M&AにおけるPMIのポイントとは?買収後の統合プロセスを成功させるコツを解説

PMI

「PMI」についてお調べですね。

PMIとは、Post Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)の略で、M&A成立後の統合プロセスのことをいいます。

「M&Aにおいて、どうしてPMIが大切なの?」と疑問に思う人も多いはず。

今回は、PMIの目的や成功させるポイントをわかりやすく説明。どうすればPMIが上手くいくかを具体的にお伝えします。最後まで読んで、M&Aを通じて会社を発展させていきましょう。ぜひ参考にしてください。

PMIとはどういう意味?

PMI 意味

PMIとは、M&Aが成立した後の統合プロセスのことです。

Post Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)の略で、直訳すると「合併後の統合」となります。

例えば、経営方針の浸透や人事システム・ITシステムなどの統合など、M&A成立後は同じ会社としての仕組みづくりをしていくことをPMIと言います。

「M&Aの成功はPMIにある」と言われるほど重要な過程です。

PMIに取り組む目的

PMI

PMIの目的は大きく4つあります。順番に確認していきましょう。

経営戦略とビジョンを浸透のため

PMIには経営陣から従業員に向けて経営戦略とビジョンの浸透を伝える目的があります。

多くの従業員はなぜ自社がM&Aをしたのか、理解をしていません。

特に買収された企業の従業員は、今までと違う環境で働くことを余儀なくされます。

「何のために仕事をするのか?」「今後会社はどうなっていくのか?」という不安や疑問を解消しましょう。

従業員のモチベーションとスキルアップのため

従業員のモチベーションアップとスキルアップもPMIの目的です。

特に買収された企業の従業員は不安もあり、モチベーションが低い状態にあります。

  • 会社(企業文化・風土)
  • 仕事や業務(業務内容・キャリアへの影響)
  • 生活(報酬や福利厚生、勤務地)

など、必ず不安を持っている状態です。

どのように従業員のモチベーションを上げ、両社の従業員スキルを統一させていくこともPMIの目的の一つです。

生産性の向上のため

生産体制を統合して、従業員の生産性の向上を図る目的があります。

M&Aでは、全く違うシステムや管理運用をしていた企業がいきなり統合されますので混乱が起きてしまいます。

スムーズに仕事をこなせるようなシステムの浸透や従業員育成が必須です。

M&Aにおけるシナジー効果の最大化にするため

M&Aに期待するシナジー効果を最大化させるためにはPMIは不可欠とされています。

販路拡大・商品ラインナップの充実・技術力向上等、M&Aに期待されるシナジー効果はさまざまです。

経営・業務・意識の3つを速やかに統一することで、期待する効果を最大化させることができます。

PMIの100日計画って?PMIの流れを確認しよう

事業承継コンサルタント 流れ

PMIの計画は「100日計画」や「100日プラン」と呼ばれることもあります。

なぜなら、M&A後100日程度で初期のプランニングを行うことで成功率が上がるからです。

100日計画について、準備・作成・実施・経過観察の4つに分けて流れを確認していきましょう。

PMIの準備

PMIに向けて、「デューデリジェンス」は大切なポイントです。

デューデリジェンスとは、企業が買収するときや投資をするときに、企業の中身を調査・精査し、客観的な価値を試算することを指します。

その際、買収先の企業の風土や仕事の進め方、管理方法等をできるだけ把握し、どのように統合するべきかを検討していくことが重要です。

組織モデルは企業によってさまざまなため、適した組織モデルを見定める必要があります。

決して買収先の企業を買収元の企業のスタイルに合わせることがベストとは限りません。

また、PMIに割ける時間や人材は限られていますので、「何を統合すべきか」を精査し、優先順位をつけましょう。

同時にすべてを統合しようとすると失敗する可能性が高まります。

詳しくは以下を参考にしてください。

デューデリジェンスとは?その種類や方法、M&Aで使用する際の注意点を解説

PMIの100日計画の作成

100日計画を元にPMIは進行していくので、作成過程はとても大切です。

以下の項目を元に100日計画を作成していきます。

  • M&Aの目的と基本方針
  • 統合プロジェクトの全体スケジュール
  • プロジェクト体制
  • シナジー効果への施策
  • 各部署(経営企画・人事・IT等)によるワークプラン

それぞれタスクを細分化し、責任者と実施期限を明確にしておくことでスムーズに計画を実施することができます。

PMIの100日計画の実施

100日計画の実施は、買収先のメンバーも加えて実施していきます。

しっかりと統合後のあるべき姿を共有・認識することが大切です。

100日計画の実施は、事前に決めたタスクごとの責任者を期限ごとに実施し、全体の進捗管理をしていきましょう。定期的に責任者で集まり、課題に対して迅速に対処していく必要があります。

また、計画が予定より遅れた場合など、擦り合わせもしっかりしていきましょう。

経過観察

100日計画の統合作業が完了した後も、PMIを深化させるために継続的な観察が必要です。

100日計画の積み残しの計画や、新たに発生した課題に対する窓口を作り、都度解決しないといけないからです。

また、当初の計画との差異を確認し、原因分析を行っていきます。見込み違いや努力不足など、どのように改善していくか検討していきましょう。定期的に観察をすることで、従業員へどんどん定着していきます。

