米ユニコーン企業Airbnb、リオオリンピックでインフレ加速…リオから2020年東京オリンピックのホテル需給環境を考察

オリンピック開幕を迎えたリオデジャネイロ。リオデジャネイロでは、世界中からの観光客を迎え入れるために宿泊施設の増加を進めてきた。そこに登場した救世主が、最近資金調達を実施して世界3位の高バリュエーションのユニコーン企業となった、米国・シリコンバレーの民泊企業大手「Airbnb」。

オリンピック開幕を迎えたリオデジャネイロ。リオデジャネイロでは、世界中からの観光客を迎え入れるために宿泊施設の増加を進めてきた。

リオデジャネイロにホテルが少ないというのは以前からよく聞いていた話だ。そのため、宿泊費の高騰や宿泊施設に人が集中してパンクすることも多い。

リオオリンピック会期中の来場者予想は38万人。その中、リオデジャネイロは国をあげて宿泊施設の増床を進めていたが、それでもまだ足らなかった。

そこに登場した救世主が、最近資金調達を実施して世界3位の高バリュエーションのユニコーン企業となった、米国・シリコンバレーの民泊企業大手「Airbnb」。(参考記事:Airbnb、バリュエーション約3兆円で約865億円を資金調達…ユニコーン企業で全世界第3位にランクイン

今回のリオオリンピックで、Airbnbは、公式プロバイダーとして宿泊施設を提供している。Airbnbとリオオリンピックの組織委員会は、昨年(2015年)に公式プロバイダーとして契約を締結している。

Airbnbは、先月(2016年7月)時点で、リオオリンピック関連の宿泊予約件数は5万5,000件以上、リオデジャネイロのリスティング(登録)件数は世界で4番目に多い3万8,000、と明かしている。

8月3日付のBloombergは、リオデジャネイロのAirbnb宿泊施設の価格が、リオオリンピックの影響でインフレしており、1日あたりの平均価格が206ドル(約2万1,000円)に上昇していると報道した。この価格は、マイアミやサンフランシスコを上回るもので、パリの2倍以上だ。

もちろん、リオデジャネイロのホテルもリオオリンピックの影響でインフレしている。Bloomberg World Hotel Indexによれば、リオデジャネイロのホテルは現在世界で7番目に高い。

なお、Airbnbによれば、8月3日〜23日までのオリンピック会期に合わせたAirbnbを利用ゲスト数は6万6,000以上の見込み。

2020年には東京でオリンピックが開催される。東京2020オリンピック招致委員会は、オリンピック関係者に加え観客などに対応するに十分な規模の施設を確保、東京の選手村10km圏内を中心に299施設4万2,000室の提供を保証している。また、大会の中心点から半径10km圏内に約8万7,000室、50km圏内に14万室超の客室があるとしている。厚生労働省の統計では、東京、神奈川、埼玉、千葉でのべ26万室がある。

さらに、日本政策投資銀行は、2014年6月、東京オリンピック会期中の東京のホテルの需給が、過去の事例を踏まえると、

* 発売予定の約780万枚のチケットを、宿泊を必要としない日本人(首都圏など在住)7割、宿泊を必要とする日本人2割、外国人1割の割合で取得
* 宿泊必要日本人は1人2競技観戦、2泊宿泊、外国人は1人3競技観戦、4泊宿泊
* ホテルには平均1室1.5人宿泊

と仮定でき、観戦のための外国人宿泊は26万人、宿泊数は日本人156万人泊、外国人104万人泊の合計260万人泊で、必要室数は173万室と推計。北京オリンピックでは外国人観戦者数が10万人、ロンドンでは外国人観戦者数が47万人であったことを考えると、東京でのオリンピック観戦目的の訪日外国人数は20〜40万人のレンジ。

ホテル・旅館以外の宿泊施設の利用や1質あたりの利用者増などを考えれば、全体で宿泊施設が大幅に不足することはないと推測される。その一方で、近年の訪日外国人客の増加なども考慮すると、宿泊施設の混雑や客室料金の上昇などの問題は生じうるだろう。

それゆえ、今回のリオオリンピックでのAirbnbの利用動向は、次の2020年東京オリンピックにおける宿泊施設の需給環境を考える上で、一つの指標となるのではないだろうか。