【廃業方法の完全ガイド】法人・個人事業主の廃業の手続や届出、費用を解説

廃業 とは

廃業についてお調べですね。

廃業を考えている経営者は少なくありません。「中小企業者・小規模企業者の経営実態及び事業承継に関するアンケート調査」(2013 年 12 月、(株)帝国データバ ンク) では、自分の代で廃業することもやむを得ないと考えている中規模企業は5.4%小規模企業は21.7%でした。

あなたも、廃業をお考えなのかもしれませんね。しかし、ちょっと待ってください!廃業を決める前に、他の良い手段があるかもしれません!

今回は、廃業を考える前に行うべきことをまとめて見ました。ぜひ、参考にしてください。

廃業とはどういう意味? 廃業率や件数は?

廃業 意味

廃業とは、経営をやめることです。

廃業の理由は、業績が良くないことに加えて、経営者の高齢化・後継者不足などがあります。

企業の廃業率は、2012年から2014年で、6.1%でした。年平均の廃業件数は、236,671件です。

参考:中小企業白書 2017 (551ページ)

解散、休業、破産と廃業の違い

廃業と似た言葉に、解散、休業、破産があります。それぞれの意味を確認しておきましょう。

解散

解散とは、会社運営の業務を終えることです。

会社の解散は株主総会の決議等で決定されます。解散しただけでは廃業したことになりません。

解散の後に必要な手続きを行い、廃業となります。

休業

休業とは、会社を存続させたまま、事業活動を停止させることです。休眠ともいいます。

例えば休業が行われるのは、現経営者の急な怪我で経営活動を止める必要が出たときです。費用や手間をかけずに休業状態にすることができ、再開も簡単です。

破産

破産とは、経営していくことが難しい状況にある会社を処理する手続のことです。

総資産を現金にして、債権者に返済しなければなりません。

破産することで、会社は消滅します。

【廃業理由別】廃業を決断する前に確認する4つのこと

廃業 確認

ただ廃業してしまうよりも、もっと良い形があるかもしれません。

廃業理由別にそれぞれ確認しておきましょう。

売上が良くならない

売上が良くならずに廃業を考えている人は、以下のポイントを見直してみましょう。

  • 集客方法を見直す
  • 商品ラインナップを見直す (得意な商品だけに絞って効率化する)
  • 新しい事業に挑戦する (今ある技術で違う事業に参入する)
  • コンサルタントに依頼する

廃業を決める前に、会社の現在の状況をしっかり把握して改善できないか考えてみましょう。事業の方向性を変えることで、売上が良くなる可能性は高いです。売上を良くするために何か取れる手段はないか探してみてください。

事業を続けていく資金がない

資金がなくて廃業を考えている人は、以下のポイントを見直してみましょう。

  • 銀行からの融資を受けられないか
  • クラウドファンディングを活用できないか
  • 補助金を利用できないか

事業を続けるための資金の調達手段はいろいろあります。廃業を決める前に、利用できるものがないか確認しましょう。

後継者がいない

後継者がいなくて廃業を考えている人は、以下のポイントを見直してみましょう。

  • 後継者は募集したか
  • 親族と事業承継について話し合ったか
  • 従業員で教育すれば経営者になれる人はいないか

後継者は、親族外や社外など身近なところ以外からも探すことができます。廃業を決める前に、まだ探していないところはないか考えてみましょう。

店舗をたたみたい

店舗をたたみたくて廃業を考えている人は、以下のポイントを見直してみましょう。

  • 会社を他社に売却できないか
  • 会社を個人に譲渡できないか

店舗をたたむのには、原状回復費や空家賃といった撤退コストがかかります。

もしも店舗を売却すれば、撤退コストを抑えたうえで売却資金を得ることが可能です。

廃業を決める前に、店舗売却についても考えてみましょう。詳しくは、「閉店する前に確認したい!高値で店舗売却するコツ」の記事で解説しています。個人への譲渡も場合によっては撤退コストを抑えることができるので、店舗売却が難しいときには考えてみてください。

法人の廃業手続き・流れ

廃業 手続き

会社を廃業するには、以下の5つのことを行う必要があります。

  1. 営業終了日の決定
  2. 廃業挨拶状で廃業のお知らせ
  3. 解散手続
  4. 清算手続
  5. 確定申告

順番に確認しておきましょう。

営業終了日の決定

いつ営業を終えるのか具体的な日にちを決めましょう。

営業終了日を決めることで、廃業への計画を立てやすくなります。

廃業挨拶状で廃業のお知らせ

廃業挨拶状とは、取引先やお客様に廃業をお知らせするものです。

廃業挨拶状を出す場合は、できるだけ早めに出す必要があります。急に廃業挨拶状が届くと、取引先やお客さんは慌てて代わりの会社を探さなければなりません。

廃業の1ヶ月前には出しておくようにしましょう。

解散手続や異動届出書の提出

事業を終えるときは、会社の解散を行わなければなりません。株主総会の特別決議か、株主全員の書面決議によって行います。

  • 特別決議で解散する場合:発行済株式総数の半分以上の株式を持っている株主が出席する株主総会で、3分の2以上の賛成を得ることが必要
  • 書面決議で解散する場合:議決権を行使できる株主の全員が書面などで同意することが必要

