病院M&Aのスキームを徹底解説!買収のメリットや注意点、成功事例を公開

m&a 病院

近年、病院の後継者不足で売却を希望する人が増えてきていることから、買収によって開業や事業拡大をしようとする病院経営者が増えています。

病院のM&Aは、確実に病院を新設することが出来るのです。

でも、「どうやって病院をM&Aすれば良いの?」と疑問に思っている人も多いはず。

そこで今回は、病院M&Aの流れや買収のメリット、注意点などを詳しく解説しています。

注意点に気を付けながら、M&Aでの買収に成功させて、新規参入を実現させましょう。

 

M&Aについて、どんなものか知りたいという方は以下の記事を参考にしてください。

M&Aとは?その目的や手法、メリット・デメリットをわかりやすく解説

病院M&Aは成約率が高い

病院 M&A

病院M&Aとは、医療法人を売買することを言います。

後継者不足や診療報酬のマイナス改定の影響により、病院運営を続けられない医療法人が増えてきており、病院を売却しようとする人が増えてきています。

一方、新規で病院を設立するよりもコストがかからないため、買い手も増えているのです。

病院の場合、病床(ベッドの数)が地域ごとに決められているので、既存の病床を買い取ることでスムーズに規模を拡大することも出来ます。

また、開業をするために病院M&Aを利用するケースも増えているのです。

病院のM&Aの予算は、地域や規模によって異なります。

赤字の多い病院だと1,000万円程度で買収することも出来ますし、大きな総合病院であれば数億円になることもあるのです。

病院M&Aの成功事例

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病院M&Aはなかなかニュースで聞く機会がないと思います。

