土地に関する相続税まとめ!計算方法や節税対策を徹底解説!

土地 相続税

相続が発生すると、さまざまな財産に相続税が発生します。

「土地にも相続税はかかるのかな?」なんて疑問に思ってはいませんか?

実は、土地も相続税がかかる対象なのです。

土地への相続税は、他の遺産とあわせた金額に10%〜55%の税率をかけると計算できます。

しかし、特例を活用すれば土地の評価額を半額にして節税できる場合もあるのです!

今回は、土地に関する特例や土地の評価額の計算方法を紹介します。

土地にかかる相続税を知って、安心して相続をむかえられるようにしておきましょう。

1.土地を相続すると相続税がかかる?

土地 相続税 相場

土地も相続税が課税される対象なので、相続すると相続税がかかることがあります。

土地を相続したときに相続税が発生するかどうかは、相続税の基礎控除の範囲内に相続財産の金額がおさまるかがポイントです。

相続税には一定の金額までは課税されない基礎控除があり、基礎控除の範囲内なら相続税はかかりません。

相続税の基礎控除は以下の計算式で求めることができます。

3000万円 + 600万円 × 法律で決まっている相続人の数=相続税の基礎控除

基礎控除を超えて相続税がかかるかどうかを知るには、相続財産の金額が必要です。

土地の評価額を含めた遺産総額を算出してから、相続税を計算するという流れになります。

2.土地の評価額の計算方法

廃業

相続税の計算にあたって遺産総額を出すためには、土地がどれくらいの価格で評価されるのかを計算しなければなりません。

土地の評価額を計算する方法は、以下の2つの方法があります。

評価方法1.路線価方式
評価方法2.倍率方式

それぞれの評価方法について、順番に見ていきましょう。

評価方法1.路線価方式

路線価方式とは、道路に面する宅地1平方メートルあたりの評価額から評価額を計算する方法です。

市街地など路線価が決められている宅地は、路線価方式で評価します。

路線価は1平方メートルあたりの価格なので、これに土地の面積をかけることで評価額の計算が可能です。

路線価は毎年変わるので、国税庁のホームページで最新のものを確認するようにしましょう。(参考:路線価 – 国税庁

土地 相続税 路線価方式

(引用:平成29年分 財産評価基準書 27008 – 路線価図|国税庁

路線価図を見てみると、土地が面している道路上に「450C」「580C」などの表記があるはずです。

この前半部分の数字は、1平方メートルあたりの路線価で単位は1000円となっています。

後半部分のアルファベットは借地権割合で、A=90%、B=80%、C=70%、D=60%、E=50%、F=40%、G=30%です。

例えば300Dなら、1平方メートルあたりの単価が30万円で、借地権割合が60%となります。

借地権割合は、借地の評価額を計算するときに必要です。

※ 借地の評価額とは?

土地が自分のものではなく借りているもので、家屋だけ自分のものだというときには、家屋の借地権も評価額の計算に関わります。

借地権がどれくらいあるかという割合がわかれば、借地の評価額を以下の計算式で求めることが可能です。

土地の評価額 × 借地権割合=借地の評価額

評価方法2.倍率方式

倍率方式とは、固定資産税評価額に国税局長が決めた一定の評価倍率をかけて評価額を計算する方法です。

路線価が定められていない地域の宅地は、倍率方式で評価します。

固定資産税評価額は、市町村から送られてくる固定資産税納税通知書や、役所の固定資産課税台帳で確認することが可能です。

固定資産税評価額は3年に1度改定されるので、相続税を計算する際には固定資産課税台帳で最新のものを確認するようにしましょう。

評価倍率は、国税庁のホームページで調べることができます。

(参考:路線価図・評価倍率表 – 国税庁

不整形地なら評価額が下がる

不整形地と呼ばれるいびつな形の宅地は、不整形地補正率を使って補正を行います。

不整形地だと宅地として使いにくいため、補正を行うことによって評価額を下げるのです。

道路に斜めに接しているなどのように見た目はいびつに思えなくとも、補正ができることはよくあります。

評価額は最大で40%ほど下がるので、節税したいなら補正できないか考えるべきです。

「少しでも相続税をおさえたい」という方は、税理士や不動産鑑定士など専門家に適切な評価額を計算してもらいましょう。

3.土地に家屋が建っているときの相続税は?

