事業承継ガイドラインの注意点や重要ポイントを要約!中小企業庁の支援体制を理解しよう

事業承継ガイドライン とは

事業承継ガイドラインについてお調べですね。

事業承継の成功のためには、事業承継ガイドラインを理解することが重要です。

そうは言っても、「読んでみてもよくわからない。。」なんて、困ってはいませんか?

事業承継ガイドラインはとても読む量が多いので、一気に理解するのは大変です。

しかし、事業承継ガイドラインについて不安がある方も安心してください!

ここでは事業承継ガイドラインの注意すべき重要なポイントについて詳細に解説しています。

まずは重要ポイントから事業承継への理解を深め、事業承継を成功につなげましょう!

事業承継ガイドラインとは?

事業承継ガイドライン 解説

事業承継ガイドラインとは、中小企業庁によって事業承継の準備や支援体制などについて書かれたものです。

事業承継は現経営者のノウハウや技術を後継者に引継ぎ、さらに事業を活性化させるものになります。

事業承継は、その内容や準備を知っておくことが重要です。

事業承継ガイドラインをしっかり理解して、事業承継を成功させましょう。

事業承継ガイドラインの要約と特に注意するポイント!

事業承継ガイドライン 注意点

事業承継ガイドラインは、第一章から第六章まであります。

第一章 事業承継の重要性
第二章 事業承継に向けた準備の進め方
第三章 事業承継の類型ごとの課題と対応策
第四章 事業承継の円滑化に資する手法
第五章 個人事業主の事業承継
第六章 中小企業の事業承継をサポートする仕組み

引用:事業承継ガイドライン 平成28年12月 中小企業庁

それぞれどのようなところに注意すれば良いのか見ていきましょう。

第一章 事業承継とはどのようなもの?

第一章の要約

○中小企業にとって、事業承継はかなり重要
○事業承継は、以下の3つの方法が取られる

  • 親族内での承継
  • 役員や従業員への承継
  • 社外への引き継ぎ

第一章では、事業承継の重要性と、事業承継とはどのようなものかについて述べられています。

事業承継の重要性は、次世代に技術やノウハウを引き継げるというところにあります。地域の経済活動が活発になることも重要性の一つです。

事業承継には3つの類型があり、親族内承継役員・従業員承継社外への引継ぎ(M&A等)です。

それぞれについて、詳しくは、「3.【第一章の詳細解説】事業承継とはどんなもの?」で解説いたします。

第二章 事業承継に向けた5ステップ

第二章の要約

○事業承継に向けた準備は大切

○事業承継に向けて、5つのステップがある

  1. 事業承継に向けた準備の必要性の認識
  2. 経営状況・経営課題等の把握(見える化)
  3. 事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)
  4. 事業承継計画の策定(親族内・従業員承継の場合)
  5. M&A等のマッチング実施(社外への引継ぎの場合)
  6. 事業承継の実行

第二章では、事業承継への準備の必要性と、行うための5つのステップについて述べられています。

円滑な事業承継のためには、早めに準備をして支援機関の協力を得ることが必要です。

そして、事業承継の実行段階でも、10年後を見据えておくことが重要になります。

5つのステップについては、「4.【第二章の詳細解説】事業承継に向けた5ステップ」で解説いたします。

第三章 承継方法によって違う注意点!

第三章の要約

○事業承継の方法ごとの注意点

  • 親族内承継:税負担への対応、株式・事業用資産の分散防止、債務の承継への対応をすべき
  • 役員・従業員承継:現経営者の親族や後継者の配偶者などの理解を得ることが大切
  • 社外への引継ぎ:一部譲渡では、事業全体の承継が完了するわけではないことに注意

○現経営者が早めに関係者と十分な意思疎通をするのが大切

第三章では、事業承継の方法ごとの注意点について述べられています。

自分の行う予定の承継方法の注意点を確認しておかなければなりません。

いずれの承継方法を取るにしても、現経営者が関係者と早めに十分な意思疎通をしておくことが事業承継後の紛争を避けるコツです。

事業承継の方法ごとの注意点については、「5.【第三章の詳細解説】承継方法によって違う注意点!」で解説いたします。

第四章 事業承継を円滑にするための方法

第四章の要約

  • 事業承継を円滑にするために知っておくべき方法がある
    それは、種類株式の活用、信託の活用、生命保険の活用、持株会社の設立である

第四章では、事業承継を円滑にするための方法について述べられています。

それは、種類株式の活用、信託の活用、生命保険の活用、持株会社の設立です。

それぞれの詳細は、「6.【第四章の詳細解説】事業承継を円滑にするための方法」で解説いたします。

第五章 個人事業主の事業承継とは?

