【相続手続きの完全マニュアル】相続人が確認すべき13の手続を丁寧に解説!

相続手続き マニュアル

親や配偶者など身近な人の死は辛いですが、同時に気になるのが相続の手続きですよね。

人生で何度も行うことではないため、過去に手続きをしたことがある人も、もう一度確認しておくと安心です。

今回の記事では、相続手続きの方法や期限、相続放棄などについて丁寧に解説しています。

最後まできっちり読み、スムーズに相続手続きを完了させましょう。

1.相続手続きはいつまで?申請期限をチェック

相続手続き マニュアル

被相続人の死亡後、必要な手続きや申請の期限を表にまとめました。

 7日以内  ・死亡届の提出
 3ヶ月以内  ・葬儀の執行
・金融機関への連絡
・生命保険金の受取
・健康保険、遺族年金の手続き
・遺言書の確認と検認
・相続人調査と相続人洗い出し
・相続財産の調査と財産目録の作成
・遺産分割協議の開始
・限定承認、相続放棄
 4ヶ月以内  ・所得税の準確定申告
 10ヶ月以内 ・ 遺産分割協議書作成
・各種の相続手続きを進める
・相続税申告と納付手続き
 1年以内  ・遺留分減殺請求
 3年以内  ・配偶者相続税軽減の手続き

遅延すると埋葬料などの給付金が受け取れなかったり、相続税を余分に払わないといけなくなるなどのペナルティが発生する場合があるので事前に確認しておきましょう。

2.相続で確認すべき13の手続き

相続手続き マニュアル

相続の手続きは、大きく分けて以下のように分けられます。

  • 死亡後の手続き
  • 相続人と相続遺産の確認
  • 相続の割り当て

そんな相続の手続きについて、さらに詳しく見ていきましょう。

(1)死亡届の提出

被相続人が死亡して、最初に必要な手続きは死亡届の提出です。

死亡届は死亡後7日以内に市区町村役場へ提出する義務があります。

死亡届には死亡診断書も一緒になっていて死亡診断書は医師が記載する部分です。

役所へ取りにいかなくても一般的には医師から死亡届を受け取り、死亡地・志望者の本籍地・もしくは届人の所在地市区町村役場へ提出します。

記入後の提出を葬儀業者が代行してくれることもあるため、不明な点は葬儀業者に聞くと安心です。

(2)葬儀の執り行い

死亡届を提出すると死体埋火葬許可証をもらうので、葬儀業者へ渡し、お通夜・葬儀などの法要を済ませます。

(3)金融機関へ連絡

各金融機関に連絡を入れ、預貯金取引を止めてもらいます

他の相続人が勝手に預貯金を使ってしまうことを防止するためです。

(預貯金の相続手続きについては、後ほど詳しく解説していきます。)

(4)生命保険の受取

被相続人が生命保険に加入している場合には、基本的に保険金は支払われます。

受取人は生命保険会社に連絡をして、生命保険金の受取申請をしましょう。

生命保険金は受取人固有の財産となり、遺産の範囲に入らないため受取人が申請します。

受け取り方法は保険会社によって異なるため、保険会社の指示に従って手続きを進めていきましょう。

(5)健康保険・遺族保険の手続き

被相続人が健康保険や年金に加入している場合、健康保険組合や市区町村役場、年金事務所に死亡を知らせます

健康保険から埋葬料のために給付金を受け取ったり、遺族年金の支給をもえらる場合があるからです。

これらを受け取るためには遺族による申請が必要ですので、速やかに手続きを済ませましょう。

(6)遺言書の確認と検認

ここまでは死亡後に必要な手続きを説明してきましたが、ここからは遺産を相続するために必要な手続きです。

一般的には49日の法要のあと、遺産相続の手続きを始めていきます。

まずは、遺言書の有無の調査です。

遺言書がある場合、遺言書に従って遺産を分けることになります。

自宅にない場合でも、銀行の貸金庫や公正証書遺言を利用している可能性があります。

遺言書が見つかった場合、まずは検認を行うので勝手に開封することは厳禁です。(遺言書の中身を知って隠蔽やねつ造を避けるため。遺言書を勝手に開けると5万円以下の罰金が科される可能性があります。)

