相続の意味ってそもそもなに?相続について知っているようで知らない基礎知識!

相続の意味ってそもそもなに?相続について知っているようで知らない基礎知識!

遺産相続が起こったために悩まれている方や、これから相続が起こる可能性があるためにいろいろと検討している方も多いと思います。

相続と言うと、単に「財産を一方的にもらえる」と考えている方も多いと思いますが、実は少し違います。

今回は相続というものの性格、言葉の意味、法的な定義などの基礎知識を通じて、相続のそもそもの意味とはどういったものかという点をお伝えします。

相続の意外な側面や、気をつけなければならない義務の部分がわかりいただけるかと思います。

相続の語源と由来

相続の語源と由来

相続の意味を調べてみるとこのように記載があります。

1 家督・地位などを受け継ぐこと。跡目を継ぐこと。「宗家を相続する」
2 法律で、人が死亡した場合に、その者と一定の親族関係にある者が財産上の権利・義務を承継すること。現行民法では財産相続だけを認め、共同相続を原則とする。

(引用元:goo辞書)

相続という言葉の由来はもともと仏教用語です。

「困難が連続して絶えないこと」の意味としての言葉が転じ、跡目を継ぐことを意味しています。

かつて日本では世襲制度が一般的であり、財産だけではなく家督や跡目、地位、立場などを相続していました。

そうなると、財産がもらえるというだけではなくそれ以外の責任がズッシリと重くのしかかり「困難」も引き継ぐことになります。

また、それが子々孫々にわたって引き継がれることから、仏教用語として意味とは大きな違いがないかもしれません。

相続の「相」 … 実相、世相などに使われるように「すがた」「存在そのもの」
相続の「続」 … 続いていくこと

仏教の教えでは「万物は移り変わるが決して途絶えること無く永遠に連続していく」という考えがあります。

これは財産などにも同じく適用することができます。

つまり、先祖代々から受け継がれてきた家督や土地などにも当てはめることができるというイメージですね。

当主が変わっても家業が変わらない、先祖代々の土地は所有者や建物が変わってもその場所から動くことはありません。

こういった仏教的考え方との類似点から法律の世界でも相続という単語が一般化したと思われます。

法律上相続で引き継ぐもの

法律上相続で引き継ぐもの

相続では財産を「全て」引き継ぐ

民法896条(相続の一般的効力)
相続人は,相続開始の時から,被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし,被相続人の一身に専属したものは,この限りではない。

民法ではこのように定義されています。

つまり、

  1. 財産に属した権利や義務は全て相続される
  2. 財産に属していない権利や義務は相続されない
  3. 被相続人の一身に専属した権利や義務は相続されない

この3つが民法で定められている法律上の相続ということになります。

引き継がれないものとは何か?

財産に関するのものは比較的わかりやすいと思います。

一方、財産でないものや「被相続人の一身に専属したもの」とは何でしょうか?

簡単な例を挙げるならば、被相続人がある会社の部長だったとします。

しかし、相続人が部長の役割を引き継ぐということは通常ありませんよね。

会社から受け取る死亡退職金は財産ですが、会社での役職そのものは財産ではありません。

また、被相続人がヘリコプターの操縦免許を持っていたとします。

しかし、相続人がヘリコプターの操縦免許を受け継ぐことはできません。

免許は財産とは別のものであるため、ヘリコプターを操縦する権利までは相続されないことになります。

「被相続人の一身に専属したもの」の場合は、民法で以下のように定義しています。

被相続人の一身に専属したものの例

使用貸借契約における借主の地位
代理における本人・代理人の地位
雇用契約における使用者・被用者の地位
委任契約における委任者・受任者の地位
組合契約における組合員の地位

相続では債務も引き継ぐ

相続では債務も引き継ぐ

よく知られていることの1つとして、相続では財産に関する権利義務、つまりプラスもマイナスも同時に相続されます。

借金、債務、負債は引き継ぐ必要があるものです。

もし負債を相続したくないという場合は相続放棄をしたり限定承認という手続きをすることによって、遺産相続そのものを丸ごとやめてしまったり、手元に何も残らないように処理する必要があります。

そのため、例えば、

「被相続人が死亡する前に多額の借金をして現金を残していれば、遺族は現金だけもらえるのではないか?」

と考えていても、実際にはそのようなことはありません。

相続では地位も引き継ぐ場合がある

上記で説明したように、地位としては引き継がないものもあります。

組合員の地位や部長のイスなどは引き継ぎできません。

一方で、財産にかかわる立場、地位といったものは引き継がれる性質のものもあります。

不動産賃貸物件の貸主としての地位などがその代表的な例です。

収入を得ることができる「権利」を相続する代わりに固定資産税の支払や賃貸している物件の修繕やメンテナンスなどの「管理義務」も生じます。

このように、相続で引き継ぐことになると多様な権利や義務が生じることは知っておきましょう。

相続で生じる責任をしっかり果たすために

いかがでしたでしょうか?

相続というものがそもそもどういった性質のものかという基礎知識を解説してみました。

このようにして見てみれば、仏教用語にあるように「困難」な部分も確かに現代の相続に含まれていることが実感いただけたかと思います。

遺産相続は小さなものでも困難が伴います。

スピーディで着実な遺産相続のためにも、遺産相続で悩んでいらっしゃる方は専門家などに相談するなどしてみても良いのではないでしょうか。

単に財産を相続するだけではなく、権利や義務が人から人へ受け継がれるというのは、それだけで非常に大きなことなのです。