通常の定期預金より高い利率の相続定期預金ってなに?

通常の定期預金より高い利率の相続定期預金ってなに?

相続定期預金という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

相続定期預金とは、ポピュラーとは言えませんが多くの金融機関が扱っている金融商品で、通常の定期預金より高い利率で組むことができる定期預金です。

ただし、その名の通り遺産相続に関わる現金や、その財産から得たものでなければ利用できない商品です。

相続定期預金は、いわば遺産相続をしたばかりの方に向けての優遇サービスとも言うべきものです。

賢く活用すれば、資産を少しでも増やすことになりますので、メリットや利用できる要件などを知っておくべきでしょう。

今回は相続定期預金のメリットやデメリットをはじめとした基礎知識を解説したいと思います。

相続定期預金のメリット

相続定期預金のメリット

まずは相続定期預金のメリットを見てみましょう。

通常の定期預金などと比較して金利が高い

相続定期預金の最大のメリットは金利が高いということに尽きます。

2018年現在、日本のメガバンクをはじめとした大手銀行では、超低金利が何年も継続しています。
定期預金金利は年数などに関わらず0.01%と、非常に低いため預けておくメリットは少ないでしょう。

一方、相続定期預金の場合はいくつか条件が付加されるものの「年1.5%」「年1.0%」「店頭表示金利+1.0%」などの高金利が見込めます

ホームページやパンフレットなどを見れば金利が示されている場合もありますし、さらにキャンペーンなどで金利がアップする可能性もあります。

通常の定期預金が0.01%の超低金利時代においては、相当な高金利と言って良いでしょう。

資金の使途が確定していない時に便利

相続財産というのは予定して入ってくるものではありません。

そのため、資産を現金化したものの具体的なプランなどがなければ無駄に投資するようなお金ではありません

当面使う予定や計画が立っていないような場合は多額の相続財産を避難させておくという意味でも相続定期預金は優秀な方法と言えるでしょう。

手続きがシンプル

相続に関する手続きなどを金融機関経由で行った場合、同じ金融機関で相続定期預金を活用すればそのままスライドして手続きができるため、非常にシンプルな場合が多いでしょう。

逆に、他の銀行・金融機関の相続定期預金を利用する場合は手続きが煩雑になることを覚悟しておきましょう。

相続定期預金のデメリット

相続定期預金のデメリット

次に、相続定期預金のデメリットを確認してみましょう。
実際に利用する前に負担になることがないかどうか知っておけば、リスクは回避できるはずです。

金利優遇機関は短い

これは仕方のないことですが、相続定期預金の金利優遇期間は長くはありません。

おおむね1年から最短で3ヶ月の金融機関もあります。

中には数年で設定している金融機関もありますが、数は決して多くなく、金利も低めに設定されています。

もちろんこの期間が終われば通常の定期預金の金利が適用されます。

いかに高金利でも、3ヶ月の金利では相当な原資がなければ大きな利子は期待できません。

そのため、利用するメリットを長期にわたって享受できないことを前提にして考えておきましょう。

単純に利率だけではなく、相続定期預金の期間がどれくらいなのか?という事も考えた上で満期になった場合利息がどれほどついているのかをシミュレーションして選ぶべきでしょう。

中途解約すると金利はもらえない

当然ですが、中途解約すると金利のメリットはありません。

相続財産を預けたはいいものの、相続税の支払など必要に応じて資金を使わなければならくなった時、高金利のメリットがなくなるため預けた意味がないということになってしまいかねません。

また、相続定期預金の適用条件では「相続開始後1年以内」などと設定していることが多いため、相続税の納付と前後することになる場合も想定されます。

十分な余裕がある金額を預けたつもりが、結果的に相続税や相続後の処理のため費用が必要になってしまう可能性がある場合は注意が必要です。

手続きが煩雑になることがある

メリットの部分では「手続きがシンプル」と説明しましたが、それは相続に関する手続きや処理を行った金融機関で相続定期預金を組んだ場合です。

逆に、相続手続きとは関係のない金融機関で相続定期預金を利用する際は、若干ではありますが面倒な書類を提出する手間があります。

預金する人が法定相続人(受遺者)であることを証明する書類や、相続によって引き継いだ原資であることを確認できる書類などが必要となります。

相続定期預金の利率は高いの?

相続税・贈与税の納税猶予が適用される要件とは?・相続定期預金の利率は高いの?

