遺贈と相続の違いとは?税金・手続き・計算方法・放棄のやり方を解説!

遺贈 確認

遺贈とは、遺言書によって自分の財産を無償で譲り渡すことです。

遺贈を受けると不動産や預金の相続手続きなどが必要となります。

でも「遺贈を受けたら、まずしないといけないことって何か分からない」という人も多いはず。

実は、遺贈と相続の手続きは異なりますし、遺贈の場合でも相続税は発生します。

そこで今回の記事では、遺贈を受けたときに確認したい税金の話、不動産・預金の手続き方法について詳しく解説。

遺贈を放棄する方法や、頼るべき専門家についても説明しています。

最後まで記事を読んで、しないといけないことをすべて確認しましょう。

1.遺贈とは

遺贈 確認

遺贈とは、遺言書によって自分の財産を無償で譲り渡すことです。

遺贈を受ける人(受遺者)は、法定相続人である必要はありません。

被相続人が譲りたい相手であれば、個人、法人、団体などを問わず、相続財産を譲ることが出来るのです。

遺言書の中に、「相続させる」という書き方と「遺贈させる」という書き方がありますが、その違いは譲り渡す相手の違いにあります。

相続は法定相続人に対して「相続させる」と書くことが出来ます。

しかし、遺贈は法定相続人に対しても、それ以外の人や団体に対しても「遺贈させる」と書くことが出来るのです。(一般的には遺贈は法定相続人以外に行われます。)

