ミレニアル世代の会社売却は新しいお金2.0?【山田真哉×箕輪厚介】後編

pediaによる山田真哉×箕輪厚介の初対談企画(後編)

山田真哉(写真右):公認会計士・税理士・一般財団法人 芸能文化会計財団理事長。主な著書は『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』。

箕輪厚介(写真中央):幻冬社編集者。主な担当した書籍に『多動力』『ネオヒルズジャパン』などがある。株式会社エクソダスの取締役も務める。

正田圭(写真左):シリアルアントレプレナー(連続起業家)、TIGALA株式会社代表取締役。著書に『サクッと起業してサクッと売却する』『ビジネスの世界で戦うのならファイナンスから始めなさい。』などがある。

前編はこちら

ベンチャー企業の資金調達について

箕輪厚介
いやー、でも、絶対これ、会社を売却しないとだめだな。役員報酬じゃ資産は増えない。

山田さん、正田さん、冷静に考えて、僕って資金調達できますかね?このビジネスモデルで。てか、ぶっちゃけ資金調達って僕よくわかってないんですけど、どうやってお金をもらうことが資金調達なんですか?

 

山田真哉
まず1つ目の質問ですが、資金調達できるかとか、売れるかとかは、正田さんの専門分野なのでアレですが、ほぼほぼ、文脈作りっちゃ、文脈作りの話ですね。文脈に実績が追い付いて、更に、その先の文脈を作っていくと価値が高まって売れるようになるっていう・・・。

2つ目の質問の、ベンチャー企業の資金調達のやり方ですが、これは、新しく会社で株を発行して、その対価としてお金を受け取るやり方で調達します。

 

箕輪厚介
僕、51パーセントの株を持って、49パーセントを、いろんな人に持ってもらえばよいんですかね?。

 

正田圭
多過ぎです。

 

箕輪厚介
多過ぎ?

 

正田圭
90パーぐらい持っておいて。これ、オンラインサロンと一緒です。10パーセントしか放出せずに、売り切れの状態を作るんですよ。次の調達のときに、出せなかった人たちから、もっと高いバリエーションで集めるんです。

 

箕輪厚介
なるほど。

 

正田圭
同じですよ。オンラインサロンと。

 

箕輪厚介
なるほどなるほど。めっちゃ勉強になるな。で、僕が会社を売却すれば、お金を出した人たちが報われるって仕組みなんですね?

 

山田真哉
ですね。

 

箕輪厚介
俺、10億で売りたい。5億だとこころもとないわ。

 

正田圭
でも、最初に多くのバリエーションで調達しておいて、10億で売るとか、そのぐらいの。

 

箕輪厚介
ある。10億のキャッシュは欲しい。お金2.0の世界。

 

正田圭
お金2.0ってそんな話だっけ?笑

あと、10億のキャッシュ残したいならもっと高く売らないと。税金が20パーセント掛かるから。

 

箕輪厚介
まあ、いいよ。手残り8億でも。なくはない。明日、売りたいな。明日。

 

山田真哉
まだ作ってないですからね、会社笑。

 

正田圭
1回売って、キャッシュがゴンと入ってくると、すごいアドレナリンが出るんですよね、僕だけかもしれませんが。僕は1カ月ぐらいアドレナリン出っ放しになります。

 

箕輪厚介
いいな。出したい。アドレナリン。売った後、派手に買い物したりするんですか?例えば何を買うの?

 

正田圭
僕は特にお金使うことないんで、特に買い物はしないですね。嫁は、ダイヤやバーキンを大量に買ってますね。

 

山田真哉
バーキンは売れるんですよね。

 

正田圭
売れますね。買った値段よりも高く。

 

箕輪厚介
バーキンって値上がりするんですか。

 

正田圭
250万のプレシャスレザーのバーキンを買ったんですよ。250万のバーキンを買って、その足で、向かいの大黒屋に行って、これ、いくらになる?って査定させたら、450万とか、そんな世界ですよ。

 

箕輪厚介
なんで?

 

正田圭
基本的に、バーキンって顧客にしか出さないんですよ。しかも普通の牛革でもレアだけど、オーストリッチとかクロコになると、更にお得意さまとかにしか出してくれなかったりするから。市場価格がもうおかしなことになっていて。クロコとかだと1,000万ぐらいで取り引きされているし。

 

箕輪厚介
超面白い。

 

正田圭
なので、買った瞬間に倍ぐらいで買ってもらえるんです。

 

箕輪厚介
永遠に、それをやればいいじゃん。俺、その会社やるわ。

 

正田圭
その会社、あるんですよ。いっぱい。西麻布とかにもいっぱいあります。もう、エルメスの並行輸入に特化している路面店とかを持っている会社とかもいっぱいあって。買えないから顧客のふりして、従業員たちに顧客っぽい感じでマダムっぽい格好で買い物させて、とにかくバーキンを買ってこいって感じ。全世界がマーケットだから、海外も。

