事業承継における贈与税・相続税の節税対策7選!節税効果やリスクについて解説

事業継承

事業承継の税金でお悩みではありませんか?

事業を後継者に引き継ぐには、贈与税や相続税などの納税費用が必要です。

対策なしに事業承継を行ってしまうと、納める税金が高額になり損をしてしまうかもしれません!

それだけではなく、資金に余裕がなければ後継者は事業を引き継いでも経営に集中できないです。

今回は、事業承継で取り組むべき節税方法についてご紹介します。

うまく節税することによって、後継者が事業を引き継ぎやすいように準備しましょう。

事業承継で必要になる税金とは

事業継承

事業承継で必要になる税金は、例えば以下のようなものがあります。

税金1.贈与税
税金2.相続税
税金3.所得税・住民税
税金4.消費税
税金5.法人税

贈与税や相続税をうまくおさえることができれば、かなりの節税になります。

贈与税と相続税の税率は最高で55%なので、ちょっとした対策でも数百万円の節税になることがあるです。

まずは贈与の場合の節税方法を確認しましょう。

事業承継の際に取り組むべき節税対策【贈与の場合】

株式譲渡  税金

事業承継で後継者に財産を贈与する場合の節税方法は、以下のようなものがあります。

  • 贈与対策1.事業承継税制の活用
  • 贈与対策2.暦年課税制度の利用
  • 贈与対策3.  相続時精算課税制度の活用
  • 贈与対策4.  贈与税の非課税制度

それぞれについて順番に見ていきましょう。

贈与対策1.事業承継税制の活用

事業承継税制とは、現経営者から後継者に株式を贈与や相続するときに利用できる制度です。

条件を満たせば、贈与税の納税を猶予・免除してもらうことができます。

事業承継税制を贈与で利用した際の節税効果

2018年4月1日から10年間の間に利用すれば、自社の株式に対する贈与税が100%猶予されます。

さらに、贈与者である先代経営者より先に後継者が死亡した場合などには、贈与税が全て免除されるのです。

ただし、これは現時点では2018年4月1日から10年間の間の特例となっています。

贈与税の100%猶予を確実に行うには、2018年4月1日からの5年間で都道府県に特例承継計画書を提出しなければなりません。

事業承継税制を贈与で利用する条件

事業承継税制を贈与で利用するには、以下の要件を満たしている必要があります。

  • 要件1.都道府県知事から認定を受けること
  • 要件2.会社が次の①〜⑤のいずれにも該当しないこと
    ①上場会社 ②中小企業者に該当しない会社 ③風俗営業会社 ④資産管理会社 ⑤総収入金額が 0の会社、従業員数が0の会社
  • 要件3.納税が猶予される贈与税と利子税の金額に見合う担保を税務署に提供すること
  • 要件4.後継者が次の①〜④に当てはまること
    ①会社の代表権がある ②20歳以上 ③役員等の就任から3年以上経過している ④総議決権数の50%超の議決権数を保有
  • 要件5.現経営者が次の①〜③に当てはまること
    ①会社の代表権があった ②贈与時に会社の代表権がない ③贈与の直前に総議決権数の50%超の議決権数を保有

事業承継税制を贈与で利用する流れ

事業承事業承継税制を利用するには、贈与が行われた年の翌年1月15日までに申請を行う必要があります。

そして、贈与を受けた翌年の2月1日~3月15日に、税務署に贈与税の申告や書類の提出をしなければなりません。

後継者に生前贈与するのは、会社の株価が上昇傾向で、後継者が決まっていて事業承継の時期に来ている場合がおすすめとなります。

事業承継税制を利用して必要な資金を抑え、円滑に事業を承継しましょう。

事業承継税制については、「事業承継税制とは?適用要件や平成30年度改正のポイントも解説」で詳しく解説しています。

贈与対策2.暦年課税制度の活用

贈与税を考える際には、暦年課税制度と相続時精算課税制度という2つの制度を知っておく必要があります。

それぞれについて理解して活用することで、贈与税の節税が可能です。

まずは暦年課税制度から確認しましょう。

暦年課税制度を贈与で利用した際の節税効果

暦年課税制度を利用すれば、生前贈与にかかる贈与税について年間110万円の基礎控除が受けられます。

つまり、年間110万円までの贈与であれば、課税の対象になりません。

基礎控除額を超えた部分については10%~ 55%の累進税率で課税されます。

(引用:事業承継マニュアル)