土地 相続税 家屋

土地に家屋が建っているときは、家屋も相続税の対象となるので評価する必要があります。

建物の評価額は、固定資産税評価額と同じです。

土地の場合と同様に、固定資産税評価額は、市町村から送られてくる固定資産税納税通知書や、役所の固定資産課税台帳で確認できます。

もしもまだ建築中であるというときに評価額を求める計算式は、「建築費用 × 0.7」です。

土地に家屋が建っているというときは、土地の評価だけではなく家屋の評価も忘れずに行いましょう。

4.土地の評価額から相続税を計算する方法

相続税対策

土地の評価額がわかったら、相続税を計算しましょう。

相続税を計算するには、以下のステップで行います。

ステップ1.遺産総額を計算する
ステップ2.法定相続分によって遺産を分ける
ステップ3.税率をかけて相続税を計算する

それぞれのステップについて、順番に見ていきましょう。

ステップ1.遺産総額を計算する

相続税を計算するには、土地の評価額だけでは計算できません。

土地の評価額と他の相続財産の金額をあわせた遺産総額が必要です。

現金や株式などすべて含めた遺産総額を出しましょう。

ステップ2.法定相続分によって遺産を分ける

遺産総額が出せたら、それぞれの相続人が納める税額を法定された相続分通りに計算します。

この段階では実際に誰がどのくらい遺産を相続するのかは関係なく、あくまでも法定相続分通りに計算することに注意しなければなりません。

法定相続分は以下のようになっています。

配偶者と子ども  配偶者=1/2 子供=1/2
配偶者と直系尊属(父母や祖父母)  配偶者=2/3 直系尊属=1/3
配偶者と兄弟姉妹  配偶者=3/4 兄弟姉妹=1/4
配偶者がいないとき  子供が全額を相続(2人なら1/2ずつ)

この法定相続分の通りに、遺産総額を相続人ごとに分けます。

例えば、遺産総額が1億円なら、配偶者と1人の子供がいるときはそれぞれ5000万円ずつです。

配偶者と2人の子供がいる場合は、子供2人でさらに5000万円を分けます。

したがって、配偶者が5000万円、子供がそれぞれ2500万円ずつです。

ステップ3.税率をかけて相続税を計算する

以下の相続税率を先ほど計算した相続人ごとの遺産の金額にかけて、相続税額を計算します。

法定相続分通り分けた金額 税率 控除額
 1000万円以下 10% 0円
 3000万円以下 15% 50万円
 5000万円以下 20% 200万円
 1億円以下 30% 700万円
 2億円以下 40% 1700万円
 3億円以下 45% 2700万円
 6億円以下 50% 4200万円
 6億円超 55% 7200万円

金額が1000万円を超えれば控除額があるので、計算した相続税額から差し引きます。

そして、それぞれの相続税額が出たらすべて足したものが相続税の総額です。

相続税の総額を、実際に相続する割合に応じて相続人それぞれが負担することになります。

5.土地の名義変更には登録免許税も必要

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土地を相続したら、名義変更を行うための登録免許税も必要となります。

相続税さえ納めたら手続きがすべて終わるというわけではないので注意しておきましょう。

名義変更のことは、所有権移転登記と言います。

登録免許税は、「固定資産税評価額 × 0.4」で計算することが可能です。

固定資産税評価額は1000円未満、登録免許税は100円未満は切り捨てることになっています。

相続税以外にも登録免許税を納めなければならないので、予想よりもお金がかかるという可能性は高いです。

少しでも節税をするために、土地の相続の際に活用できる特例を確認しておきましょう。

6.小規模宅地等の特例で相続税を節税できる

相続時精算課税制度

小規模宅地等の特例を使うことによって、相続税を節税できる場合があります。

小規模宅地等の特例とは、自宅や事業用の宅地は、その評価額を下げて相続税の負担を軽くするというものです。

一定の条件を満たせば、決まった面積まで評価額から50%〜80%の減額ができます。

もしも相続税評価額が1億円の自宅敷地を相続したなら、小規模宅地等の特例を使えば2000万円の評価額にできるのです。

小規模宅地等の特例における減税率

小規模宅地等の特例を利用した場合の減税率は以下のようになっています。

宅地の種類 限度面積 減額の割合
 ① 特定居住用宅地等 330㎡ 80%
 ② 特定事業用宅地等 400㎡ 80%
 ③ 特定合同会社事業用宅地等 400㎡ 80%
 ④ 貸付事業用宅地等 200㎡ 50%

最も減額割合が低い貸付事業用宅地等でも50%減額されるので、条件に当てはまるのなら積極的に活用するべきです。

宅地の種類と適用条件

特定居住用宅地等の主な適用条件は、以下のようになっています。

宅地の種類 相続人の被相続人との関係 適用条件
被相続人の居住用の宅地 配偶者 なし
被相続人の居住用の宅地 同居していた親族 相続開始から相続税申告期限までそこに居住し宅地を所有している
被相続人と生計を一にする親族の居住用の宅地 同居していない親族 ①および②に該当する場合で、かつ③〜⑤の要件を満たす者

①被相続人に配偶者がいない
②居住用家屋に同居していた法定相続人がいない
③相続開始3年以内に自己または配偶者の持ち家に住んでいない
④宅地を相続税の申告期限まで所有している
⑤相続開始時に国内に住所かあるか、日本国籍

被相続人と生計を一にする親族の居住用の宅地 配偶者 なし
被相続人と生計を一にする親族の居住用の宅地 生計を一にしていた親族 相続開始から相続税申告期限までそこに居住し宅地を所有している