検認は家庭裁判所にて検認申立をし、指定された日に家庭裁判所にて遺言書の開封と確認が行われます。

これが終わると検認済証明書を発行してもらうことができ、検認の手続きは終了です。

遺言書がない場合、相続人が集まって遺産分割協議を開催し、遺産をどのように分けるかを決めなくてはなりません。

(7)相続人調査

遺産分割協議には相続人全員参加が必須のため、相続人の調査が必要です。

相続人の調査方法は、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本や除籍謄本、原戸籍謄本を本籍地の市区町村役場にて取得し、親族関係を確認します。

(8)財産目録の作成

被相続人がどのような相続財産を残したのかを遺産分割協議の前に調べ、相続遺産を確定させます。

確定させた相続遺産の一覧が財産目録です。

プラスの財産だけでなく、借金や税金などのマイナスの財産も財産目録に記載する必要があります。

不動産の調査方法

被相続人が不動産を保持していた場合、その土地や建物を確定し評価額の算出が必要です。

まずは、自宅で権利書・登記識別情報・固定資産税の納付書がないかを調べます。

それらの書類が見つかれば市役所にある名寄帳を参考に、土地や建物を特定が可能です。

その後、法務局にて土地や建物の権利関係が記載された登記事項証明書を取得します。

登記事項証明書を確認し、土地や建物の所在地の市区町村役場から固定資産評価証明書を発行してもらい、不動産の価値を確定させます。

預貯金・有価証券の調査方法

預貯金の調査は、被相続人の預金通帳で確認ができます。

自宅で預金通帳を見つけ出し、金融機関にて預金残高証明書を発行してもらいます。

もし預金通帳が見つからない場合には、クレジットカードの引き落とし口座など手掛かりになるものを探すことが必要です。

また、株式や債券などの有価証券を保有していた場合、それらの金融機関や証券会社に評価証明書の発行をしてもらいます。

借金の調査方法

自宅で契約書やキャッシュカード、利用明細などがないかを調べます。

また、クレジット情報を管理している個人情報信用機関にて被相続人の情報開示をしてもらうことも可能です。

借金はあまり人に知られたくないという考えから、隠している可能性が高く、見つけることが難しい遺産です。

(9)遺産分割協議書の作成

遺産分割協議を行い、決定内容を記載した遺族分割協議書を作成します。

相続人と財産目録の確定後、遺産分割協議にて誰にどの遺産が相続されるのかを決定させるための遺産分割協議を開催します。

遺産分割協議にはすべての相続人が集まることが必須となっており、1人でも欠けていると決まった内容は無効となってしまうのです。

物理的に集まることが難しい場合、電話やメール、手紙などを利用することもできます。

また、相続人に未成年がいる場合には特別代理人を選任したり、認知症などで判断能力が乏しい場合には成年後見の申し立てを行って後見人を付ける等の処置も必要です。

最終的に意見がまとまれば、遺産分割協議書を作成し、全員の署名押印します。

(10)遺産分割調停・審判

万が一、意見がまとまらなかった場合やどうしても遺産分割協議に参加しない相続人が発生した場合には、家庭裁判所にて遺産分割調停申し立てが必要です。

遺産分割調停となった場合、物理的に相続人全員が集まり、家庭裁判所の調停委員も参加して遺産分割の話し合いを進めていきます。

話し合いがまとまれば遺産分割協議が成立し、調停調書が作成されます。

調停でも話がまとまらない場合は、遺産分割調停は不成立となり遺産分割審判へ移ります。

遺産分割審判ではそれぞれの主張を裁判官が判断し、妥当な遺産分割方法を決定するのです。

審判で決まった内容は審判書に記載され、各相続人に送付されます。

(11)相続放棄・限定承認

相続をしない場合には、相続放棄という方法もあります。

相続破棄はすべての遺産を一切相続しない手続きです。

借金や負債を相続しない代わりに、不動産や預貯金などのプラスの財産の相続権も失います。

このようにマイナスの財産相続をしないためには、限定承認という方法もあります。

限定承認とは、債権者へ必要な支払いを遺産の中から行い、残金があれば相続人が相続できるという手続きです。

そのため借金や負債が多い場合には残金が残らず、相続は発生しません。

これらの手続きは相続があると知ってから3か月以内に手続きする必要があります。

(12)所得税の準確定申告

被相続人(亡くなった人)が年金受給者で年金が400万円以下かつ年金以外の所得が20万円を超えていない場合、準確定申告は不要です。

所得税の準確定申告とは、被相続人に変わって遺族が確定申告を行うことです。

もちろん確定申告をすることで納税義務が発生しますが、その場合には相続人が払う必要があります。

所得税の準確定申告が必要なケースは以下の場合です。

・個人事業主だった

・賃貸アパートや貸駐車場などで収入を得ていた

・会社の役員もしくは従業員で2000万円以上の年収があった

・亡くなった年に株式や不動産を売却していた

・亡くなった年に高額医療費の支払いをしていた

・そのほか源泉徴収されていた税金が還付されることが見込めるとき

通常の確定申告は翌年の2月16日から3月15日までですが、準確定申告の場合には死亡後4か月以内と定められているので注意してください。

(13)自分の財産への引き継ぎ手続き

遺産分割協議書の作成後は、具体的に遺産相続を自分の財産へ引き継ぎのための手続きを開始します。

不動産の場合には名義変更手続き、預貯金の場合には金融機関での手続きが必要です。

3.不動産の相続手続きの流れ

相続手続き マニュアル

自分が相続することに決まった不動産は、名義変更が必要になります。

3-1.不動産の名義変更に必要な書類

不動産の名義変更に必要な書類は以下の通りです。

 法務局で取得する  ・対象不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
 市区町村役場で取得する  ・被相続人の住民票の除票
・被相続人の死亡時から出生時までの戸籍謄本
・相続人全員の現在の戸籍謄本
・対象不動産を取得する相続人の住民票
・対象不動産の固定資産評価証明書
・相続人全員の印鑑証明書
 自ら作成する  ・遺産分割協議書(もしくは調停調書、審判書)

