全体の9割以上は相続税が免除されてる!?相続税が免除される遺産額をパターン別にわかりやすく解説!

相続税 免除
遺産相続と聞いてまず最初に相続税のことを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

亡くなった方の遺産について相続税がどれくらいかかるのか心配な方も多いとは思いますが、実は相続税には免除の基準があります。

実際、相続税を支払う必要がある事例というのは全体で見ればたったの5%しかありません!!

意外ですよね。
全体の9割以上、実に95%の方が遺産相続に関わる相続税を免除されているわけです。

ただし、免除のため実際には支払い義務がない場合でも税務署に書類の提出が必要な場合もあります。
相続税の納税期限は被相続人(遺産を遺す側の方)が亡くなってから10ヶ月以内ですので速やかに対応したいですね。

今回は相続税の免除の仕組みについて、わかりやすく解説してみたいと思います。

遺産総額3,600万円までは免除される!

相続税 対策 基礎控除

あまり知られていないのですが、相続税にも基礎控除額というものがあります。
要は「この金額以内の遺産なら相続税が全くかからない」という免税点です。

基礎控除額を遺産総額が上回った場合も、まずは遺産総額から「基礎控除額をマイナスした分」の額について相続税が課税されることになります。

相続税の基礎控除額の計算式

3000万円 + (600万円 × 相続人の数)

このようになっています。
つまり、相続人は最低でも一人はいますから、遺産総額3,600万円以下なら相続税は課税対象になりません!

ちなみに、基礎控除額に遺産総額が収まる場合は、申告書の提出なども必要ありません。

相続人の数によって変わる基礎控除額

計算式でも示しましたが、相続人が多ければ多いほど基礎控除額も多くなります。
一人相続人が増える度に600万円が基礎控除の対象となります。

相続人の数 1人 2人 3人 4人 5人
免除額 3,600万円 4,200万円 4,800万円 5,200万円 5,800万円

課税対象となるのは?

上記の「基礎控除額」よりも多かった分が遺産相続の課税対象となります。

遺産総額 - 基礎控除額 = 相続税の課税対象

もちろん、この遺産総額というのは現金だけでなく株式や不動産など全て含みますので、遺産の総額を正確に把握することが重要です。
また、誰が相続人にあたるかは民法により細かく定められていますので、相続人の人数も正確に把握しておきましょう。

相続人が未成年者と障害者の場合にも控除される

心身に障害がある方や未成年が相続人になる場合も、相続税に関して控除基準があります。
それぞれ、所得がないことや少ないことなどを考慮し、このような免除制度があります。

通常支払う必要のある相続税を算出し、その金額から以下の免除額をマイナスしたものが支払う必要のある相続税になります。
この場合も申告書の提出などは必要ありません。

障害者控除

障害者の方の控除は、相続する時から数えて85歳になるまでの年数が基準になります。
若ければ若いほど控除額が多くなりますね。

まずは通常の相続税を計算し、そこから以下の控除金額を差し引いた金額が納付額となります。

一般障害者が相続する場合の控除金額

相続から数えて85歳になるまでの年数×10万円

特別障害者が相続する場合の控除金額

相続から数えて85歳になるまでの年数×20万円

この年数は、1年未満は切り上げて1年として計算します。

未成年者控除

未成年者の控除は、相続する時から数えて20歳になるまでの年数が基準になります。
こちらも若ければ若いほど控除額が多くなります。

まずは通常の相続税を計算し、そこから以下の控除金額を差し引いた金額が納付額となります。

未成年者が相続する場合の控除金額

相続から数えて20歳になるまでの年数×10万円

この年数は、1年未満は切り上げて1年として計算します。

1億6,000万円まで!配偶者が優遇される相続税軽減制度

相続税 基礎控除
相続人が配偶者の場合には、絶対に知っておいていただきたいのが配偶者の相続税免除です!

