エレベーターピッチとは?作り方やコツも含めて解説!

ELEVATOR PITCH
エレベーターピッチという言葉を聞いたことはありますか?

スタートアップ界隈では比較的使われる用語であり、起業家が投資を受けるために、投資家に向けて行う数十秒のプレゼンを指すことが多いです。

この記事ではそんなエレベーターピッチについて、その作成方法や構成作り、良いエレベーターピッチを行うコツなどを紹介していきます。

エレベーターピッチとは

エレベーターピッチ

エレベーターピッチとは、「15秒から30秒といった数十秒の短い時間でプレゼンを行い、ビジネスチャンスへと繋げる」というテクニックになります。

スタートアップ界隈でよく使われる言葉で、「起業家が投資を受けるために、投資家やVCの人に向けて行われるもの」を指すことが多いです。ピッチそのものも短いプレゼンとして位置付けられることが多いですが、エレベーターピッチはそのピッチをさらに短くしたバージョンになります。

エレベーターピッチとプレゼンの違いについて記事をまとめました。よければこちらをご覧ください。

そんなエレベーターピッチですが、IT企業の聖地と言われるシリコンバレーが発祥の地と言われています。

シリコンバレーにはたくさんのスタートアップがあり、そこでは起業家が投資家から投資を受けるべく、ピッチを行うなどしてアタックしているのですが、それが時にはエレベーター内で行われることも。投資家に対していかに自社の事業が魅力的かを、エレベーターが次の階に着くまでに簡潔かつ明快にプレゼンをしているのです。

それから数十秒で行うピッチをエレベーターピッチというようになり、日本のスタートアップ界隈にも広まっていきました。

エレベーターピッチの基本・作成方法

エレベーターピッチエレベーターピッチは、論理的かつ簡潔明快に、そして相手の心に刺さるような構成や実践が必要です。そしてこのようなピッチを行うためには、構成作りや実践において基本的な型が存在します。

ただ勢いだけで挑むと熱意は伝わるかもしれませんが、内容をうまく伝えることができなければ次のビジネスステップ(投資をしてもらうor詳しく話を聞いてもらうなど)へと進むのは厳しいかもしれません。

基本的な型を用いて構成を作り、それに基づいて実際にピッチ行うことで、より良いエレベーターピッチができるようになります。

ここからは、その構成作りや実践での型について説明します。

GTCメモで話す内容を簡潔かつ明確にする

GTCメモというのは、Goal(自分のゴール)、Target(相手が欲しいもの)、Connect(GとTをつなぐアプローチ方法など)の頭文字をとったものになります。

話そうと思っている内容をこのGTCメモに落とし込むことで、伝えたいポイントを明確にすることができます。

Goal(自分のゴール)

Gの(自分のゴール)は自分の望み、目的です。「ただ暇だから何となく~」という人は別として、ご自分の話しの目的(ゴール)を明確にしておきましょう。

例として、GTCメモで伝えるべき内容が以下のような文だとします。

あなたの会社は、セールストレーニングプログラムを販売する研修会社です。この会社が、営業先へエレベーターピッチをするとしたら、以下のようになります。

  1.  弊社は、セールスチームの営業成果を10倍に引き上げるトレーニングプログラムを提供しています。
  2. ほとんどの会社は、営業プロセスに大きな無駄があるため、みすみす顧客を取り逃がしています。
  3. 大抵のプログラムは終始、表面的なスキルを教えていますが、我々はセールスチームの文化そのものを変革させます。
  4. 御社がより高い営業成果を目指しているのであれば、ぜひ弊社プログラムの無料体験を試してください。

ここでG(自分のゴール)で相手に伝えるために明確にしておくべき内容は「弊社は、セールスチームの営業成果を10倍に引き上げるトレーニングプログラムを提供しています。」の部分です。

この文が表している意味は「取り扱っているトレーニングプログラムを売りたい」というのがこの文でいうG(自分のゴール)です。

この部分を明確にしていれば、相手に伝わりやすくなります。

Target(相手が欲しいもの)

