事業承継補助金とは? 申請方法・時期・金額・審査を通すポイントを紹介!

事業承継補助金

事業承継補助金についてお探しですね。

事業承継補助金を活用すれば、最高で500万円まで補助を受けることができます。「この補助金を使って、事業承継の資金対策をしたいな」と考えている人も多いかもしれません。

しかし、事業承継補助金は誰でも簡単に利用できるものではありません!実は、平成29年度では、約12.6%しか採択されていないのです。ですから、事業承継補助金の募集がある4月から6月頃に向けて、早めの準備が必須になります。

今回は、事業承継補助金について基本的な知識や審査を通るポイントを解説します。事業承継補助金を利用して、事業承継の資金対策を行いましょう!

事業承継補助金とは?

事業承継補助金 
事業承継補助金は、事業承継をきっかけとした経営革新や事業転換を支援するものです。

事業承継にかかる経費のうち、ケースによって200万円分か500万円分が補助されます。

事業承継補助金の目的は、地域の需要や雇用を支えて地域に貢献する中小企業のサポートです。具体的には、事業承継によって地域の需要や雇用を生み出す新しい事業を開始する人を対象に、その新たな事業にかかる経費が補助されます。

募集は、平成29年度は5月8日から6月2日でした。平成30年度の募集期間は発表されていませんが、例年通り、4月から6月くらいの募集になることが予想されます。補助金を受けるために早めの対策を行いましょう。

事業承継補助金を利用するメリット

事業承継補助金 メリット

事業承継補助金を利用すると、以下のようなメリットがあります。

  1. 事業承継の資金対策ができる
  2. 事業承継計画を見直せる

それぞれご紹介します。

事業承継の資金対策ができる

事業承継には、例えば以下のような資金が必要となります。

  • 専門家にコンサルティングしてもらう料金
  • 事業承継のための申請書作成の費用
  • 事業承継後の経営をうまく行うためのマーケティング調査費
  • 不要な事業部門を減らすための、解体費及び処分費

このような費用に事業承継補助金を使うことができるのです。

事業承継でかかる費用は合計すると高額になる場合も多いです。事業承継補助金は資金を得るための良い手段になります。

事業承継計画を見直せる

事業承継補助金を申請するために、経営を見直すことができます。

事業承継補助金を受けるには、審査によって採択されなければなりません。審査の際には、事業承継後の収益性や継続性も大切です。

採択されるためには、事業承継後の計画についてしっかり考えることになるのです。

事業承継補助金の採用率の低さから、応募のために計画書を書いた時間が無駄になってしまうのではないかと思っていませんか?

しかし、事業承継補助金の審査に通らなかったとしても、事業承継を成功させるなら計画を立てることは大切です。計画を練ったこと自体が無駄になることはありません。

事業承継補助金の金額

事業承継補助金 金額

事業承継補助金の金額は、2つのケースによって異なります。事業所の廃止や既存事業の廃止・集約を伴う場合かどうかで変わるのです。

また、補助金額は、補助対象となる経費の3分の2以内の必要があります。 設備投資や販路拡大、既存事業の廃業等にかかる経費が補助対象です。

補助上限額だけでなく補助下限額もあることにも注意しなければなりません。

それぞれ確認しておきましょう。

事業所の廃止や既存事業の廃止・集約を伴わない場合

補助金額は、100万円~200万円です。

事業承継で事業転換せずに、経営革新をするならこちらにあたります。

新商品へ挑戦して新市場を開拓したり、新しい設備を導入して生産性を向上させたりする場合です。例えば、八百屋さんが店頭で野菜ジュースを売るために新しい機械を増やすようなことが、経営革新になります。

事業所の廃止や既存事業の廃止・集約を伴う場合

補助金額は、100万円~500万円です。

事業承継で事業転換に挑戦するならこちらにあたります。

今ある事業所をなくしてしまったり、いくつかある事業をまとめたりする場合、業種を変えてしまう場合です。例えば、魚屋さんが事業承継にあたって、海鮮居酒屋に業種を変えるというものが事業転換になります。

また、500万円の内訳が決まっているので注意しなければなりません。経営革新などの費用として200万円、事業所の廃止などの費用として300万円が上限です。

補助対象となる経費

補助対象経費は、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  1. 使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
  2. 交付決定日以降、補助事業期間内の契約・発注により発生した経費
  3. 証拠書類等によって金額・支払等が確認できる経費

(引用:平成29年度 事業承継補助金【募集要項】

特に、2については注意しなければなりません。対象となる経費が定められています。

事業承継補助金の補助対象経費は、例えば以下のようなものです。

  • 官公庁への申請書類作成等に係る経費
  • 店舗等借入費
  • 設備費
  • 試供品を作るための原材料費
  • マーケティング調査費
  • 広報費
  • 外注費
  • 解体費及び処分費
  • 原状回復費

