20歳で起業、22歳でM&A!東大スタートアップがクルーズ入りで次世代をつくる…株式会社Candle金靖征氏が語る、創業・M&A・今後の展望

今回、Pedia Newsでは、異例の若さとスピードで起業家としての新たな人生を歩む、株式会社Candle代表取締役の金靖征氏に、インタビューを実施。金氏が、起業家を志した生い立ち、Candle社を創業した経緯、そしてクルーズ社によるM&Aを決意した理由などを伺った。

家族の背中を見て、20歳で東京大学在学中に学生起業した青年が、22歳という若さでイグジットを果たした。次世代を担う若手起業家として注目される彼の名は金靖征氏。金氏は、2014年4月に株式会社Candleを創業。そして、2016年10月、クルーズ株式会社による総額12億5,000万円のM&Aが実現し、クルーズグループ入りとなった。

* 参考記事:**クルーズ、ゲーム事業からコマース事業へ事業構造転換…マイネットグループに譲渡、Candleを12億5,000万円で子会社化、新会社Studio Zを設立**

今回、Pedia Newsでは、異例の若さとスピードで起業家としての新たな人生を歩む、株式会社Candle代表取締役の金靖征氏に、インタビューを実施。金氏が、起業家を志した生い立ち、Candle社を創業した経緯、そしてクルーズ社によるM&Aを決意した理由などを伺った。

### Candle社創業から『MARBLE』誕生までの軌跡

#### 東大入学、TNKとの出会い、そしてCandle社を創業

金氏は、在日韓国人実業家の父のもと愛知県で育つ。親含めて親戚中ほぼ全員が実業を営んでいる起業家だった金氏にとって、起業という選択肢は身近なものだった。ただ当時の金氏は学生起業を考えていなかったという。

家族も親戚もみんな起業家という起業一家な家庭に生まれて、起業が身近な存在だったので、自分も将来的には起業するつもりでした。東京大学に進学を決めたのも、優秀なメンバーと関わる機会を増やしたい、という思いからでした。ただ学生起業するつもりはありませんでした。当時は、外資金融企業に入社して3年くらい働いてMBAを取得してから起業するイメージを描いていました。【金氏】

金氏は、2012年に東京大学へ入学。東京大学で東京大学起業家サークル「TNK」と出会い、TNK9期生として参加する。それは、金氏にとって、彼の人生を大きく変える出会いとなった。

TNKに入って、福島さん(株式会社Gunosy 代表取締役 最高経営責任者 CEO 福島良典氏)や保手濱さん(ホットティー株式会社 会長兼ファウンダー 保手濱彰人氏)などを知り、当時僕が描いていた起業イメージは違うのではないかということを思いはじめました。「起業と経営は少し違っていて、MBAは経営にはかなり活きるかもしれないけれど、起業に関しては起業することが1番の近道なのではないか」大学2年の後期頃からそう思いはじめ、学生の間に起業したいと思いました。

TNKではいつも起業に関する授業が実施されていました。その中、新規事業立案に関する授業がありました。その授業では、TNKメンバー内で4チームに分かれて各チームの事業アイデアを競い合うというもので、僕のチームは家庭教師派遣事業のアイデアで優勝しました。「この事業で起業しよう」いま思い返せばノリ(勢い)のようなものがありましたが、お互いそろそろ起業しようと思っていたこともあり、これを機に同じチームにいた翔(株式会社Candle 共同創業者 小玉翔氏)と盛り上がって起業準備をはじめ、2014年4月に株式会社Candleを創業しました。【金氏】

#### 『キュレーションメディア』誕生は、TNKの先輩・グノシー福島氏の言葉が後押し

2014年4月、株式会社Candleを創業。2014年10月に、初めての自社サービスであるファッションコーディネートアプリ『Moode(モード)』をリリース。その後2014年12月、TNKの先輩でもある福島氏など複数のエンジェル投資家から資金調達を実施。

『Moode』開発当時はエンジニアリングの勉強からはじめました。リリース前から様々な場所でピッチさせていただくことがあって「僕たちの力でMoodeのようなアプリビジネスで成功するのはかなり難しい」というのを薄々感じていました。『Moode』リリース後1〜2か月の段階で新規事業を考えはじめ、キュレーションメディア事業を検討していました。

新規事業を検討していた時に、福島さんが「俺もそれいいと思うよ。やってみたら」とアドバイスしてくれたことが後押しとなって『MARBLE』の前身『Topicks』をはじめました。【金氏】

#### East Ventures、B Dash Ventures、ソラシード・スタートアップスから資金調達

2015年7月には、独立系ベンチャーキャピタルのインキュベイトファンドが主宰する起業家・投資家合同経営合宿「Incubate Camp」の第8回「Incubate Camp 8th」に参加。Incubate Camp出場を契機に、Candle社は、East Ventures、B Dash Ventures、インキュベイトファンドのFoF(ファンドオブファンズ)ソラシード・スタートアップスからシードで資金調達を実施する。

