相続登記にかかる費用の相場は?司法書士への報酬についても解説

相続登記

「不動産を相続したけれど、名義変更にはいくらくらいかかるんだろう?」なんてお悩みではありませんか?

土地や建物の名義変更を行う相続登記には、費用が発生します。

しかし、もしも相続登記を行わなければ、その不動産にさらに相続が発生したときに相続人の間で揉め事が起こりやすいです。

そうなると、結局、揉め事の解決を弁護士などに頼むことになり、最終的にかかった費用が高額になってしまいます。

したがって、不動産を相続したなら早めに相続登記を行うべきです。

今回は、相続登記にかかる税金や手続きの費用、司法書士に依頼する場合にかかる費用についてご説明します。

不動産を相続することになったら、相続登記を行って安心して不動産を所有できるようにしましょう。

1.相続登記とは

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相続登記とは、相続によって不動産の所有者が変わった際に行う名義変更のことです。

土地や建物といった不動産を相続したなら、相続登記をしておかなければなりません。

なぜなら、相続に参加していない第三者からすると、不動産が誰のものかわからないためです。

そうなると、相続後に不動産を売買したり、さらにその不動産を次の世代が相続したときに揉めてしまいます。

不動産の相続が発生したら、早めに相続登記を行うようにしてください。

まずは、相続登記を行うために必要な費用を確認していきましょう。

2.相続登記の手続きにかかる費用は3種類

株式売却 分割 税理士 公正証書遺言 費用 相続税 控除対象

相続登記の手続きには、以下のような3種類の費用がかかります。

  • 登録免許税
  • 必要書類を収集する費用
  • 司法書士に依頼したときの報酬

この中でも、登録免許税と必要書類を収集する費用は、全員が必要となるものです。

司法書士に依頼したときの報酬は、自分だけで相続登記を行ったなら必要ありません。

まずは、それぞれの費用について、どのような内容でどれくらいの金額になるのかを順番に確認していきましょう。

3.登録免許税

相続登記 免許登録税

登録免許税とは、相続登記を行う際に納める税金のことです。

登録免許税について注意するべきことは、登録免許税は一律の金額ではなく計算が必要ということになります。

まずは、登録免許税がどのくらいの金額になるのかを計算してみましょう。

3−1.登録免許税の計算方法

登録免許税の金額は、以下の計算式で求めることができます。

不動産の評価額 × 0.4% = 登録免許税の金額

この際、不動産の評価額は、下3桁は切り捨てて計算を行います。

例えば、不動産の評価額が「150,400円」だったなら、「150,000円」で計算するということです。

また、計算して求めた登録免許税の金額は、下2桁を切り捨てます。

例えば、登録免許税の金額が「5,260円」となったなら、「5,200円」が登録免許税です。

ちなみに、計算した登録免許税が1,000円未満なら、登録免許税の金額は1,000円になります。

したがって、例えば不動産の評価額が2,500万円なら、登録免許税は以下です。

2,800万円 × 0.4% = 11万2,000円

また、不動産の評価額が4,200万円なら、登録免許税は以下となります。

4,200万円 × 0.4% = 16万8,000円

それでは、不動産の評価額がわからないときに知る方法も確認しておきましょう。

不動産の評価額は固定資産評価証明書で確認しよう

登録免許税の計算に使う不動産の評価額は、固定資産評価証明書で確認することができます。

登録免許税を支払う際には、最新の固定資産評価証明書で評価額を確認するようにしましょう。

固定資産評価証明書は、不動産を管轄している市区町村の役所で手に入れることができます。

手に入れるときには、住所や氏名、生年月日、不動産の住所が必要となるので準備しておきましょう。

また、免許証や健康保険証などの本人確認書類も必要となるので、併せて持参してください。

ただし、固定資産評価証明書を手に入れる際には手数料が必要になります。

固定資産評価証明書を取得する手数料は、役所によりますが300円〜400円程度です。

このまま、相続登記に必要な書類を収集する際にかかる費用について確認していきましょう。

4.必要書類を収集する費用

相続税の申告・納付時にマイナンバーの書類を添付する? 相続登記 費用

相続登記を行うために必要な書類を集めるためには、以下のような費用がかかります。

必要な書類 費用の相場
固定資産評価証明書 300円〜400円
名寄帳 300円程度
登録事項証明書 600円程度
亡くなった人の出生から死亡までのつながりのついた戸籍謄本 450円~700円
亡くなった人の住民票の除票 200円~400円
相続人全員の戸籍謄本 450円程度
不動産を相続する人の住民票 200円~400円
相続人全員の印鑑証明書 1通200円~400円
書類を郵送で取得するなら、郵送費(往復分) 500円程度