相続と遺贈で手続きに必要な書類が変わることもありますので注意して下さい。

また、遺贈にも「特定遺贈」と「包括遺贈」があるので、違いを確認していきましょう。

1-1.特定遺贈

特定遺贈とは、遺贈する財産を指定して行う遺贈のことです。

例えば、「東京都世田谷区○○X-X-Xの土地をAに遺贈する」と、譲り渡す財産が特定されています。

遺言書で指定されていない場合は、借金やローンなどのマイナスの財産を引き継ぐ義務はありません。

1-2.包括遺贈

包括遺贈とは、割合で財産の渡し方を指定する遺贈のことです。

例えば、「全財産の50%をBに遺贈する」と、譲り渡す財産の割合が指定されています。

この場合、借金やローンなどのマイナスの財産もその割合に応じて負担しなければなりません。

また、包括遺贈を受けた場合は遺産分割協議に参加する必要があります。

なぜなら、全財産を把握し、指定された割合に応じた財産が自分に遺贈されているか確認が必要だからです。

2.遺贈を受けたら確認するべき3つのこと

買収

遺言書で遺贈を受けたら、確認するべきことが3つあります。

それは、①発生する税金、②不動産を譲り受ける方法、③預金を譲り受ける方法です。

実は、遺贈者にも相続者と同じように相続税が発生するケースがあります。

その場合には、法定相続人と相続税の税率が変わるので注意が必要です。

相続税以外にも不動産が遺贈された場合には、税金が発生するかもしれません。

また、不動産や預金を譲り受けるための手続きも相続人とは必要な書類が異なるケースがあります。

このように相続ではなく、遺贈を受けた場合に確認するべきことを次の章から確認していきましょう。

3.遺贈で発生する税金のすべて

連年贈与の基礎知識 基礎控除がなくなる? 遺留分減殺請求 税金 資金

遺贈を受けると、遺贈者には税金が発生するかもしれません。

遺贈は相続税の対象になりますし、遺贈で土地・不動産を譲り受けると相続のときとは税率が変わります。

それぞれどのような場合に税金が発生し、どのように税額を計算するのか、確認していきましょう。

3-1.相続税は2割増しになる

遺贈も相続税の課税対象です。

相続税が発生する場合には、多くの受遺者が相続の場合の2割増しとなります。

まずは、相続税が発生する場合を確認していきましょう。

①相続税が発生するのは基礎控除額を上回ったとき

相続税が発生するのは、亡くなった人の残した相続財産額が基礎控除額を上回ったときです。

基礎控除額の計算は、3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算することが出来ます。

例えば、妻1人と息子2人を残して亡くなったAさんの基礎控除額は以下のように計算します。

3,000万円+600万円×3人=4,800万円

このとき、基礎控除額4,800万円を超える相続財産をAさんが残していれば、相続税が発生するのです。

②相続税の税率は2割増し

相続税は、被相続人の一親等の血族(親・子供)及び配偶者・代襲相続人の孫以外は相続税が2割増しになるという特徴があります。

受遺者は、基本的に法定相続人以外の人となるので、2割増しが当てはまることが多いです。

通常の相続税の金額に20%を加算した額が、受遺者の相続税額になります。

相続税について詳しく知りたい場合には『相続税を計算してみよう!追徴課税についても解説』にて説明していますので、確認しましょう。

3-2.不動産取得の遺贈なら不動産取得税と登録免許税がかかる

土地・不動産を遺贈で譲り受けた場合は、通常の相続とは発生する税金が多くなることがあるので注意が必要です。

①住宅以外の家屋の場合は不動産取得税が発生する

遺贈の場合、不動産取得税がかかる可能性があります。

不動産取得税とは、住宅以外の家屋を取得した場合に発生するものです。

譲り受けた土地・不動産の4%の税額が発生します。

例えば、1,000万円の別荘を遺贈で受け取った場合の不動取得税の計算をしてみましょう。

1,000万円×0.04=40万円

譲り受けた土地・不動産が住宅である場合には、不動産取得税は不要です。

②遺贈による登録免許税は2%

遺贈により土地・不動産を譲り受ける場合、2%の登録免許税が発生します。

登録免許税とは、遺贈された土地・不動産の名義変更(所有権移転登記)をする際に必要な税金です。

相続の場合の登録免許税は0.4%ですが、遺贈の場合の登録免許税は2%となります。

例えば、1,000万円の不動産を遺贈で受け取った場合の登録免許税の計算をしてみましょう。

1,000万円×0.02=20万円

このように不動産を遺贈で受け取ると、相続税以外の税金も発生しますので注意が必要です。

4.遺贈による所有権移転登記の手続き方法

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土地・不動産を遺贈によって受け取った場合には、所有権移転登記の手続きが必要です。

この手続きは受遺者単独で申請することが出来ず、遺言者の相続人全員もしくは遺言執行者との共同申請をします。

(遺言執行者とは、遺言書の内容を責任もって実行する人のことです。)

遺言者もしくは相続人が選任していなければ、遺言執行者はいないので、相続人全員との共同申請となります。

所有者移転登記の手続き方法を順番に見ていきましょう。

4-1.必要な書類を準備する

まずは、手続きに必要な書類を取得します。

必要な書類は以下の通りですので、確認して下さい。

書類の名前 備考
遺言書 検認が必要な場合には、検認済のもの
遺言者の死亡が記載された戸籍謄本
遺言者の住民票の除籍もしくは戸籍の附票
受遺者の住民票
不動産の登記済証もしくは登記識別情報
固定資産税評価証明書または固定資産税の納税通知書
運転免許証などの身分の証明ができるもの 受遺者のものと共同申請する人のもの
遺言執行者選任の審判書 家庭裁判所が遺言執行者を選任した場合のみ
遺言執行者の印鑑証明書(3ヶ月以内) 遺言執行者と手続きする場合のみ
相続人全員の戸籍謄本 相続人全員と手続きする場合のみ
相続人全員の印鑑証明書(3ヶ月以内) 相続人全員と手続きする場合のみ

遺言執行者がいる場合といない場合で、必要な書類が変わるので注意しましょう。

4-2.登記申請書を作成する

次に、登記申請書を作成していきます。

遺贈を原因とする所有権移転登記にはフォーマットが用意されていないため、自分で作成することが必要です。

登記申請書はA4用紙に横書きで作成していきます。

ワープロでも手書きでもどちらでも問題ありません。

もし、用紙が2枚にわたる場合には割り印が必要となりますので注意しましょう。

①遺言執行者が選任されている場合

遺言執行者が選任されている場合に書かなければいけない項目は以下の通りです。

・登記の目的

「所有権移転」と記載します。

・原因

所有権移転の理由を記載します。遺言者の死亡年月日と「遺贈」と記載しましょう。

・権利者 / 義務者

権利者は受遺者の住所と氏名を記載し、実印を押印します。

義務者は、遺言者の最後の住所と氏名を記載し、遺言執行者の実印を押印が必要です。

・添付書類

一緒に提出する添付書類を一覧にして書き出します。

・申請日と申請先の法務局

申請する年月日と管轄の法務局を記載します。

・申請する土地情報

登記申請する土地の情報を不動産の登記簿謄本通りに記載をしていきます。

土地の場合は、不動産番号・所在・地番・地目・地積を記載し、

建物の場合は、不動産番号・所在・家屋番号・書類・構造・床面積の記載が必要です。

・評価額

不動産の評価額を記載します。

土地と不動産は分けて記載するようにしましょう。

・登録免許税

登録免許税を計算し、税額を記載します。

土地と不動産は分けて記載するようにしましょう。

フォーマットは自由ですが、以下のサンプルを参考に記載して下さい。

登記申請書

登記の目的 所有権移転

原因 平成30年5月10日 遺贈 (遺言者の死亡日を記載)

