犬猫の殺処分問題に「OMUSUBI」で取り組むシロップ、ペットのトータルサポートプラットフォームを目指す…大久保社長が語る、資金調達の裏側と今後の展望

今回、Pedia Newsでは、シロップ 共同創業者 兼 代表取締役CEO 大久保泰介氏にインタビューを実施し、資金調達の経緯、今後の展望などを伺った。シロップといえば、サイバーエージェント・ベンチャーズ、iSGSインベストメントワークス、エウレカの西川順氏、そのほか個人投資家を割当先とする第三者割当増資を実施したばかりだ。

[環境省統計資料「平成27年度犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」]

犬猫の殺処分問題に注目が集まっている。環境省によれば、2015年の犬猫殺処分数は8万匹を超えており、年々減少傾向であるものの未だに社会問題として根深いのが現状だ。保健所に連れられてきた犬猫を救う唯一の方法が、彼らの里親になることだ、現在、犬猫の殺処分を減らすために多くの自治体や保護団体が地域ごとに譲渡会を開催しているほか、インターネット上では里親掲示板と呼ばれるサイトが数多く存在する。

その中、”人が動物と共に生きる社会をつくる”ために立ち上がったスタートアップが「シロップ」だ。シロップといえば、サイバーエージェント・ベンチャーズ、iSGSインベストメントワークス、エウレカの西川順氏、そのほか個人投資家を割当先とする第三者割当増資を実施したばかりだ。

* 参考記事:**保護犬猫と飼いたい人のマッチングサービス「OMUSUBI」を開発するシロップ、CAV・iSGSなどから資金調達**

今回、Pedia Newsでは、シロップ 共同創業者 兼 代表取締役CEO 大久保泰介氏にインタビューを実施し、資金調達の経緯、今後の展望などを伺った。

シロップは、2015年3月に設立された会社。創業時にサイバーエージェント・ベンチャーズより資金調達を実施し、同年7月にペットと飼い主の思い出管理サービス「HONEY」、同年12月に獣医をはじめ動物に関わる専門家が執筆するメディア「ペトこと」を開始した。

**もともと家族全員、動物が苦手で触ることに勝手な恐怖感を抱いていたのですが、お付き合いしていた彼女がトイプードルを飼っていたことがきっかけで、どんどん好きになっていきました。その後、動物病院などに行く中で、非常にアナログな市場だと感じ、インターネットの力でペットとの暮らしを豊かにできることがたくさんあるのではと思い始めました。前職のグリー時代にも「ペットビジネス」の新規事業を提案していたのですが、最終的には起業をして、チャレンジすることを選びました。**

**僕の経験を振り返ってみると、学生時代にイギリスに留学していたのですが、イギリスをはじめ欧米諸国は、ヒトとペットが暮らしやすい環境にあると感じていました。欧米では、ペットショップがほとんど存在しておらず、文化として、保健所から保護犬を迎える、もしくは、ブリーダーから譲ってもらうことが定着しており、供給と需要がマッチしています。一方、日本の場合は「ペットはペットショップで売っている子犬子猫から買うもの」という考え方が一般的で、「パピーミル(子犬工場)」と呼ばれる悪質な繁殖業者も存在します。需要に対して供給が上回っており、保護された犬猫の行き場もないことが、年間8万匹以上の犬猫が殺処分される要因となっています。**

**僕は、このペット市場に対して、問題解決を念頭に入れながら事業を作り上げていきたいと考えて創業しました。人とペットの暮らしをより良くするために「HONEY」「ペトこと」の提供を開始したのですが、殺処分問題を深く知るようになり、人とペットの幸せのためには、まず人が責任を持って解決しなければいけない問題があると考え、「OMUSUBI」が生まれました。**(シロップ 共同創業者 兼 代表取締役CEO 大久保泰介氏)

シロップでは、2016年11月より、犬猫の殺処分問題解決へ向けたソーシャルビジネスとして、保護犬・保護猫と飼いたい人をつなぐマッチングサービス「OMUSUBI」を開始している。「OMUSUBI」では、プロフィールを入力すると、自分にぴったりの運命の犬や猫と出逢うことができる。また、保護団体もかんたんに里親を募集している犬猫の情報を発信できたり、保護犬や保護猫の募集から譲渡までをスムーズに進めることができる。