書類を取得する場所は、市区町村の役所や法務局です。

具体的な費用は、市区町村によって異なる場合があるので、注意してください。

それぞれの書類の具体的な取得先についても確認しておきましょう。

必要な書類 取得先
固定資産評価証明書 相続した不動産がある市区町村の役所
名寄帳 相続した不動産がある市区町村の役所
登録事項証明書 最寄りの法務局
亡くなった人の出生から死亡までのつながりのついた戸籍謄本 本籍地のある市区町村の役所
亡くなった人の住民票の除票 亡くなった人の最寄りの市区町村の役所
相続人全員の戸籍謄本 本籍地のある市区町村の役所
不動産を相続する人の住民票 最寄りの市区町村の役所
相続人全員の印鑑証明書 最寄りの市区町村の役所

戸籍謄本は、本籍地のある市区町村の役所で取得しなければなりません。

もしも本籍地に住んでいないときには、戸籍謄本は郵送で取り寄せたほうが良いでしょう。

本籍地の役所に郵送で発行申請を行えば、戸籍謄本を送ってもらえます。

交付請求書と身分証明証などの書類を本籍地の役所に送ることで発行申請が行えるので、本籍地にある役所のホームページで確認してみてください。

司法書士に依頼した場合は、相続人全員の印鑑証明以外の書類については、すべて代わりに集めてもらえます。

それでは、最後に、司法書士に相続登記を依頼したときにどれくらいの費用が必要になるのかを確認しておきましょう。

5.司法書士に依頼する報酬

みなし相続財産について専門家に相談しよう 相続税 相談

司法書士に相続登記について相談するときの報酬の目安は、10万円程度です。

ただし、不動産の数が多ければ司法書士に支払う報酬も高くなることが多いので注意しなければなりません。

また、どこまでの作業を司法書士に依頼するのかでも報酬は変わってきます。

書類の収集は自分で行い、相続登記の手続きのみを依頼するなら安くなる場合が多いです。

依頼を決める前に具体的な報酬の見積もりを出してもらうようにしましょう。

もしも、具体的な見積もりを出したがらない司法書士であれば、あとから予想以上の報酬を請求される場合もあるので依頼しないほうが良いです。

それでは、自分のケースでは司法書士に相続登記を依頼したほうが良いのかについて考えてみましょう。

6.あなたは司法書士に相続登記を依頼するべき?

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「司法書士に依頼するのは思ったよりも費用がかかる。。」なんて、お悩みの方もいると思います。

ここで、司法書士に相続登記を依頼するべきかどうかについてを考えてみましょう。

相続登記を司法書士に依頼するべき人は、以下のような人です。

  • 相続する不動産が複数ある人
  • 相続する不動産が遠方にある人
  • 平日に役所や法務局に行って相続登記の手続きを行えない人

このような場合は、相続登記に手間や時間がかかってしまうので、司法書士に依頼した方が良いと言えます。

相続する不動産が複数あったり、家の近くになかったりする場合は、書類を集めるだけでも時間や費用がかかりやすいです。

また、自分で相続登記を行うなら、平日に役所や法務局に足を運ばなければなりません。

もしも申請手続きに不備があれば、何度も平日に役所や法務局に行く必要が出てきます。

思ったようにスムーズに手続きが進まないこともあるので、平日の時間に余裕がなければ最後まで自分だけで行うのは大変です。

「相続登記を自分でしてみよう」と思っているなら、最後まで自分で行えそうか考えてみましょう。

7.まずは気軽に司法書士に相談に行ってみよう

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最初の相談は無料で行っている司法書士も多いので、まずは無料相談に行ってみましょう。

無料相談は電話やメールで予約が必要なことも多いので、司法書士のホームページなどで確認してください。

無料相談に行った際に、不動産名義変更を行うにあたっての手続きや費用など説明してもらえます。

その際にはスムーズに相談を進めるために、どのような不動産を持っているのか情報を整理しておくのが良いでしょう。

不動産の名義変更の手続きについては、基本的にどの司法書士に頼んでも問題ありません。

ただし、司法書士を選ぶ際には、不動産名義変更の手続きだけではなく、相続税についても詳しい人を選ぶ方が良いこともあります。

それは、相続税を申告する前に相続登記を行う場合です。

相続全体に詳しい司法書士なら、相続登記以外にかかる費用や税金についてもアドバイスをくれる可能性が高くなります。

場合によっては、つながりのある税理士を紹介してもらえることもあるのです。

相続に強い司法書士を探すには、ホームページを見たり無料相談に行った際に、相続案件の経験を質問する方法があります。

司法書士は費用だけで選ばない方が、結果的には得をすることもあるので気をつけて選んでください。

8.相続登記の費用に関するQ&A

事業継承 Q&A

相続登記の費用については、以下のようなよくある疑問があります。

Q1.相続登記の費用負担は誰がする?
Q2.不動産を相続登記の費用は必要経費になる?
Q3.相続登記に期限はある?
Q4.登録免許税以外にかかる税金はある?
Q5.司法書士ではなく、税理士に相続登記を依頼できる?
Q6.相続登記の書類収集は行政書士にも依頼できる?
Q7.司法書士の報酬は一律ではないの?

それぞれについて、順番に確認していきましょう。

Q1.相続登記の費用負担は誰がする?