前述の基礎控除や、未成年者や障害者の方の控除は申告する必要がありません。

しかし今から解説する配偶者のための相続税免除の仕組みは申告することで免除が受けられるものになります。
被相続人(遺産を遺す側の方)の配偶者となる方はかなり税額が軽減されます。

配偶者の方の相続税が免除される基準は以下の2通りになります。

法定相続分相当以下、または
1億6,000万円以下

なんと1億6,000万円以下までなら全額免除され、実質相続税を払わなくても良いということになります。
また、民法で定められた法定相続分の割合よりも低い場合も相続税はありません。

配偶者の法定相続分の割合については以下の表を参照してください。

相続人 法定相続分 注意点
配偶者と子 配偶者 1/2
子 1/2 1/2を人数で分ける
配偶者と直系尊属(父母)
(被相続人に子がいない場合)
配偶者 2/3
直系尊属 1/3 1/3を人数で分ける
配偶者と兄弟姉妹
被相続人に子がおらず、直系尊属も亡くなっている場合
配偶者 3/4  
兄弟姉妹 1/4 1/4を人数で分ける

 

しかも、このどちらかのうちで高い金額となる方が免除基準として適用されます。

例えば遺産相続の相当額が5億円でも10億円でも、法定相続分よりも少なければ、課税対象にはなりません。
逆に、法定相続分よりも多く遺産相続することになっても、総額が1億6000万円以下であれば課税対象にはなりません。

さらに、それぞれの免除される金額からオーバーした分だけが課税対象となります。
例えば、法定相続分が10億円相当、配偶者が実際に相続する分は12億円だとすると、残りの2億円のみ課税対象となります。

申告期限は被相続人の方が亡くなってから10ヶ月となっていますので、ご注意ください。

自宅の土地、賃貸物件、事業所の相続も免除される

他にも申告することで控除が受けられるのが小規模宅地の特例です。
こちらも配偶者控除と同じで申告をしなければいけませんので、気をつけましょう。

亡くなっていた方と同居していた土地や、アパート、マンションや駐車場として貸付している土地、事業を行っている事業所として使われている土地で、相続人が土地を引き続き所有するなどの場合は、それぞれ免除されます。

免除されるかどうかの基準や免除額も細かく定められていますので、詳しくは専門家に相談するのが良いでしょう。

同居していた自宅の土地

相続税が免除される割合:土地価格の80%
免除対象となる面積の上限:330㎡

配偶者であれば基本的に無条件で免除が受けられます。
330㎡以上の土地であれば、330㎡までは80%が控除、上限をオーバーした土地の分はそのままの額として計算されます。

亡くなった時点で同居親族でなかった場合にもこの免除が適用される場合がありますが、相続税の申告期限まで土地を所有しているなどの条件がありますので、注意しましょう。

事業所として使われている土地

相続税が免除される割合:土地価格の80%
免除対象となる面積の上限:400㎡

故人が事業をしていた場合、事業を申告期限までに承継するなどの条件で適用となります。
400㎡以上の土地であれば、400㎡までは80%が控除、上限をオーバーした土地の分はそのままの額として計算されます。

法人の場合はまた基準が変わってきますので十分注意しましょう。

賃貸駐車場やアパートとして使われている土地

相続税が免除される割合:土地価格の50%
免除対象となる面積の上限:200㎡

故人がマンションやアパート、駐車場など賃貸用に土地を供していた場合、貸付事業を申告期限までに承継するなどの条件で適用となります。
200㎡以上の土地であれば、200㎡までは50%が控除、上限をオーバーした土地の分はそのままの額として計算されます。

相続税免除のまとめ

ご紹介したように、相続税にはいくつもの大きな免除制度があります。
相続人の人数に応じた基礎控除、未成年者や障害者の方の控除、配偶者の優遇、土地の相続税控除などがあります。

申告が必要なものは相続が始まってから10ヶ月以内という申告期限となりますので、速やかに対応していただくことをオススメします。

遺産相続の際の相続税は全体の95%の方が支払いをしなくて済むものです。
しっかりと免除制度について知っておくことで、できるだけ負担を減らすことができると思います。