もちろんすべて自分で出来る手続きばかりですが、住んでいる場所と不動産の場所が離れていたり、なかなか時間が割けない人は専門家への依頼がオススメです。

専門家に相談する場合は、司法書士へ頼むことが多いです。

司法書士などの専門家に依頼をする場合、自分で取得する必要がある書類は印鑑証明書だけで、その他の書類は代行取得してもらえます。

司法書士へ依頼する場合の相場は、1件当たり3~15万円です。

固定資産評価額によって変動しますので注意しましょう。

3-2.不動産の相続手続きの流れ

必要な書類が揃ったら、法務局で相続登記の申請をします。

法務局は、相続する不動産の所在地を管轄する法務局での申請が必要です。自分の家の最寄りではないことに注意しましょう。

申請をするには、必要書類と一緒に申請書を提出します。

申請書には、以下の項目を記載しましょう。

・登記目的

・原因

・相続人の名前・住所・連絡先

・添付書類の取得場所・取得日

・課税価格

・登記免許税額

・対象不動産の概要

申請書は、特に決まったフォーマットがあるわけではないので自分でも作成することが出来ますが、抜け漏れがないよう専門家に代理依頼する人が多いです。

3-3.不動産の相続に必要な費用

不動産の相続に必要な費用は、不動産の名義変更のために必要な登録免許税です。

登録免許税は、相続する不動産の固定資産税表定額の0.4%と決まっています。

例えば、固定資産税評価額2000万円の不動産の場合には、2000万円×0.4%=8万円の登録免許税が必要です。

固定資産税評価額は、土地や建物の所在地の市区町村役場で取得した対象不動産の固定資産評価証明書に記載されています。

それ以外にかかる費用としては、戸籍謄本などの証明書類関係の取得費用がかかりますが、数千円程度です。

また、司法書士などの専門家に手続きを代行してもらう場合はその報酬がかかります。

4.預金相続の手続きの流れ

相続手続き マニュアル

預貯金を相続することになった場合、金融機関へ連絡をして相続手続きをしなければ、預貯金は引き出せないままになってしまいます。

以下の4つのステップを確認し、手続きを完了させましょう。

(1)金融機関へ連絡

被相続人が死亡後、取引金融機関へ連絡をします。

取引内容によって手続きは多少異なりますが、丁寧に案内をしてくれますので指示に従いましょう。

(2)必要書類の準備

必要書類は以下の4つのパターンによって変わります。

「遺言書がある場合」
「遺言書がなくて遺産分割協議書がある場合」
「遺言書や遺産分割協議書がない場合」
「家庭裁判所による調停調書・審判書がある場合」

それぞれ見ていきましょう。

①遺言書がある場合

遺言書がある場合には以下の書類が必要です。

・遺言書

・検認調書もしくは検認済証明書

・被相続人の戸籍謄本もしくは全部事項証明

・預金を相続する本人の印鑑証明書

・遺言執行者の選任審判書謄本(裁判所で遺言執行者が選任された場合のみ)

②遺言書がなくて遺産分割協議書がある場合

遺言書がなくて遺産分割協議書がある場合には、以下の書類が必要です。

・遺産分割協議書

・被相続人の除籍謄本、戸籍謄本もしくは全部事項証明書

・相続人全員の戸籍謄本もしくは全部事項証明書