第五章の要約

  • 個人事業主の事業承継にも注意すべきことがある
  • 廃業届を提出するだけでなく、知的資産の承継が重要

第五章では、個人事業主の事業承継での注意点について述べられています。

詳しくは、「7.【第五章の詳細解説】個人事業主の事業承継とは?」で解説いたします。

第六章 事業承継の支援体制は?

第六章の要約

  • 中小企業の事業承継を支援する取組みがある
  • 事業承継の準備の第一歩として、事業承継コンサルタントに相談すべき

第六章では、事業承継の支援体制について述べられています。

あなたの身近にも、事業承継を支援してくれる人や団体がいるはずです。

詳しくは、「8.【第六章の詳細解説】事業承継の支援体制は?」で解説いたします。

【第一章の詳細解説】事業承継とはどんなもの?

事業承継ガイドライン 詳細解説

事業承継には、親族内承継、役員・従業員承継、社外への引継ぎの3つの類型があるとご紹介しました。

◯事業承継の3つの類型

  • 親族内承継:現経営者 → 親族
  • 役員・従業員承継:現経営者 → 役員・従業員
  • 社外への引継ぎ:現経営者 → 社外 (M&A等)

それぞれの特徴を確認しておきましょう。

親族内承継

現経営者の親族に承継させる方法です。

親族内承継のメリットは、以下の3つがあります。

  1. 関係者から心情的に受け入れられやすい。
  2. 後継者が早めに決まりやすく、準備期間が長く取りやすい。
  3. 相続で財産や株式を後継者に移せる。

円滑な事業承継には、後継者教育に計画的に取り組む必要があります。

現経営者が引退する時期を決め、後継者育成の期間を逆算し、準備期間の計画を練りましょう。

役員・従業員承継

親族以外の役員・従業員に承継する方法です。

役員や従業員に承継するメリットは、以下の2つがあります。

  1. 経営者としての能力がある人材に承継できる。
  2. 社内で働いていた従業員なら経営方針などの一貫性が保ちやすい。

従業員承継を行う場合には特に注意するポイントがあります。

それは、親族株主の了解を得ておくことです。

了解が欠けていれば、事業承継後に親族の間で紛争が生じてしまうかもしれません。

現経営者が早めに親族間の調整を行って、関係者全員の同意を得るようにしましょう。

社外への引継ぎ

株式譲渡やM&A等で承継を行う方法です。

社外の人物や会社に承継するメリットは、以下の2つがあります。

  1. 身近に後継者が見つからなくても、外部から探すことができる。
  2. 場合によっては、現経営者は会社を売却して利益を得られる。

社外への引継ぎを成功させるには、企業価値を高めておく必要があります。それには、本業の強化や内部統制体制の構築が重要です。

本業の強化や内部統制体制の構築は、企業の収益や信頼性の向上につながります。これが、企業価値の向上にもなるのです。

企業価値の向上のためには、専門家へ早めに相談すべきでしょう。

M&Aを実施するには、買い取ってくれる企業とのマッチング期間も必要になるので、時間がかかることもあります。

十分に時間の余裕をもって、社外への引継ぎに臨みましょう。

事業承継は単に経営者が変わるだけではないことに注意!

事業承継後に後継者がうまく経営していくには、現経営者のあらゆる経営資源を承継することが必要です。

経営資源を大きく分けると、「人(経営)」「資産」「知的資産」になります。

特に知的資産は、目に見えないので特に注意しておかなければなりません。

経営理念や経営ノウハウなどといった知的資産は、企業経営に重要な役割を果たします。

これら全てを後継者に引き継ぐ必要があるのです。

【第二章の詳細解説】事業承継に向けた5ステップ

事業承継ガイドライン 手順

引用:事業承継ガイドライン 平成28年12月 中小企業庁(20ページ)

第二章では、事業承継の具体的な流れを確認していきます。

特に確認すべきは、どの承継方法でも必要となる「ステップ2:経営状況・経営課題等の把握(見える化)」と、「ステップ3:事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)」です。

それぞれ確認しておきましょう。

ステップ2:経営状況・経営課題等の把握(見える化)

