【M&A】買い手・売り手ののメリットとデメリット!成功事例や失敗事例も公開

事業再生コンサルタント 選び方

M&Aについてお調べですね。

M&Aのメリットは売上拡大や事業の多角化といったことが挙げられます。

一方でM&Aのデメリットも事前に理解していないと、M&Aは成功することが出来ません。

今回は買い手、売り手両方から見たM&Aのメリット・デメリットや事例、アドバイザーの選び方を徹底解説。

最後まで読んで企業の成長に役立ててください。

買い手側のM&Aのメリット

スモールM&A

まずは、M&Aで会社や事業を買収する側のメリットを見ていきましょう。

売上を上げることができる

顧客の新しい層や販売ルートの獲得、ラインナップの充実などのシナジー効果(相乗効果)により、売り上げを上げることができます。

同じ業種の会社を買収する場合には、業界シェアを伸ばすことができ、それぞれが営業活動をした合計の売上よりも高い売上効果を見込めます。

技術力向上など弱い部分を補える

技術力や開発力、優れたノウハウなどを取り込むことができ、既存事業を強化することができます。

事業の強化を行うことで業界内で確固たる地位を気づくことが可能です。

事業の多角化により経営リスクを軽減できる

買収により、事業リスクを分散させることで経営を安定させることができます。

1つの事業や一部だけの顧客に売り上げが集中していると、業界不況や主要顧客の倒産などで経営危機に陥るリスクがあります。

これまでと違う事業を買収することで、会社全体のリスクを軽減出来るのです。

小さなリスクで新規事業へ参入できる

すでにその事業で実績をあげている企業を買収することで新規参入へのリスク軽減ができます。

新規事業参入にはリスクがつきものですが、すでにノウハウを持っていることやブランド力があることが期待できるからです。

M&Aを利用することで、最小限のリスクで全く新しい事業へ新規参入することができます。

コスト削減ができる

重複する管理部門をスリムにし固定費を削減したり、仕入れや物流コストの軽減ができます。

また買収する企業によっては、外注作業を内製化することでコスト軽減につながるケースもあります。

M&Aの買収で成功した事例

買収 成功

M&Aの買収で成功した事例をみてみましょう。

【買い手】A社 化粧品メーカー 従業員100名
【売り手】B社 美容系WEBコンテンツ 従業員15名

A社は化粧品メーカーとして一定の顧客がいましたが、ほかの客層への拡販を課題に感じていました。

一方、B社の社長は別の事業立ち上げのため美容系のWEBコンテンツ事業の売却を決意。

両社はM&Aアドバイザーを介して知り合いました。

A社にとってB社の顧客は、今までの顧客層とは違う層だったため魅力的に感じ、買収を決定。

買収後はB社のWEBコンテンツからA社化粧品への誘導を行い、予想以上に多くの顧客を獲得することに成功しました。

売り手側のM&Aのメリット

買収 売り手

次に、M&Aで会社や事業を売却する側のメリットを見ていきましょう。

資金を得て次の事業を興したり、アーリーリタイアできる

高収益で儲かっているタイミングで戦略的に会社を売却し、資金を手に入れることができます。

その資金で新しい事業を興したり、セカンドライフを楽しむことができるのです。

経営不振の事業から撤退できる

不採算事業を売却し、成長事業に集中することで会社を成長させていくことができます。

経営体力には限界がありますが、事業の選択と集中をするためにM&Aを利用することも可能です。

従業員の雇用を守ることができる

M&Aの場合、人的資源も企業価値に含まれるため、従業員の雇用を継続させることができます。

つまり、会社や事業の価値を生み出している従業員はそのまま継続して雇ってもらうことができるのです。

もちろん契約時に処遇についての明記が必要ですが、苦楽を共にしてきた従業員が仕事を失ってしまうことなく、経営者は引退したり次の事業を興すことができます。

後継者問題が解決できる

多くの中小企業が悩まされている後継者問題を解決することができます。

優良企業に事業承継させて会社の経営を任せることで、後継者の心配なく引退することができるのです。

