日本初のフードテック専門の投資部門「フードテックファンド」その仕掛け人・オイシックス 佐藤氏が語る、オイシックスのオープンイノベーションの活性化

Pedia Newsでは、オイシックス株式会社 EC事業本部 戦略推進室 室長 兼 経営企画本部 Food Tech Fund セクション マネージャー 佐藤淳氏にインタビューを実施し、フードテックファンド設立の経緯などを伺った。

「より多くの人に、より豊かな食生活を」より多くの一般家庭が、美味しくて体に良いものを苦労せず簡単に実現できるようなサービスを提供する「Oisix(オイシックス)」。Oisixは、日本初のフードテック関連への投資・提携を行う専門投資部門「フードテックファンド」を2016年10月17日に立ち上げた。

Pedia Newsでは、オイシックス株式会社経営企画本部 Food Tech Fund セクション マネージャー 佐藤淳氏にインタビューを実施し、フードテックファンド設立の経緯などを伺った。

オイシックスは、2000年6月に設立された会社。特別栽培農産物、無添加加工食品など安全性に配慮した食品・食材で、日常の食生活を支えるべく、インターネットを受注チャネルとしたECサイト「Oisix」や店舗事業などを行う。

直近の業績を見ると、2016年3月期の売上高は200億円を超えており、2017年3月期上半期の売上高は、会員数の増加によりEC売上が順調に推移、さらにECコンサルの拡大により全体で前年同期比14.3%増の107億1800万円と16期連続過去最高売上を達成している。

最重要指標である定期購入会員数は、プロモーション強化により、前期末比11.9%増の12万4000人に成長した。その他、月間平均購入頻度は2回、購入単価は5799円、ARPUは1万1586円。

また、オイシックスでは、「サブスクリプションプラットフォームの進化」と「ブランドの強化」を進めている。サブスクリプションプラットフォームの進化では、三越伊勢丹ホールディングスと食品宅配事業のジョイントベンチャーの設立検討や、ECコンサルティングの拡大を進めている。ブランドの強化では、DEAN & DELUCAとのコラボレーションを行っており、2017年度上半期には、DEAN & DELUCAと共同開発するOisixのリアル店舗が新オープン予定。

中期戦略として、オイシックスでは、「食」の「サブスクリプションコマース」において、様々な世代のニーズに応えることで、2019年3月期に流通総額400億円を実現させ、圧倒的No.1プレイヤーへの成長を加速させることを目指している。

**全て社内だけのリソースで行うには成長速度に限界がある。フードテック業界が盛り上がりを見せる中、外部の力を社内に取り入れることで、成長速度をスピードアップしていきたい。**(佐藤氏)

そこで設立されたのが日本初の食を専門とする戦略投資部門「フードテックファンド(FTF)」である。フードテックファンドとは、オイシックスの企業理念でもある「より多くの人に、より豊かな食生活を」実現するために、栄養学や味覚に関する研究・技術、食とヘルスケアに関する研究・サービス、新しい食材、農業技術、レシピサービス、調理家電など、フードテック分野に特化した投資・提携を行う投資部門。

**オイシックスのオープンイノベーションを、フードテックファンドによって活性化させたいと考えている。**(佐藤氏)

佐藤氏がそう語るように、単なる純投資だけでなく、オイシックスのノウハウを生かした実行支援を行い、新技術や新サービスのより速い実用化、事業化を支援する。

そのフードテックファンドの第1号投資が「ルートレック・ネットワークス」である。ルートレック・ネットワークスは、土壌の状態を数値化して最適な培養液供給を自動で行う、次世代養液土耕システム「ZeRo.agri(ゼロアグリ)」を運営する会社。オイシックスとは、資本業務提携を行い、①Oisixの生産者へのゼロアグリの紹介、②栽培管理に関する加工分析データの一部提供、③新規サービス、機能のベータ版利用といった事業提携および、3000万円の資本提携で合意している。

**ベンチャー企業にとっては、オイシックスが持つ12万人以上の会員や日本全国各地にある契約農家に対して、商品を届けてデータ分析もできるため、テストマーケティングを行うことができる。また、オイシックスでは、自社に商品開発のノウハウも持っているので、商品を開発したり、テストマーケティングをしながら事業開発を行ったり、創業間もないシード期のベンチャーと一緒に進めることができる。**(佐藤氏)

佐藤氏によれば、今後、フードテックファンドでは、ベンチャー企業とのコラボレーションを進めていくことで、**「さらなる拡大を模索していきたい」**とのこと。