【箕輪厚介×正田圭】労働は古い、今はコミュニティの時代【第1回】

ミレニアル世代二人の出会いから起業まで

『多動力』『お金2.0』など、数々のベストセラーの編集長であり、今話題の幻冬舎の箕輪厚介氏。

2018年1月31日『サクッと起業してサクッと売却する』を上梓した正田圭氏。

 

パッと見接点の無さそうな2人だが、片や出版業界で、片や金融業界で、異彩を放った存在感を出しているミレニアル世代のプレイヤーである。

その2人が考えるこれからの働き方、これからの起業論について語り尽くした対談を、pediaの特集対談として3万字超でお届けする。

目次

1.今1番人間の才能のある人が集まっているジャンルは「起業」

2.仮想通貨から小売業まで、今旬のビジネスはすべてコミュニティ

3.「ベンチャー起業家 箕輪厚介」の誕生

今1番人間の才能のある人が集まっているジャンルは「起業」

ーまずは、お2人の出会いからお話いただけますでしょうか?

正田 圭
箕輪さんが主催されている、「箕輪編集室」っていうオンラインサロンがあるんですよ。

ちょうど僕が、書籍の編集やオンラインサロンというものに興味を持っていたタイミングで、オンラインサロンのリリースがクラウドファンディングのCAMPFIREさんで出てまして。

自分は一昨年から4冊ほど書籍を出版しているのですが、その時に書籍の与える影響ってデカイな、書籍の編集技術や書籍のプロモーション方法をもっと知りたいなと思って、「箕輪編集室」に参加してみたのがきっかけですね。

箕輪 厚介
ちょうどその時は「箕輪編集室」の中でプロデュース案件なんていうものを募集して、オンラインサロン内にいて面白いコンテンツを持っている人をプロデュースして、成功事例をいくつか作ってみようと思っていたんですよ。

「限定5件!」みたいな感じで募集したのですが、結構色んな人がプロデュースを受けたいって手を挙げてくれて。その中の1人が正田さんでした。

ーその時正田さんが箕輪さんにプロデュース依頼した案件が、「サクッと起業してサクッと売却する」というわけなんですね。

正田 圭
そうですね。大体、僕がざっくり書いた後ぐらいに箕輪さんに見せて…。
箕輪 厚介
見ました。ざーっと。

ー最初「サクッと起業してサクッと売却する」ご覧になった感想ってどんな感じでしたか?

箕輪 厚介
一般的に売れてるものとは少し違った切り口で書かれていて、思っているものとは違う驚きみたいなものがあったから、面白いなと思いました。

「会社なんて、サクッと作ればいいじゃん」みたいな話って、ホリエモンを始め、色々言う人はいたと思うのですが、「サクッと売ればいい」という内容をカジュアルな感じで言っている人はこれまでいなかったので、面白いなと思いました。

正田 圭
箕輪さんの手がける本、起業家の人が多いから、「会社売れ」なんて言う人多そうですけどね。
箕輪 厚介
自分が手がけるのは、ほとんどが起業家の本ですが、「売れ」は今までなかったかな。
正田 圭
ところで、なんで箕輪さんって、起業家の人の本を出すこと多いんですか?
箕輪 厚介
別に僕、起業家が好きなわけでも何でもないんですけどね。

自分が面白いなと思う人の本を創っていくだけだから、アーティストでも、アスリートでも、芸能人でも、誰でもいいんですけど、たまたま面白いなと思うのが、今は起業家ばかりなんですよ

作家だったり、お笑い芸人だったり、アーティストだったり、アスリートだったり、そのとき一番かっこいいと見られるジャンルに才能が集まると思うんですが、今は起業家に多くの才能が集まってる気がします

本当に才能ある人が多い。

自分のオンラインサロン「箕輪編集室」でも、250人以上いるから全員とガッツリ話してるわけではないけど、面白い起業家は多い。特に20〜30代のミレニアル世代。

正田 圭
僕らが出会うきっかけにもなったオンラインサロンですけど、今すごく流行ってますよね。箕輪さんが、もともとオンラインサロンをやろうと思ったきっかけって何なんですか?
箕輪 厚介
最初は会社で僕の仕事の量がちょっと多過ぎて、アシスタント付けようみたいな話だったんですよ。アシスタントつけたら楽になるみたいに言われて、アシスタント付けてもらったんですが、ぶっちゃけアシスタントつけたほうが教えること多くて、手間が増えるじゃんって思うようになってきて。