年間110万円までの非課税枠の中で計画的に後継者に贈与していけば、贈与税がかからないのです。

暦年課税制度を利用する条件

暦年課税制度を利用するための条件は特にありません。

ただし、相続時精算課税制度を選ぶと、暦年課税制度に戻ることはできないので注意してください。

暦年課税制度を利用する流れ

1月1日から12月31日の1年間で贈与する金額を110万円までにおさえれば、贈与税を発生させずに財産を譲れます。

あとから税務調査が入った場合のために、贈与契約書を作成して贈与であることを明確にしておくのが良いでしょう。

暦年課税制度は、会社の株価に急激な上昇がなさそうで、相続開始までに時間的余裕がある場合におすすめできます。

贈与対策3.相続時精算課税制度

次に、相続時精算課税制度について見ていきましょう。

相続時精算課税制度を利用した際の節税効果

相続時精算課税制度を選択した贈与財産は、特別控除額2500万円以内の金額には贈与税が課税されません。

特別控除額を超える部分は、20%の税率で課税されます。

ただし、 贈与者の死亡で相続が発生すると、贈与された財産を相続財産に合わせて相続税額を計算しなければなりません。

相続時に計算する贈与財産の価額は贈与時の価額なので、将来的に値上がりが予想されている財産に適用すれば節税が可能です。

また、譲りたい財産が相続税の基礎控除の金額におさまる場合は、相続税がかかりません。

相続時精算課税制度を利用する条件

相続時精算課税制度には利用する条件があります。

60歳以上の両親や祖父母から、20歳以上の子や孫に財産を贈与した場合に利用可能です。

相続時精算課税制度を利用する流れ

相続時精算課税を選択すると、それから同じ人からの贈与には暦年課税を使えなくなります。

したがって、どちらの制度を利用するか慎重に考えなければなりません。

相続時精算課税制度を利用する前には、譲る財産が相続税の基礎控除におさまるかをまず確認しましょう。

おさまらない場合には、相続時精算課税制度を利用しても相続の段階で税金が発生してしまいます。

譲る財産の価格が今後上がりそうなら、相続時精算課税制度を利用するのがおすすめです。

贈与対策4.贈与税の非課税制度

上記の制度以外にも、生前贈与で計画的に財産を渡すことで、大きな節税の効果を期待できる制度があります。

今回は以下の3つのパターンについて見ていきましょう。

  1. 教育資金の一括贈与
  2. 結婚、子育て資金の一括贈与
  3. 住宅取得等資金贈与の特例

教育資金の一括贈与

教育資金の一括贈与とは、30歳未満の子供もしくは孫に贈与する教育資金1500万円までに関しては、税金が免除されるというものです。

ここでいう教育資金とは、学校の入学金、授業料、学費などが対象になります。

贈与を受けた子供もしくは孫が30歳になった時点で、残りの教育資金には贈与税がかかるので注意が必要です。

結婚、子育て資金の一括贈与

結婚、子育て資金の一括贈与では、20~49歳の子供か孫の結婚、出産、子育てに関する資金の贈与には税金が免除されるというものです。

結婚、出産、子育ての資金には1000万円、結婚資金のみの場合は300万円まで非課税となります。

この節税政策は、平成31年3月31日までなので注意が必要です。

住宅取得等資金贈与の特例

住宅取得等資金贈与とは、子供もしくは孫が住宅を購入するための資金の贈与であれば、700万円から最大1200万円まで税金が非課税となる制度です。

しかし、平成33年12月31日までの特例措置であるため注意が必要です。

生前贈与に関する節税の方法について、詳しくは「相続税の節税には贈与税を活用しよう!生前贈与の基礎知識」の記事を参考にしてください。

事業承継の際に取り組むべき節税対策【相続の場合】