権利者 東京都世田谷区●●x-x-x
山田太郎(印)
       (受遺者の住所氏名を記載・受遺者の実印を押印)

義務者 東京都渋谷区●●x-x-x
亡 鈴木花子(印)
       (遺言者の最後の住所と氏名を記載・遺言書執行者の実印を押印)

添付書類 登記識別情報 登記原因証明情報 印鑑証明書 住所証明書

平成30年6月10日申請 △△△法務局○○支局 御中 (不動産管轄の法務局を記載)

課税価格 土地 金3,000万円
建物 金1,500万円

登録免許税 金90万円
内訳 土地 金60万円
建物 金30万円

不動産の表示  (不動産の登記簿謄本通りに記載)
不動産番号 0XXXXXXXXXXXX
所在 東京都世田谷区
地番 XXX番
地目 宅地
地積 300平方メートル

不動産番号 0XXXXXXXXXXXX
所在 東京都世田谷区
家屋番号 XXX番
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建
床面積 1階150平方メートル 2階150平方メートル

以上のように記載をします。

②遺言執行者が選任されていない場合

遺言執行者が選任されていない場合は相続人全員との共同申請となります。

・登記の目的

「所有権移転」と記載します。

・原因

所有権移転の理由を記載します。遺言者の死亡年月日と「遺贈」と記載しましょう。

・権利者 / 義務者

権利者は受遺者の住所と氏名を記載し、実印を押印します。

義務者は、遺言者の相続人全員の住所と氏名を記載し、実印の押印が必要です。

・添付書類

一緒に提出する添付書類を一覧にして書き出します。

・申請日と申請先の法務局

申請する年月日と管轄の法務局を記載します。

・申請する土地情報

登記申請する土地の情報を不動産の登記簿謄本通りに記載をしていきます。

土地の場合は、不動産番号・所在・地番・地目・地積を記載し、

建物の場合は、不動産番号・所在・家屋番号・書類・構造・床面積の記載が必要です。

・評価額

不動産の評価額を記載します。

土地と不動産は分けて記載するようにしましょう。

・登録免許税

登録免許税を計算し、税額を記載します。

土地と不動産は分けて記載するようにしましょう。

フォーマットは自由ですが、以下のサンプルを参考に記載して下さい。

登記申請書

登記の目的 所有権移転

原因 平成30年5月10日 遺贈 (遺言者の死亡日を記載)

権利者 東京都世田谷区●●x-x-x
山田太郎(印) (受遺者の住所氏名を記載)

義務者 東京都渋谷区●●x-x-x
鈴木梅子(印) (相続人全員の住所と氏名を記載)

東京都渋谷区●●x-x-x
鈴木百合子(印) (相続人全員の住所と氏名を記載)

添付書類 登記識別情報 登記原因証明情報 印鑑証明書 住所証明書 相続証明書

平成30年6月10日申請 △△△法務局○○支局 御中 (不動産管轄の法務局を記載)

課税価格 土地 金3,000万円
建物 金1,500万円

登録免許税 金90万円
内訳 土地 金60万円
建物 金30万円

不動産の表示  (不動産の登記簿謄本通りに記載)
不動産番号 0XXXXXXXXXXXX
所在 東京都世田谷区
地番 XXX番
地目 宅地
地積 300平方メートル

不動産番号 0XXXXXXXXXXXX
所在 東京都世田谷区
家屋番号 XXX番
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建
床面積 1階150平方メートル 2階150平方メートル