顧客や取引先との関係を継続できる

会社売却をしても、商品やサービスは継続するので、顧客や取引先が困ることもありません。

顧客には同じサービスや商品を提供し続けることができますし、自社が倒産することで取引先も連鎖倒産してしまうといった心配も不要です。

M&Aの売却で成功した事例

売却 成功事例

M&Aの売却で成功した事例をみてみましょう。

【買い手】A社 オンラインコンテンツ業 従業員70名
【売り手】B社 不動産・トランクルーム業 従業員10名

B社は創業者の予期せぬ急病で引退せざるを得なくなり、社長不在で経営が続いたため、家族が企業売却を決意。

一方、A社は業績は好調だったもののオンラインコンテンツのみの経営に不安を覚え、新規事業参入を検討中でした。

M&Aアドバイザーを通して両社は知り合い、業績が好調でキャッシュフローもしっかりとしているB社を買収をすぐに決定しました。

B社では社長不在の経営が続いていたため、従業員の雇用を守れるならすぐにでも売却をしたいということでM&Aは成立。

なんとM&A検討から半年のスピードで契約が締結されたのです。「従業員の雇用を守りたい」というB社創業者の家族の思いが実ることとなりました。

買い手側のM&Aのデメリット

買収 デメリット

続いて、M&Aで会社や事業を買収する側のデメリットはを見ていきましょう。

想定のシナジー効果が発揮されない可能性がある

M&A成立後、想定通りのシナジー効果が表れないことがあります。

一定のシナジー効果を期待して高い価格で会社を買収しているので、企業にとって大きな損失です。

両社の融合が上手くいかない可能性がある

もともと風土の違う企業が一緒になって仕事をしなくてはいけないため、融合には時間がかかります。

最終的に融合できれば良いのですが、派閥ができてしまうなど生産性が落ちてしまうこともあります。

簿外債務や偶発債務などのリスクがある

M&A成立後に簿外債務偶発債務が発覚し、トラブルになるケースがあります。

買収先のことを詳しく把握していなかった際にはよく起きるトラブルなので注意が必要です。

M&Aの買収で失敗した事例

買収 失敗事例

M&Aの買収で失敗した事例をみてみましょう。

【買い手】A社 医療機器メーカー 従業員50名
【売り手】B社 医療機器メーカー 従業員20名

A社は1つの医療機器で成功を収めていましたが、事業の成熟もあり、新しい医療機器を開発したいと考えていました。

一方、B社の社長は後継者問題を抱えており、売却先を探していました。

A社にとってB社の技術力が魅力的だったため買収を決意。B社も従業員を継続雇用してくれるならとすぐに同意しました。

しかしM&A成立後、A社とB社の社風が異なり従業員同士の壁が解消できないまま時間だけが経過。

新しい医療機器開発は思うように進まず、企業発展には繋がりませんでした。

M&Aの買収で失敗しないために準備すること

買収 準備

M&Aの買収で失敗しないために準備しておくべきことを確認しておきましょう。

デューデリジェンスの徹底

M&Aを成立させる前に、デューデリジェンスをしっかり行うことが成功へのカギとなります。

デューデリジェンスとは、ビジネス・法務・会計・税務など分野に分けて売り手に資料の提出を求めたり、実際に専門家が売り手会社に訪問をすることです。デューデリジェンスをすることで、出来るだけ企業の実態を知り、リスクを予防・対策することが出来ます。

またデューデリジェンスを詳しく行うことで、より的確にシナジー効果を予想することも可能です。

デューデリジェンスについては『デューデリジェンスとはどういう意味?財務・労務・税務から方法を解説』で詳しく説明しているので、ぜひ確認して下さい。

PMIの徹底

M&Aの成立後は、PMIをしっかりと行っていく必要があります。

PMIとは、M&Aが成立した後の統合プロセスのことです。経営方針の浸透や人事システム・ITシステムなどの統合など、M&A成立後は同じ会社としての仕組みづくりをしていきます。PMIによって、従業員のモチベーションアップを図ったり、経営戦略を浸透させていくのです。

