【保存版】相続登記の必要書類と入手方法・揃え方の完全マニュアル

自筆証書遺言書 保管場所 相続登記

不動産の所有権を移行するときに必要な登記という手続きですが、かなり面倒なイメージがあるかもしれません。
単なる所有権の移行だけでも複雑なのに、相続をした不動産を登記するとなると、複雑さは倍増ですよね。

今回はそんな複雑な「相続での不動産登記」=「相続登記」の際に必要な書類について隅々までまとめました。
取得方法(取得場所)、費用、有効期限などを解説していますので、必要に応じて確認しましょう。

相続登記とは何?

相続で不動産の名義を変更する手続き

相続登記とは、相続によって土地や建物などの名義人を変更させる手続きのことです。

単に放っておいても勝手に名義人が変わるわけではありません。
そのため、新たに土地・建物の所有者となる方が法務局に申請をする必要があります。

車の名義変更をするときには陸運局へ申請してナンバープレートを付け替えるように、土地・建物も名義変更が必須なのです。
もちろん、専門家に任せてしまうという方法もあります。

相続登記しないと「共有状態」のまま

相続登記しないと、どうなってしまうのでしょう?

土地・建物を売却したり賃貸として利用するには、所有者が合意する必要があります。
しかし、相続登記をしないままの場合、相続人(遺産を受け取る方)全員が所有している「共有状態」になってしまっており、トラブルの原因となります。
早めに共有状態は解消しておくべきとされています。

相続登記の際に必ず必要な書類

遺産相続 書類

書類一覧

登記原因証明情報
・被相続人の出生~死亡までの戸籍謄本
・被相続人の住民票の除票
・相続人全員の現在の戸籍謄本
・相続関係説明図(※必須ではない)
登記する不動産の固定資産税評価証明書
不動産を取得する方の住民票
相続登記申請書
登記委任状

(※代理人に登記を依頼した場合のみ)

登記原因証明情報

被相続人の戸籍謄本(除籍・改製原戸籍・原戸籍)

取得方法:被相続人の各本籍地の市区町村役場
費用:戸籍謄本 450円 /除籍・改製原戸籍・現戸籍 750円

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本が必要になります。
これは、相続人を全員確定させるために必要な作業です。
家族も知らない子供がいたりなどする場合、これによって明らかになるケースもあります。

死亡時の戸籍謄本からさかのぼり、ひとつ前の本籍地の戸籍謄本、そのまた前の戸籍謄本…と一つずつ確認していく必要があります。

相続人で亡くなっている方がいる場合は、その相続人の子供などにも相続権が及びますので、相続人の戸籍謄本も必要となります。

被相続人の住民票の除票

取得方法:被相続人の最終住所地の市区町村役場
費用:300円
期限:被相続人の死亡日以後で最新のもの

 相続人全員の戸籍謄本

取得方法:相続人の本籍地の市区町村役場
費用:450円
期限:被相続人の死亡日以後で最新のもの

相続関係説明図

取得方法:自ら作成する
費用:なし

この書類は必須ではありません。
しかし、この書類を作成し提出しておくと、戸籍謄本などの書類が返却されます。
前述のように、戸籍謄本、特に被相続人のものはひとつずつさかのぼって取得しなければいけないこともあり、再度取得し直すのはとても大変です。
今後のためにこういったものを用意しておくと良いでしょう。

画像は法務局で示されている相続関係説明図の例になります。

相続関係説明図

固定資産税評価証明書

取得方法:市区町村役場または都税事務所(23区内のみ)
費用:地域により異なる(300円前後)
期限:相続登記を行う年度のものに限る

不動産を相続する時や売買する時には、登録免許税という税金を納付する必要があります。
そのため、土地の適正な評価額を示す必要があるため、固定資産税評価証明書が必要になります。

もちろん、年度ごとに評価額も変動しますので、相続登記する年度のものが必要となります。
市区町村役場、都税事務所に申請すれば取得できます。

費用は管轄によって異なります。

不動産取得者(相続人)の住民票

取得方法:市区町村役場
費用:300円
期限:被相続人の死亡日以後で最新のもの

不動産を受け取る側の方の住民票となります。
本籍、被相続人との続柄の記載のあるものが良いでしょう。

被相続人が亡くなった日以降のものを取得するようにしてください。

相続登記申請書

取得方法:法務局ホームページからダウンロード
(または申告者が作成)
費用:無料

法務局ホームページに書式が用意されておりこちらを活用することができます。
ダウンロードなどができない場合は申告者が作成しても大丈夫です。

司法書士に代理人として依頼している場合には司法書士自身が作成してくれることになるでしょう。

登記簿謄本

取得方法:法務局
費用:480円~600円

また、登記申請自体に必要なわけではありませんが、取得をする不動産の登記簿謄本の情報も必要になります。

相続登記申請書にある「不動産の表示」という欄(地番や地積、不動産番号など)には厳密な情報を記載する必要があります。
そのため登記簿謄本から書き写す事が必要となります。