以上のように記載をします。

4-3.登記申請書を提出する

最後に登記申請書と必要書類を提出します。

法務局の窓口へ登記申請書、必要書類、白紙のA4用紙、押印に使った実印を持っていきましょう。

白紙のA4用紙は、登録免許税分の収入印紙を張り付けるために必要です。

窓口で相談した際、万が一、誤りがあった場合には実印を持っていると訂正することが出来ます。

書類を提出した申請日に相続登記が完了はしません。

通常1週間~10日ほどで手続きは完了します。

登録完了予定日が伝えられるので、再度法務局へ行き、登記完了の書類を受け取って手続きは完了です。

登録完了後は登記事項証明書を取得して登記内容に間違いがないかを確認しましょう。

以上で手続きは完了しますが、遺贈による不動産の所有権移転登記はとても難しいです。

一般的には、司法書士に頼るケースが多いので、少しでも不安がある場合には司法書士へ頼ることも考えましょう。

司法書士については後の『8.不動産の手続きは司法書士を頼ろう』にて詳しく説明しています。

5.遺贈による預金の相続手続き方法

相続手続き マニュアル
遺贈による預金の相続手続きの方法は2つあります。

1つは、遺言者名義口座を受遺者名義に名義変更をする方法です。

2つ目としては、遺言者名義口座の預金を解約して払い戻すことも出来ます。

どちらの方法でも、必要な書類や手続きの内容に変わりはありませんので、受遺者にとって都合の良い方法を選びましょう。

それでは、順番に手続きの内容を確認していきましょう。

5-1.必要書類を取得する

まずは、手続きに必要な書類を取得しましょう。

必要な書類は遺言執行者が選にされている場合とされていない場合で異なります。

それぞれ見ていきましょう。

①遺言執行者が選任されている場合

書類の名前 備考
遺言書  ー
家庭裁判所の遺言書検認証明書 公正証書遺言以外の場合のみ
遺言者の死亡が記載された戸籍謄本
遺言執行者の印鑑登録証明書または資格証明書(6ヶ月以内)
遺言執行者選任の審判書 家庭裁判所が遺言執行者を選任した場合のみ
相続手続依頼書(兼 同意書) 遺言執行者の署名・押印が必要

②遺言執行者が選任されていない場合

書類の名前 備考
遺言書  ー
家庭裁判所の遺言書検認証明書 公正証書遺言以外の場合のみ
遺言者の死亡が記載された戸籍謄本  ー
受遺者の印鑑登録証明書(6ヶ月以内)   ー
相続手続依頼書(兼 同意書) 受遺者の署名・押印が必要

以上が必要な書類になります。

金融機関によっては、必要書類が異なる場合もあるので、事前に確認することをオススメします。

5-2.金融機関の窓口へ行く

必要書類を揃えたら、金融機関へ訪問します。

所定の相続手続書類に依頼内容を記入・押印をし、準備した書類と一緒に金融機関へ提出します。

手続き完了後、約10日~2週間ほどで、口座の名義変更もしくは払い戻しがされます。

6.遺贈を放棄する方法

遺贈 確認

ここまでは、遺贈されたものをどのように自分名義にするかを説明してきました。

しかし、遺贈は遺言者の一方的な思いのため、遺贈を辞退したいと考えている人もいます。

このような場合、受遺者は遺贈を放棄することが可能です。

遺贈放棄の方法は特別遺贈か包括遺贈かによって異なります。

それぞれの方法を確認していきましょう。

6-1.特定遺贈の放棄

特定遺贈の受遺者はいつでも放棄することが可能です。

期限も設けられていません。

放棄する方法は、遺言執行者、もしくは相続人に対して放棄する旨を伝えるだけです。

ただし、後で放棄したことが証明できるように、書面で伝えるようにしましょう。

また、期限はありませんが、できるだけ早く伝えることでトラブルを防ぐことが出来ます。

6-2.包括遺贈の放棄

包括遺贈の受遺者は、相続の開始があったことを知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述することで放棄することが出来ます。

包括遺の場合、受遺者は相続人と同じ権利と義務を持つとされています。

そのため、遺贈の放棄は相続人が行う相続放棄と同じ手続きで済ますことが出来るのです。

ただし、3ヶ月以内でも、財産を処分した場合には遺贈の放棄をすることが出来ません。

また、一度放棄してしまうと撤回は出来ませんので、よく考えた上で手続きをしましょう。

相続放棄の手続き方法については、『失敗しない相続放棄の手続き方法!手続き前に確認したいこと全て解説』にて詳しく説明していますので、確認して下さい。

7.相続税が発生するなら税理士を頼ろう

相続手続き マニュアル

相続の上で、相続税の申告をしないといけない場合に頼りになるのは税理士です。

相続財産が3600万円以上ある場合は相続税の申告が必要となる可能性があるので、相談をするようにしましょう。

税理士への報酬の相場は、相続財産額に対しておおよそ0.5~1.5%の金額といわれています。

目安として、以下の金額を参考にしてください。

相続財産の総額 報酬料の目安
 2000万円未満  10~30万円
 5000万円未満  30~50万円
 1億円未満  50~70万円

税理士事務所によって報酬は変動するので、必ず初めの相談時に確認するようにしましょう。

8.不動産の手続きは司法書士を頼ろう

不動産の所有権移転登記を専門家に任せたいときには、司法書士に相談しましょう。

所有権移転登記は司法書士にしかできない手続きです。

他にも遺言書の検認や預金の相続手続きを任せることもできます。

司法書士に所有権移転登記を依頼した場合の報酬相場は、おおよそ1件あたり3~15万円です。

所有権移転登記する不動産の価値によって報酬費用が変動するので注意しましょう。

9.包括遺贈の放棄をするなら弁護士を頼ろう

事業承継問題 買収

弁護士は法律の専門家なので、確実に遺贈放棄が認められるように手続きを進めてくれます。

遺贈放棄の手続きも弁護士名義で行われ、郵送物も弁護士に届き、書類作成も弁護士名ですることができます。

このように、すべて丸投げをして確実に手続きを進めてくれてるのは弁護士だけなのです。

(手続き方法については、『失敗しない相続放棄の手続き方法!手続き前に確認したいこと全て解説』にて詳しく説明しています。)