円滑な事業承継のためには、経営状況や経営課題、経営資源などを見えるようにすることが重要です。

現状を正確に把握することが、事業承継成功には必要となります。

具体的に見えるようにすべきことは、以下が考えられます。

  • 自社の経営状況
  • 自社の経営課題
  • 事業がどれくらい持続し成長するか
  • 商品力や開発力はあるか
  • 利益を確保する仕組みになっているか
  • 自社の強みや弱みは何か
  • 強みをいかに伸ばし、弱みをいかに改善するか

このような現状把握には、専門家や身近な金融機関に協力してもらったほうが効率的に取り組めます。

早めに専門家や金融機関に相談しに行ってみましょう。

ステップ3:事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)

事業承継は、経営者の交代をきっかけに事業を発展させることができます。つまり、会社を磨き上げるチャンスということです。

現経営者は事業承継までに経営改善に努め、より良い状態で事業を引き継ぐことが大切になります。

後継者が後を引き継ぎたくなるような会社にしておくという魅力作りを意識してください。

磨き上げる対象は、業績だけではありません。以下のようなものが考えられます。

  • 業績
  • 経費削減
  • 商品イメージやブランドイメージ
  • 優良な顧客
  • 金融機関や株主との良好な関係
  • 営業のノウハウ
  • 法令遵守体制

磨き上げは現経営者だけでも行えないことはありませんが、対象が多く大変です。

磨き上げには、専門家である事業承継コンサルタントのアドバイスがあるとスムーズに進みます。

【第三章の詳細解説】承継方法によって違う注意点!

事業承継ガイドライン 継承方法

親族内承継、役員・従業員承継、社外への引継ぎのそれぞれの注意点を確認しておきましょう。

親族内承継の注意点

親族内承継は、税負担への対応や、株式・事業用資産の分散防止、債務の承継への対応について注意すべきです。

それぞれ見ておきましょう。

税負担への対応

贈与税や相続税の負担への対応策は、「暦年課税贈与」「相続時精算課税制度」、「非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予・免除制度(事業承継税制)」です。

  • 暦年課税贈与:財産を生前贈与する場合の贈与税について、年間110万円の基礎控除が受けられる
  • 相続時精算課税制度:生前贈与の際に2500万円まで贈与税が非課税になるが、相続のとき過去に生前贈与された財産の分も相続税が課税される
  • 事業承継税制:事業承継での相続税や 贈与税について、一定の要件を満たせば、その納税を猶予・免除する

いずれも一長一短があり、自分だけで決めるのは難しいと思います。早めに税理士など専門家である事業承継コンサルタントに相談しましょう。

 株式の分散防止

相続の際に株式が多数の相続人に分散してしまうと、株主総会の運営が大変になり事業承継が円滑にできなくなります。

株式の分散は、後継者が株式を承継するときに、納税負担などに耐えられなくなり他の相続人に承継させることなどが理由です。

事前の対策としては、生前贈与安定株主の導入遺言の活用などが有効となります。

  • 生前贈与:相続発生前に生前贈与を行えば、株式の分散を避けられる
  • 安定株主の導入:現経営者の経営方針に賛同し、長期間にわたって保有を継続してくれる安定株主を見つければ後継者の納税額も減らせる
  • 遺言の活用:何を誰に承継するか明確にすれば相続争いを避けられ、後継者に株式を集中させられる

