無数のコミュニティが個人を支えるインフラになる

熱狂が価値の中心になる日へ-Asobica今田氏の挑戦-

Twitterでの熱狂

株式会社Asobica(本社:東京都品川区、代表取締役:今田孝哉、以下Asobica)。

Asobicaは1月26日、コミュニティの価値を売買できる新サービス「fever(フィーバー)」を3月中にリリースすることを発表し、ティザーサイトを公開した。

現在、各界隈で話題になっているfever。
朝8時にツイートした内容が以下。

最初からスピード感を持って拡散されていった。
今最も売れるビジネス本を作る編集者として知られる幻冬舎箕輪氏にリツイートされたのをきっかけに、コルク佐渡島氏、イケダハヤト氏、はあちゅう氏など多くの方々の発信で一気にバズへ。

みながリリースに「熱狂」した。

今回はAsobica、feverを運営する代表今田氏にインタビュー。

バズの起こし方や半生とサービスの着想、目指す世界など、余すところなく語ってもらった。

始まりは音楽フェス、学生ながら借金

福井市棗。
代表の今田氏が育った地元だ。

家の周りには海と山しかない。近くの小学校が廃校になるくらいの過疎化が進んでいる地元。そんな人が離れていく地元に、都会の人を集める場所を作りたかったんです。(今田氏)

地元福井県で学生時代に音楽フェスを立ち上げた。

これが初のコミュニティ、事業作りだったそうだ。

メディアからの注目を集め、新聞や雑誌の一面にも取り上げられ、県内では最大規模の野外音楽フェスに成長した。

しかし、4年目に学生ながら50万の赤字を背負う。

地域の人達や企業含め、周囲の応援はすごく感じていました。
実際に県庁からも声がかかったり、地道に足を動かしてなんとか大手企業にもスポンサーになっていただいたりしました。
それでも赤字で、勿論僕自身の力不足が大きいんですが、やはり資金調達の難しさを肌で実感したんですね。
次に事業を立ち上げる際はもっと資金調達に向き合わなければいけない、と痛感しました。そんな経験もあって、その後に立ち上げたMOA大学ではクラウドファンディングを徹底的に活用することにしました。(今田氏)

MOA大学、pedia読者なら名前を聞いたことのある人も多いだろう。

U25の若手社会人に絞った、新しいコミュニティだった
そこに落合陽一氏、SHOWROOM前田氏などを呼び、次世代のコミュニティを作った経験が今につながっている、と語る。

学生時代に音楽フェス以外にもiPhone買取サイトを立ち上げたりしていて、当時から大きな事業を作りたいという思いがありました。
起業家の方々、各界のトップランナーにお会いしながら、次の大きな波はどこに来るんだろう、とずっと考えていました
それで、これからはコミュニティだと感じたわけですね。
MOA大学をコミュニティ化したのも、僕自身がこれからのコミュニティを模索したかったから
いまのfeverへの始まりの一歩ですね。(今田氏)

身にしみた資金調達の大変さと、経済を回す必要性

MOA大学を運営していて、今田氏が改善したかったところが二つあるという。

まず一つ目は音楽フェスのときにも難しいと感じたことに共通しますが、資金調達をもっと簡単にできないか、という部分です。
MOA大学でクラウドファンディング3回やったのですが、活動するための資金を継続的に集めたい団体にとって、毎回ページを立ち上げるのは結構大変でした。(今田氏)

もう一つ同氏があげるのがコミュニティに所属するメンバーのスキルの可視化

コミュニティを活性化させるためには参加型にする必要がある。そのためにはメンバーがアウトプットする場が大事なのだという。

コミュニティではfacebookグループを利用するケースが多く、コミュニケーションは比較的活性化するんですが、どこか物足りなさを感じていました。
そんな中でコミュニティのメンバー内で、カメラマンとデザイナーがマッチングしていっしょにプロジェクトを立ち上げているのを見た時に、「人は結局、信頼をしている人に仕事を頼みたいんだ」ということを感じたんです。
ならば、コミュニティのメンバーのスキルやできることを可視化してあげて、それを中のメンバーやコミュニティ外の人達に提供しあえるようなプラットホームがあれば今までは生まれていなかったマッチングをもっと創出することができると感じました。そうすればそこに一つの経済圏を作れるのではないかと(今田氏)