T(相手の欲しいもの)はしっかりと伝えたい相手の分析をしておかなくてはなりません。なぜなら、相手にとってGは他人事だからです。相手を動かすためには、自分事として捉えてもらえるような仕掛けが必要になります。ここがGTCの要(かなめ)です。

以上の例文から、T(相手の欲しいもの)を表しているのは「御社がより高い営業成果を目指している」の部分です。相手がより高い営業成績を目標としているのであれば、このエレベーターピッチは自分ごとのように相手に刺さります。

相手が得たいもの(T)により、2つをつなぐアプローチ(C)が変わってきますので、しっかりと見定めることが肝心です。

Connect(GとCをつなぐアプローチ)

Tがそのプログラムの導入を検討している人であれば、投資メリットを感じてもらえるようなフレーズをCに書き込みます。つまり、相手に導入までしてもらうため最後の一押し「キラーワード」を作る必要があります。

上の例文からだと、「ぜひ弊社プログラムの無料体験を試してください。」の部分「無料」というのがこの例文のキラーワードになります。

例えば、「永久保証させていただきます」「今なら半額でご利用いただけます」など最後に伝えることができれば、成功する確率がグンと高くなると思われます。

3つの構成ポイント

GTCメモで明快になった内容を、今度は実際に話す場合を想定して構成立てていく必要があります。

構成は

  • フック(=つかみの部分)
  • ポイント(話しのキモ)
  • クロージング(行動を促すような)

の3つが基本です。

フック(=つかみの部分)
フックは最初の掴みの部分ですね。ここで相手の心をガシっと掴めるようなインパクトがあるといいでしょう。

例えば、「こんなものがあったらいいと思いませんか?」など相手に質問を投げて見るのも手です。

ポイント(話しのキモ)
ポイントというのは、実際の事業内容や事業計画などの部分になります。GTCメモでいうと、TやCの要素がここに盛り込まれます。

一つ注意しておきたいのが、熱心に伝えようとするあまり、話す内容を盛り込みすぎてしまうという点です。そうなると、間延びしてし伝えたいキモの部分がうまく伝わらなかったり、ブレてしまったりするので、ポイントで話す内容は多くても3つ程度に収めましょう。

クロージング(行動を促すような)
そして、最後がクロージングです。ここでは、相手の行動を促すようなフレーズ選びが必要になります。

時間的な制限を設けたり、希少性を出したり、具体的数値を出したりなどして工夫をしていくとより効果的です。

エレベーターピッチの効果的な練習方法

エレベーターピッチ練習

では、エレベーターピッチの練習はどのようにしたら良いのでしょうか。練習方法の一例として参考にしてください。

基本的に一人でも気軽に練習が可能です。まずは前項にあったGTCメモや作成した構成を見ながら、早口にならないように話す練習をしましょう。短い時間なので、聞き返されてしまうとその分の時間がロスになってしまいます。

慣れてきたらメモを見ずに話してみましょう。また、ある程度話せるようになったら、今度は時間を計って30秒までに収まるように調整していきましょう。

時間内に収まるようになったら、どんどん周りの人に聞いてもらうようにしましょう。その際チェックするポイントは、

  • フックでちゃんと相手をつかめているか
  • ポイントがちゃんと伝わっているか

この2点です。

録音して何度も聴き直し、改善できるところは改善しましょう。また、これを何度も繰り返してブラッシュアップしましょう。

良いエレベーターピッチをするコツ

ビジネスモデルキャンバスエレベーターピッチはたったの数十秒という短い時間しかないので、その短い間に最高のパフォーマンスを発揮する必要があります。

良いエレベーターピッチをするためにもこれから紹介するコツを実践してみましょう。

専門用語をなるべく使用しない

エレベーターピッチ (ピッチも同様)においては、専門用語を使うことはあまりオススメできません。もし聞いている相手がその専門用語をわからなかった場合に、説明する必要が出てきてしまうからです。