でも、よく考えたらそんなの当たり前なんですよね。アシスタント育てるのが嫌なわけでは全然ないんですけど「こうやるんだよ、こうやるんだよ」って、教えて育てるのには時間がそれなりにかかるものです。

「アシスタント付けて楽になったか」と聞かれても、「いや、むしろ、忙しくなりました」としか答えようがないんですよ。
もちろん、教わっている彼らには何の罪もないですけど、なんかこの「労働」とか「雇用関係」って今の時代には向いてないなって思って……。

そこで、どうしようかどうしようかって色々考えたんですけど、「そうか、自分のアシスタントをする権利を売れば良いのか」って閃いて

試しに、Twitterで投稿してみたらすごいメッセージがきたんですよ。

そっから3か月くらいで今のオンラインサロンが出来上がっていきました。

仮想通貨から小売業まで、今旬のビジネスはすべてコミュニティ

箕輪 厚介
正田さんは、逆になぜオンラインサロンなんかに興味を持ったんですか?オンラインサロンなんて、正田さんとかからしてみれば、成功しても大した収益にならないでしょ?
正田 圭
僕は、オンラインサロンっていうもの自体、実は最近まで全然知らなかったんですよ。そもそも、自分SNSなんてものも全くやってなくて、さっき箕輪さんが当たり前のように言ってたTwitterも、アカウント作ったの先々週の話で。
正田 圭
でも、最近SNSやらなきゃダメだって思い始めることが増えてきたんです。意外かもしれませんが、きっかけは仮想通貨関係のビジネスをやり始めたことにあります。

仮想通貨って、ブロックチェーン技術とか、トークンとか色々言いますけど、要はやってることはコミュニティ運営ビジネスなんです。

そして今、仮想通貨だけじゃなく、コミュニティ運営が色んなビジネスの花型になってるんです。個人だろうが、大手企業だろうが、みんなすごい成果を上げているところはコミュニティ運営に成功してます。

物販なんかやってる小売業だって、コミュニティ運営が成功のカギになってきてます。今売れているものって、コミュニティで売っているものが多い。携帯のシャオミとか、遊園地のユニバーサルスタジオジャパンだって、なんで成功してるかってコミュニティなんですよね。

DMMがシナプス買収してオンラインサロンのプラットフォームやり始めた時は、僕正直すごく不思議に思っていたんです。
なんでこんな会社買ったんだろって。

でも、やっぱりDMMって先読みができる会社だよなって最近は納得してます。

コミュニティビジネスを作るのがうまい人を、結局ウォッチしていたいんですよね。

で、最初の話に戻るのですが、そう考えていくと書籍もコミュニティだよなと。結局今の時代、書籍の影響力はそれなりに高いけれど、なんか書籍だけだと書籍の持っているパワーを取りこぼしている気がして。コミュニティとうまく連動させる方法を考えてたんです。

そしたら編集者の箕輪さんがコミュニティビジネスをやってることに気がつき。

まああと、余談ですが、佐渡島さん(株式会社コルク代表)のサロンとか梅木(TheStartup編集長)サロンとか、なんかとっつきにくい気がして。二人とも実際にやり取りすると全然そんなことなく、僕の勘違いだったわけなんですけど。

なんか、ベンチャー界隈の村の人って、僕みたいに他の所から来たよそ者ってあまり好きじゃないんですよね。だからなんか叩かれたりするんじゃないかなと思って。

箕輪 厚介
梅木さんはそういう人ですよ笑。
正田 圭

まあ、そんな流れもあり、箕輪編集室に入ったら、何かプロデュース案件を募集みたいなことを言っていて、なんか、見たら、月5万とかとんでもなく安い値段が書いてあって「安っ!なんだこれ!」って思って

箕輪 厚介
それ、めっちゃ値上げしてくれたんですよ。確か笑。
正田 圭
このプロデュース案件って今もまだ募集してるんですかってコミュニティの管理人の人に聞いたら、また新しく募集しようか悩んでるって言われて。
箕輪 厚介
そうそう。すぐ埋まっちゃったんですよ。
正田 圭
でも、せっかく入ったからやってもらいたいなと思ったから、「自分の案件受けてくれたら他の人の5倍以上払いますよ」って板に無理やり書き込んでみたらすぐ連絡来て、受けてくれたんですよね。
箕輪 厚介
うん。5倍とか言うから、急遽1枠増やした笑。
箕輪 厚介
今回の「サクッと起業してサクッと売却する」は、編集の方もいたし、元コルクの柿内さんとかもアドバイザーで入ってたから、今回、本に関してだけだと僕がメインではないんですけど、本をフックにしてコミュニティを作ってくんだったら自分もプロデュースしやすいだろうなと思って。

