プロパー融資とは?特徴から融資を受ける条件についてを解説!

プロパー融資 メリット

金融機関から融資にて資金調達を行う際、「プロパー融資」をすすめられることがあります。プロパー融資は、一般的な「信用保証協会付融資」と対をなす融資の形です。

ただ、プロパー融資についていまひとつ理解しきれていない方もいるのではないでしょうか?そこで、当記事では「プロパー融資」について、その仕組みをはじめ、融資を受ける条件やメリット・デメリットを解説していきます。

そもそもプロパー融資とは何か

プロパー融資 解説

プロパー融資とは、信用保証協会を介することなく、銀行が独自に判断して企業に対して融資を行うことです。簡単にいうと、企業が銀行から直接融資を受けるということです。

プロパー融資という名前は、プロパー(proper)の「本来である」という意味から来ています。直接的に企業へ融資をして利息を得るのが、本来の銀行のビジネスモデルなのです。

銀行が直接企業に対して融資を行うため、もし企業が倒産した場合には銀行に資金は返済されません。銀行にとってはリスクの高い融資になるので、一般的な保証協会付融資よりも審査が厳しいものになります。

限度額がない融資

プロパー融資の大きな特徴として、限度額がない融資であるということがあげられます。一般的な保証協会付融資には融資限度額というものがあり、金融機関側の出資する額に制限をかけています。

プロパー融資は、金融機関が独自に行うので、金額についても金融機関が自由に設定できます。もちろん、金融機関の審査によって上限は決められますが、概念上は限度額なしに融資を受けられるようになっています。

保証料がかからない

保証協会付融資は、受ける際に保証料を支払う必要性があります。

保証料については借入金額や返済期間によって変動しますが、おおよそ0.5~5%となっています。1億円の融資を受けた場合は50~500万円の保証料がかかることになります。

プロパー融資では、保証協会を挟まないので、この保証料が発生しません。プロパー融資の方がお得な融資であるといえます。

金利は一般的には高くなる

一般的に、プロパー融資の金利は保証協会付融資より高くなる傾向があります。

保証協会付融資の場合は、仮に融資先が返済不可能となっても保証協会からある程度のお金は回収できますが、プロパー融資の場合、融資先が返済不可能になった場合、お金が返ってくることはありません。金融機関はそれだけ高いリスクを背負っているため、高いリターンを要求します。そのため、保証協会付融資よりもプロパー融資の方が金利が高くなる傾向があります。

金融機関の介入が大きい

プロパー融資を受けた場合、出資した金融機関からの事業介入が発生することがあります。なぜなら出資先の返済能力が下がると、金融機関にとっては返済されなくなるリスクが高まる可能性があるからです。

例えば融資先が保有している店舗の内の1つを売却した場合、その店舗の出店費用をプロパー融資でまかなっていた場合は全額即時返済が要求される、といったことも起こる可能性があります。

短期融資のものが多い

プロパー融資は、基本的に短期融資のものが多いです。仮にプロパー融資を受けた企業が倒産した際、融資した額は金融機関へ戻ってきません。そのため、金融機関はリスクを小さくするために返済期間を短く設定することが多いです。

具体的にいうと、保証協会付きの融資の場合が7年といった期間にも設定できるのに対し、プロパー融資はせいぜい3年〜5年です。ちなみに短期融資の場合は金利が安く、長期融資の場合は金利が高くなります。

返済期間が短いと毎月の返済額が多くなるため、審査が厳しくなります。しかし、常に実績を上げ続けているような大企業や、様々な銀行からの借入実績と、それらの返済実績が積み上げられた企業であれば、長期融資を受けられる可能性が出てきます。プロパー融資は、企業と金融機関の信頼関係から成立しているのです。

担保を要求される

融資した企業が倒産した場合にお金が返ってこないリスクがあるので、プロパー融資には、基本的に金融機関から担保の設定が要求されます。担保を取ることで、金融機関は企業が倒産した際にある程度の資金を回収するのが目的です。

担保の種類は、会社の土地や建物、経営者の家といった不動産での担保を設定するのが一般的です。

プロパー融資を受ける条件

プロパー融資 条件

では、プロパー融資を受けるにはどのようにすれば良いかをこれから述べていきます。

起業時は受けられない?

まず、少なくとも起業してすぐや起業する前にプロパー融資を受けることはできません。というのも、銀行にとってプロパー融資はリスクが高いものなので、実績のない会社にはプロパー融資をしません。

プロパー融資はある程度経営年数がある企業が、融資を受けられる可能性があります。目安としては少なくとも3期以上、5〜7期を超えたタイミングで受けられるようになると考えておきましょう。

信用を高めていく

上記でも述べたように、プロパー融資を受けるには非常に厳しい審査を通過する必要があります。

そのためには、少しずつ信用を高めていくしかありません。具体的な方法として、以下のものがあげられます。

  • 業務年数が長い
  • 借入した経歴がある
  • 借入金を返済した経歴がある
  • 自己資本保有率が高い
  • 当期利益が大きいこと

まず、上記でも述べたように営業年数自体が実績として見られます。営業年数が長いほど、資金繰りが上手であったり、うまく資金調達を行なっているとみなされるためです。

また、借入実績や返済実績も大きく影響してきます。過去の事実として、これらの実績があることで事業の将来性や収益を得る力、そして企業に返済する能力があると見られるためです。

さらに、自己資本比率が高いことも審査が通りやすくなる要素になります。自己資金が多いほど、資金繰りが楽であるということから、プロパー融資に限らず融資が受けやすくなります。

加えて、当期利益が大きいことも審査を通りやすくなるするポイントになります。これは単純に過去に利益が出ていることを証明できるためで、将来的にも利益を発生させることが見込めるからです。それにより審査が通りやすくなります。