しっかりとM&A成立前から計画を練り、実行していく必要があります。

PMIについては「PMIの意味とは?PMIのポイントを押さえてM&Aを成功させよう」に詳しく説明していますので、ぜひ確認して下さい。

売り手側のM&Aのデメリット

売り手 デメリット

M&Aで会社や事業を売却する側のデメリットはを見ていきましょう。

想定していた価格で売却できない可能性がある

想定していた価格よりも低い価格でしか売却できなかったり、そもそも買い手が見つからないということもあります。

特に経営不振の場合だと、買い手にとって魅力がないと判断されてしまうのです。

従業員が辞めてしまう可能性がある

売り手の従業員が辞めてしまう可能性があります。

M&Aの話を噂レベルで聞き将来に不安を覚えたり、M&A後に売却先の企業になじめないといったことが原因に挙げられます。

事業を売却する前に従業員が辞めてしまうと、売却価格が下がったり、最悪の場合ならM&Aの話が消滅してしまうことにもなりかねません。

経営方針が変わり顧客や取引先に迷惑をかけてしまう可能性がある

M&A後に顧客や取引先への対応が変わってしまい、離れていってしまう可能性があります。

例えば今まで行っていた顧客フォローを行わなくなるなど、顧客や取引先にとって改悪となってしまうケースがあるのです。

M&Aの売却で失敗した事例

売却 失敗

M&Aの売却で失敗した事例をみてみましょう。

【買い手】A社 人材派遣事業 従業員30名
【売り手】B社 医療系人材紹介業 従業員15人

B社の社長は早期引退を考え、会社を売却することを決意し、昔からの友達だったA社社長にM&Aを持ちかけました。

A社にとってB社の従業員は即戦力になる営業マンが揃っており、顧客も豊富だったため買収を前向きに検討。

具体的に話がまとまった段階で、B社社長が従業員に説明会を開きました。

すると「A社に移りたくない」「独立したい」と否定的な意見が続出。なんと転職活動をしている従業員もいました。

実は、M&Aの話はB社社内で行われており、ある程度従業員に情報が浸透してしまっていたのです。

結果、最大資産であった優秀な営業マンが抜けてしまい、M&Aは不成立。

優秀な営業マンを失い、B社の売り上げは急降下。事業継続が困難になり、B社は会社を清算してしまったのです。

M&Aの売却で失敗しないために準備すること

売却 準備

M&Aの売却で失敗しないために準備しておくべきことを確認しておきましょう。

売る時期を見誤らない

企業価値・事業価値が一番高いタイミングで売却をしましょう。

経営が立ち行かなくなってからの売却はとても難しいため、目安としては2期連続赤字が見込まれた時点で売却の決断をすることをオススメします。

企業情報を包み隠さず伝える

M&A成立前には何度か両社経営者によるトップ面談が行われます。

買収先企業が「こんなはずではなかった」と思わないように、できるだけ多くの情報を伝えることが重要です。

また、経営理念や会社に対する思いを理解してもらえる相手に売却をしましょう。

M&Aは内密に進める

M&Aの話が従業員や関係者に漏れてしまうと、漠然とした不安を抱かせてしまうため、内密に進めていきましょう。

先行きの不安から従業員が転職してしまったり、顧客や取引先が離れてしまうケースがありますので注意が必要です。

PMIは積極的に協力をする

M&A成立後、従業員が環境に慣れるまで統合作業に協力をしましょう。

PMIが完了して初めてM&Aが成功したといえます。引退を考えている場合も、最後まで協力を惜しまないでください。

M&Aを成功させるために必要なM&Aアドバイザー

売却 アドバイザー

M&Aを行う際、必ず相談したいのがM&Aアドバイザーです。

M&Aアドバイザーは、売却・買収相手の選定から条件交渉、実行のサポートまで総合的にコンサルティングをしてくれます。

M&Aアドバイザーを利用するメリットや良いM&Aアドバイザーの選び方を確認しましょう。

M&Aアドバイザーを利用するメリット

M&Aアドバイザーを利用するメリットは大きく3つあります。

まず、本業の経営に集中できることです。M&Aでは通常3~12ヶ月ほどの期間を要するため、M&Aだけに時間を割くことはできません。

次に、トラブルやリスクを防ぐことができます。

M&Aには法律や税務といった専門知識を必要とされ、判断が難しい場面も多くあるのです。ネガティブな問題点も早期に発見し、トラブル回避に導いてくれます。

最後に、M&Aアドバイザーから中立な意見が聞けることです。売り手・買い手両社ともメリットを最大化しようとしますが、妥協点を提示してくれるので交渉がスムーズに進みます。

優秀なM&Aアドバイザーを選ぼう

「M&Aの成功はM&Aアドバイザーに左右される」というほど、M&Aアドバイザーは重要な存在です。

優秀なM&Aアドバイザーを選ぶために、出来るだけ自社の規模と同じ取引経験や実績があるかを確認しましょう。

WEBサイトを見ればどの規模のM&Aを得意としているか分かります。

また、M&Aアドバイザーには専門性が高い会社と営業力の強い会社に分かれますが、営業力の強い会社を選んでください。会計・財務・法律・税務などの専門知識は士業に任せることも出来るので、ネットワークが広く営業力のあるM&Aコンサルタントを選びましょう。M&Aアドバイザーについては「優秀なM&Aコンサルタントとは?仕事内容から選び方まで解説」に詳しく説明していますので、ぜひ確認して下さい。

海外M&Aのメリット・デメリット

売却 海外

今、日本企業による海外企業の買収は、増え続けています。

もちろん多くのメリットがあるからこそ、案件が増えているのですがデメリットもあるので確認しておきましょう。

海外M&Aのメリット

海外企業を買収するメリットは以下の通りです。

  1. 日本では頭打ちの市場を世界に広げることができる
  2. 安い人件費でコスト削減ができる
  3. 採用コストなどを掛けずに低いリスクで海外進出ができる

海外M&Aのデメリット

海外企業を買収するメリットは以下の通りです。

  1. 国や宗教による文化の違いから現地スタッフとの融合が難しい
  2. 法律面の違いがあるので制度作りが難しい
  3. 政治・経済・社会の情勢の変化による為替リスクがある

以上のメリット・デメリットを踏まえたうえで、海外M&Aを検討していきましょう。

まとめ

M&Aのメリットは売上拡大や事業の多角化、経営リスクの分散などが挙げられます。

しっかりとメリットとデメリットを把握し、会社の経営に役立ててください。