音楽フェスでお金集めに失敗したからこその目線だと感じた。
経済を回す仕組み作りが、持続するコミュニティを作るためには何より重要だという。

一つ目はお金集めのアップデートを。
二つ目はコミュニティに経済を回す仕組みを。


それぞれ焦点を当てて聞いてみた。

経済圏をコミュニティ単位で作れる時代へ

コミュニティに経済圏を作るためのユースケースはいくつかあると語る。

コミュニティ内のあらゆるものを商品化して継続的に売買できるようにすれば、もっとお金とスキルの流動化が進むと思っています。
例えば、あるカフェを運営しているコミュニティがあるのですが、そこでは場所自体を商品化し、レンタル券を提供してみたり、カフェ1日飲み放題券を提供してみたり。
あるいはそのカフェ自体クラウドファンディングで作っている実績を生かして、クラウドファンディングの相談ができる権利をメンバーが提供したりしています。
そういった商品を提供し、その上でその商品にいつでも交換可能なコインを発行する。
楽天ポイントで楽天内の商品を自由に買える、という仕組みと同じのようなもの
です。
そのような仕組みがあれば、コミュニティはそのコミュニティならではの商品や人にひもづくスキルを提供し続けながら、お金を循環させていけるようになる(今田氏)

継続的にお金集めをしながら、コミュニティないしは所属するメンバーの商品を販売できるという。

なお、今回のfeverはICOの仕組みとは違うものの、比較的似ている部分があり、ホワイトペーパーが各コミュニティの紹介ページにあたる。
運営の審査基準で上場でき、審査通過となればコインを販売するための公募期間を設ける。

コミュニティの活動に共感ないし将来性を感じたユーザーは、発行されたコインの日本円での購入を通してコミュニティへの金銭的な支援を行うことが可能

新規発行後のコインの価格は、株式と同じように取引所での需給関係により決定される。したがって仮想通貨のように価格が上がったら売る、なども可能で、投機の対象にもなりうる。
また、コインは取引所で売買できるだけでなく、そのコミュニティが提供するサービスやプロダクトを意味する「チケット」と交換することも可能。

応援したいコミュニティのイベント参加など、「機会」にも変えうる。

こうして、中と外のWINWINが担保された革新的サービスなのだ。

マネタイズはコインを発行するコミュニティ側から手数料の10%と
2次流通の1%を運営が取る形。

1%という圧巻の手数料からも、今田氏のコミュニティへの変革の心が見られる。

feverを考える今田氏、今後このサービスで何を実現したいのか。

複数のコミュニティに属し、好きなことだけで生きていく世界

今後、一人が複数のコミュニティに属しながら、一コミュニティあたり数万円を稼ぎ、会社には属さなくても好きなことだけで生活できる、そんな未来を作りたいんです。

彼が考える今後の世界のビジョンは素晴らしい。
今田氏は続ける。

というのも、今後AI化が進み、退屈なものは全てロボットがやるようになリます。合理的な判断をするという部分では人間はロボットに到底勝てません。そんな中で人に残された道は、「よくわからないけど、やりたいからやる。好きだからやりたい!」といったような非合理的な側面です。いわゆる人間の情熱や熱狂こそが、ロボットには唯一持ちあわせていない魅力です。
その典型がYoutuberやLIVE配信者だと思っています。例えばギャンブルが好きなYoutuberはその様子を動画にし、再生回数による売上でお金を稼ぎ、ネイルやファッションが好きな人はその想いをリアルタイムの動画で伝え、ライブ配信上で商品を販売しています。その一人がゆうこす(菅本裕子)さんであり、Youtuberのヒカルさんですね。

菅本裕子氏とは好きを仕事にするモテクリエイター。今最も注目されるモデルの一人だ。

これからはより一層ゆうこすさんのような好きを仕事にする生き方がスタンダードになっていくと思います。そんな時代に必要なのは、やっぱり”好き”という人の情熱を価値に転換できるプラットホームです。(今田氏)

今、ここでVALUやタイムバンクを想像する人も多いと思う。
そのようなサービスと何が違うのか、どのようなマインドの差があるのか。聞いてみた。

今あるサービスは比較的既に力の持っている個人が活躍しやすい場所になる傾向があると感じています。力の弱い人はどうしてもインフルエンサーに隠れて目立てない。
じゃあどうすればいいのか、という話なんですが、コミュニティが個人の価値を底上げする役割を担う、ということです。
例えば私は現Googleですと自己紹介をする人がいると、なんとなく信用ができたり、今ディズニーで働いていますというと、その人のキャラがどことなく想像できたりする。人は誰しも無名な段階で自己紹介をしても、相手はなかなか信用してくれませんが、どの企業に属しているかがその人の信用を少なからず担保したり、企業内での実績がさらなる信用のレバレッジに繋がったりします。
それらをコミュニティが担う時代が必ず来ると思っていて、feverを通じて、あるいはコミュニティを通じて個人をよりエンパワーメントし、何より人の情熱をより価値に転換しやすい社会にしていきたいと思っています。(今田氏)