事業継承

事業承継で後継者に財産を相続する場合の節税方法は、以下のようなものがあります。

  • 相続対策1.事業承継税制の活用
  • 相続対策2.小規模宅地等の特例を利用
  • 相続対策3.配偶者控除を利用

それぞれについて順番に見ていきましょう。

相続対策1.事業承継税制の活用

贈与の場合と同様に、相続の際にも事業承継税制が活用できます。

条件を満たせば、相続税の納税を猶予・免除してもらうことが可能です。

事業承継税制を相続で利用した際の節税効果

2018年4月1日から10年間の間に利用すれば、自社の株式に対する相続税が100%猶予されます。

さらに、後継者が死亡した場合などには、相続税が全て免除されるのです。

ただし、これは現時点では2018年4月1日から10年間の間の特例となっています。

相続税の100%猶予を確実に行うには、2018年4月1日からの5年間で都道府県に特例承継計画書を提出しなければなりません。

もしも相続で事業承継税制を利用した場合には以下のように税負担を軽減できます。

引用:事業承継ガイドライン(中小企業庁)

事業承継税制を相続で利用する条件

事業承継税制を相続で利用するには、以下の要件を満たしている必要があります。

  • 要件1.都道府県知事から認定を受けること
  • 要件2.会社が次の①〜⑤のいずれにも該当しないこと
    ①上場会社 ②中小企業者に該当しない会社 ③風俗営業会社 ④資産管理会社 ⑤総収入金額が 0の会社、従業員数が0の会社
  • 要件3.納税が猶予される相続税の金額に見合う担保を税務署に提供すること
  • 要件4.後継者が次の①〜③に当てはまること
    ①相続開始日の翌日から5か月経った日に会社の代表権を有している ②相続開始時、総議決権数の50%超の議決権数を保有 ③相続開始の直前に会社の役員である
  • 要件5.現経営者が次の①〜②に当てはまること
    ①会社の代表権を有していた ②相続開始直前に総議決権数の50%超の議決権数を保有

 事業承継税制を相続で利用する流れ

(引用:事業承継マニュアル)

事業承継税制を利用するには、相続開始後8ヶ月以内に適用条件について都道府県知事の認定を受けることが必要です。

そして、通常通り10ヶ月以内に相続税の申告を行います。

相続はいろいろな手続きをしなければならず、時間に余裕が無いことが多いです。

事業承継税制を利用するなら特に、スムーズに相続が行えるように早めに準備に取り掛かりましょう。

相続対策2.小規模宅地等の特例を利用

小規模宅地等の特例とは、自宅や事業用の宅地については、その評価額を引き下げて相続税の負担を軽くするというものです。

小規模宅地等の特例を利用した際の節税効果

小規模宅地等の特例を利用すれば、決まった面積まで評価額から50%〜80%の減額が可能です。

小規模宅地等の特例を利用した場合の減税率は以下のようになっています。

宅地の種類 限度面積 減額の割合
 ① 特定居住用宅地等 330㎡ 80%
 ② 特定事業用宅地等 400㎡ 80%
 ③ 特定合同会社事業用宅地等 400㎡ 80%
 ④ 貸付事業用宅地等 200㎡ 50%

最も減額割合が低い貸付事業用宅地等でも50%減額されるので、節税効果は大きいです。

小規模宅地等の特例を利用する条件

宅地の種類によって利用する条件が異なっており、特定居住用宅地等の主な適用条件は以下です。

宅地の種類 相続人の被相続人との関係 適用条件
被相続人の居住用の宅地 配偶者 なし
被相続人の居住用の宅地 同居していた親族 相続開始から相続税申告期限までそこに居住し宅地を所有している
被相続人と生計を一にする親族の居住用の宅地 同居していない親族 ①および②に該当する場合で、かつ③〜⑤の要件を満たす者