でもね、これって箕輪さんがやってることと理屈は一緒なんですよ。エルメスも良質なコミュニティ作りがうまい会社ってことです。

クローズドなコミュニティを形成していて、エルメス好きとか、エルメスのことをよく分かっているとか、エルメスの服とか家具とかを大量に買っているやつにしかバーキンは出さないって決めるんです。そして、ごくごく限られたタイミングで、パッと出して売るっていう。

年間に作れる個数をある程度決めてしまっていて、単価も徐々に毎年上げているんですよ。

 

箕輪厚介
大事だね。オンラインサロンもそうだし、さっきの株の話も同じだ。まじで会社売るの俺向いてるかもしれない。

 

山田真哉
ミレニアル世代の人たちっていうのは、短期でガッと稼ぐのが好きみたいな話をちょこちょこ聞くのですが、本当なんですね。
箕輪厚介
金が欲しいっていうよりも、ゲーム的な感覚なんですよ。

 

正田圭
ミレニアル世代の富裕層は、リスク選好度が高いって、よく言われていて、3パーセントのリターンの不動産とか、そういうのは、嫌いなんですよ。ハイリスク、ハイリターンのものを好む

 

箕輪厚介
ビットコインとか。

 

正田圭
そうです。

 

箕輪厚介
ゲーミフィケーションみたい。ゲームが好きなんだよね。

 

正田圭
更に、社会的意義とか、何か他の文脈を求めたがるっていうのはあって。

 

箕輪厚介
確かに。

 

正田圭
キャンプファイヤーとかも、人気が出る理由って、ミレニアル世代層がやっぱりある。人助けっていう文脈も好きだし。

 

箕輪厚介
なるほどね。あるな。

 

正田圭
でも、当たり前なんですよ。稼ぎ方がもう昔と変わっているから。それは運用する方法も変わってくるに決まっていて。

 

箕輪厚介
楽しいな。

 

山田真哉
でも、ゲーム好きだっていうのは、すごく腑に落ちましたね。そういうことか。

 

箕輪厚介
ゲーム感覚でやるんですよ。

 

山田真哉
人生がゲームだから、それは楽しいですね。

 

箕輪厚介
Go to 売却あるね。正田さんのビジネスってこういうののサポートをしてるんですよね?

 

正田圭
そうですよ。うち(TIGALA)って、言ってみればこういうのサポートをする会社ですから。株式という一見わかりにくい資産をキャッシュに換えて、ミレニアル世代の富裕層をどんどん作り出すビジネスだと自分では認識しています。

 

箕輪厚介
そうだ。まさに。ミレニアル世代富裕層だよ。

 

正田圭
今のミレニアル世代富裕層って会社作って売った人とか、YouTuberとか、仮想通貨で儲けた人とかで、こんなん今までいなかったんですよね。

箕輪さんだって、そういう意味では典型的なミレニアル世代富裕層。

箕輪さんは、元々Twitterのフォロワーをたくさん持っていたんですよね。それって、言ってみれば昔の世代の人たちからしたら、特に価値を感じていなかったものなんですよ。

別に昔の人からすれば、ビットコインもフォロワーもあんまり変わらない「よくわからないもの」なんです。ただ、そのフォロワーっていう資産が、何か知らないけど、マネタイズできてお金に変わっている状態になってしまった。フォロワーを持っている人が、現金を持って、株式会社作って、また売却して、また富を得てっていう。それをじゃあ、また投資していくみたいな、こういう時代ですよ。

 

箕輪厚介
新しいお金2.0だ。

 

正田圭
で、会社を売るって事の何が面白いかって、自分をバージョンアップさせるためには「売ってしがらみを捨てる」ってことが必要なんですよ。

1回、捨てる勇気を持たないと駄目。

 

箕輪厚介
 なるほど。それ、正田さんが言うの、正しいなと思うのは、1回全部捨てないと、新しいものが入ってこないんですよね。容量を空けないと。

 

正田圭
でも空っぽにしたら、そのうち、また新しいものが入ってくるので。

 

箕輪厚介
確かにそうですね。

 

正田圭
例えば、自分のフォロワーを10億で売りました。そしたら、フォロワーいなくなっちゃうけど大丈夫?って話をまずみんな警戒します。

でも、それって一時の気の迷いでして、別にまた違うサービスを思いつくかもしれないし、暇になってシンガポール移住なんてしてみたりするのかもしれない。

そしたら、今度向こうでシンガポールの富裕層、華僑みたいな人たちのフォロワーが増えましたっていうハッピーな話もあるかもしれないし。

 

箕輪厚介
全くそうだな。調達して、会社を大きくして売る。で、自分をバージョンアップさせる。箕輪3.0。

 

山田真哉
話を会社設立に戻しますが、少し気を付けたほうが良いのは、資本金をいっぱい集めすぎると消費税の課税対象になります。

資本金1,000万円未満でしたら、消費税が原則2年間免税っていうのがあるんですけど、みんなからいっぱい集めると1,000万円なんか軽く超えちゃうので。

あと、給料が半年で1,000万円超えないようにしてください。

消費税8パーの2年間の免税ってでかいですからね。

 

箕輪厚介
確かに、でかいな。

 

山田真哉
課税所得5,000万だとしても、消費税で400万以上です。あ、あと、箕輪さん気を付けなきゃいけないのが、50人以上に不特定に募集をかけちゃうと、それは金商法違反になるので、ツイッターとかで募集しちゃだめですよ。

 

 

箕輪厚介
あ、まじで?

