事業承継対策として東京プロマーケットに上場を目指すのが実は有効!

東京プロマーケット

事業承継対策として、実は東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)に上場を目指すのが非常に有効なのです!事業承継対策というと、一番注目されているのがM&Aや事業譲渡です。

でも、必ずしもM&Aや事業譲渡だけが事業承継の手段ではなく、実はある程度の大きさの会社ですと、東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)に上場するという方法が有効だったりします。

今回は、事業承継対策として東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)に上場を目指すことについて、解説していきたいと思います。

東京プロマーケットとは?

東京

東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)というのは、聞きなれないかもしれませんが、東京証券取引所の運営する5つの株式市場のうちのひとつです。東京証券取引所には、

  • 東証1部
  • 東証2部
  • マザーズ
  • ジャスダック
  • プロ市場

の5つの市場があり、このうちプロ投資家向け市場が、東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)と呼ばれています。上場基準がないため、規模の小さいアーリーステージの会社や、既存市場の枠組みにハマりにくい会社、外国企業など、多用なニーズに対応した市場となっています。

また、上場審査や上場後のフォローをすべて主幹事(J-Adviser)が担うという新しい制度を導入している点が特徴的です。

事業承継対策としての東京プロマーケット

事業承継の3大ボトルネックになっているのは、

  • 後継者不足
  • 銀行借り入れに個人保証(連帯保証)がある
  • 株価(相続税評価)が高く株の承継に多額の納税が必要

という点がよく指摘されます。

これらの事業承継の3大ボトルネックに、東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)に上場することが、大変有効な手段となることを解説していきたいと思います。

後継者不足

まず、事業承継が行われていないのは、大前提として後継者に適任者がいないことがボトルネックとなります。

  • 社内を見渡しても自分の後をついで会社を存続させられそうな優秀な社員がいない
  • 息子が事業を継ぎたがらない
  • 事業を継がせる息子や親族がいない
  • 外部から人材を入れようにもなかなかいい人材がいない

などなど、事情は様々ですが、後継者探しは本当に難しい問題です。そんなケースで、東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)への上場が有効なのです。

まず、外部から後継者となる人材を入れる場合、上場企業とそうでない企業だと、圧倒的に上場企業の方が優秀な人材を集めやすいです。

東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)とはいえ、それなりに審査があって上場しているので、信頼があります。たとえば、自分がかりにどこか事業承継が必要な会社に後継者として外部から入りたいとします。そのとき、

  • 上場していない会社で、財務状況、違法性のある事業かや、反社会的勢力などとのつながりがないかなどが一切わからない会社
  • 東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)に上場していて、完全に適法でクリーンな事業、財務状況もわかる会社

だと、明らかに後者にいきたいですよね。なので、当然に求人に応募してくる候補者の数や量がよくなる可能性が高いわけです。

その上で、もちろん、東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)に上場しても、どうしても後継者が見つからないということはあるかもしれません。

その時は、M&Aによって会社を存続させればいいのです。事業承継をする会社が東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)とはいえ上場会社である場合、相手先企業が見つかる可能性が高くなります。

個人保証問題

次に、個人保証問題が事業承継の大きな障壁になっています。

日本政策金融公庫の創業融資など一部の融資では個人保証(連帯保証)は付きませんが、多くのケースでは未だに銀行借り入れに関し、ほとんどが経営者個人で連帯保証を行っています。

そのように銀行借り入れに、代表取締役などの経営者が個人で連帯保証をしている場合、後継者はその連帯保証を引き継がなければなりません。

もちろん、数百万円くらいなら大した問題ではないかもしれませんが、通常企業を経営していると数千万や数億円の借り入れがあることはめずらしくありません。

そんな数千万円や数億円といった多額の借り入れに対して、連帯保証を負ってでも後継者になりたくはないですよね。それが、事業承継が進まないボトルネックになっているケースも多くあります。

東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)に上場すると、実はその代表者が個人で会社の借り入れの連帯保証人になっている場合は、上場にあたり解消されます。

東証1部や2部、マザーズ、ジャスダックと同様に、連帯保証が解消します。これにより、引き継ぎ手が過度の負担を強いられることなく、事業承継を行うことができるようになるというわけです。

株価問題

最後に、株価問題があります。未上場の状態では、株の相続税評価額が高く、贈与や相続が行われると、めちゃくちゃ高額な税金が課税される可能性があります。

また、未上場でそのような高額な贈与税や相続税が課税された場合、手持ちの株式の一部を市場で売却して現金を確保するということはできません。現金がないと、納税できないのです。

これらが、事業承継を大きく阻んでおり、事業承継税制の改正により一部緩和されていますが、それでも要件をしっかりと満たさないと高額な贈与税や相続税が課税されます。

そこで、東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)に上場することで、株式の相続税評価額が下がる可能性が高くなります。

東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)に上場することで、市場における株価を相続税評価額として使用することができるのですが、東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)は流動性が低いため、相続税評価額が低く評価されることが可能性としてあります。

もちろん、これは逆のリスクもありますし、税務上の取扱はまだまだ不透明なところがあるので、ケースバイケースで税理士やJ-Adviserに相談して判断してください。

マザーズやJASDAQじゃダメなの?

上場によって、事業承継上のメリットがあることはご理解頂けたかと思います。でも、それは、別に東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)に限ったことではありません。

マザーズやJASDAQ(ジャスダック)、もっと大きい企業ですと東証1部や2部でも同じメリットを享受することは可能です。

ただし、事業承継を主な目的として、マザーズやJASDAQ(ジャスダック)などの市場に上場するのは、さすがにハードルが高すぎるケースが多いです。

そもそも上場のために必要なコストや時間が莫大で、また上場後の維持費用や手間を考えると、事業承継を目的とした上場は割に合いません。

その点、東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)だと、上場までのスピードの速さ、コスト、手間、難易度などどの点をとっても、簡素化されているので有利です。

もちろん、事業承継が主な目的でない場合は、他の市場にあげてしまうのもいいかもしれませんが、事業承継をするために上場という主題を使うなら、東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)が最もコストパフォーマンスがいい市場なのです。

まとめ

今回は、事業承継対策として東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)に上場を目指すことについて、解説していきました。
事業承継を阻害する3大要因である、

  • 後継者不足
  • 銀行借り入れに個人保証(連帯保証)がある
  • 株価(相続税評価)が高く株の承継に多額の納税が必要

に大して、東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)への上場は大変有効な手段です。

事業承継=M&Aや事業譲渡とお思いの方も多くいらっしゃいますが、一度東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)への上場の可能性について、ご相談されてみるのもよろしいかと思います!