ただでさえ時間がない中、専門用語の説明などに時間を使うのは非常にもったいないです。

なので、なるべく専門用語は使わない方がいいでしょう。(事業内容によっては使った方がいいor使わざるを得ない場合もあります)

早口にならないように意識する

エレベーターピッチはほんの数十秒しかないので、ついつい早口になりがちです。

しかし、早口で喋ることにより相手にうまく伝わらず、覚えてもらえない可能性があります。

伝えたい重要な部分をしっかりと伝え、相手に覚えてもらうためにも、できるだけハッキリと聞き取りやすいように喋ることを心がけましょう。

そしてそうするためには、やはり構成作りが重要であり、GTCメモなどを通して話す内容をきちんと絞っておきましょう

ユニークさを意識する

エレベーターピッチにおいては、「覚えてもらう」ということも非常に重要です。つまりインパクトを残す必要があるということですね。

そのためには、一つ一つの言葉選びが重要になってきます。事業内容自体がユニークであればいいのですが、中には似通っている場合もあるでしょう。

そういう場合はエレベーターピッチで使う言葉自体の選び方(表現の仕方など)が重要であり、そこでユニークさを出していく必要があります。

テンプレート

エレベーターピッチの構成は、非常にシンプルです。この4つだけを覚えててください。

  1. 自分が提供できるものは何か
  2. 相手が抱える問題点は何か
  3. 自分の競合相手と異なる独自性は何か
  4. 相手に決定して欲しいことは何か

30秒ピッチであれば、各項目7秒ずつ。文章にすれば、1行か2行という内容です。

逆に言えば、この4つの重要なポイントを「いかにして、一言で言い表せるか」が最大の決め手なのです。

例えば、1.をプレゼンする時、普通の商談であれば、それだけで4,5枚もプレゼンスライドがあり、15分もかけて話しているかもしれません。その内容を一言に圧縮します。

複雑なビジネスプランを徹底的なまでにシンプルに表現できることによって初めて、あなたが何者であり、相手に何を届けようとしているのかが伝わります。

ここでは、実際に例文を挙げてみますので、ご自身のビジネスに当てはめて書き直してみてください。

例文

例文を一つ紹介します。

あなたは、医療コミュニケーションツールを開発する起業家だとします。ベンチャーキャピタルへエレベーターピッチをするとしたら、以下のようになります。

  1. 弊社は、世界中どんな場所にいても、遠隔システムでハイレベルな医療サービスが受けられる医療器具を開発しています。
  2. インフラが整っていない地域では十分な医療が提供できませんが、我々はこれを解決することができます。
  3. 他社のシステムは導入に膨大な費用がかかりますが、弊社のシステムを使えば、クラウドサービスで安価にかつ誰でも簡単に使うことできます。
  4. 御社がこの事業に1億ドルを出資して頂ければ、少なくとも5倍のリターンは見込むことができると思われます。

この例文だと、事業の細かい部分が全く分からないではないかと感じたかもしれませんが、相手に伝わればいいのです。繰り返しますが、エレベーターピッチで重要なことは、あなたが何者で、何をしようとしており、それにどんな価値が期待できるのか、が伝わるということです。相手の関心を惹くことさえできれば、細かな点のフォローは後で十分に可能です。

また、いろんな人と話をしているうちに起業方法や資金調達の方法を考えるかと思います。起業に関する資金調達方法や起業する方法などまとめています。こちらもよければご覧下さい。

まとめ

ピッチ(プレゼン)は時間が短ければ短いほど難しいと言われており、ほんの数十秒しか時間がないエレベーターピッチは非常に難しいと言えるでしょう(限られた時間で最高のパフォーマンスをだすため)。

ただ、闇雲に熱意だけで挑むのは得策ではありません。せっかくのビジネスチャンスを棒に振ってしまう可能性があります。

そこでしっかりとチャンスをモノにするためにも、ここで紹介した基本的な型を身につけ、事前準備をしっかりし、それを元に練習を重ねることで、よりハイクオリティなエレベーターピッチができるようになるでしょう。