・相続人全員の印鑑証明書

③遺言書や遺産分割協議書がない場合

遺言書や遺産分割協議書がない場合、以下の書類が必要です。

・被相続人の除籍謄本、戸籍謄本もしくは全部事項証明書

・相続人全員の戸籍謄本もしくは全部事項証明書

・相続人全員の印鑑証明書

④家庭裁判所による調停調書・審判書がある場合

家庭裁判所による調停調書・審判書がある場合、以下の書類が必要です。

・家庭裁判所の調停調書謄本または審判書謄本(審判書上確定表示がない場合は、さらに審判確定証明書も必要)

・預金を相続する本人の印鑑証明書

(3)書類の提出

取引金融機関所定の相続手続書類に、依頼内容を記入・押印をし、準備した書類と一緒に金融機関へ提出します。

(4)払戻しの手続き

相続手続書類の提出後、金融機関において払い戻しの手続きが行われます。

相続手続書類の提出から払い戻しの手続きまで日数がかかる場合もあります。

5.相続手続きは専門家に任せるべき

相続手続き マニュアル

相続手続きに不安があったり、時間を取られたくない人は司法書士・税理士・弁護士などの専門家にお任せすることがオススメです。

もちろん、すべて自分で出来る手続きばかりですが、時間と知識が必要となります。

特に必要書類を取りに役所や法務局へ行く頻度が高いので、会社員など平日昼間に自由に動けない人はプロに任せた方が良いでしょう。

その他、以下の場合にあてはまる人は専門家へ相談した方がスムーズに相続手続きを完了させることが出来るので、オススメです。

・相続人が多い

・想定外の相続人が発覚した

・遺産分割協議でもめている

・遺産が多い

・相続する遺産の中に不動産が含まれている

・相続について分からない点や不安な点が多い

あてはまる人は迷わす専門家へ相談しましょう。

ここからは、司法書士・税理士・弁護士のそれぞれの特徴を紹介していきます。

6.名義変更だけなら司法書士がオススメ

相続手続き マニュアル

相続の手続きに一番詳しい専門家は司法書士です。

司法書士に相談するメリットや費用の相場を確認しましょう。

6-1.司法書士に相談するメリット

相続手続きに関わる一番の強い味方は司法書士です。

特に不動産の相続がある場合の相続人への名義変更は司法書士の得意分野。行政書士や税理士に不動産の名義変更業務は依頼することはできません。

「多くの遺産はないけれど、自宅だけが残された」というパターンはとても多いため、まずは司法書士へ相談しましょう。

その他にも、銀行や証券会社などの相続手続きや、遺言書の検認、相続放棄の手続きなど、相続に関して幅広く業務の依頼ができます。

6-2.司法書士への報酬費用の相場

相続人の人数や相続財産の内容にもよって変動しますが、一般的な司法書士への報酬費用の相場は以下の通りです。

相続手続き一式の料金

遺産総額 報酬料の目安
 2000万円未満  15~30万円
 5000万円未満  20~40万円
 1億円未満  30~60万円

不動産の名義変更(相続登記)の料金

固定資産評価額 報酬料の目安
 2000万円未満  1件あたり3~10万円
 5000万円未満  1件あたり8~12万円
 1億円未満  1件あたり12万~15万円