本って不思議なことに、みんな出版したらそこで終わりだと勘違いしてるんですよ。でも、そんなのはすごくおかしな話です。例えば、商品を作るだけ作って、出来上がったら放ったらかしにするやつなんていない。

認知拡大のために、広告宣伝費かけたり、カスタマーサポートセンター作ったり、色んな施策を打つじゃないですか。

こういう施策をちゃんと打たずに、書くだけ書いて、とりあえず書店に配って、出版不況だって言ってもそりゃあそうでしょって。もちろん内容勝負で、宣伝も施策も何も無しで、面白さだけでベストセラーを狙うっていう覚悟も、当然ないといけないです。

でも、同時に、ちゃんと読んでくれた人とか、少なくとも本を読んで、この著者良いなと思ってくれた人を、ちゃんとつかむっていうコミュニティの設計作りのほうが本質に近いなと思っているのが僕の考え方なんです。

僕が抱えている著者たちは先程も話したように、起業家であったりアスリートだったりして、いわゆるプロの作家ではありません。

つまり、彼らが書籍の出版を通じて求めていることは、売れることももちろんあるのですが、それよりもファンを作り、コミュニケーションのきっかけとなることの方が、彼らの本業にとっても大事なんです。


入会はこちら
(正田氏主催のオンラインサロン、連続起業家になる会員募集中)

正田 圭
確かに、サービスにしても、商品にしても、簡単にはお金を払ってもらえない時代なんですよね。でも、それってお金がないわけではないんです。僕も箕輪さんも、いわゆるミレニアル世代なんて呼ばれる世代ですが、どうやら史上最大のお金持ち世代らしいんですよね。

だから、金を持ってないわけではない。むしろ、好きなものにはしこたま払います。

でも、財布の紐が緩いわけでもないので、その最初のガードを突破するのが売る側の腕の見せ所になるんですよ。

つまり、コミュニティを作ってSNSの中に囲い込んで、ひたすらそればっかり目にするみたいな状態を意図的に作っていくわけですよ。

そうすると、熱を帯びてる人たちがそこに集まり、爆発的なマネタイズが発生しだす。

それがまた徐々に大きくなってくると、どこかの大手のメディアが取り上げたり、マスメディアに取り上げられたりして、ブームというか、バブルが起こっていく。

そんな消費活動の流れが当たり前なのが今の時代で、逆にその流れに乗れるかどうかでサービスやブランドの生き死にが決まってしまう。

そして、これの舵を取って、どちらの方向に進めば良いかというノウハウを持っている人たちがまだそんなに存在していないわけなので、箕輪さんの取り組みはすごく価値のあることだと思いますよ。

「ベンチャー起業家 箕輪厚介」の誕生

箕輪 厚介
今はね、色んなものが変わってくる転換期みたいな時代なんだと思います。

僕はたまたま編集をやってるので、その時代の転換期の中心部になるような時代の中心人物にべったり張り付いて、新しい時代がどうなるのかとか、今はこれをやっとくべきだとか、そんな話を聞けることが多い

そして、それを自分で取り入れてみて、本が世に出る前に自分だけ実践するというタイムマシン戦法を使ってるんですよ。

今回の、サクッと起業して作った会社を売却するのも新しい時代を感じる。新しい働き方というか。自分もやりたい笑。サクッと売却してみたい。実は会社を最近作ったんですよ。

正田 圭
おぉ笑。「ベンチャー起業家 箕輪厚介」の誕生じゃないですか。
自分が作った会社を売るってことに対する抵抗感とかあります?
箕輪 厚介
無い。全く無い笑。なんの抵抗があるの?
正田 圭
これ、今の若者たちってあまり思わないと思うんですけど、世代が変わると結構あるあるな話なんですよ。
うちの会社、TIGALAって、それこそ会社を売却するお手伝いをしている会社なんですけど、事業承継案件って言って、後継がいない高齢な社長さんが会社を売却するケースって結構多いんですよ。