債務の承継への対応

現経営者個人が借入れを行っている場合など、事業承継の前に処理しておかなければなりません。

そうしなければ、事業承継後も現経営者の債務を負担し続けることになります。

その債務が相続されたときにも相続人の間でもめてしまうかもしれません。

会社の磨き上げによって資金繰りを改善させることで債務を圧縮できます。

役員・従業員承継注意点

役員・従業員承継では、現経営者の親族や後継者である従業員の配偶者などの関係者の理解を得ることが重要となります。

理解を得るのに時間がかかることもあるので、早めの準備が必要です。

関係者が事業承継後の会社経営にも協力できるように、現経営者が関係者としっかり対話するべきでしょう。

後継者と現経営者の親族との関係を調整するため、配当優先の無議決権株式を活用することもあります。

株式の活用などは専門家である事業承継コンサルタントに相談して行えば、最適な方法で役員・従業員承継が可能です。

社外への引継ぎの注意点

社外への引継ぎには、株式譲渡事業譲渡という二つの方法が使われます。

それぞれ確認しておきましょう。

株式譲渡

株式譲渡とは、現経営者が所有している株式を後継者に売却する手法です。

企業の株主が変わるだけで従業員との雇用関係や取引先・金融機関との契約関係が変わらないため、事業を継続しやすくなります。

事業譲渡

全部譲渡と一部譲渡があります。

事業の全部譲渡とは、会社や個人事業主の事業全体を売却する手法です。

事業の一部譲渡とは、会社が行っている事業全体のうち、個別の事業を売却する手法です。

一部譲渡を行う場合は、譲渡しなかった部分は現経営者の手元に残ります。

そのため、事業全体の承継が完了するわけではないことに注意しておかなければなりません。

【第四章の詳細解説】事業承継を円滑にするための方法

事業承継ガイドライン 円滑

第四章では、種類株式の活用、信託の活用、生命保険の活用、持株会社の設立という、事業承継を円滑に行うための方法を確認していきます。

種類株式の活用

種類株式とは、定款によって種類ごとに異なる内容を定めた株式のことです。

事業承継の円滑化を目的とした種類株式の活用が広がってきています。

例えば、議決権制限株式について考えてみましょう。

現経営者の相続財産の大部分を株式が占めているとき、後継者に株式を集中させると、他の相続人ともめてしまう可能性があります。

それは、後継者には普通株式を相続させ、他の相続人には無議決権株式を相続させれば避けることが可能です。

無議決権株式は、株主総会での議決権を持たないため、経営が安定します。

信託の活用

信託とは、財産を信頼できる人に託し、自分が決めた目的に沿って運用や管理をしてもらう制度です。

例えば、事業承継で活用される信託に、「遺言代用信託」があります。

遺言代用信託とは、現経営者が死亡した場合の株式の承継について定めるもので、遺言に代わる手段となるのです。

自社株を現経営者が保有したまま相続が発生すると、遺産分割を終えるまで会社が重要な意思決定を行えなくなってしまいます。

遺言代用信託を活用していれば、現経営者が事前に株式の交付先を定めることが可能です。

それによって、相続発生時に遺産分割協議をせず株式を移転できます。

生命保険の活用

事業承継で必要となる資金を確保するために、生命保険を活用することができます。

現経営者が死亡した場合に支払われる死亡保険金には、相続税の計算をする際に非課税枠があります。

その非課税となる部分を相続税の負担を減らすために活用することができるのです。

また、受け取った保険金を納税資金にあてることもできます。

持株会社の設立

事業承継では持株会社を利用することもできます。

持株会社とは、事業活動を行わずに他の会社の株式を所有することで、他の会社の実質的な支配を目的として設立された会社のことです。

後継者が持株会社を設立すれば、引き継ぐ会社からの配当による返済を前提に金融機関から融資を受けることができます。その資金で現経営者から株式を買い取ることができるのです。

【第五章の詳細解説】個人事業主の事業承継とは?

事業承継ガイドライン 個人事業主

第五章では、個人事業主が事業承継を行う際に注意すべき点を確認します。

個人事業主が特に注意すべき点は、知的資産の承継です。

個人事業主の事業の強みの源は、目に見えない知的資産です。知的資産を後継者に引き継げなければ、事業承継の成功は難しいでしょう。

現経営者の経営ノウハウや取引先との関係をしっかり承継してもらう必要があります。

【第六章の詳細解説】事業承継の支援体制は?

事業承継ガイドライン 支援体制

引用:事業承継ガイドライン 平成28年12月 中小企業庁(79ページ)

第六章では、中小企業の事業承継を支援する取組みの存在や、事業承継コンサルタントへの相談が準備の第一歩であることを確認します。

事業承継支援のためには、商工会議所・商工会の経営指導員、金融機関、税理士・弁護士・公認会計士といった専門家である事業承継コンサルタント、事業引継ぎ支援センターなどの公的な支援機関が存在しています。

支援機関同士が連携してサポートしてくれることもあります。

事業承継の成功のためには、このような支援体制を活用していくことが大切です。

専門家に相談してみよう

事業承継ガイドライン 専門家

事業承継は以上のように、いろいろなことについて考えなければなりません。

自分だけで全て行うことが難しいと感じた場合は、早めに専門家に相談することが大切です。

税理士や弁護士などをはじめとした事業承継のコンサルタントに相談してみましょう。

まとめ

事業承継を行うなら、事業承継ガイドラインの内容を理解することが重要です。

事業承継ガイドラインで正しい知識をつけて、事業承継を成功させてください!

もしも何か不安がある場合は、早い段階で専門家に相談してみましょう。