荷物一時預かりサービス「ecbo cloak」、日本郵便株式会社、JRとの連携はいかにして実現したのか

明確な体験に根付くニーズからのサービス展開

荷物一時預かりサービス「ecbo cloak」をご存知だろうか。

荷物を預かるスペースを持つ店舗と、荷物を預けたい人のマッチングサービスだ。

展開するecbo株式会社(以下、ecbo)は、

この度2月6日にJR東日本、西日本などからの資金調達に引き続き、日本郵便株式会社とともに郵便局での手荷物預かりサービスを2月21日から開始

今回pediaは、凄まじい速度で大手企業とともにサービスを展開するベンチャー企業ecbo、代表取締役社長 工藤慎一氏に話を聞いた。

ecbo設立からの道のり、サービス展開

破竹の勢いで拡大するecboであるが、オフィシャルサイトを見れば分かる通り、当初は別のサービスを展開していた。

もともと保管にイノベーションを、というコンセプトで2015年に設立しました。
荷物の長期保管を目的とした「ecbo storage」を開発していましたが、ビジネス的に予算がかかることから、
もっとローコストで一気に広げられるものを作れるのではないかと模索していました
2016年8月、コインロッカーを探す訪日外国人に声をかけられた際、40分かかっても空いているロッカーが見つからなかったことが現サービスのきっかけです。
調べると渋谷駅周辺のコインロッカーは約1400個しかなく、スーツケースが入る大型のものは約90個しかなかった。
この荷物預かりの現状の解決として、ecbo cloakを作りました。(工藤氏)

サービス展開の流れも見事の一言だが、

このあと、3ヶ月のテスト期間を経て、

昨年1月にリリース。その速度感とともに、東京、京都、大阪など各拠点に展開

その展開順序はどのような意思決定を元に行われたのか聞いてみた。

基本的に望まれている順番に展開してきました
リソース不足がネックになることもありましたが、
どの地域で使えるかわからなかったので、データをとってどこにフォーカスしていこうか考えました

サービスをローンチした1月18日時点では登録100店舗、予約可能な店舗は30程でした。
いろんなメディアに受け入れられ、
ローンチ当日はNewsPicksでも1位、昨年1年間で30本ほどのテレビ番組に取り上げていただきました。(工藤氏)

圧倒的なサービスは口コミで広がる、ということに驚かされる。

新しいサービスを浸透させるのは熱意

さて、このサービス、さぞや産みは苦しかったのだろう、と思い、

何が一番大変でしたか、と聞いてみた。

サービスのローンチ前が一番苦労しました。
新しいサービスだったので、まずこのサービスは何だ、から始まり、受け入れてもらうための営業のトークや資料の作成などが必要でした。
このサービスに対するパッションを伝えて1店舗ずつ私含め訪問していきました。
飛び込みで1日3ー5件くらい訪問し、
ときには知り合い経由で店舗を経営されている方のところに伺いました。
反応としては
「オペレーションがめんどくさいのでは?」
「保険はあるの?」
「 危ない人が登録するのでは?」
などいろいろなものがありました。
これに関しては個人情報の登録もありますし、レビューがつくことでユーザーを評価し、
何かトラブルが起こった場合には弊社の運営側で対応をし、場合によってはアカウント削除などする形にはなっていますが、これまでそのような対応が必要だったユーザー様はいらっしゃいません。
大きなトラブルの報告や保険の適用事例も今のところないですし、
オペレーション的に導入ハードルも低い
です。
店舗側はお客様の荷物の写真を撮るだけで、
その写真がお客様に送られ預かり証代わりになります

店舗側は空いているスペースと常駐スタッフがいれば、導入コストは一切かかりません
スタッフ間での共有も、A4サイズのマニュアルを用意しているので容易で、
サービス自体もシンプルなUI、UXに出来ていると思います。(工藤氏)

保証を用意したが、それの適用になるユーザーはいないという良質なコミュニティ

海外の無人コンビニで電話番号を押さえると犯罪がない、というのを想起させるセキュリティ方法。

導入のハードルも低いというのもすごい。

ターゲットユーザーは

もともと渋谷で旅行者の方の手助けをしたことから着想した本サービス。

利用者はどういった層なのだろうか。

7割の利用者はインバウンドの方々です。
プロモーションは0で、口コミベースで広がっています

昨年末には1000店舗以上の店舗にご登録いただけました。
既存株主からは、営業の仕方を始め知見を得、中でも千葉さんからはバックオフィスの整え方、精神の持ち方などを教えていただきました。
千葉さんから投資を受けると1番にならないといけないというプレッシャーがあったので、そういった意味でもとても感謝しています。(工藤氏)

投資家からのフィードバックで営業の仕方を学び、熱量で自ら動かす。
ベンチャーの理想的なチームだな、と思った。

JRとの提携

さて、大手企業であるJRとの連携。日本郵便株式会社ももちろんだが、いつからそれを意識していたかという質問に関しては、もともと組みたい、と思っていたという

確かに渋谷のコインロッカーというとJR改札前が思い浮かぶが、いかにして成し遂げたのだろうか。

JR東日本のアクセラレータープログラムに参加したことがきっかけです。
新しい株主には、プラットフォーム完成させるために、JR東、西、という日本最大のプラットフォームが、駅前の立地・店舗から見ても必要だと考えておりました。(工藤氏)

ビジョン通りの実現で、今後のビジョンが気になるところなので、聞いてみた。

今後の展開について

預けた荷物を次の移動先に運ぶなど、荷物の一時預かり拠点を軸にしたサービス展開や、グローバル展開を考えています。ecboといえばあれだよね、を増やしていきたいです。
同じ領域の中でお客様から必要とされるものをニーズベースで作っていきたいです。(工藤氏)

実体験に基づき、明確なニーズからのサービス着想と実行

それを体現できる人は少ないが、まさしく破竹の勢いですすむecbo。

皆が手ぶらで財布とスマホだけを持ち歩く時代も近いかもしれない。

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