相続放棄を弁護士に依頼する場合の報酬費用は5万円~15万円程かかります。

内訳は以下の通りです。

相談料 5,000~10,000円程度(初回無料の場合もある)
申述書作成代行費用 5,000円~10,000円程度
必要書類の取得 実費
代行手数料 50,000円~100,000円程度
成功報酬 なし

もし、代理人としての業務以外にも相続・遺贈に関わるトラブルの解決を依頼する場合には、別途費用が発生するので注意しましょう。

10.遺贈によってどう変わる?相続税の基礎控除額と遺留分

相続税金 計算

遺留がある場合もない場合も、相続税の基礎控除額の計算方法や遺留分の計算方法は変わりません。

相続税の基礎控除については『3-1.相続税は2割増し』でもお伝えしましたが、重要な内容なので改めて説明します。

また、遺留分とは、法定相続人に最低限保証されている相続分のことです。

遺言書で遺留を受けている場合でも、法定相続人に遺留分を請求されると

10-1.遺贈があるときの基礎控除額の計算方法

基礎控除の計算方法は、遺贈があってもなくても関係なく同じ額です。

念のため、基礎控除の計算方法も、簡単に確認していきましょう。

基礎控除額の計算は、3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算することが出来ます。

つまり、法定相続人の数によって基礎控除額は左右されるのです。

そのため、受遺者が増えたとしても基礎控除額に変動はありません。

例えば、妻1人と息子2人、孫3人に相続財産を分け合うよう遺言書を残して亡くなったAさんの基礎控除額はいくらでしょうか。

ここでのポイントは法定相続人が誰であるか?ということです。

法定相続人は配偶者と息子2人だけなので、法定相続人の人数は3人になります。(孫3人は受遺者です。)

なので、基礎控除額の計算方法は以下の通りです。

3,000万円+600万円×3人=4,800万円

このように受遺者がいても、法定相続人の数は変動しないので、基礎控除額も変わりません。

(相続税の基礎控除額については、『相続税の基礎控除額とは何?申告に必要な基礎控除の計算方法を解説』詳しく解説しています。)

10-2.遺贈があるときの遺留分の計算方法

法定相続人の遺留分も、遺贈があってもなくても額は変わりません。

遺留分とは、法定相続人に最低限保証されている相続分のことです。

遺留分の計算も、法定相続人の数に変動されますので、受遺者の数は関係ありません。

しかし、遺言書で遺贈を受けても、法定相続人の遺留分を侵害していると、遺留分を請求されることがあります。

請求をされると必ず応じなければなりませんので、注意が必要です。

もし、遺留分を請求されたら、遺贈された現物で返還することも出来ますし、代わりに現金や不動産で支払うことも出来ます。

しかし、遺留分として請求される額に根拠がなく、過大である場合には請求を拒んだり減額することも可能です。

遺留分を請求する権利は、請求者が相続の開始があったことを知ってから1年以内とされています。

この時効が成立している場合に請求を認めてしまうと、不利になってしまう可能性があります。

遺留分を請求されたら、一度弁護士に相談することをオススメします。

(遺留分の計算方法や考え方については、『遺留分減殺請求ってどうやるの?期限や遺留分の計算方法まで徹底解説!』にて詳しく説明しています。)

11.遺贈義務者はだれがなるの?

不動産 相続登記 とは

遺言執行者がいれば、遺言執行者が遺贈義務者、いない場合は法定相続人が遺贈義務者となります。

遺贈義務者とは、特定遺贈があった場合に遺贈者に対して、遺言書の通りの財産の引き渡しを実行する義務を背負う人です。

遺贈を受けた場合、基本的には遺贈義務者と一緒に手続きを進めていきます。

自分1人で手続きを行っていくわけではありませんので、遺贈義務者と相談しながら手続きを進めていくようにしましょう。

まとめ

遺贈とは、遺言書によって自分の財産を無償で譲り渡すこと。

遺贈を受けると税金の支払いや不動産・預金の手続きが必要です。

頼るべき専門家に相談しながら、スムーズに財産を譲り受けましょう。