理系学生の研究データベース『LabBase』が理系就活を変える POLがシードラウンドでBEENEXTなどから5000万円を資金調達し、研究室のインフラを目指す

現役の理系東大生が代表を務める東大ベンチャー企業「POL」が、BEENEXT、CyberAgent Ventures、Draper Nexus、Beyond Next Venturesと複数のエンジェル投資家から、シードラウンドで総額5000万円の資金調達を実施すると発表した。

現役の理系東大生が代表を務める東大ベンチャー企業「POL」が、BEENEXT、CyberAgent Ventures、Draper Nexus、Beyond Next Venturesと複数のエンジェル投資家から、シードラウンドで総額5000万円の資金調達を実施すると発表した。

POLは、現役の理系東大生でもある加茂倫明氏が立ち上げた会社。メンバーの多くは、20歳〜22歳の学生と非常に若いが、取締役を務める吉田行宏氏(元ガリバーインターナショナル専務取締役)や、岡田健太郎氏(元notari開発責任者)など、経験豊富なメンバーもいる。

POLが手がける『LabBase』という新たな仕組みが、理系学生の就活を大きく変えようとしている。

学生に優位な売り手市場が続く中でも、研究で忙しくて時間がない理系学生にとって、就職活動と学業の両立は、そう簡単なことではない。従来の就職活動では、合同説明会や個別の会社セミナーに参加しながら業界研究をしたり、エントリーシートを書いて面接を繰り返したりと、かなり時間がかかり、就職期間中は研究がおろそかになって教員に嫌な顔をされたり、逆に研究に没頭する学生や拘束時間の長い研究室に所属する学生は、満足に就職先を選べているとは言い難い状態だ。

LabBaseは理系学生のダイレクトリクルーティングができる研究データベース。国立大学・私立大学の中でもトップ大学の理系学生を、彼らの研究プロフィールを見て直接スカウトできる。研究室単位で所属の学生を探すことができるので、例えば「人工知能」で検索すると、人工知能を研究する学生を横断的に一覧化できる。

今年2月末の正式リリース以前から100社以上の企業から事前登録があり、現在は大手企業からベンチャー企業まで約20社に利用されるなど、企業側のニーズが大きいことが読み取れる。

* 参考記事:**東大ベンチャーPOL、理系人材の研究データベース『LabBase』で研究室のインフラを目指す…加茂社長が語る、創業の経緯と今後の展望**

また、LabBaseに登録しているユーザーのうち最も多いのが東大生で、全ユーザー数の3分の1を占め、その他も東北大学、京都大学、大阪大学、北海道大学、筑波大学、東京工業大学などの学生がほとんどであるなど、トップ大学の理系学生が密度濃く集まっているのも魅力だ。

なかなか理系学生は採用市場に出てきにくく、多くの採用媒体では登録学生は文系の方が多くなっている傾向にある。POLが多くのトップ大学の理系学生を集められている理由の一つは、東京大学をはじめ、東北大学、京都大学、大阪大学、北海道大学などトップ大学に、それぞれインターンやアンバサダーがおり、各大学の学生がインサイダーとして研究室を訪問したり口コミで利用者を集めてネットワーク化しているからとのことだ。

LabBaseという新たな研究室インフラが、今後、理系学生の就活を支えるかもしれない。LabBaseをうまく活用すれば、研究が就活と結びついて、理系学生と企業との出会いを生み出し、研究の価値を再発見していけることだろう。

ここまでLabBaseの就活サービスとしての側面について語ってきたが、POLが目指すところは実はもっと大きい。彼らは、研究室にITが入っておらず、非効率な部分が数多く残っていることに注目し、研究を加速したり、研究者の研究以外の雑務を効率化するようなサービスや新機能をどんどん出していこうとしている。そうすることで、就活潜在層も取り込み、研究室に所属するメンバー全員が使うようなサービス群を作ろうとしている。

アメリカやヨーロッパでは、Y Combinatorが『学術界の課題を解決するスタートアップ』を大々的に募集した後、多くの研究室向けサービスを提供するスタートアップが台頭し、中には累計100億円以上を調達した「ResearchGate(研究者向けSNS)」や、毎月1億円以上課金するクライアントを持つ「Science Exchange(実験のクラウドソーシングサービス)」など、大きな成功を収めるスタートアップも出てきている。POLはこういったサービスも構想に入れているという。

そのPOLが本日、BEENEXTをリード投資家に迎え入れ、CyberAgent Ventures、Draper Nexus、Beyond Next Venturesと複数のエンジェル投資家から、シードラウンドで総額5000万円の資金調達を実施すると発表した。

**今回の資金調達では、B2BのSaaSビジネスやHR分野に知見が明るいBEENEXTとDraper Nexus、アカデミアに知見やつながりがあるBeyond Next Ventures、学生向けマーケティングに力を入れておりクライアント候補となる企業とのつながりも強いCyberAgent Ventures、その他様々な知見を持ったエンジェル投資家から総額5000万円の調達を行うことになりました。POLの事業を加速させてくれる心強い仲間が加わったので、彼らに恩返しできるよう今以上に頑張っていきたいと思います。調達した資金は、主に強いエンジニアチームを創るために使いたいと考えています。**

**LabBaseについては、まずは学生と企業双方の満足度を最大限に向上させたいと思っています。その上で、僕らとしては単なる就活支援サービスとして終わらせるつもりはなくて、研究室のインフラを作っていきたいと思っているのでそちらの新規サービスについても検証を進めていきます。**

**POLは一緒に走り抜ける仲間を絶賛募集中なので、少しでも興味を持った方は是非連絡していただければ幸いです。一緒にワクワクしながら、ブルーオーシャンなLabTech市場で戦いましょう!**(加茂氏)