PMIを成功させる3つのポイント

事業承継税制で受けられる納税猶予

PMIを成功させるために確認したいポイントが3つあります。

PMI推進チームを結成する

PMI推進チームとして、M&Aに関わってきた4~5人のコアメンバーで結成しましょう。

基本的には経営陣や企画・戦略部門からの選出が望ましいです。

M&Aの目的や期待されるシナジー効果などPMI推進チームメンバー内でしっかり統一し、100日計画を作っていきます。

M&A成立後には買収先のメンバーも数人加わってもらい、同じ熱量でPMIを進めていきましょう。

強いリーダーシップを発揮する

経営陣自ら強いリーダーシップを発揮し、PMIの統合作業に積極的に指示を出してください。

PMIにおいては、方針の提示・浸透をしっかり行ったうえで、さまざまな人を動かす必要があります。

経営トップのリーダーシップのもとで、新しい組織を一から作っていましょう。

目標と責任者を明確にする

全てのタスクの目標と責任者を明確にしておきましょう。

なぜそのタスクが必要なのか?何ができていれば成功なのか?をはっきりしておくことが必要です。

また実際にワークや研修を行うにあたっても、責任者を明確にしておくことで確実に100日計画を実施させることができます。

企業文化を統合していく方法

PMI 統合

ここまでは経営的な面や、従業員の労務面でのPMIについて見てきましたが、企業文化におけるPMIも重要です。

企業や組織の文化を統合させていくことはとても難しく、PMIにおいても一番の課題とされています。

どのように企業文化を統合していくのか順番にみていきましょう。

M&A成立前の準備段階

M&Aの成立前の準備では相手の企業文化をしっかり把握しましょう。

企業においては以下のような要素で文化が構成されています。

  • 意思決定の方法(トップダウンかボトムアップか)
  • 取引先とのかかわり方(ベンダーかパートナーか)
  • 評価の仕方(加点方式か減点方式か)
  • 若手の教育方針(自主的な成長を促すか従弟的な育成か)
  • 社員間の関係(上位下達かフラットな関係か)

仕事を行う上で、基本的な考え方を知る必要があります。

社員の巻き込みを通じて統合する

M&A成立後は、両社の代表社員を選抜して1つのチームとして新しい企業文化を検討していきます。

まずは互いの文化を知りあい、コミュニケーションをしっかり取ることが重要です。

次に「何をすれば評価されるのか?」を軸に、意志決定の方法や若手の教育方針などを決定します。

企業文化の核となるのは、その企業のリーダーたちです。「企業文化統合リーダー」を作り、自ら体現していくことで企業文化を作り上げていきます。

PMIが必要な制度

PMI 制度

制度として必ずPMIが必要な制度が3つあります。

人事制度のPMI

M&A成立後、まずは人の配置を決定する必要があります。

適切な人材配置・労働条件を両社同等にする人事制度の改革はM&Aのシナジー効果を最大化するうえで重要になります。人事制度というと1つの会社に1つの制度と思いがちですが実際は正規雇用と非正規雇用で制度が異なったり、職種ごとに異なることもあります。

M&A成立前に行うデューデリジェンスにて、買収先の人事制度をしっかりと把握しておきましょう。

報酬制度のPMI

報酬制度のPMIは、従業員のモチベーションに直結するので慎重に行っていきます。

買収先の報酬制度はもちろんですが、個人単位での報酬額や利用している福利厚生など網羅的に把握をしておく必要があります。

賞与やインセンティブの制度など、異なる場合が多いので詳細を見ていく必要があります。

  • インセンティブはどの程度の達成率で支給されるのか?
  • 制度はあるが実際の支給はどのようなタイミングなのか?

など、事前ヒアリングを行います。

M&A成立後は、従業員に対して明確な説明を行い不安を取り除きましょう

ITシステムのPMI

基幹システムや営業のシステムなどの業務システムをどのように統一するのかを決めていきます。

システムの浸透をすることで業務の効率が上がっていきます。必要に応じて、新たなITシステムの導入や改善をすることもあるので、事前の検討が必要です。

PMIの相談はPMIコンサルに頼もう!

PMI コンサル

PMIにおける統合作業は短期間で膨大な作業をこなす必要があるため、第三者であるPMIコンサルタントを上手く活用することが重要です。

計画づくりや適した責任分配など、さまざまなアドバイスをもらうことができます。

PMIコンサルタントの業務は大きく2つに分けられます。

まずはデューデリジェンスや最終契約の締結前からの助言です。デューデリジェンスで押さえておきたいポイントや100日計画作成に向けてのアドバイスをしてもらうことができます。

次に最終締結後に行う実際のPMI作業への助言です。

100日計画の実施、設計、統合の推進など、PMI成功に向けてのアドバイスをしてくれます。

M&A成立までのコンサルティングをしてくれるM&Aアドバイザーは、PMIのコンサルティングは専門としない人がほとんどです。PMIに特化したコンサルタントをM&Aアドバイザーに紹介してもらうことがオススメです。

まとめ

PMIとはM&A成立後の統合プロセスです。

成功させるポイントやプロセスを勉強し、あなたの会社でもM&Aを成功させましょう。