解散してから2週間以内に法務局で解散登記および清算人の登記をし、納税地の所轄税務署長に異動届出書を提出しなければなりません。

解散事業年度の確定申告もこのタイミングで行います。

清算手続

解散登記を終えたら、官報で解散公告を出します。官報を出して2ヶ月間経てば、会社は清算手続に入ります。債権の取り立てや債務の弁済、残った財産の株主への分配などをする必要があるのです。

精算を終えたら、法務局で清算結了の登記を行います。

法人では、廃業届は出しません。その代わりに解散の登記と清算結了の登記を実施するのです。

ただし、基準となる期間の課税売上高が1,000万円を超えている消費税課税事業者なら、税務署に事業廃止届出手続が必要となります。

確定申告

清算結了の登記をしたら、清算確定申告書を作成します。残余財産確定事業年度の確定申告を行わなければなりません。

確定申告を行えば、廃業手続は終了です。

個人事業主の廃業手続き・流れ

廃業 流れ

個人事業主の廃業は、会社の廃業と流れが異なります。

  1. 事業終了日の決定
  2. 関係者に廃業のお知らせ
  3. 廃業届など必要な書類を提出
  4. 廃業手続を終え、確定申告

順番に確認しておきましょう。

事業終了日の決定

事業を終える具体的な日にちを決めます。

決めた日にちから逆算して、計画を立てましょう。

関係者に廃業のお知らせ

お世話になった取引先やお客さんに、廃業することをお知らせしましょう。

いきなり伝えると相手も急に代わりを探さねばならず、困ってしまうかもしれません。

1ヶ月以上前には、伝えるようにしてください。

廃業届など必要な書類を提出

個人事業主の廃業に必要な書類は以下です。

◯税務署への届出

  • 個人事業の開業・廃業等届出書
  • 所得税の青色申告の取りやめ届出書 (青色申告者のみ)
  • 事業廃止届出書 (消費税を支払っていた課税事業者のみ)
  • 予定納税額の減額申請書 (予定納税者のみ)
  • 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書 (給与を支払っていた者のみ)

◯都道府県税事務所への届出

  • 廃業届

このうち、全員出さなければならないのは、「個人事業の開業・廃業等届出書 」「廃業届」です。

提出先がそれぞれ異なるので注意して届出をしましょう。

廃業届の書き方! 重要ポイントは?

廃業届の書類は国税庁のページからダウンロードできます。

参考: 個人事業の開業届出・廃業届出等手続 (国税庁ホームページ)

開業も廃業も同じ届出書を使用します。

廃業届の書き方で特に注意すべきは、税務署長名と納税地の項目です。

税務署長名がわからない場合は、国税庁のホームページから調べてください。

参考 : 国税局・税務署を調べる(国税庁ホームページ)

納税地は、住所地・居住地・事業所のどれに該当するか選択する必要があります。

自宅と事務所が同じときは住所地になり、長く居住していても生活の本拠でない場所のときは居住地です。

廃業手続を終え、確定申告

今まで通り確定申告します。

廃業してから会社員になった場合は、給与所得も事業所得に合算しなければなりません。

会社員は年末調整で所得税の納付があるので、その所得税を差し引いた額を納付します。

廃業にかかる費用

廃業 費用

廃業にかかる費用は、例えば以下のようなものがあります。

  • 債務を返済するお金
  • 登記や法手続きの費用 (税理士や行政書士、司法書士への代行報酬)
  • 従業員の社会保険の手続 (社労士への代行報酬)
  • 店舗や工場の原状復帰費用
  • 解約金や違約金 フランチャイズ契約など

廃業する場合は、費用をどうするか考えておかなければなりません。

この中で、忘れがちなのは店舗や工場の原状復帰費用です。

店舗の場合ならば、壁や床の修繕に必要な「内装解体費用」や、建物を骨組みのみにする「スケルトン戻しの費用」などがかかります。

例えば、30坪の店舗であれば、150万円以上かかることもあるのです。

この原状復帰費用が多くかかってしまう場合には、店舗を売却してしまうことがおすすめ

居抜き物件として、他の人に売却することで、原状復帰費用はほとんどかかりません。

さらに、売却金額を得られるのでその他の廃業費用もまかなうことができます。

コンサルタントに相談してみよう

廃業 コンサルタント

廃業を考えているという場合でも、他のもっと良い手段を取れることはよくあります。廃業を決める前に、他に何か別の道はないか考えてみてください。

税理士や弁護士などの事業承継コンサルタントに相談することで、廃業以外の良い方法が見つかるかもしれません。廃業する前に、コンサルタントに相談してみましょう。

良いコンサルタントの選び方などは、「事業承継のコンサルティングとは?相談内容や選び方をご紹介!」で解説しています。

まとめ

廃業とは、今まで行ってきた経営をやめることです。廃業の理由には様々ありますが、廃業以外の何らかの方法を取れる場合が多いです。

廃業を行う前に、何か別の良い方法が無いかも考えてみてください!