そして2016年12月、シロップは、サイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)、iSGSインベストメントワークス、エウレカの西川順氏、そのほか個人投資家より資金調達を実施したと発表した。

**CAVさんは、創業時に前職のグリーの方に相談した時にご紹介いただき、創業時に最初の投資家として出資いただきました。ISGSさんは、CAVさんからご紹介いただきました。iSGSの五嶋さんは、犬好きでご自宅でも飼っており、殺処分問題にも関心を抱いていました。また、西川さんも、犬好きでご自宅でも飼っており、「HONEY」をユーザーとして使ってくださっていましたし、殺処分問題にも関心をお持ちでした。**

**僕らが挑戦するペット市場は、市場規模も1.5兆円と大きくポテンシャルもありますが、犬種などペットによってライフスタイルが異なるため、非常にマネタイズポイントが複雑でまだ成功しているプレイヤーはいません。そのため、一部の投資家の方々には成功が難しい市場とも言われています。だからこそ、当事者意識を持って殺処分問題に関心を持ってくださり、僕らのミッションに共感し、長期的な目線でパートナーとなってくださる方々にご出資いただきたいと思いました。もちろん、サスティナブルに課題を解決するために、ビジネスとして収益化していくことが前提です。今回、前回ラウンドに続いてCAVさん、そして、新たにiSGSさん、西川さんにご出資いただけて、本当に良かったと思います。**

**今回、皆さんとご一緒していく中で、CAVさんには経営全般と投資家とのコネクション、iSGSさんには事業全般、西川さんにはマーケティングノウハウやUI/UXなどのアドバイスをいただきたいと考えています。**

**「OMUSUBI」をみていただくと、保護犬・猫たちのご紹介画像が丸型になっています。これはもともと正方形だったのですが、西川さんよりpairsで写真を正方形から丸型に変更してKPIが良くなったというお話を伺って、丸型に変更しました。**

**さらに、2017年より、僕らはリアル事業に進出することを検討しています。具体的にはそれぞれの犬猫の健康状態に合ったペットのサプリメントを販売していきたいと考えています。iSGSさんには、サプリのノウハウや工場の提携など事業シナジーも踏まえてサポートいただきたいと思っています。また、僕たちはペット業界全体の発展を目指しているため、獣医療や教育の分野にもチャレンジする構想を立てています。そして、日本のマーケットだけでなく、今後市場が拡大してくるアジアなどグローバルを見据えた事業展開をしていきたいと思います。**(シロップ 共同創業者 兼 代表取締役CEO 大久保泰介氏)

人が動物と正しく向き合える社会を作り、その先の未来として、人と動物が等しく向き合い、共に生きる社会の実現を目指すーーー大久保氏が創業時より持ち続けてきた強い想いと、社会問題を根底から解決しようとするミッションに対し、数字だけの評価ではなく、社会的意義の重要性を評価した投資家と共に、シロップは、今後、どのような世界を築きあげるのだろうか。最後に、大久保氏は、人が動物と共に生きる社会に向けて、熱く語ってくれた。

**シロップでは、人と動物が接点を持つ、ペットを飼う窓口から飼育後までをトータルサポートしていきたいと思います。飼う窓口である「OMUSUBI」を最たる軸として据えて、飼育サポート、ヘルスケアの事業を手がけ、殺処分問題を解決し、人と犬が健康的に暮らせる世界を実現していきたいと思います。また、僕たちはペット業界全体の発展を目指しているため、獣医療や教育の分野にもチャレンジする構想を立てています。そして、日本のマーケットだけでなく、今後市場が拡大してくるアジアなどグローバルを見据えた事業展開をしていきたいと思います。**(シロップ 共同創業者 兼 代表取締役CEO 大久保泰介氏)

保護犬猫と飼いたい人のマッチングサービス「OMUSUBI」

株式会社シロップ