「サクッとはじめる起業のススメ」 正田圭×イケハヤ×今井紀明

サクッと高校生起業

2018年6月16日、通信制・定時制高校の高校生に「人とのつながり」と「働き、生きる場」を届ける活動を行う認定「NPO法人DxP(ディーピー)」は『サクッとはじめる「起業」のススメ』と題したトークイベントを大阪市内で開催した。連続起業家の正田圭氏、プロブロガーのイケダハヤト氏、そしてモデレーターとしてDxP代表 今井紀明氏の3名が登壇。「起業」を軸に「人生の選択肢を増やす方法」をテーマに様々な視点から意見を交わした。会場には中高生が数多く参加し、関心の高さが伺えた。

 

今井紀明
みなさん、こんにちは。本日、モデレーターを務めますD×P(ディーピー)の今井と申します。

普段は通信制や定時制高校の高校生たちの就職のサポートや起業の支援をしています。関西と札幌、そして今年からは東京でもはじめて、年間1,000人くらいの学生と関わっています。今日はよろしくお願いいたします。

 

正田圭
こんにちは、正田です。僕がちょっとだけ特殊なのは15歳の時に起業して、それがトントン拍子にうまくいって、1回売りました。

そこから会社を買って、立て直して、売るというキャリアを作り、連続起業家とカテゴライズをされています。よろしくお願いいたします。

 

イケダ・ハヤト
イケダと申します。僕の仕事はブログを書くのが仕事です。住んでる場所が高知県で人口100人ぐらいしかいない山奥の集落で1人でブログを書くという特殊な仕事をしている人間です。よろしくお願いします。

 

今井紀明
今日、なぜこういうイベントをやるかというと高校生には起業したいとか、自分で仕事を作りたい、経済的に厳しい家庭の子が独立したいという意識の子が結構いるのです。

そこで、イケハヤさんや正田さんの生き方から学べることがあるのでは、ということでこのイベントを開催させて頂きました。

 

正田圭 今井紀明 イケダハヤト

正田、イケハヤ、今井の10代のころ

今井紀明
今日は高校生も非常に多いので、お2人の10代の頃についてお聞きしたいです。

正田さんは15歳の時に起業して19歳の時に会社を売却したということですけど、最初に起業するきっかけは何だったのですか?

 

正田圭
僕の起業しようとしたきっかけは、単純明快でお金が欲しかったからです。

中高一貫の私立に入ったんですけど、そしたら僕だけ普通の家で周りがすごい金持ちの子ばかりで経済格差がハンパなかったのです。よく見ると、経済格差の中にさらにまた経済格差があって大きな会社の子ほど金持ちだと気づいたのです。

ということは、会社作って大きな会社の社長になったらお金持ちになれるんじゃないかとお金だけを見て起業しました。

 

今井紀明
1番最初はそこからで19歳のときに1億5000万とかで売却したんですよね?

 

正田圭
はい、当時、SEOって先進的なサービスで株式公開を目指してやっていたんですけど、どうもうちの会社って伸びるスピードが遅くて後発にどんどん抜かれていきました。

理由は簡単で、普通の起業家たちは毎日24時間使って事業やってるのに、僕は学校があって9時から3時まで授業で日中は昼休みくらいしか時間を使えなかったからです。昼休みに電話して営業マンに進捗を聞いたりするのですが管理が超大変でした。

 

イケダ・ハヤト
僕は中1の時にパソコンを買ってもらったんですよね。当時、インターネットの黎明期でブログがなかったので、ウェブサイトですが月間50万PV位あって、それがきっかけで雑誌連載をやることになりました。

中学生くらいの時は1日中ウェブサイトを更新していました。当時、学校の15分休みに技術室に行って毎日、書いてたんですよ。なので、中学生の頃からずっと同じことをやっています。好きなんですよね。

 

今井紀明
僕は中学・高校の時は論壇誌に書いたりとか、僕のバックラウンドを話すとNGOをやっていて昔、人質になった経験があるんですけど、なんか失笑がでてるんであれですけど・・・(笑)

もし15才に戻って0から初めるなら何をしますか?

正田圭 対談記事 イケハヤ

今井紀明
もう1回、例えば15歳とか18歳の時に戻ったとして、いま何もありませんというゼロベースの状態で何かをはじめるとしたら何をしますか?