もともと、East Venturesの太河さん(East Ventures マネージングパートナー 松山太河氏)、B Dashの渡辺さん(B Dash Ventures 代表取締役 渡辺洋行氏)、インキュベイトファンドの村田さん(インキュベイトファンド ゼネラルパートナー 村田祐介氏)の3者から資金調達をしたいと考えており、Incubate Campに参加しました。

Candleは、当時East Venturesにいた鳥居さん(現 ユニバーサルバンク株式会社 代表取締役 鳥居佑輝氏)のおかげで、East Venturesのシェアオフィスに入居させていただいていました。そのおかげで、僕らはスピード感を持って事業に集中できていたので、「少しでも恩返しをしたい」と思って「太河さんに出資してもらいたい」と考えていました。

渡辺さんとは投資していただく前からたまにお会いしていたのですが、「大人力がある方だ」と感じていました。僕らは20代前半で未熟なメンバーが多いからこそ、「渡辺さんのような大人力がある方にガッツリ入り込んで協力していただいて支えていただきたい」と考えていました。

村田さんは「メディアに非常に詳しくて、特に数字を伸ばすという点で強い方だ」と思っていて、「村田さんに僕らのメディア事業にアドバイスをしていただきたい」と考えていました。ただインキュベイトファンドの理念もあり、FoFのソラシード・スタートアップの柴田さん(ソラシード・スタートアップス 代表パートナー 柴田泰成氏)から出資していただきました。柴田さんもメディアに詳しくて強い方なので、投資いただけて良かったと思っています。【金氏】

#### 『キュレーションメディア』事業をブランド化、『MARBLE』誕生

その後Candle社は、『Topicks』から『MARBLE』にブランド名を変更し、女性向けキュレーションメディアとして躍進する。

当初はNAVERまとめのような総合メディアを作りたいと思っていましたが、時代的にも、また永続するビジネスへと進化させるためにもそれぞれのカテゴリに合わせてブランドを作った方が良いと考え、女性向けブランドとして『MARBLE』にリニューアルしました。【金氏】

『MARBLE』は、オシャレな女性に向けた、ファッション・メイク・コスメ・ヘアスタイル・美容・住まい・家庭・トピックスなどのまとめが集まるキュレーションメディア。働き盛りの20代女性を中心に支持を集めている。

### Candle社がクルーズグループ入りを決めた理由

まさにこれから更なる飛躍が期待される中、Candle社は、2016年10月にクルーズ社によるM&Aを発表する。なぜ、金氏率いるCandle社はクルーズ社へのM&Aを決断したのだろうか。この真相について、金氏は次のように語った。

渡辺さんからたまにM&Aのご提案もいただいていましたが、基本的に「上場を目指します」という姿勢でした。『MERY』さんの事例(株式会社ディー・エヌ・エーは2014年10月1日に『MERY』を運営する株式会社ペロリを買収し子会社化したことを発表)もあるように「会社にとってもメンバーにとっても良いディールがあればその時に検討しますが、僕たちは上場を目指します」という関係性でした。そのため、もちろんM&Aに向けた動きも取っていませんでしたし、M&Aのご提案は数社から1年前にもご提案をいただいていました。

今回のディールに関しては、クルーズ社にCandle社としてもメンバーみんなが貢献して活躍できると思って一気に決まりました。「どれだけその環境で成果を出せるか」それに尽きると考えています。僕はまだ22歳でメンバーも20代前半が多く「まだまだこれから活躍できる」と思っています。だからこそ「M&Aをしてここで終わり」となることが最大のリスクでした。クルーズ社さんのディールは、「裁量権を与えていただいて自由な意思決定ができる」「リソースも使える」という環境が非常に良いと思いました。またクルーズ社さんとは、「事業に集中することが本業」ということを共有できていて、意思決定のスピードも速く、経営者に対するきめ細やかな配慮がありました。

クルーズ社との出会いは、もともとSkyland Venturesの木下さんから「キュレーションメディアに関する情報交換」ということで、クルーズ社取締役の仲佐さん(クルーズ株式会社 取締役 新規事業管掌 仲佐義規氏)をご紹介いただいたことがキッカケでした。実際に仲佐さんとお話していく中で、僕とCandle社に興味を持っていただいて「一緒にやりませんか?」とご提案をいただきました。それが8月初旬のタイミングで、そこから一気に話が進み、今回のM&Aに至りました。

経営メンバーも幹部メンバーも20代前半なのですが、みんな驚くほど経営目線で考えてくれていて、今回のディールのことも「これから事業をより大きくするためには良い選択だったと思う」と話してくれています。Candleには若くて優秀なメンバーがたくさんいます。これから新規事業も一緒に取り組みたいと考えているので、みんな楽しみにしてくれていてワクワクしてくれています。【金氏】

