50歳からの相続対策は早すぎる!?相続を「争族」にしないためにすべきこと

事業継承税制 

2015年に相続税法が改正され、一般の方にも「相続」が大きく関わるようになってきています。ただ、人は誰しも、自分がいつ亡くなるかはわかりません。

哲学的な話ですが、これは相続においても関わりのあることです。

相続対策は50歳から取り組むべき

相続対策はいずれ亡くなる立場の方「だけ」の対策では完了しません。

相続において資産を受け渡す立場を被相続人といいますが、相続の結論は対して資産を受け取る「相続人」が意思決定するものです。実際に相続税も、相続人が納付します。

このときに被相続人が「自分が死んだあと、このように相続をして欲しい」ということを伝える手段が遺言です。相続人同士の資産配分は法律によって定められていますが、遺言はこれに優先される効果があります。

遺言を書こう、書こうと思っている人は多くなっています。ただ、その段階から実際に遺言の形式を調べ、内容を決めて、形にして残すとなると数は大きく減ります。

当たり前のことですが、被相続人は亡くなったあとに遺言を作ることは出来ません。そのため、書こうと思っている元気なうちに遺言を書くことをお勧めします。

年齢にして、50歳を迎えるあたりが、適切なタイミングといえるでしょう。

なぜ50歳なのでしょうか。それは、相続資産の額が概ね、見えてくるからです。

貯蓄額、退職金の見込額、生命保険の返戻金のほか、親の相続が既に発生している人も多いでしょう。まさに相続人から被相続人になる過渡期と言える50歳。

現在の資産額のもと、明日相続が発生したら財産を誰に、どのように配分するか。

相続人の候補となる人たちは、それでお互いで争わず、受け入れてくれるだろうか。

被相続人が元気なうちに家族全体で話し合うことによって、将来の相続トラブル(争族)を無くしていくことができます。

50歳が相続対策をするときのネック

では50際に相続対策をするとき、ネックとなるのはどのようなことでしょうか。

「まだ自分は死なない」という心理面

現在、日本人の平均年齢は90歳に迫っています。50歳は現役世代で、まさに脂の乗った時期。まだ相続のことを考えたくない、という人は多いでしょう。

周囲に相続があり、相続人から「そろそろうちも…」と言われて、思わず「俺が死んだときの話をするのか」と返してしまったことはないでしょうか。

ところが人生、明日何があるかはわかりません。

まだ自分は元気だから相続対策はいつか…ではなく、元気だけど相続対策を進めておく、という姿勢に変わることが必要です。

この心理面は長らく現役世代の相続対策が進まない要因となって来ましたが、最近はエンディングノートの流行や、死亡後の自宅売却を想定した借入金であるリバースモーゲージが注目されていることもあり、少しずつ意識が変わっていったように思えます。

これから2015年の相続税法改正が浸透してきていることで、更に「万が一のことを考えて相続対策をしておくか」という世の中になってくると思います。

親世代と子世代の日常生活の距離感

もうひとつの理由は、「距離感」です。

核家族化が進み、親世代と子世代の住む場所が離れているという状況は珍しいものではなくなりました。交通手段の発達や都市部の人口増加促進により、この傾向は今後も続いていくことでしょう。

相続はとてもセンシティブなテーマのため、できれば顔を合わせて話し合うのが理想です。

ただ、お正月やお盆に家族親族が集まったとき、せっかく意を決し相続対策が始まっても、年明け4日ともなれば子世代は仕事始めのため、日常生活の場所に戻ってしまいます。

話し合いを始めた相続のアウトラインは、半年後のお盆まで持ち越し、という例も少なくありません。

もちろん、お盆まで家族それぞれが何もない、という保証はありません。そこで、親世代と子世代のあいだで、日常生活の距離感を排し、日常的な相続対策を行う場所が必要です。