 

正田圭
僕はオンラインサロンで教えてるのは、まず儲かっている企業を探すっていうことを最初にネタ探しの一環としてやらせます。

要は何が儲かるのか、儲からないのか、わからないうちにやっても意味がないからです。

じゃあ、国内で去年1番儲かってる企業はどこって言ったら多分コインチェックなんです。あと売却できた会社で儲かってるところだとベイクと言うチーズタルト屋さんなんです。僕は多分、逆算して仮想通貨系かお菓子系かどちらかを選びます。

ただ、海外まで目を向けるとアジア圏内の場合、1番儲かってる会社は多分ビットマインという会社なんです。ここは簡単に言えば、ビットコインのマイニングを売ってる会社です。

昔話でいうと金脈ではなくて、金脈を掘る人たちにツルハシを売る会社が1番儲かるみたいな。まさしくそのツルハシを売ってるのがビットマインで年間の利益が2,300億くらいです。僕も今、起業するのならそういう仮想通貨系に行くと思います。

 

イケダ・ハヤト
僕も同じですよね。結局やるんだったらブロックチェーンとかそこら辺やります。とは言え、ブロックチェーンと言っても非常に広いので事業領域をどこにするか非常に難しいですけど、僕はメディアが好きなのでブロックチェーン関係のメディアをやります。

今もうすでにいっぱいあるんですけども、どれもレベルが低いです。なので、今ちゃんとした仮想通貨メディアを作ったら3年後とかもっと早く行けるかもしれないけど売却できますね。チームを作って自分が編集長になって、売却前提でブロックチェーンのちょっと専門的なB2B寄りのメディアを作るでしょう。

今やSNSのフォロワー数が与信情報

イケダ・ハヤト
ブログとかTwitterとかだったらちゃんとやったほうがいいかな。

個人でフォロワーを獲得しておくと起業するときの仲間も集めやすくなるし、資金調達もやりやすくなります。ちょっと小銭を稼ぐのも稼ぎやすくなりします。

Twitterやブログで皆さんしっかり発信をしてコンテンツ作って元手0円で今すぐビジネスはじめることができます。やらないというのはあまり考えられないくらいです。すぐできるのでそこはさっさとやりましょう、って感じです。

 

正田圭
僕もめっちゃ同感でSNSがすごい大嫌いで今も好きじゃないんです。

去年の年末からやり始めたのですが、ずっとやらなかったことをすごい後悔しています。以前からやってたら僕も結構フォロワーが多くついてたのではと思ってます。

ベンチャー界隈でVCから出資を受けます、提携しますってなったとしても、昔だったら帝国データバンクなどで評点を見てました。

けど、今ならフォロワー数とか共通の友達とかを見ます。今はこれが与信情報なんですよね。昔で言うと帝国データバンクに何ものせてない企業が胡散臭い扱いになるみたいな。

 

今井紀明
それ間違いなくそうですよね。

 

正田圭
与信の一環としてやったほうがいいです。海外はもっとすごいですから。シリコンバレーのベンチャー企業の奴らと喋ってると「なんでお前ブログやってないんだ」と言われて、そんな感じで日本の方がまだ言われない方です。

雇用を逆転させる働き方とは?

イケハヤ 大阪 イベント 正田圭

今井紀明
コミュニティの話になったときに、イケハヤさんは自分たちの仲間作りじゃないですけど、イケハヤ経済圏を作っています。一方で、僕や正田さんはオンラインサロンを運営しています。そういった形でのお金の生み出し方や仲間作りについてどんなふうに考えてますか?

 

正田圭
そうですね。僕がオンラインサロンをやり始めたきっかけが、この1年ぐらいM&Aの仲介事業に本腰を入れていたんですど、採用がすごく難しかったでのです。

ヘッドハンティング会社にたくさんお金を払って、いいところから人を引き抜いてきて、色々とやってみるんですけれども、結局全然うまくいかなくて、すぐ首にするということが続いていました。

ヘッドハンティング会社に払ったお金と人件費で去年1年間で1億以上使ったので相当嫁に怒られたんですよ。

 

今井紀明
以前もこの話を少し聞いたのですが、唖然としました。

 

正田圭
そういう時に岡田敏夫さんの評価経済社会の話に出会ったのです。

オンラインサロンの概念がフリックスという言葉で語られていて、「雇用形態というのが今の時代には合わない、雇用を逆点させる」みたいな話があったのです。それが今やっているオンラインサロンに繋がってます。

 

今井紀明
いま何人くらいいらっしゃるんですか?