実際Candle社の経営メンバー、幹部メンバーは20歳〜24歳のメンバーで平均年齢は22歳という若さだ。またCandle社のメンバーには、金氏をはじめ東京大学出身者が多い。

経営メンバーは、僕と山口、柳内、笠岡の4人なのですが、他のメンバーも本当にみんなすごく優秀なんですよね。

山口とは大学2年の時に出会いました。大学の学科・クラスが同じで「山口は天才らしい」という噂を聞いていました。山口は数学オリンピックで優秀賞を受賞していたり、学科も首席で入学していました。ある時、山口がツイッターで「そろそろプログラミングを勉強しようかな」とツイートしていたのを見かけて、すぐに「一緒にやろう」と返信しました。山口は、もともとフィールズ賞を受賞しようと思っていたようなのですが、「ビジネスの方がよりインパクトが大きいことができる」と考えていたタイミングでもあり、それがキッカケで一緒にプログラミングの勉強をはじめ、Candle社のCTOになってもらいました。

柳内とは、2015年3月『Moode』を運営していた時にツイッターで連絡をもらったことがキッカケでした。柳内はツイッターのフォロワーが約30万人で写真家として活躍しており、共通の知り合いもたくさんいました。実際にいろいろ話していく中で、柳内の優秀さに惚れ込んで、当時構想段階にあったビューティー系動画事業を任せようと思いました。それが現在の『MimiTV』に至っています。

笠岡はTNKの後輩です。いま笠岡には主にキュレーションメディア事業を任せていて、僕の補佐役のような感じです。笠岡の優秀さはピカイチで「言ったことをそこまで一発で完璧にできるのか」というくらいに優秀なんですよね。例えるなら、「バスケットボールでフリースローのシュートフォームを教えても、普通は1回では全然綺麗なフォームで打てないし、当然シュートも決まらない。ただ、笠岡の場合は1回教わったら完璧なフォームで一発でシュートを決められるようになる。そんな感覚です。それが言ったことだけではなく、考えることや意思決定のレベルでも即ほぼパーフェクトでできる」本当に天才だと思います。【金氏】

### 同世代の仲間と共にクルーズ社で次世代をつくる

そう語る金氏の表情からも、心から一人ひとりのメンバーを尊敬していることが熱く伝わってきた。金氏と優秀な同世代の仲間が率いるCandle社は、クルーズ社と共に、今後どのような展開を進めていくのだろうか。

今後は大きく3点に注力していきます。1つ目は、Candle社がこれまで培ってきた「SEOの知見」「ドメイン力」を活かして『SHOPLIST.com by CROOZ(ショップリスト)』への流入を増やします。2つ目は、Candle社の既存事業「『MARBLE』『MimiTV』のブランド化」を進めます。3つ目は「新規事業」です。もちろん新規事業については「SHOPLISTへの流入」「既存事業のブランド化」にコミットした上でのことではありますが、Candle社には若手の優秀なメンバーが多いので、ノウハウを活かしながら新規事業に取り組みたいと考えています。

僕としては、長期的に「クルーズ社の第二の柱を作る」ことにコミットしたいと思っています。それが『MARBLE』『MimiTV』「新規事業」になるかはわかりませんが、クルーズ社が永続的に利益を出せる「永続する事業」を作りたいです。

今後、クルーズ社では、SHOPLISTの集客力・販売チャネル・ブランディング強化のためにあらゆる周辺事業のM&A等を積極的に行うとともに、11月1日に「CROOZ VENTURES株式会社」を設立し、学生や25歳以下の若手起業家に事業支援や投資活動を行っていく予定です。

僕個人としても、これからエンジェル投資も積極的に行っていきたいと思います。「本当にこのベンチャー界隈でスタートアップとして大きい事業を作りたい」と考えている人に投資していきたいと考えています。

いま、ベンチャーエコシステムが構築され出しています。きっと、30,40年後には今のシリコンバレーのように、このスタートアップの場が日本でもより注目され、中心の業界の一つになっていると思います。

僕はTNKの先輩で起業家としても先輩の福島さんに投資していただいたおかげで、スタートアップをはじめることができました。だからこそ今度は僕も投資する立場としてよりこの業界が発展するよう支援していきたいと思っています。「本当にずっとやりきる想いがあれば助けてくれる人もいる」「スタートアップをやりきる想いがあれば戦い切れる環境」と思うので、そういう人を応援していきたいですね。「Candleで半年インターンして起業してもらいたい」そう考えていますね。PayPalからペイパルマフィアが生まれたように、Candleからキャンドルマフィアが生まれたら最高だと思います。【金氏】

* 参考記事:**<速報>クルーズ、”25歳以下の学生や若手起業家”のための戦略子会社「CROOZ VENTURES」設立**

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