戸籍謄本証明書などの証明書の発行費用、相続登記にかかる登録免許税などは含まれないことが多いため、事前に確認しておきましょう。

7.相続税の申告が必要なら税理士がオススメ

相続手続き マニュアル

相続の上で、相続税の申告をしないといけない場合に頼りになるのは税理士です。

税理士に相談するメリットや費用の相場を確認しましょう。

7-1.税理士に相談するメリット

相続税の申告、相続財産の評価、準確定申告が必要な場合には、税理士への相談をしてください。

特に相続税の申告は税理士にしかできない仕事です。

相続財産が3600万円以上ある場合は相続税の申告が必要となる可能性があるので、相談をするようにしましょう。

7-2.税理士への報酬費用の相場

税理士への報酬の相場は、相続財産額に対しておおよそ0.5~1.5%の金額といわれています。

目安として、以下の金額を参考にしてください。

遺産総額 報酬料の目安
 2000万円未満  10~30万円
 5000万円未満  30~50万円
 1億円未満  50~70万円

8.相続でトラブルが起きたときには弁護士がオススメ

相続手続き マニュアル

相続財産を分割する中で、相続人同士がもめて場合に頼れるのは弁護士です。

弁護士に相談するメリットや費用の相場を確認しましょう。

8-1.弁護士に相談するメリット

相続人がもめた場合には弁護士を頼りましょう。

遺産分割協議でもめると最終的に裁判や調停へと発達しますが、その際には弁護士が代理人となって交渉することが出来ます。

いわゆる遺産争いが起きてしまった場合、弁護士への依頼は必須となります。

8-2.弁護士への報酬費用の相場

弁護士への報酬費用はとても複雑ですが、平成16年3月まで使われていた報酬規定に沿った報酬体系を適応させている弁護士事務所は多いです。

表にまとめましたので参考にしてください。

初回の法律相談料  30分ごとに5000円~1万円
一般法律相談料  30分ごとに5000円以上2万5000円以下
獲得した相続財産額 着手金 報酬金
300万円以下の部分 8% 16%
300万円~3000万円以下の部分 5%+9万円 10%+18万円
3000万円~3億円以下の部分 3%+69万円 6%+138万円
3億円以上の部分 2%+369万円 4%+738万円

着手金とは、弁護士が動き出すタイミングで支払う費用のことで、返金されることはありません。

報酬金とは、相続の話がまとまった時点で発生する費用のことで、相続財産が0円となった場合には発生しない費用のことです。

その他にも、弁護士が遠方へ出張したり戸籍謄本の取得などで必要となった費用は、実費請求されます。

弁護士へ相談する際には、高額な報酬が必要になることを覚えておきましょう。

9.相続手続きをしないとどうなる?

