連年贈与の基礎知識と注意点をわかりやすく解説!

連年贈与の基礎知識と注意点をわかりやすく解説!

遺産相続の際に、相続税の問題で困る方も多いでしょう。

実際、資産を沢山所有する方が亡くなったとき、やはり相続税対策をしていなければ相続税の支払だけでも非常に大変です。

そういった遺産相続の負担を減らすには色んな方法がありますが、そのひとつに生前から贈与をしておくという方法があります。

贈与税は、一年間で110万円以下であれば基礎控除の中に含まれ課税されません。

そのため、毎年110万円以下になるように続けて贈与をするという方法を長年にわたって行う場合があります(暦年贈与)。

このように遺産総額を目減りさせておけば、遺産相続時に高額な相続税がかかることを避けられます。

ただし、この方法を長年続けると「連年贈与」という扱いを受けることがあります。

連年贈与とみなされた場合、贈与金額はまるごと贈与税がかかってしまうため、結果的に納税額は高額になります。

今回は連年贈与とはどういったものか、どのようにして対応すべきかなどを解説します。

連年贈与の基礎知識 基礎控除がなくなる?

連年贈与の基礎知識 基礎控除がなくなる?

まず、基礎的なこととして、贈与額のうち年間110万円までは基礎控除ということになります。

贈受者はこの金額以下の場合は課税されずに贈与を受けることができます。

もちろん、贈与税を申告することもありません。

そして、贈与税で計算される贈与額は1月~12月までの間の金額です。

そのため、一年間経過したあとに、また110万円以下の贈与を行うことを長年繰り返すことによって、10年で1000万円、20年で2000万円以上もの財産が非課税で譲り渡せることになります。

しかし一方で「最初からまとまった金額を贈与し、相続税の節税目的だったのではないか」などの指摘を受けた場合、一括で贈与を受けた時と同じ税額が課税されてしまうことがあります。

このように、複数年をまたいである程度のまとまった金額を贈与したとみなされることを連年贈与と言います。

こんな場合は連年贈与に該当する!

こんな場合は連年贈与に該当する!

具体的に連年贈与と指摘されるようなケースは以下のような時です。

  • 当初から贈与の金額、複数年にわたる贈与の内容などが計画されている
  • そのことを贈与者、受贈者の間で約束、または契約されている

この2つに当てはまる場合は注意が必要です。

国税庁のタックスアンサーにも以下のようなQ&Aがあります。

Q1
親から毎年100万円ずつ10年間にわたって贈与を受ける場合には、各年の受贈額が110万円の基礎控除額以下ですので、贈与税がかからないことになりますか。

A1
定期金給付契約に基づくものではなく、毎年贈与契約を結び、それに基づき毎年贈与が行われ、各年の受贈額が110万円以下の基礎控除額以下である場合には、贈与税がかかりませんので申告は必要ありません。

ただし、毎年100万円ずつ10年間にわたって贈与を受けることが、贈与者との間で契約(約束)されている場合には、契約をした年に、定期金給付契約に基づく定期金に関する権利(10年間にわたり100万円ずつの給付を受ける契約に係る権利)の贈与を受けたものとして贈与税がかかります。

なお、その贈与者からの贈与について相続時精算課税を選択している場合には、贈与税がかかるか否かにかかわらず申告が必要です。

(引用元:国税庁HP)

贈与契約をしていたり、贈与の約束が最初からなされていた場合は連年贈与とみなされます。

贈与契約を行う際、面倒なので一度に10年分を契約しておいたというようなことであっても当然連年贈与に当てはまります。

逆に、毎年110万円のお金を、期間など定めずその都度贈与していたというのであれば連年贈与にはなりません。

基本的には、連年で贈与を行うという旨の贈与契約書があるかどうかがポイントとなります。

連年贈与にならない方法

連年贈与にならない方法

金額と時期を一定にしない

贈与が計画的でないということを明確に示すには、金額も時期も一定にならないようにするのが効果的です。

何度かに分けて贈与しても良いですし、金額も毎年一定でなければそれは「その都度の贈与契約である」という信憑性は強くなります。

逆に、同じ時期に同じ金額を毎年贈与している場合は注意が必要です。

贈与契約書をその都度作成する

さきほども述べた連年贈与となる要件では「複数年に渡って一定の金額を贈与する」という契約や約束がなされていることです。

そのため、1つの契約書を用いて「〇〇年間かけて合計○○円、毎年○○円贈与する」という内容ではNGです。

しっかりと贈与をするたびに新しい契約書を作成しましょう。

逆に、口約束の場合は「連年贈与ではない」という客観的証拠がないため、しっかりと契約書を作成することがおすすめです。

わずかに110万円を超える贈与は有効?

連年贈与を回避する手段として「110万円の基礎控除額を超える金額を贈与すれば良い」という方法を用いるケースもあるようです。

そうすれば、毎回贈与税を申告し、少額ですが納税をしているため、連年贈与ではないことをアピールできるという手法です。

しかしながら、この方法だけでは「計画的にまとまった金額を贈与しようとしいたわけではない」ということを示すのに不十分です。

むしろ、手間がかかるだけで面倒な方法であるため、先に挙げた2つの方法で対処していただくのが良いでしょう。

相続税対策の贈与は要注意!

このように、110万円以下の贈与を複数年にわたり行うことで財産を移行させる方法はよく紹介されていますが、正しい方法をとらなければ逆に課税されてしまう恐れがあります。

今回紹介したような内容を把握せず、ただ毎年贈与し続けるのはとても簡単な手続きではありますが、リスクもあることを理解しておかなければなりません。

逆に、多少の手間ではありますが、しっかりとその都度贈与したものであるということであれば毎回契約書を作成し、金額や時期なども一定にしないということが有効です。

面倒な手続きですが、しっかりと対策を売っておくことで安心できますので、対策を怠らないようにしましょう。