出産・子育てすべてのための資金なら1,000万円まで、結婚資金のみなら300万円までが非課税となっています。

内容によって非課税となる金額が違うので、自分のケースではどちらになるか確認してみてください。

結婚・子育て資金の一括贈与の注意点

この節税対策は、平成31年3月31日までの贈与にのみ使えるものなので、気をつけなければなりません。

また、他に注意するべき点は、子どもや孫が50歳になった段階で、残っていた資金については贈与税がかかるということです。

そして、もしも子どもや孫が50歳になる前に贈与した人が亡くなったなら、相続税が発生します。

したがって、結婚・子育て資金の一括贈与を利用するのであれば、資金を使う計画を入念にたてなければなりません。

使い切れる金額を贈与できるようにスケジュールをたててみましょう。

結婚・子育て資金の一括贈与の利用手続き

結婚・子育て資金の一括贈与は、金融機関を通して税務署に手続きを行います。

多くの銀行や信託銀行で行われているので、日常で使っている銀行に相談してみましょう。

利用の申込みをする際には、金融機関に以下の書類を提出しなければなりません。

  • 受贈者の戸籍謄本または戸籍抄本
  • 住民票の写し(贈与を受ける人の氏名、生年月日、住所、贈与者との続柄を証する書類)
  • 贈与に関する契約書など、贈与の事実や年月日がわかる書類

結婚・子育て資金の一括贈与を行う際には、税務署ではなく銀行で手続きをすることに注意しておきましょう。

4.贈与税について税理士に相談しよう

贈与税 相続税 税理士 控除

贈与税を非課税にするには、基礎控除の非課税枠や条件によって使える制度や特例があるので税理士に相談するべきです。

税理士に相談することによって、自分のケースで使える非課税制度を提案してもらえます。

非課税制度の提案だけではなく、節税のための方法を教えてもらえる可能性も高いです。

例えば、土地を贈与する場合には、適切な土地の評価額を算出してもらうことで贈与税額を節税できます。

しかし、税理士なら誰でも良いというわけではありません。

税理士には法人税や所得税など贈与税以外にも分野がさまざまあるので、贈与税に強い税理士を選ぶことが大切です。

贈与税について詳しくない税理士を選ぶと、制度や特例などを活用できずに税額が高くなるかもしれません。

贈与税に強い税理士を選ぶポイントは、贈与案件に関わった経験が豊富で幅広い知識がある人を選ぶことです。

また、相談に行ったときに話しやすいと感じる人にした方が、何でも質問できるので安心して任せられます。

多くの専門家は最初の相談は無料で受け付けているので、まずは早めに無料相談に行ってみましょう。

5.【補足】贈与税の計算方法を確認しておこう

贈与税 相続税 計算方法

「贈与税を非課税にするための制度を使っても、贈与税は0円にはなりそうにない。。」という人もいると思います。

そのような場合、大まかにどれくらいの贈与税が発生するのかを計算してみましょう。

贈与税の概算であれば、自分で行うことができます。

まずは、贈与税の税率を確認しましょう。

5−1.贈与税の税率

贈与税の税率は、以下のようになっています。

110万円を差し引いた課税対象の金額 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

税率が15%以上なら、税率に応じた控除額を差し引きます。

ただし、すべての贈与がこの税率だとは限りません。

税率の低い特例贈与税というものがあるので、確認しておきましょう。

特例贈与税なら税率は低くなる

祖父母や父母などから、その年の1月1日において20歳以上の子や孫などへの贈与のときは、税率が以下のようになります。

110万円を差し引いた課税対象の金額 税率 控除額
200万円以下 10%
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

通常の贈与税よりも、課税対象の金額に対しての税率は下がっています。

また、控除額も多くなっているので、特例贈与税の場合には贈与税額は少なくなります。

ここからは、実際に贈与税を計算してみましょう。

5−2.贈与税の具体的な計算例

贈与税を計算するためには、以下の計算式を使います。

(贈与した財産の総額 − 110万円)× 贈与税の税率 − 控除額 = 贈与税額

例えば、贈与した財産の総額が500万円のときは、以下のように計算できます。

(500万円 − 110万円)× 20% − 25万円 = 53万円

もしも特例贈与税の場合は、同じく贈与した財産の総額が500万円でも、以下のようになります。

(500万円 − 110万円)× 15% − 10万円 = 48万5,000円

贈与税は原則としては、以上のように計算することができます。

「もっと詳しく贈与税の計算方法が知りたい」という人は、『贈与税の税率や計算方法、申告手続きについて丁寧に解説!』を読んでみてください。

まとめ

贈与税には、基礎控除をはじめとした、非課税となる制度があります。

非課税の制度を活用して、できるだけ贈与税を抑えて財産を贈与しましょう。

非課税となる制度を含め、節税方法を詳しく知りたい場合には、税理士に相談するのが良いです。