一番気になるポイントですが、通常の定期預金から比べると圧倒的に金利は高いです。

三大メガバンクの定期預金、ゆうちょの定期預金は、金額や期間に関わらずここ2年以上は0.01%と超金利が続いています。

定期預金の条件が最も高いところでも0.1%前後となっていることが多く、定期預金では高金利は見込めません。

一方、相続定期預金ので場合は1年間の期間限定で年利1%など、メガバンクの100倍もの金利を提供しています。

デメリットに目を通してみて特段リスクと感じられないのであれば、活用しない手はないでしょう。

具体的な例としては、

「○○ヶ月」で「金利○○%」

という形で設定されています。

優遇の性格が強い商品であるため、短期間であればあるほど金利は高く、長期間になれば金利は低くなる傾向にあります。

また、金利の設定は通常の店頭表示金利に○○%プラスするといった方式を使っている金融機関もあります。

相続定期預金のを扱う金融機関

相続定期預金を扱う主な金融機関

地方銀行
信用金庫
労働金庫

相続定期預金の商品は、金融機関によって取扱の有無が変わります。

金融機関としては優遇措置を使って新規の顧客を取り込みたいという意図があると思われ、そのため都市銀行やメガバンクなどでは提供している金融機関は多くないと言えるでしょう。

販売対象、取扱期間と金額、申込方法は?

販売対象、取扱期間と金額、申込方法は?

販売対象と要件

相続定期預金の販売対象・要件

個人のみ(法人は不可)
遺産相続によって取得した資金であること
「遺産相続が発生してから1年以内」など、指定の期間を満たすもの

相続定期預金は、その名の通り遺産相続で得た原資のみが対象となります。

そのため、相続によって得た資金であるというということがきっちりと確認できる必要ありますので注意しましょう。

その点を証明するためには相続手続きそのものを行った金融機関で相続定期預金を利用するか、相続関係などを証明する関係書類の提出が必要となります。

また、遺産相続した資産を売却して得た原資であっても利用可能です。

期間に関しても規定がありますが、金融機関によって違いがあります。

「相続発生から」としている所もあれば「相続手続き完了から」としている所もありますので、相続定期預金を活用する予定の金融機関がある場合は事前のチェックをしておくべきでしょう。

申込み方法・必要書類

本人確認書類
届出印
相続人・受遺者であることが確認できる書類
(戸籍謄本、遺言書の写し等)
相続手続き完了時期が確認できる書類
預け入れ原資を相続により引き継いだことが確認できる書類
(金融機関に提出した依頼書、被相続人名義の解約済通帳と計算書、遺言書の写し、金融機関発行の領収書、遺産分割協議同意書の写し等)

相続手続きを行った金融機関で相続定期預金を利用する場合であれば、上記の中の本人確認書類や届出印のみで対応できることがほとんどです。

そのため、非常にシンプルな手続きで済むでしょう。

一方、関係のない金融機関で手続きをするとなると、しっかりと相続関係や相続で得た資金であるという客観的な証拠が必要となります。

その他、不動産売却などによる利益の場合は売買契約書・売却代金計算書、死亡保険金の場合は保険会社による支払通知書などが必要です。

具体的には金融機関担当者に個別に相談してみるのが良いでしょう。

預入金額と期間

相続定期預金の預入金額と期間

預入金額:下限10万円以上、100万円以上など(金融機関による)
預入期間:3ヶ月、6ヶ月、1年、3年など(金融機関による)

この条件は金融機関によって異なります。

金額の下限も様々ですが、中には「上限は○○円まで」と上限指定している銀行もあります。

預入期間に関しては最短で3ヶ月から最長5年まで多様ですが、短い期間ほど金利は高く、長い期間ほど金利は低い傾向にあるようです。

満期時の取扱と払い戻し方法

基本的には満期時に自動継続となり、通常の定期預金に切り替わることが多いようです。

もちろん、相続定期預金による高金利が得られるのは当初の設定されている期間だけですので、長期間にわたって高金利が得られることはほぼありません。

払い戻し方法は一括払い戻しが原則です。

中途解約時

相続財産を相続定期預金として活用したものの、相続税の支払や事業の関係、資産の取得などに思ったより資金が必要になるケースがあります。

その場合、相続定期預金を解約しなければならないこともあるかもしれません。

解約すれば当然中途解約利率が適用されてしまい、当初の高金利は見込めなくなるでしょう。

原則的に中途解約不可としている金融機関でも、やむを得ない場合は解約できることがほとんどであり、普通預金の金利は最低限保証されます。

そのため、元本割れなどが生じることはないと言えるでしょう。

仕組預金を利用する場合は中途解約時に大きく元本割れするリスクがあることを考慮しなければなりませんので、その点では相続定期預金は安定しています。

さいごに

相続定期預金は遺産相続時限定の優遇商品と言って良いでしょう。

そのため、活用できる方は是非とも活用すべき金融商品ですが、一方で慌てて定期預金を組んでしまうと、いざという時にお金が必要になってしまったり、他の金融機関との比較ができなかったりする場合があります。

遺産相続はスピーディにすることが非常に大事です。

相続の手続きや遺産の分割をスムーズかつ適切にすることが相続定期預金を有効活用することにつながるでしょう。