①被相続人に配偶者がいない
②居住用家屋に同居していた法定相続人がいない
③相続開始3年以内に自己または配偶者の持ち家に住んでいない
④宅地を相続税の申告期限まで所有している
⑤相続開始時に国内に住所かあるか、日本国籍

被相続人と生計を一にする親族の居住用の宅地 配偶者 なし
被相続人と生計を一にする親族の居住用の宅地 生計を一にしていた親族 相続開始から相続税申告期限までそこに居住し宅地を所有している

特定事業用宅地等や特定合同会社事業用宅地等、貸付事業用宅地等の主な適用条件は以下です。

宅地の種類 適用条件
特定事業用宅地等 被相続人の事業用宅地 ・親族が取得し事業を引き継ぎ、相続税申告期限まで事業を継続
・宅地を相続税申告まで所有
特定事業用宅地等 被相続人と生計を一にする親族の事業用宅地 ・親族が取得し、相続開始直前から相続税申告期限まで事業を継続
・宅地を相続税申告まで所有
特定合同会社事業用宅地等 一定の法人の事業用に使用している宅地 ・親族が取得し、相続税申告期限にその法人の役員
・宅地を相続税申告期限まで所有し、事業を継続
貸付事業用宅地等 被相続人の貸付事業用宅地 ・親族が取得し、貸付事業を引継ぎ、相続税申告期限まで事業を継続
・宅地を相続税申告期限まで所有
貸付事業用宅地等 被相続人と生計を一にする親族の貸付事業用宅地 ・親族が取得し、相続開始直前から相続税申告期限まで貸付事業を継続
・宅地を相続税申告期限まで所有

以上のように、宅地の種類や相続人によって、適用条件が異なります。

利用できるのかどうか不安な場合には、税理士などの専門家に相談してみましょう。

小規模宅地等の特例を利用する流れ

小規模宅地等の特例を利用するには、相続税の申告期限まで相続人がその宅地で居住か事業を継続しなければなりません。

そして、相続税の申告書に必要事項を記入すれば利用することができます。

その際に必要な書類は例えば以下のようなものです。

  • 減額金額の計算に関する明細書
  • 遺言書の写し
  • 財産の分割の協議に関する書類の写し

相続財産に宅地がある場合は、小規模宅地等の特例が利用できないか確認してみましょう。

小規模宅地等の特例が改正

平成30年度の税制改正大綱により、小規模宅地等の特例について変更が加えられました。

以下が重要なポイントです。

貸付事業用宅地等の範囲から、相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等(相続開始前3年を超えて事業的規模で貸付事業を行っている者が当該貸付事業の用に供しているものを除く。)を除外する。