相続手続き マニュアル

相続手続きをせずに放置しても、特に罰則があるわけではありません。

遺産が減ったりすることもありませんので、しばらく放置していても大丈夫です。

しかし、いつかは相続手続きをしないと面倒なことが発生します。

どのようなことが起きてしまうのか確認し、相続手続きを早めに行う意識を持ちましょう。

9-1.相続税の申告をしない場合は延滞税が発生する

相続税の申告期限は、相続財産があることを知ってから10ヶ月です。

相続税の申告を期限内にしなかった場合、延滞税などが発生し、余計なお金を払う必要が出てきます。

期限内に申告をするためには、誰がどの相続財産を引き継ぐのかを早く決定することが必要です。

9-2.銀行預金は10年で引き出せなくなる

銀行預金である預金債券の時効は10年なので、10年を過ぎると引き出しが出来なくなります。

また死亡の旨を連絡している場合はすぐに口座が凍結されるため、利用が出来なくなってしまいます。

9-3.相続した不動産を売ることが大変

土地や家は相続手続きをしなければ相続人全員での共有財産となり、売却や賃貸を自由に決定することが出来なくなります。

共有状態だと、共有者の1人が単独で法定相続分での不動産登記を行い、他人の所有物になっていた、なんていうこともあり得るのです。

9-4.自分の子どもに迷惑がかかるかもしれない

被相続人の相続人が死亡してしまった場合、相続手続きが続くことになって手続きが複雑になります。

相続手続きが終わる前に次の相続が始まってしまうと、関係者が増え、相続人が増えることになるのです。

そうなると権利関係が複雑になり、より手続きも複雑で時間がかかってしまいます。

10.相続破棄をするのはどんなとき?

相続手続き マニュアル

相続放棄とは、被相続人が残した財産の全てを相続拒否することです。

10-1.どのような場合に相続放棄をすべきか

相続財産を洗い出したときに、プラスの相続財産よりもマイナスの相続財産が多い場合は相続放棄を検討すべきです。

借金などマイナスの相続財産も相続してしまえば、相続人が不利益を被ってしまうからです。

10-2.相続放棄のメリットとデメリット

相続放棄をするメリットは、多額の借金を引き継がなくてよくなることです。

被相続人に多額の借金があった場合、プラスの財産を上回る借金を返済する必要がありますが、相続放棄によって回避することが出来ます。

一方、相続放棄のデメリットは家などの資産もすべて放棄しないといけなくなることです。

例えば、被相続人名義の家で同居していた場合などに「借金があるから」と言って相続放棄をすると自宅は相続できなくなってしまいます。

「やっぱり相続したい」と言っても一度相続放棄をしてしまうと撤回できないため注意が必要です。

11.相続放棄の手続きの流れ

相続手続き マニュアル

相続放棄を決めた場合、手続きが必要となります。

相続放棄の手続きは、相続があることを知った日(通常は被相続人の死亡日)から3ヶ月以内に完了させる必要があります。

それでは手続きを順番に確認していきましょう。

(1)相続放棄に必要な書類の準備

まずは、必要書類である「相続放棄申述書」「被相続人の住民票除票または戸籍附票」「申立人本人の戸籍謄本」を準備します。

また、この3つの書類以外に被相続人と相続放棄申立人の関係を証明する書類が必要です。

①配偶者もしくは子どもの場合

被相続人の配偶者や子どもの場合、「被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本」が必要です。

②孫の場合

被相続人の孫の場合、「本来の相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本」が必要です。

③両親や祖父母の場合

被相続人の両親や祖父母の場合には下記の書類が必要です。

・被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

・被相続人の子どもに死亡者がいれば、その子どもの出生時から死亡時までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

・被相続人の直系尊属に死亡者がいれば、その者の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

④兄弟や甥姪の場合

被相続人の兄弟姉妹や甥姪の場合には下記の書類が必要です。

・被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

・被相続人の子どもに死亡者がいれば、その子どもの出生時から死亡時までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

・被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

・申立人が甥姪の場合、本来の相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

(2)裁判所で相続放棄の申立て

被相続人の最後の住所を管轄する家庭裁判所にて相続放棄申述書と必要書類を提出します。

その際、収入印紙800円と連絡用の郵便切手1000円程度が必要です。

通常相続放棄の申立ては本人が行いますが、本人が未成年の場合にはその親や親族が代理で申立てることができます。

(3)照会書の確認

相続放棄申立てに問題がなければ、約10日ほどで家庭裁判所から相続放棄に関する照会書が送付されます。

照会書には、被相続人の死亡をいつ知ったのか、相続放棄は自らの意思なのか、などの質問が書かれています。

正直に回答内容を記入し、家庭裁判所へ返送しましょう。

(4)相続放棄の認定

さらに約10日後、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が届いたら手続きは完了です。

相続放棄申述受理通知書は相続放棄をしたことの証明となりますので、大事に保管しておきましょう。

まとめ

相続するための手続きはたくさんありますが、期限を守り、できるだけ早く済ませてしましょう。

また、わからないことや不安なことがある場合には、悩みに適した専門家に相談することがオススメです。

相続の専門家に頼りながら、スムーズな相続手続きをしてください。