登記委任状

取得方法:依頼された側が作成
費用:なし

専門家に相続登記の手続きを委任する場合、代理権限を委任しているということを証明するための登記委任状が必要となります。

遺産分割協議で相続する場合に必要な書類

不動産分割 法定相続人 音信不通

次に法定相続分ではなく遺産分割協議において合意した場合に追加で必要になる書類を説明します。

書類一覧

遺産分割協議書
相続人全員の印鑑証明書

遺産分割協議書

取得方法:相続人同士で作成
費用:なし

相続人全員が遺産分割協議に合意して作成します。
ここで重要なのは、遺産分割協議は身内同士の話し合いとは言っても、法的に重要な意味を持つということです。

そのため、相続人全員が実印を押印して同意している必要があります。

また、相続登記申請の際には、遺産分割協議書は返却されないままになってしまいます。
記載されている内容は一つの不動産だけではない可能性もありますので、返却を最初から希望している場合はコピーを添付して提出することによって原本を還付してもらうことができます。
面倒な場合は司法書士などに依頼するのが良いでしょう。

相続人全員の印鑑証明書

取得方法:市区町村役場
費用:300円
期限:なし(6ヶ月以内のものが好ましい)

遺産分割協議書に押印されている印鑑が実印であるという証明のために添付が必要です。

遺言書により相続登記する場合に必要な書類

遺言書 公正証書 公正証書遺言
次に、遺言の執行にもとづいて相続登記をする場合です。
このケースの場合は、最初に述べていた必ず必要な書類の中でも不要になるものもあります。

書類一覧

遺言書
遺言執行者の印鑑証明書
受遺者全員の印鑑証明書
(不要になる書類)
・被相続人の戸籍謄本(死亡時の謄本以外は不要)
・不動産を相続する相続人以外の戸籍謄本

遺言書

取得方法:被相続人が作成
費用:形式による

遺言による相続ですので、当然遺言書が必要となります。
公正証書遺言であれば、公証人がすでに内容をチェックしているものになりますので検認の必要はありません。

自筆証書遺言書、秘密証書遺言書の場合は、家庭裁判所で有効なものかどうか検認を受ける必要があります。

相続登記申請する場合、遺言書は返却されません。
原本還付を希望の場合はコピーを作成してコピーともに提出が必要です。

遺言執行者の印鑑証明書

取得方法:市区町村役場
費用:300円
期限:発行後3ヶ月以内

遺言書で遺言執行者の指名があった場合に必要です。

受遺者全員の印鑑証明書

取得方法:市区町村役場
費用:300円
期限:発行後3ヶ月以内

遺言書で遺言執行者の指名がなかった場合にのみ必要となります。
受遺者とは遺言書で指名がある者の事です。

調停、審判により相続する場合に必要な書類

遺産相続 調停

調停、審判の内容に基づいて不動産登記を行う場合です。
不要になる書類もいくつかあります。

書類一覧

調停調書の謄本(調停の場合)
審判書の謄本(審判の場合、確定証明書付き)

(不要になる書類)
 ・被相続人の戸籍謄本
 ・被相続人の住民票の除票
   ※いずれも調停調書に相続年月日がある場合
 ・相続関係図

調停調書または審判書(確定証明書つき)の謄本

取得方法:家庭裁判所
費用:150円

調停、審判の後に家庭裁判所に申請すれば取得できます。

相続放棄・相続欠格・相続廃除の場合

相続放棄申述受理証明書(相続放棄)

取得方法:相続放棄の申請を行った家庭裁判所
費用:150円

確定判決の謄本(相続欠格)

取得方法:判決を行った裁判所
費用:150円

または、相続欠格者自身が「相続欠格である」ということを示す証明書類を作成し、相続欠格者の印鑑証明と共に提出するという方法も可能です。

相続廃除になった方がいる場合

相続廃除者がいた場合、廃除になった旨が戸籍に記載されます。
そのため、特別他の書類が必要になることはありません。

要注意!相続登記は早めの対応が肝心

相続登記には特に期限が定められていません。
そのため、相続が発生した(被相続人が亡くなった)後も、不動産の相続を進めずに複数の相続人で共同で所有をしていたりするケースもあります。

ただ、時間が経過すると相続人の誰かが亡くなってしまったりなどして、共有財産として非常に煩雑になり、土地の活用や相続登記などができなくなることもあります。

煩雑な部分もあり、なかなかまとまった時間がなければ手続きが難しいため、後回しにしてしまうこともあるかもしれません。
それだけに、問題が起こる前に早めに対応するのが良いでしょう。

法務局や専門家へ相談を

相続税の申告は10ヶ月という期限です。
また、先程述べたように、これだけの書類を集めて手続きをするには相当な労力と知識、時間と手間がかかって当然でしょう。

早く対応したくてもなかなかできないというような方は、まず法務局に相談をしてみたり、司法書士など専門家への相談をしてみると良いでしょう。

なかなか慣れていない方には大変な作業ですので、迅速に対応するためにも専門家の意見を聞いてみるのは有益だと思います。