A.相続登記にかかる費用は、原則として相続した人が負担します。

遺言書や遺産分割協議で、相続登記の費用負担について決めてあった場合には、それに従いましょう。

Q2.不動産を相続登記する費用は必要経費になる?

A.相続したのが事業用の不動産の場合、相続登記の費用は、相続人の不動産所得や事業所得の必要経費にできます。

したがって、かかった費用については領収書などを残しておきましょう。

複数の不動産を相続したなら、事業用の不動産の費用のみが必要経費となることに注意してください。

Q3.相続登記に期限はある?

A.相続登記に明確な期限はありません。

したがって、相続登記を行わなくても罰則などはないのです。

しかし、相続登記で不動産を手に入れた権利を確定しておかなければ、取得した不動産に相続が発生したときに揉めてしまいます。

そのような揉め事を避けるために、早めに相続登記を行っておきましょう。

Q4.登録免許税以外にかかる税金はある?

A.相続登記を行うときには、登録免許税以外の税金はかかりません。

単に相続登記を行うだけであれば、登録免許税のみ発生すると考えて問題ありません。

ただし、相続した不動産を売却したという場合には、事業所得税など登録免許税以外にかかる税金も出てきます。

Q5.司法書士ではなく、税理士に相続登記を依頼できる?

A.相続登記を依頼できるのは司法書士のみで、税理士には依頼できません。

もしも相続について相談している税理士が既にいるのであれば、司法書士を紹介してもらえないか聞いてみましょう。

Q6.相続登記の書類収集は行政書士にも依頼できる?

A.相続登記について、書類を集めてもらいたいだけなら行政書士に依頼することもできます。

行政書士に相続登記の書類収集を依頼したときの報酬は、1万円〜2万円程度です。

ただし、行政書士は相続登記を代理することができないので、相続登記の手続き自体を頼むことはできません。

「書類さえ集めてもらえたら自分で手続きは行える」という自信があるなら、行政書士に相談するのも良いでしょう。

Q7,相続登記で司法書士に支払う費用は一律ではないの?

A.司法書士の報酬は、現在は一律ではありません。

過去には、司法書士会のルールで司法書士の報酬は内容に応じて一律で決められていました。

したがって、一律だった頃なら、どの司法書士に依頼をしても司法書士への報酬は差が出なかったのです。

しかし、平成15年に司法書士会のルールが変わったことによって、司法書士の報酬も自由化されました。

よって、今ではどの司法書士に依頼をするのかによって、報酬金額が異なっていることに注意しなければなりません。

報酬金額は、それぞれの司法書士が自由に決めているものなので、報酬が高い司法書士は腕も良いというわけではありません。

司法書士は報酬だけで決めるのではなく、無料相談に行ったときに、安心して任せられるかを判断するようにしましょう。

9.【補足】相続登記の手続きを簡単に確認!

相続登記 相談

相続登記の手続きを簡単に確認しておきましょう。

相続登記を行うには、必要書類を持って、法務局で相続登記の申請を行わなければなりません。

土地の相続手続きに持参しなければならない必要書類を確認しておきましょう。

土地の名義変更に必要な書類は以下の通りです。

 法務局で取得するもの  ・対象の土地の登記事項証明書(登記簿謄本)
 市区町村役場で取得するもの  ・亡くなった人の住民票の除票
・亡くなった人の死亡時から出生時までの戸籍謄本
・相続人全員の現在の戸籍謄本
・対象の土地を取得する相続人の住民票
・対象の土地の固定資産評価証明書
・相続人全員の印鑑証明書
 自ら作成するもの  ・遺産分割協議書

書類がすべて揃っていなければ、相続登記をすることはできないので気をつけなければなりません。

そして、相続登記を行う際には、相続する不動産の所在地を管轄する法務局で申請することとなります。

申請する法務局が自分の家の最寄りではないことに注意してください。

名義変更の申請をするには、必要書類と一緒に申請書も提出します。

申請書には、以下の項目を記載しましょう。

  • 登記目的
  • 原因
  • 相続人の名前・住所・連絡先
  • 添付書類の取得場所・取得日
  • 課税価格
  • 登記免許税額
  • 対象不動産の概要

申請書は、決まったフォーマットはないので自分でも作成することができますが、抜け漏れがないように気をつけてください。

申請書の書式は法務局でもらうこともできるので、自分で作るのが不安な場合はもらいに行くのが良いでしょう。

「相続登記を含めた相続手続きについてもっと詳しく知りたい」という人は、『相続の全てが丸わかり!遺産分割の方法や名義変更に相続税申請方法など』を読んでみてください。

まとめ

不動産を相続したら、相続登記の手続きを行う必要があります。

相続登記の手続きは自分だけでも行えますが、司法書士に依頼したほうが確実でスムーズなので安心です。

特に、複数の不動産を相続するときや遠方の不動産を相続するときには、司法書士に依頼するのが良いです。

迷っている人は、司法書士のところに相談に行って、見積もりを出してもらいましょう。