補助対象となるものは多いですが、場合によって対象外となることもあります。どこまでが経費となるのかについては、専門家に相談するのが良いでしょう。

補助対象とならない経費

事業承継補助金の補助対象とならない経費は、例えば以下のようなものです。

  • 役員への人件費
  • 消耗品購入費
  • 従業員専用の駐車場など事業に直接関係のないものへの費用
  • 販売のための商品の原材料費
  • 販売用商品を作るための外注費

経営革新や事業転換に直接関係がないと判断されるものは、補助対象になりません。補助の範囲について、しっかり確認しておきましょう。

事業承継補助金の対象者

事業承継補助金 対象者

事業承継補助金は誰でももらえるというわけではありません。以下に挙げる条件を全て満たす必要があります。

  1. 事業承継を行う者であること。
  2. みなし大企業ではないこと。
  3. 日本に本社を置き、日本で事業を興す者であること。
  4. 地域経済に貢献している中小企業者であること。
  5. 後継者が、条件に該当する者であること。
  6. 訴訟や法令順守上の問題を抱えている者ではないこと。
  7. 暴力団等の反社会的勢力でないこと。
  8. 事業の経営革新を行う者。

特に気をつけなければならないものは、条件4と条件5です。

順番に確認しておきましょう。

地域経済に貢献している中小企業者であること。

地域で雇用を続けたり、新しく雇用したりなどにより地域経済に貢献している必要があります。

他にも、取引関係やサービスの提供によって、地域の需要にこたえていることも大切です。

後継者が、条件に該当する者であること。

事業承継補助金には、後継者にも条件があります。

  • 経営に関する職務経験を有している者
  • 同業種に関する知識などを有している者
  • 創業・承継に資する規定の研修等を受講した者

以上のいずれかに当てはまらなければなりません。順番に見ていきましょう。

経営に関する職務経験を有している者

後継者になる企業の役員、他の企業の経営者、個人事業主のいずれかで、3年以上の経験があるなら、この条件に当てはまります。

同業種に関する知識などを有している者

対象企業かそれと同じ業種の企業に、6年以上勤めていたなら、この条件に当てはまります。個人事業の場合も認められます。

創業・承継に資する規定の研修等を受講した者

産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援事業か、地域創業促進支援事業、中小企業大学校の実施する経営者・後継者向けの研修等を受けていれば、当てはまります。

後継者候補が該当しているかどうか、早めに確認してみてください。

事業承継補助金の申請方法

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事業承継補助金を申請には、以下のステップが必要です。

  1. 認定経営革新等支援機関に相談
  2. 事務局に応募
  3. 地域審査会による審査

順番に見ていきましょう。

認定経営革新等支援機関に相談

事業承継補助金に申請するには、認定支援機関へ事前相談に行きます。認定支援機関とは、税理士事務所、公認会計士事務所、弁護士事務所などです。そこで、地域貢献や経営革新などについての確認書を作成してもらわなければなりません。

全国には、約25,000以上の認定支援機関が存在しています。

参考: 中小企業庁:経営革新等支援機関認定一覧(平成29年12月22日現在)

事務局に応募

認定支援機関で作成してもらった確認書などの必要書類を、補助金事務局に送って応募します。

必要書類は、事業計画書や現経営者と後継者の住民票などです。詳しくは、あとの『6−2.申請に必要な書類』で解説しています。

地域審査会による審査

地域審査会によって、応募資格や事業内容などについて審査されます。募集対象者に当てはまっていることが認められれば、事業計画書などの書類をもとに審査委員による審査が行われるのです。

審査結果については、採択の可否を書面で知らされます。

事業承継補助金の申請時期・必要書類・窓口

M&Aコンサルタント 契約

申請する時期

平成29年の場合は、5月8日から6月2日で書面応募が募集されていました。平成28年は、4月1日から4月28日の募集です。

事業承継補助金を利用する場合は、創業・事業承継補助金事務局に最新年度の情報を確認してください。

申請に必要な書類

事業承継補助金の申請に必要な書類は以下のようなものがあります。

  • 事業計画書
  • 現経営者と後継者の住民票
  • 認定経営革新等支援機関による確認書
  • 応募資格を有していることを証明する後継者の書類
  • 確定申告書など添付書類

事業計画書の様式には指定があるので、注意しなければなりません。創業・事業承継補助金の公式サイトでExcelデータが配布されています。

参考: ダウンロード | 平成29年度 事業承継補助金

申請する場所

事業承継補助金の応募書類の提出は、創業・事業承継補助金事務局への郵便や電子申請で行います。

FAXや持参での提出は受付されないので、注意が必要です。

事業承継補助金の審査に通るポイント!