 

正田圭
ちょうど200人くらいになってます。僕は会社を作ってからこの十何年の間、この雇用と言うのが本当に矛盾した制度だと思っていました。

会社の社長が従業員の幸せを1番に考えると言うけど、どう考えても社長と従業員って利益相反なんです。多分これをみんなが言わないのは、社長とかがTwitterで言っちゃうと自分の会社に人材が来なくなるから。

でも、1円多く従業員に払うと会社が1円損すると言う仕組みは絶対変わらないんですよ。

どうしてこんな矛盾した制度があるのだろうと思っていた時に、フリックスの概念に出会って、「やっぱそうだよね。雇用制度おかしいよね。」と思ってうちのオンラインサロンに取り入れたら、ギスギスしなくてむしろ楽しいんですよね。

 

今井紀明
お金を払ってもらってるからこそ、逆に一緒に動きやすくなることもありますよね。

僕自身もNPO未来ラボという75名ほどのオンラインサロンを始めたら経営者や企業勤めの人たち、あとNPOをやっているメンバー達がすごい集まり始めてきました。今そんなふうにどんどんコミュニティ作りが進んでいって面白いんですよね。

 

正田圭
そうですね。今までの雇用は社長が本来やる仕事でないものを従業員にパスするイメージがあったと思います。

けど、逆に労働というコンテンツをいかに面白い形で届るか考えたり、何か失敗したとしてもお金を払ってるから「ちゃんとやれよ」と思ってたのが、こちらは単に機会提供しているだけで、失敗したら失敗したでみんなで考えようっていうふうに落ち着くんですよね。

いい仕事は買いに行く時代!

今井紀明
起業するのもいいけど、こんなふうに働き方を変えるという面白さもあります。一緒に動くメンバーの集め方も多様な形になったのを強烈に感じます。

 

正田圭
そうですね。逆に言えば何かいい仕事や経験を積みたかったらいい仕事を買いに行く時代なんですよね。

買わないといい仕事は手に入らないけど、いい仕事というのは自分の成長させてくれる機会にもなるし、いろんな人と知り合う機会にもなります。「若い時の苦労は買ってでもしろ」という昔の人の言葉はいま戻ってきてる感じがします。

 

イケダ・ハヤト
僕の住んでる山奥だとそもそも雇用が生まれません。みんな事業者中心の文化圏なので。

僕のいる山奥には若い人が結構集まっていて、皆さん自営業者前提でTwitterやブログもやってるし、最近はvaluやブロックチェーンも理解しながら個人の力で生きるようになっています。

仲間たちと一緒にプロジェクト単位で面白いことしたり、外から人呼んで短期的な仕事をしたり、すごくギルドっぽい動き方がどんどんスタンダードになっていくような感じはします。

 

今井紀明
イケハヤさんの場合、組織体制はどんなふうになってますか?

 

イケダ・ハヤト
僕と妻だけ役員で従業員がいないのです。常時お金を払ってるのが6人から7人ぐらいで、業務委託です。

うちはすごい会社の条件が良くて、毎月10万払うけど何でも勝手にやってね!というベーシックインカム・スタイルです。一応、面接があるんですけど面白いなぁと思う奴には無条件でお金をあげてます。だいたいみんな2年で卒業していきますね。

意外と知られていない大学に行く意義とは?

正田圭 今井紀明 イケハヤ

正田圭
正直ベンチャー界隈で大学のネットワークが強いのは東大と早稲田

最近のトレンドでは、開成中学、開成高校、東大。このキャリアを通って来ている人は滅茶苦茶仲が良いし、大体有名どころのベンチャー企業には開成高卒と東大卒が散らばっているから開成ネットワークがとても強いと正直思います。

あと早稲田は先輩・後輩関係が強いです。なので、東大や早稲田ならちょっとしたネタ作りにはいいです。

今やりたいことがある訳ではないから4年間どっかで時間潰すのなら、東大か早稲田で潰すのがいいです。でも今やりたいことがあるなら、学歴はあまり関係ないから起業をしたらいいと思います。

 

今井紀明
それとプラスして、やりたいことが決まっていたら、普通に後で大学に入る選択肢が今できています。

うちの高校生でもいるんですけど、高卒で就職した後に大学に行くという子が、結構卒業生の中で出てきました。自分の選択肢として今ほんとにやりたいことがなかったら大学にいってみるのもありだし、高卒で企業で働いてみるのも全然ありだと思う。

あんまり心配しないで自分の本能に従ってやった方がいいと思います。

 

正田圭
自分が大学に行かなくて思ったのが、海外の選択肢は大学卒業してないとちょっと減ります。

アメリカの方のほうが日本より全然学歴社会で、僕が1度、27歳くらいに会社売却した時、海外でMBAを取るのもいい思って行こうとしてたんです。けど結局、大学卒業してなかったのでダメになりました。海外で何かやろうとすると意外と「大卒ですか?」と聞かれることが多くて。

 

今井紀明
日本だとMBAは高卒でもいけると聞いたことがあります。海外の方が厳しいです。

 

正田圭
大学卒業していない奴は結構下に見てくる風潮もあるから。

 

イケダ・ハヤト
僕が住んでいる集落にフランス人の方が住みたいと言って交渉してました。結局大学を卒業していないということで、ビザが下りなくてちょうど先週帰っていきました。