ここで、病院M&Aの事例をご紹介します。

今回ご紹介する事例では、買収をすることで開業を決めたA医院長の話です。

【買い手】大学病院勤務のAさん
【売り手】病院B

Aさんは、医者になって20年のタイミングで、独立しようと考えていました。

しかし、手続きの多さになかなか決心がつかずにいましたが、病院M&Aという話を聞き、M&Aアドバイザーに相談。

一方、病院Bの医院長は早期リタイアを検討していました。

病院Bは、小さい病院ながらも、地域の人に愛されていて経営は安定していました。

両者は3度の面会を通じて、お互いの思いや考えを共有。すぐにM&Aが成立しました。

年間の利益が700万円程度だったこと、そのまま医療器具を使えることなどを加味し、終的には1,500万円で買収が決定したのです。

Aさんは念願の独立を果たし、病院Bの院長も希望通り早期リタイアをすることが出来ました。

病院M&Aのメリット

病院 M&A

事例のように、個人が病院を買収することも出来ますし、病院が事業拡大のためにほかの病院を買収することも出来ます。

ここで病院M&Aを利用することで得られるメリットを確認していきましょう。

3-1.従業員や医療設備、患者を引き継ぐことが出来る

病院M&Aでは、従業員や医療設備、患者をそのまま引き継ぐことが出来ます。

多くの場合、病院の経営者が変わっても患者に広報はされません。

大きな病院だと、従業員にも知らされないケースもあるくらいです。

そのため、従業員の採用や医療設備の選定に時間をかける必要がありません。

また、すでに通っている患者もいるので、新しく患者を獲得する必要もないのです。

3-2.簡単に開業できる

病院M&Aは病院の新設に比べると、多くの手間を省くことが出来ます。

病院を新しく設立するには、多くの手順を踏まなければなりません。

場所の申請・開業資金の調達・設計や内装の決定・医療機器の選定・行政への届け出・従業員の採用など、やらなければならないことが膨大にあるのです。

病院M&Aだと、基本的に必要なことは買収資金の調達と行政への届け出だけで済みます。

その他の手続きなどは、必要ありません。

そのため、新設するよりもM&Aを利用した方が時間的にも費用的にもコストをかけなくて済むのです。

3-3.確実に病床の数を確保出来る

病院M&Aだと、確実に病床(ベッド数)を確保することが出来ます。

新しく病床を増やすためには、都道府県知事に対する申請が必要です。

しかし、大幅に病床を増やす場合、簡単には許可が下りません。

病院M&Aでは、すでに病床が確保されているため、確実に病床を確保することがが出来ます。

病院M&Aを利用した買収スキーム

病院 M&A

病院M&Aをするためには、M&Aアドバイザーが必要になります。

M&Aアドバイザーは、第三者視点からM&Aに関する交渉をまとめてくれるので、トラブルやリスクを防ぐ役割を担ってくれます。

もちろん、これから買収する病院に問題があれば、その部分を指摘してくれるので、頼れるパートナーになってくれるでしょう。

ここからは、M&Aアドバイザーに依頼した場合の、病院M&Aの買収までの流れを説明します。

検討開始から病院買収までは、約6ヶ月~1年程度です。

大きく、(1)事前準備(2)企業選び(3)契約(4)統合プロセスの4つの過程に分けてみていきましょう。

(1)病院M&Aの事前準備

①本当に病院M&Aをするべきか?

買収を決定する前に以下の3つについて明確にしておく必要があります。

・病院M&Aの目的と戦略

・適切な買収先の病院像

・病院M&A基本計画の策定(スケジュール)

この3点が定まっていないと、病院M&Aの成功は実現しません。

②M&Aアドバイザーの選定・契約

経験と実績が豊富なM&Aアドバイザーをしっかりと選び、機密保持や業務内容・報酬で揉めないように契約を結びます。

M&Aアドバイザーを選ぶときには、以下のポイントは必ずチェックしておきましょう。

・経験や実績が豊富か

・法律/会計/税務/経営/交渉理論の専門知識があるか

病院M&Aは特殊なため、病院や医療系のM&Aに強いアドバイザーへ依頼するようにしましょう。

(2)買収先の検討

①買収候補先絞込みの評価基準作成。

地域、規模、必要な医療設備など詳細に基準を策定していきます。

②売り手への打診

ノンネムシートと呼ばれる匿名の企業概要を使って買い手に打診していきます。

打診する前には必ず重要な資料を渡して良いか(ネームクリア)の確認が行われます。

③秘密保持契約

売り手候補が興味を示し、さらに詳細な情報を求められた場合、秘密保持契約を結びます。

このタイミングで病院名や詳細な情報が相手の企業に開示されます。

④トップ面談と施設見学

双方ともに売却・買収を進めたいということになれば、経営陣(院長)同士のトップ面談を行います。

売却・買収に至った経緯を離したり、経営方針など疑問を解消しあう場です。疑問をなくす場としましょう。

また、医療設備や器具などを確認するためにも、病院の施設見学の機会も設けられます。

買収した場合、補充しなければならない設備などがないのか、チェックすることが可能です。

(3)病院M&Aの契約・クロージング

①意向表明書の提示

トップ面談で納得のいく相手だと判断をした場合、買い手側より意向証明書が提出されます。

意向証明書とは、買収方法や買収価格などの提案がかかれた資料のことです。

また、同時にM&Aアドバイザーが双方の間に立ち、条件面の調整をおこなっていきます。

②基本合意契約書の締結

意向表明書に合意した場合、改めて双方で合意している条件が明記された基本合意契約書を作成して、締結します。

③デューデリジェンス

買い手は売り手企業をより詳細に把握するためにデューデリジェンスを行います。

デューデリジェンスをすることで、出来るだけ企業の実態を知り、リスクを予防・対策することが出来ます。

デューデリジェンスについては、『デューデリジェンスとはどういう意味?財務・労務・税務から方法を解説』で、詳しく説明しています。

④条件交渉

デューデリジェンスの結果で問題がなければ、様々な条件を細かく決定していきます。また、最終的な買収価格はこの時点で決定します。

・従業員の処遇

・最終契約までのスケジュール

・買収価格の支払い方法

なども、この時点で決めるようにしましょう。

⑤最終契約・クロージング

最終譲渡契約書の締結によってマイクロM&Aの契約は完結します。

その後、買い手は病院開設許可申請を地方に申請します。(合併の場合は不要です。)

一方、売り手は廃止届を提出する必要があります。

それぞれの手続きが終われば、統合プロセスへと移ります。

(4)統合プロセス(PMI)

PMIとはPost Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)の略で、M&A成立後の統合プロセスのことです。