 

正田圭
50人ですよね?51人でしたっけ。

 

山田真哉
50人ですね。内閣総理大臣への事前届出が必要になります。

 

箕輪厚介
そうなんだ!?

それ、なんの罪に当たるんですか。

 

山田真哉
金融商品取引法違反ですね。

 

箕輪厚介
その意図することは何ですか。

 

山田真哉
詐欺防止です。不特定多数に募集するのをOKにしてるとそういう詐欺みたいなまがいのものが、いっぱい出てきちゃうので。

 

箕輪厚介
なるほど。

 

山田真哉
大々的にやるならばやっていいんですけど、やるならちゃんと会計士入れて、監査入れて、ちゃんと許認可もとってやってねって話になっているんですね。

 

箕輪厚介
なるほど。面白い。世の中って、ちゃんとできているんだな。

 

山田真哉
歴史があるものは、ちゃんとできています。歴史がないものは無法地帯。

 

箕輪厚介
ICOとかが。

 

正田圭
そうですね。なので、箕輪編集室で箕輪トークンを発行するよりも、やっぱり株式を発行したほうが、やっぱりいいと思いますよ。

 

箕輪厚介
確かに。

 

正田圭
株式会社は、めちゃくちゃ優秀なシステムですから。

 

山田真哉
400年持っているわけですからね。

 

箕輪厚介
そういえば、資金調達とか、バイアウト的には、社名に箕輪って入っているのが、プラスマイナス、どっちですか。

 

正田圭
別に関係ないですよ。

 

箕輪厚介
関係ない?でも、箕輪って入ってるのに、買っても意味ないじゃないかって言われない?

 

正田圭
買ったほうも、別に名前変えるかもしれませんし。事業譲渡で売っていたら、そもそも会社名関係ないでしょうし。

 

箕輪厚介
なるほど。OK。会社名は箕輪編集室にしよう。いやー、なんか今日はありがとうございました。みんなスーパー優秀者だ。超贅沢な時間を過ごせました。

プロフィール

山田真哉(やまだ しんや)(Twitter:@kaikeishi1)
公認会計士・税理士・一般財団法人 芸能文化会計財団理事長

大阪大学文学部卒業後、東進ハイスクール、中央青山監査法人/プライスウォーターハウス・クーパースを経て、独立。2011年より現職。

小説『女子大生会計士の事件簿』(角川文庫他)はシリーズ100万部、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社)は160万部を突破するベストセラーとなる。

大企業から中小企業まで数多くの企業の会計監査や最高財務責任者、税務顧問、社外取締役として務めた経験から、現在も約70社の顧問として社長の参謀役になっている。

 

箕輪 厚介(みのわ こうすけ)(Twitter:@minowanowa)
幻冬舎・編集者

2010年双葉社に入社、ファッション雑誌の広告営業として四年間、タイアップや商品開発、イベントなどを企画運営、『ネオヒルズジャパン』与沢翼 創刊。

2014年から編集部に異動し『たった一人の熱狂』見城徹/『逆転の仕事論』堀江貴文/『空気を読んではいけない』青木真也 2015年7月に幻冬舎に入社。。 東洋経済オンライン、アドタイでコラム。オンラインサロン運営、堀江貴文大学校で特任教授など。

「多動力」堀江貴文・「ネオヒルズジャパン」与沢翼・「悪意とこだわりの演出術」藤井健太郎の3冊でアマゾン総合ランキング1位を獲得。

他に「日本3.0」佐々木紀彦、「空気を読んではいけない」青木真也、「まだ東京で消耗してるの?」イケダハヤト、「新企画」鈴木おさむなど。堀江サロン教授、渋谷のラジオ、ニューズピックスブック創刊。

2017年10月合同会社波の上商店を設立。
2018年1月末に設立した株式会社CAMPFIREと株式会社幻冬舎の共同出資会社、株式会社エクソダス取締役に就任。

 

正田 圭 (まさだけい)(Twitter:@keimasada222)
シリアルアントレプレナー

15歳で起業。インターネット事業を売却後、M&Aサービスを展開。事業再生の計画策定や企業価値評価業務に従事。2011年にTIGALA株式会社を設⽴し代表取締役に就任。テクノロジーを用いてストラクチャードファイナンスや企業グループ内再編等の投資銀⾏サービスを提供することを目的とする。2017年12月より、スタートアップメディア「pedia」を運営。

著書に『サクッと起業してサクッと売却する』『ファイナンスこそが最強の意思決定術である。』『ビジネスの世界で戦うのならファイナンスから始めなさい。』『15歳で起業したぼくが社⻑になって学んだこと』(いずれもCCCメディアハウス刊)、『この時代に投資家になるということ』(星海社新書)がある。

正田 圭 のnoteはこちら:https://note.mu/keimasada