特定事業用宅地等や特定合同会社事業用宅地等、貸付事業用宅地等の主な適用条件は、以下のようになっています。

宅地の種類 適用条件
特定事業用宅地等 被相続人の事業用宅地 ・親族が取得し事業を引き継ぎ、相続税申告期限まで事業を継続
・宅地を相続税申告まで所有
特定事業用宅地等 被相続人と生計を一にする親族の事業用宅地 ・親族が取得し、相続開始直前から相続税申告期限まで事業を継続
・宅地を相続税申告まで所有
特定合同会社事業用宅地等 一定の法人の事業用に使用している宅地 ・親族が取得し、相続税申告期限にその法人の役員
・宅地を相続税申告期限まで所有し、事業を継続
貸付事業用宅地等 被相続人の貸付事業用宅地 ・親族が取得し、貸付事業を引継ぎ、相続税申告期限まで事業を継続
・宅地を相続税申告期限まで所有
貸付事業用宅地等 被相続人と生計を一にする親族の貸付事業用宅地 ・親族が取得し、相続開始直前から相続税申告期限まで貸付事業を継続
・宅地を相続税申告期限まで所有

以上のように、宅地の種類や相続人によって、適用条件が異なります。

小規模宅地等の特例を使うために必要な添付書類

小規模宅地等の特例を利用するときには、相続税申告書とあわせて以下のような書類の提出が必要となります。

書類1.住民票の写し
書類2.戸籍謄本
書類3.遺言書か遺産分割協議書の写し
書類4.相続人全員の印鑑証明書

他にも場合によって必要な添付書類が増えることもあるので、事前に税務署や税理士に相談するのが良いです。

小規模宅地等の特例を利用すれば、土地の相続税をおさえることができます。

利用できるのかどうか不安な場合には、税理士などの専門家に相談してみましょう。

7.土地の評価を見直してもらおう

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土地の評価を見直してもらうことによって、評価額を下げられることがあります。

土地の評価は、周囲の状況や土地の形などのさまざまな要素を総合的に判断して決めるものです。

例えば、土地が不整形地だと評価額が最大40%下がります。

土地の相続に詳しくない税理士だと使える特例を活用しきれないこともあるので注意が必要です。

少しでも土地の評価額に不安があるのであれば、別の税理士に見直してもらうべきだと言えます。

相続税は申告期限が10ヶ月以内と短いので、早めに相続税に強い税理士に見直してもらいましょう。

8.相続してから土地の売却をする場合は所得税が減額される

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相続をしてから、土地などの不動産を売りたいという場合は、相続税取得費加算の制度を使えます。

相続税取得費加算とは、相続した不動産を一定期間内に売れば、譲渡所得から支払った相続税の一部を引くことができる制度です。

譲渡所得が減ることで、所得税をおさえることができます。

相続税取得費加算を利用する条件

相続税取得費加算を利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。

① 相続または遺贈によって財産を取得している
② 相続税が課税されている
③ 相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること

相続税取得費加算をするには相続税申告期限から3年以内に土地を売らなければならないことに注意しておきましょう。

確定申告に必要な添付書類

相続税の取得費加算を利用するなら、所得税の確定申告書と添付書類の提出をしなければなりません。

確定申告の際に、以下のような書類が必要となります。

  • 相続税申告書の写し
  • 相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書
  • 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書【土地・建物用】)

所得税の確定申告をする際には、確定申告書に相続税取得費加算制度を利用することを書いて、添付書類を持っていきましょう。

差し引くことのできる相続税の計算方法

差し引くことのできる相続税の金額は、以下の計算式で求めることができます。

相続税額 × 譲渡する不動産の価格 ÷(相続税の課税価格+債務控除額)=差し引ける相続税額

たとえば、Aさんが土地6000万円、現金6500万円の合計1億2500万円を相続した場合を考えてみましょう。

納めた相続税が2500万円だとしたら、先ほどの計算式にあてはめると以下のようになります。

2500万円 × 6000万円 ÷ (1億2500万円 + 0円)=1,200万円

利用していない土地が財産として相続される場合などには相続税取得費加算制度を活用しましょう。

9.土地の相続税について専門家に相談しよう

事業承継コンサルタント 相談

土地の相続税については、評価方法が複雑なので専門家に相談するべきです。

相続税に強い税理士や不動産鑑定士に相談すれば、相続税を節税できることはよくあります。

税理士に特例を活用してもらったり、不動産鑑定士に適正な評価をしてもらえば、評価額を下げられる可能性は高いです。

もしも相続税について詳しくない税理士に頼んでしまうと、相続税が高額になってしまうかもしれません。

また、自分だけで相続税を計算して申告しても申告漏れがあると追徴課税という追加の税金を支払わなければならなくなります。

最終的にかかる費用をおさえるためには、専門家に相談したほうが良いでしょう。

最初の相談は無料で行っている専門家も多いので、まずは早めに相談に行ってみてください。

まとめ

相続税を知るためには、土地の評価額を計算しなければなりません。

まずは相続税が発生するかどうか計算してみてください。

もしも相続税が発生するなら、小規模宅地等の特例を利用して相続税対策をするのが良いでしょう。