全ての方法をまとめると、要は長年黒字経営で企業を運営していけば融資を受けられるようになっていくと言えます。

利用目的が明確であること

なぜ融資を受けたいのかについての理由が明確であるほど、プロパー融資は受けやすくなります。

例えば、「半年後に入金が確実ではあるが、それまでの間にある一定額の資金がないと資金繰りに困るために借入を行いたい」というように、将来の返済能力が明白で、かつ的確な利用目的があればプロパー融資を受けることが可能です。

保証協会付融資の限度額を超える場合

保証協会付融資における、無担保での融資の上限は8000万円になっています。これ以上の金額の融資を受ける場合、担保を出しての融資かプロパー融資でしか受けられなくなります。その際に金融機関側からプロパー融資を提案されることがあります。

プロパー融資のメリットとデメリット

プロパー融資 メリット デメリット

上記でもプロパー融資の利点についてを述べてきましたが、一度ここでメリットとデメリットをそれぞれまとめます。

メリット

プロパー融資のメリットとして、以下の点が挙げられます。

  • 限度額が実質ない
  • 保証料が発生しない
  • 信用保証協会付融資の枠を空けられる

このうち、信用保証協会付き融資枠をあけられることについてはまだ述べていないので解説していきます。

保証協会付き融資の場合、上限が担保付きで2億8000万円、無担保で8000万円に設定されています。しかもこの金額は、全ての銀行からの借入を合算したものです。そのため、いざという時に信用保証協会付融資からばかり融資を受けていると借入ができなくなってしまうことがあります。

一方で、プロパー融資にはそのような制限も枠もありません。そのため、プロパー融資が使えるようになったらそちらを優先的に使用し、いざという時に保証協会付融資をいつでも受けられる、といった形が取れるようになります。

ちなみにプロパー融資はデットファイナンスのため、利益を還元しなくて良い上に、発生した利息は節税にも繋がります。

デットファイナンスについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

デメリット

一方でデメリットも存在します。以下の点がデメリットとしてあげられます。

  • 審査が厳しい
  • 審査に時間がかかる
  • 代表者以外の保証人を求められる
  • 基本短期の融資になる

プロパー融資では担保をとるという話を上記で行いました。それに加えて、時にプロパー融資は代表者以外の保証人を、いわゆる連帯保証人のような形式で要求されます。

また、審査に時間がかかることもデメリットといえます。全てのリスクを金融機関側が背負うことになり、審査がより慎重にならざるをえないためです。

 

金利の相場とできるだけ安くする方法

できるだけ金利を安くするにはどうしたら良いの?

これまででプロパー融資の金利が高いということはわかったと思います。では、その相場はどのくらいでしょうか。これに関しては各銀行なども公表していませんが、基本的には変動金利となっています。一般的な金利相場は2.0〜3.0%が多いようです。

プロパー融資の金利が安くないというものの、例えば金利5%と15%では年間でかなり金額の差が開いてしまいますよね。できるだけ安くしたければ、どんな手が打てるでしょうか?

プロパー融資は、実は交渉することができます。複数の銀行に見積もりをしてもらい、「A社に○%で融資してくれると言われているのですが…」というように交渉してみましょう。

また、担当者との信頼関係を作っておくことも重要となるでしょう。それ以外にも、あらかじめ高い金利の方で融資を受けておいて、後から低い金利の融資に乗り換えるという方法もあります。

格付け

銀行には企業の格付けというものがあります。10〜12段階が一般的です。決算書を使って判断しています。

長期的に見るならば、企業の格付けを上げる努力をしてみても良いかもしれませんね。

企業の格付けを上げるために有効なことを以下にまとめました。

  • 自社の格付けを把握する
  • 固定費を削減する
  • 限界利益率を改善する
  • 資産と負債のバランスをとる
  • 自己資本比率を改善する

まずは自社の格付けを知り、その上でどこが足りないのかを把握することが大切です。

債務者区分

債務者区分とは、銀行の融資において返済能力があるかどうかを判断するものです。財務状況、資金繰り、収益などで判断しています。

この区分には大きく5種類あります。

  1. 正常先(業績が良く財務内容に問題がない・債務償還年数10年以内)
  2. 要注意先(業績が低調で財務内容に問題がある・債務償還年数10年以上・リスケジュールしている)
  3. 破綻懸念先(経営破綻に陥る可能性が大きい)
  4. 実質破綻先(事業継続の可能性があまりない)
  5. 破綻先(法的破綻している・事業継続が絶たれた)

2の要注意先の中にはさらに、要管理先という区分があります。3ヶ月以上の延滞か貸出条件緩和を受けている場合はここに分類されます。

1の正常先であれば融資を受けることが可能と判断されます。

債務者区分は格付けと対応関係にあり、同様に融資条件にもなっています。例えば、格付け10段階中1〜6までが正常先にあたる、といったようなパターンが多いです。

債務者区分が正常先であり、さらに格付けでも評価が高ければ、1.0%程度の金利で貸すということもあるようです。しかし、これはあくまでも一部であり、一般的に銀行プロパー融資の金利が日本政策金融公庫などの金利に比べて安いということはありません。

まとめ

プロパー融資 とは

プロパー融資について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

プロパー融資は、制限額が実質ないので、有効活用することでビジネスを大きく前進させる事が可能な手段となっています。また、プロパー融資を通じて金融機関との信用もどんどん構築していくことが可能となるため、ますます事業を進めていくことが可能となるでしょう。

ある程度事業を行なってきて、事業拡大の資金調達をデットファイナンスで考えている方は、プロパー融資も視野に入れてみてはいかがでしょうか?