事業承継補助金 審査

事業承継補助金の審査は誰でも通るというわけではありません。採択されるために、事業目的に沿った計画をしっかり練る必要があります。

例えば、平成29年度は応募総数が517件で採択されたのは65件です。採択率は約12.6%という結果でした。

具体的には、以下のようなポイントで総合的に判断されます。

  • 独自性
  • 実現可能性
  • 収益性
  • 継続性

採択される可能性を高めるためには、入念な準備が大切です。1つずつ、詳しく見ていきましょう。

独自性

事業承継による新たな取り組みの独創性が重要です。

独自の技術やノウハウ、アイディアを使って、ターゲットの顧客や市場にとって新たな価値を生む商品やサービスを提供する必要があります。自分の会社以外では提供されていないようなものを、お客さんに提供できなければなりません。

実現可能性

事業承継による新たな取り組みに実現可能性がなければなりません。

新しい商品やサービスについて、そのコンセプトと提供までの方法が具体的なことも必要となります。例えば、人員確保をどのように行うのか販売先はどこか、といった点は明確にしておくべきでしょう。

収益性

事業全体の収益性の見通しに、妥当性や信頼性が必要です。

そのためには、ターゲットとなるお客さんや市場をはっきりさせることが大切です。ニーズを的確に捉えることが収益につながります。事業の収益性を高める努力が重要なのです。

継続性

事業承継による新たな取り組みを継続させるための対策を練っていることも評価されます。

予定していた販売先が、必ずしも確保できるとは限りません。そのような計画通りにいかないときにも事業が継続できる方法を考えておく必要があります。例えば、事業実施内容やスケジュールをしっかり考えたり、無理のない売上・利益計画を考えたりすることが求められます。

事業承継補助金の採択から補助金受け取りまでの流れ

事業承継補助金 流れ

事業承継補助金が採択されてから、すぐに補助金が受け取れるわけではありません。いくつかの段階があります。

  1. 交付申請、交付審査、交付決定
  2. 報告書提出、交付額決定、補助金支払
  3. 5年間の事業化報告・確認

順番に見ていきましょう。

交付申請、交付審査、交付決定

事業承継補助金を交付されるには、補助金交付申請書を提出する必要があります。補助金の交付予定額などを申請しますが、その内容は審査されるので減額されるかもしれないことには注意が必要です。

事務局からの交付決定通知書で、決定した補助金交付金額が通知されます。

報告書提出、交付額決定、補助金支払

事業承継による新たな事業が完了してから、30日以内に実績報告書を提出しなければなりません。実際に行った事業内容の検査と経費内容が確認されます。

確認によって交付するべき金額を事務局が決定し、事業承継補助金が支払われます。事業承継補助金の交付には実績報告書を出してから3ヶ月程度かかるので注意してください。

5年間の事業化報告・確認

事業承継による新しい事業が終えてから5年間は、事業化状況や収益状況を事務局へ報告します。それに加え、帳簿などの経理書類も5年間は管理・保存しておきます。

収益状況によっては、交付された事業承継補助金の金額を上限に、収益の一部を納付しなければなりません。

また、50万円以上の取得財産の処分には、事務局の承認を受けて行います。処分によって収入があれば、事業承継補助金の一部を納付する場合も出てくるのです。

補助金以外の資金を得る方法

跡継ぎ 補助金

事業承継補助金以外に資金を得る方法は、銀行からの融資が考えられます。

必ず補助されるわけではないので、事業承継の資金を補助金だけに頼ることは難しいです。事業承継補助金以外にも資金を得る方法を考えておく必要があります。

また、補助金の交付は事業完了後です。それまでは借入金などで資金を自己調達しなければなりません。

政府や都道府県の融資制度が利用できることもあります。使える制度がないか、中小企業庁や最寄りの経済産業局に確認してみてください。

アドバイザーに相談するのもおすすめ

事業承継補助金をもらうことは簡単ではありません。1人での準備は時間がかかってしまいますし、もらえる可能性を高めるためには事業承継のアドバイザーに相談することも1つの方法です。

平成29年度の補助金申請期間は、1ヶ月に満たないものでした。平成29年度の情報を参考に、早めに準備しておくことが重要となります。事業承継補助金だけではなく、事業承継の資金対策全般について相談に乗ってもらうことで安心できます。

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まとめ

事業承継には、「事業承継補助金」という補助金制度があります。

事業承継補助金を利用したい場合は、決められた段階を踏んだうえで審査に通らなければなりません。募集期間が短いため、早めに準備をしましょう。まだ準備ができていない場合はアドバイザーに相談することも考えたほうが良いです。

また、補助金がもらえないときのための資金対策も考えておいてください。