これから、コミュニティを中心とした経済圏がfeverを通じて沢山できてくる。

コミュニティに複数所属するようになり、feverというプラットホームがコミュニティを集約することにより、コミュニティ間の移動も簡単になる。
人にとって、会社ではなく、コミュニティがより必要不可欠な居場所に近づいていくのだ。

彼の目指すビジョンは、人が人を信用で規定する、性善説の人間関係とも言えるだろう。とても人柄の現れたサービスだと思った。

さて、pedia読者が気になると思う点を今田氏に聞いてみた。

どうやって、いつサービスを作ったのか

今まで今田氏が自ら作ってきた事業としては5つ。


・iPhone買取サイト
・音楽フェス
・SaaS型のカスタマーサポートツール(前職のスタークスで事業立ち上げ)
・MOA大学
・fever


feverを最初考えた当時は前職のスタークスにいたそうだ。
サイドプロジェクトとして走らせ、プロトタイプをエンジニアが2日で作り、使ってみて数日で却下。

とにかくやってみてダメだったらまた作り直すという形で、動きながらプロダクトを作っていったという。

ある程度形が見えた時からはエンジニアを増強しデザイナーも入れ、
その間今田氏が一人で足を運んで、使ってくれそうな友人にテストで使ってもらい、さらには利用している様子を動画に収め、メンバーに共有しながら日々改善していったそうだ。

資金調達は自己資金と融資で借りた数百万で走らせていたという。

ある程度のものが見えるまでは一切資金調達をしないと決め、プロダクト作りに全ての時間を注ぎ込んだ

そのあとにユーザーがついた後、自ら声をかけなくても投資家から連絡が来るようになったそうだ。最初は自己資金と融資でなんとかつなぎ、プロダクトが軌道に乗りそうなタイミングでの調達がベストでは、と語ってくれた。

たった1ツイートで、1日でユーザー数5000人強。バズはなぜ

Twitterでのバズはなぜ起こったのか。
その要因を聞いて見た。

1個目はタイミングだったと思います。
コミュニティに対する周囲の関心が少しつづ高まっていたんじゃないかと感じています。
それと、フリーランスからチームランス、という言葉ができたように、個人だけではなかなか辛いよね、という中でコミュニティに居場所を求める流れが自然に起こっており、人々の共感を生んだのかもしれません。
2個目は”誰が言うか”ですね。
いいサービスを作っても誰にも届かなければ意味がない。
そういった意味で、発信力のある人からの後押しが重要だと思います。
私の場合、その第一声が普段からサービスの相談をしていた幻冬舎箕輪さんでした。
もしかすると箕輪さんいなければバズは起こってないかもしれません。
そのくらい誰が言うかは、SNS時代のマーケティングで最も重要だと認識しています。
3個目は仲間集めです。
feverの場合、私がいろんな人に足を運んで実際に使ってもらっていたので、発表の当日にはfeverを知っていた人が既に沢山いました。
これはあまり計算していたわけではないのですが、その人たちが一番に発信してくれていましたね。
例えば小幡君という友人がシェアしてくれて、おそらく彼を通してイケハヤさんが登録してくれました。何がどう繋がるかわからないので、作っている過程からより多くの人に話したり使ってもらいながら、仲間を増やすことが重要だと思います(今田氏)

想定したペルソナと、今後の予定

具体的なペルソナに関して。


1.定期的にイベント(or大会)を有料で開催している団体
2.社会的に意義のある。あるいは団体としての明確な目的がある


の二つを今田氏はあげてくれた。

例えば、今回上場するコミュニティとして以下を例に挙げてくれた。

・YBP PROJECT TEAM

日本で唯一の世界基準のBMXレースパークを運営している団体です。
BMXという競技を広げたいという想いが強く、子供達も含めたイベント等を定期的に開催しています(今田氏)

・日本ドローンレース協会

ドローンレースをオリンピック種目にしたいという明確な目標を掲げ活動している団体です。
メンバーも全員プロで、既に大会を開催したり、レッスン教室を開くなど、活動は盛んです。
ただ資金と仲間を集めて、まだまだ活動の場を広げていきたいということで今回エントリーしていただきました。
そのような、社会的に意義がある活動をしているけどなかなか継続的にお金が集まりにくい、という団体の発展に貢献していきたいですね(今田氏)

今後の予定としては

グランドローンチはもう間も無くとのこと。
最後に今後の目標はと聞いたところ、5年で1000億のユニコーン企業を目指していくとのことだ。

24歳の若手起業家の未来、そしてfeverの動向に注目である。