(引用:平成30年度税制改正の大綱 – 財務省

改正により、相続を開始する前3年以内に貸付事業をしていた宅地等は50%の減額を受けることができなくなりました。

そのため、貸付事業用宅地による減額を受けたいのであれば、相続の3年以上前に貸付事業用宅地を購入する必要があります。

事業承継のために、不動産を購入する予定がある場合は注意してください。

事業承継の節税術!不動産を活用して相続税を節税しよう

相続対策3.配偶者控除を利用

相続税を計算する際に、配偶者控除という制度が存在しています。

配偶者控除を利用した際の節税効果

配偶者が相続する財産については、1億6000万円までは相続税の対象となりません。

したがって、財産が配偶者控除の範囲内であれば、相続税はかからないのです。

ただし、将来的に配偶者が死亡して子供へ相続が発生する場合があることには注意してください。

配偶者控除を利用する条件

配偶者控除が使えるのは、被相続人が死亡した時点で法律上の婚姻関係にあった配偶者です。

したがって、内縁関係や離婚届を出した元配偶者などは利用できません。

配偶者控除を利用する流れ

配偶者控除を利用するためには、相続開始から10ヶ月以内に税務署へ申告します。

そのため、相続税の申告期限までに遺産分割を終わらせることが必要です。

配偶者控除を使うなら、課税される金額が0円でも税務署への申告を行わなければなりません。

配偶者がいるという場合には、配偶者控除のことを頭に入れながら財産の相続をどのようにするか考えてみましょう。

贈与・相続どちらでも活用できる株価引き下げる4つの方法

事業継承

株式を後継者に贈与や相続する際には、株価を引き下げることが節税対策として有効になります。

引き継ぐ財産の中でも、株式は高額になりやすいためです。

株価を引き下げる方法として、以下のようなものがあります。

  • 方法1.保険料の支払い
  • 方法2.退職金の支給
  • 方法3.不動産の購入
  • 方法4.高収益部門を子会社化

方法1.保険料の支払い

保険料を支払って自社の株式価格を引き下げることで、後継者が納める税金を減らすことが可能です。

株価を決める方法としてよく利用されている類似業種比準価格方式では、利益が減ることで株式の価格も下がります。

利益を減らす方法は、保険に加入して保険料を支払うことです。

逓増定期保険や長期平準定期保険は保険料が高く、保険料の半額や全額を損金という経費に算入できます。

例えば、5000万円の保険料を支払うなら、場合によって2500万円や5000万円が会社の経費にできるのです。

保険会社ごとに保険プランがあり内容が異なっています。

どの保険が良いのかは一概に決めることができないので、税理士や保険会社にどれを活用するべきか聞いてみましょう。

【事業承継の節税】法人保険を使った節税方法や生命保険の種類を解説

方法2.退職金の支給

退職金を支給することで、その金額が損金として算入されて株価が下がります。

退職金を支給するというのは特別なことではなく、さまざまな会社で行いやすい方法です。

支給した翌決算期に株式を移転すると効果があるので、事前に考えておくことをおすすめします。

退職金の支給額を想定してから、どれくらい株価を下げることができそうか税理士に計算してもらうのが良いでしょう。

事業承継において役員退職金で節税する方法!退職金利用で損金計上し株価対策が可能!