例えば、人事評価制度や病院内で使用するシステムの使い方などをいきなり変わると、従業員が困惑してしまいます。

何を引継ぎ、何を変えるのかを明確にし、変える部分は従業員に受け入れてもらう体制づくりが必要です。

病院M&A自体が成功してもPMIが上手くいかないと、従業員や患者が離れていってしまう可能性があります。

買収が決定したら、売り手と一緒に綿密な計画を立て、実行していきましょう。

PMIについては、『PMIの意味とは?PMIのポイントを押さえてM&Aを成功させよう』にて詳しく説明しています。

病院M&Aで気を付けるべきこと

病院 M&A

ここまでは、病院を買収するための流れを詳しく説明してきました。

この章では、病院M&Aを成功させるために気を付けるべきことを説明していきます。

しっかりと確認しましょう。

5-1.デューデリジェンス必ずしよう

病院M&Aで買収が成立する前に、デューデリジェンスはしっかりと行いましょう。

デューデリジェンスとは、売り手に会社資料の提出を求めたり、実際に売り手会社に訪問をすることを言います。

良く知っている業界の取引だからと言って「デューデリジェンスはいらないだろう」と考えるのは、危険です。

デューデリジェンスをして、病院の問題点をしっかりと把握した上で、買収の交渉を進めていきましょう

5-2.M&Aの手法を考えよう

病院M&Aには、持ち分譲渡事業譲渡の2つの手法がありますが、どちらの方法で買収するのかをしっかりと考えましょう。

持ち分譲渡であれば代表者が変わるだけです。

しかし、事業譲渡だと医療機関コードや契約主体が変わるため、手続きが複雑になります。

手続きを間違ってしまうと、引継ぎまでに時間がかかってしまうので注意しましょう。

5-3.税理士に相談しよう

病院M&Aを検討しているのであれば、早めに税理士に相談しましょう。

病院M&Aをすると、お金が大きく動くので税務の問題も出てくることになります。

余計な税金が発生しないように、税理士のアドバイスは不可欠です。

必ず、早めに病院M&Aの相談をするようにしましょう。

優秀なM&Aアドバイザーを選ぶポイント

相続手続き マニュアル

先ほども説明しましたが、病院M&Aをするのであれば、M&Aアドバイザーに頼ることをオススメします。

通常の企業のM&Aとは異なる特殊な手続きも多いため、素人が行うとミスや失敗に繋がってしまうのです。

病院M&Aをスムーズに行うためには優秀なM&Aアドバイザーを選びましょう。

通常のM&Aと病院M&Aでは、M&Aアドバイザーの選ぶポイントが異なります。

しっかりと確認して、病院の買収を成功させましょう。

6-1.病院案件の経験が豊富

必ず病院・医療法人を専門にしている経験豊富なM&Aアドバイザーを選びましょう。

M&Aには、大企業の大型案件から、個人経営の飲食店などの小規模案件まで、さまざまな案件があります。

中でも、病院M&Aは行政への届け出が必要なため、通常のM&Aとは進め方が異なる点が多いです。

そのため、必ず病院・医療法人のM&Aに精通した経験豊富なM&Aアドバイザーを選びましょう。

6-2.ネットワークが広い

紹介できる病院がたくさんあるネットワークの広いM&Aアドバイザーを選びましょう。

買い手のニーズは、買い手の事情によって様々です。

そんな希望に応えることのできるM&Aアドバイザーにはネットワーク力が必要となります。

ベストの買収先を紹介してもらえるような、ネットワークが広いM&Aアドバイザーを選びましょう。

6-3.スピード感がある

しっかりと次の段階を見据えた話を進めてくれるようなスピード感のあるM&Aアドバイザーを選びましょう。

問い合わせの返事の速度や打ち合わせの準備が出来ているかで判断することが出来ます。

もちろん、相談者が理解できていないまま、次々に話を進めることをスピード感があるとは言いません。

質問や疑問をすぐに解消してくれて、次のステップを見据えた話をしてくれる人のことをスピード感があると言います。

多くの病院M&Aは、半年~1年で買収が成立しています。

「何ヶ月経っても話が進まない」というときには、M&Aアドバイザーを変えることも視野に入れましょう。

まとめ

成約率の高い病院M&Aですが、スムーズな買収のためにも必ずM&Aアドバイザーに頼ることをオススメします。

注意点をしっかり押さえて、病院を拡大させていきましょう。