特に、地方ってそういう事業承継案件が多くて。

地方のおじいさんの会社って、すごい儲かっているんですよ。
ちょうど、九州でスーパーマーケットやってる会社があったんですけど、ある会社が買いたいって言って、金額も15億とかなんですよね。

「後継者もいないんだから、売ればいいじゃないですか」って僕としてはアドバイスするわけですよ。

でも、その社長さんは「会社を売ってしまったら、わしは恥ずかしくて街を歩けん。残りの人生ずっと後ろ指を指されることになる」って真剣に超悩んでるんですよ。

「別に、そんなの誰も気にしてないでしょ!笑」って、僕としては背中でも軽く叩きたいくらいのノリなんですけど、やっぱり会社を売るっていうのは、後ろ指を指されるようなことだ、みたいなことを思っている人たちってまだすごく多いんですよね。

でも、最近の40代ぐらいになってくると、そうでもなくなってきてます。

例えば、Facebookに会社売却したなんて話になったら、「おめでとうございます!!」みたいなメッセージでタイムラインが埋め尽くされるわけですよ。

これも時代の変化なんでしょうね。

会社を売るって、すごく陳腐な表現になっちゃうんですけど、みんなが思ってる以上に結構いいことなんですよ。
そのいいことが、もっともっと広まればいいのになって思って「サクッと起業してサクッと売却する」を書いたっていうのはあります。


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箕輪 厚介
その変化は、なんかわかる。
時代の変化で一番感じるのが、稼ぎ方が変わって来たんですよ。もっと言えば、働き方も変わって、生き方も変わってきて…。だから、稼ぎ方が変わって来るのも当然というか。
正田 圭
稼ぎ方は本当に変わりましたね。
僕が15歳の時なんてベンチャーキャピタルとか今より全然少なくて、創ったばかりの会社に何億も調達できるとか、そんな話は無かったですよ。
CASHなんていう質屋のアプリが、出来て数ヶ月後に70億で買収されてましたが、こんなこと15年前はあり得なかった。
箕輪 厚介
会社売ったって言っても、ネガティブな感情なんてでてこないですよ。
むしろ、「うらやましいな。いくらで?」っていう感じですね。会社得ることに対してネガティブな感情は、一切、僕ら世代はないですよね。むしろ1つのゴールっていう感じがします

 

第2回へ続く。

【箕輪厚介×正田圭】連続起業家としての生き方!雇われ癖をつけるな!【第2回】

プロフィール

箕輪 厚介(みのわ こうすけ)
@minowanowa
 幻冬舎・編集者

2010年双葉社に入社、ファッション雑誌の広告営業として四年間、タイアップや商品開発、イベントなどを企画運営、『ネオヒルズジャパン』与沢翼 創刊。

2014年から編集部に異動し『たった一人の熱狂』見城徹/『逆転の仕事論』堀江貴文/『空気を読んではいけない』青木真也 2015年7月に幻冬舎に入社。。 東洋経済オンライン、アドタイでコラム。オンラインサロン運営、堀江貴文大学校で特任教授など。

「多動力」堀江貴文・「ネオヒルズジャパン」与沢翼・「悪意とこだわりの演出術」藤井健太郎の3冊でアマゾン総合ランキング1位を獲得。

他に「日本3.0」佐々木紀彦、「空気を読んではいけない」青木真也、「まだ東京で消耗してるの?」イケダハヤト、「新企画」鈴木おさむなど。堀江サロン教授、渋谷のラジオ、ニューズピックスブック創刊。

2017年10月合同会社波の上商店を設立。

2018年1月末に設立した株式会社CAMPFIREと株式会社幻冬舎の共同出資会社、株式会社エクソダス取締役に就任

正田 圭 (まさだ けい)
@keimasada222
シリアルアントレプレナー

1986年生まれ。15歳で起業。インターネット事業を売却後、M&Aサービスを展開。事業再生の計画策定や企業価値評価業務に従事。

2011年にTIGALA株式会社を設立し代表取締役に就任。
テクノロジーを用いてストラクチャードファイナンスや企業グループ内再編等の投資銀行サービスを提供することを目的とする。

著書に『サクッと起業してサクッと売却する 就職でもなく自営業でもない新しい働き方』『ファイナンスこそが最強の意思決定術である』『ビジネスの世界で戦うのならファイナンスから始めなさい。』『15歳で起業したぼくが社長になって学んだこと』(いずれもCCCメディアハウス刊)がある。