方法3.不動産の購入

不動産を購入することで、自社の株式の評価額を下げることができる場合が多いです。

株価の引き下げは、所有する土地や建物の評価額を現金で所有していた金額より下げることで行えます。

土地の評価方法の1つに路線価による評価があり、売買した価格の7割から8割程度の金額です。

そのため、そのまま現金を貯めるよりも土地を購入したほうが評価額が下がります。

それによって自社株の評価額も引き下げることが可能です。

また、賃貸マンションなどの購入も有効で、賃貸物件なら土地は貸家建付地、建物は貸家で評価されます。

貸家建付地は時価の6割から7割ほどの評価、貸家は固定資産税評価額から借家権割合を控除した価額での評価となります。

したがって、賃貸物件を購入したときよりも低い評価額となるのです。

もしも都心の賃貸物件を購入したのであれば、評価額は半額以下になることもよくあります。

不動産を購入する資金がある場合は、株価の引き下げに活用できないか考えてみましょう。

方法4.高収益部門を子会社化

会社に収益力があって類似業種比準価格が高い場合は、高収益部門を子会社化すれば親会社の株価引き下げが期待できます。

この方法を使う場合、親会社が株式保有特定会社に該当すると類似業種比準価格が利用できません。

したがって、子会社の株価を高くしすぎないように注意しておく必要があります。

高収益をあげているという部門が会社にあるなら、子会社化することも考えてみましょう。

ただし、この方法は分社化してからのことを長期的に考えなければ、会社経営がうまくいかなくなることもあります。

安心して行うには、専門家である税理士などの事業承継コンサルタントに相談するべきです。

事業承継の節税について専門家に相談しよう

事業継承

事業承継をするにあたって節税を行う方法はたくさんあり、会社の状況に応じて適切な節税方法を使い分けることが必要です。

期間に余裕を持って節税について検討すれば、行える対策方法は増えます。

どのように節税を行うのが一番効果的なのか、早めに税理士など専門家に相談するべきです。

また、贈与税も相続税も申告してから税務調査が行われることがあります。

特に相続税で税務調査が行われる可能性は高く、だいたい4件に1件程度は調査されるのです。

さらに、税務調査が行われると、8割くらいの人に追徴課税が発生しています。

追徴課税となる理由の多くは税金の申告漏れなので、どの制度を利用するにしても気をつけなければなりません。

少しでも贈与や相続について曖昧な点があれば、税務調査の知識も豊富な税理士に相談するのが良いでしょう。

ちなみに、税理士に相続税の申告を頼むときには書面添付制度を利用すると安心です。

書面添付制度とは、税務調査対象の申告書に書面添付があれば、調査の事前通知の前に税理士に意見を述べる機会を与えるものです。

申告漏れがあるなどで追徴課税が発生した場合でも自己申告扱いとなって安く済みます。

事業承継を行う場合には、節税についてどのようなプランで取り組んでいくのか早めに考えましょう。

一般社団法人設立による事業承継節税対策に規制

家族の話し合いを誘導できる専門家とは?

平成30年度税制改正大綱によって、一般社団法人設立による事業承継節税対策に規制が行われました。

重要なポイントは、親族で支配する一般社団法人を個人とみなして相続税を課税するという点です。

この場合に相続税が課される親族で支配する一般社団法人とは、以下のようなものと示されています。

  • 1 相続開始の直前における同族役員数の総役員数に占める割合が2分の1を超えること。
  • 2 相続開始前5年以内において、同族役員数の総役員数に占める割合が2分の1を超える期間の合計が3年以上であること。

(引用:平成30年度税制改正の大綱 – 財務省

同族役員とは、原則として、死亡した役員の配偶者と3親等内の親族までです。

規制される前までは、一般社団法人に持分がないことを利用して、財産を一般社団法人に移して相続税の課税を避けることができました。

今回の規制によって、役員のほとんどが親族である一般社団法人は、その方法での節税ができなくなったのです。

この改正の適用は、平成30年4月1日以後の一般社団法人の役員が死亡したときからとなっています。

ただし、すでに設立している一般社団法人は、平成33年4月1日以後に一般社団法人の役員が死亡したときの適用です。

この方法で節税を行うつもりだった方は注意しておきましょう。

持株会社で事業承継の節税対策を行うリスク

事業継承 いつから

持株会社を利用して事業承継の節税を行うことが可能ですが、リスクがあるので気をつけてください。

最近では持株会社設立による事業承継の節税は国税庁から否認されることが多いです。

持株会社設立による事業承継について簡単に確認しておきましょう。

まず、事業会社株式を直接所有する場合と、持株会社の子会社化した事業会社株式を間接所有する場合で、株式評価額が変わります。

間接所有している場合は、事業会社が利益を出して株価が上がる際、上がった部分は持株会社の含み益です。

持株会社の純資産価格を計算するときには含み益に対する45%の金額が控除されます。

したがって、事業会社株式を直接所有する場合よりも株価上昇率を半分程度まで抑えることが可能です。

持株会社設立時に、相続人である後継者に株式を所有させておけば自社株の相続税を節税できます。

しかし、否認された場合には追徴課税が発生することもあり、税理士など専門家と相談しながら慎重に行うことが必要です。

この方法は今は無理には行わないほうが良いでしょう。

事業承継に持株会を活用するってどういうこと?

まとめ

事業承継をして財産を後継者に引き継ぐには、贈与税や相続税などの納税費用が必要となります。

納める税金が高額になることもあるので、節税対策を行っておくべきです。

節税対策はいろいろありますが、最適なものを選ぶためにも早めに準備を始めましょう。