 

今井紀明
そういうリスクがあるんですね。

 

イケダ・ハヤト
これ意外と知らないんですよね。そういうことがあるんだったら、大学に行っておいてもいいかもなって思いました。

大学を出てると言うことが今の社会の中では残念ながら海外滞在したときに見られるので、海外に将来行きたいというのであれば、ちゃんとリサーチしておいた方がいいと思いました。

最後に中高生へメッセージ

正田圭 大阪対談

イケダ・ハヤト
中高生のみなさんには僕から1000円分のイーサリアムをプレゼントします。ブロックチェーンやイーサリアムについてわからない人はこれから未来の新しい技術を一緒に学んでいきましょう。

 

正田圭
僕が今日思ったのは、起業するにしても人のやってる事に首突っ込んでいかないと自分の原体験にならないということです。何もせずただ単に見てるだけだと実際の感覚が身に付いてこないです。

自分でDMを送って、情報発信して、面白そうだなって相手に思われたら会える確率も高くなります。そして、実際に会いに行って関わっていくことによって何が儲かりそうで何が儲からなさそうか、あと自分の好き嫌いも見えてきます。

なので、ぜひどんどん情報発信していろんなところに首突っ込んでみてください

 

今井紀明
僕は起業をテーマにこれだけの中高生の人が来てくれて嬉しかったなと思うし、今日からなにか行動したり、または巻き込まれたり、逆に自分で仕事を買うみたいな感じでpediaサロンに入ってもらうのもありかなとも思ってます。

今日ほんとにありがとうございました。

 

取材・編集:芳尾 俊孝

プロフィール

正田 圭 (まさだけい)(Twitter:@keimasada222)

連続起業家・ TIGALA株式会社代表取締役。15歳で起業し、インターネット事業を売却後、M&Aサービスを展開。事業再生の計画策定や企業価値評価業務に従事。2011年にTIGALA株式会社を設⽴し代表取締役に就任。テクノロジーを用いてストラクチャードファイナンスや企業グループ内再編等の投資銀⾏サービスを提供することを目的とする。2017年12月より、スタートアップメディア「pedia」を運営。

著書に『サクッと起業してサクッと売却する』『ファイナンスこそが最強の意思決定術である。』『ビジネスの世界で戦うのならファイナンスから始めなさい。』『15歳で起業したぼくが社⻑になって学んだこと』(いずれもCCCメディアハウス刊)、『この時代に投資家になるということ』がある。

 

イケダ・ハヤト(Twitter:@IHayato)

プロ・ブロガー。SNS発の新世代論客。神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、大手半導体メーカーを経て、ベンチャー企業トライバルメディアハウスでSNSマーケティングコンサルティング事業部を立ち上げる。2011年4月、フリーランスとして独立。ブログ、ツイッターで積極的に情報発信を行う。ブログ「イケハヤ書店」からのみで年間500万円を売り上げ、月間のPV数は130万に到達。多摩大学経営情報学部非常勤講師も務める。著書に『年収150万円で僕らは自由に生きていく』(星海社新書)、『武器としての書く技術』(中経出版)などがある。

 

 

今井 紀明(いまい のりあき)(Twitter:@NoriakiImai)

認定NPO法人D×P(ディーピー)共同代表。立命館アジア太平洋大学(APU)卒。高校生のとき、イラクの子どもたちのために医療支援NGOを設立。その活動のために、当時、紛争地域だったイラクへ渡航。その際、現地の武装勢力に人質として拘束され、帰国後「自己責任」の言葉のもと、日本社会から大きなバッシングを受ける。結果、対人恐怖症になるも、大学進学後、友人らに支えられ復帰。偶然、通信制高校の先生から通信制高校の生徒が抱える課題に出会う。親や先生から否定された経験を持つ生徒たちと自身のバッシングされた経験が重なり、何かできないかと任意団体Dream Possibilityを設立。大阪の専門商社勤務を経て、2012年にNPO法人D×Pを設立。通信制・定時制高校の高校生向けのキャリア教育事業を関西で展開し、「ひとりひとりの若者が自分の未来に希望を持てる社会」を目指して行動している。

 

 

今井紀明氏が代表する「認定NPO法人DxP」のサポーターになりませんか?

「DxP(ディーピー)」は通信・定時制高校の高校生を支援するNPOです。
私たちは普段、定時制高校や通信制高校で、「人とのつながり」をつくるための授業や食事の無料提供も行う居場所事業。そして、高校生が卒業後に自分らしく生きていくシゴトを一緒に考え、つくっていく事業を行なっています。

‪月々1000円のサポーターが10人集まると、つながりをつくる授業「クレッシェンド」を1クラス1回、公立高校に届けることができます。‬
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