日本初、成田空港で無料SIMカードを提供!インバウンドプラットフォーム『WAmazing』が誕生 元クックパッドCTO舘野氏も参画…加藤CEOが語る、プラットフォーマーとしての想い

WAmazing社は、訪日外国人旅行者対象のスマートフォン向けアプリサービス『WAmazing』を提供開始した。また、創業以来、技術顧問として参画していた、元クックパッドCTOの舘野祐一氏を、CTOに迎え入れたことも明かした。Pedia Newsでは、WAmazing株式会社 代表取締役社長 加藤史子氏と、CTO 舘野祐一氏にインタビューを実施し、彼らが今まさにこれから提供する新しいプラットフォーム『WAmazing』について伺った。

日本の観光業は、日本経済の重要な柱へと成長しつつある。来たる2020年、日本はオリンピック、パラリンピックを開催し、人・文化・資源を世界へ発信する最高の場を手に入れる。

2003年1月に、小泉内閣総理大臣が「2010年に訪日外国人旅行者1000万人を目指す」と発言し、同年4月より開始された「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の効果もあり、2003年以降順調に訪日外国人数は伸びていたが、2008年のリーマン・ショックや2011年の東日本大地震の影響を受けて訪日外国人数は減少していた。しかし、2013年には、訪日観光ビザの要件緩和や2012年末からの円安傾向などもあり、訪日外国人数は初めて1000万人を突破した。

2011年から2015年にかけて、訪日観光業は年間33%の成長を遂げており、世界でも最速の成長率を記録した。この成長を牽引したのは、主に円安、中国の経済成長、航空業界の規制解除、中国・マレーシア・タイからの観光ビザ要件の緩和など政策変更により、海外から日本へ旅行しやすくなったことが大きい。日本の観光業に対する経済効果は莫大なものとなり、2015年には海外からの旅行消費額が3兆5000億円を達した。

政府は、訪日観光業が日本経済を成長させる強力な原動力になると捉え、訪日外国人観光客の拡大に向けた具体策をまとめ、2020年までに、訪日外国人観光客層の目標人数を2倍以上の4000万人、訪日外国人旅行消費額を8兆円とすることを決めた。観光先進国という新たな高みに向けて、観光業を成長戦略の大きな柱の一つに掲げ、地方創生の切り札とすることで、名目国内総生産(GDP)600兆円を目指す。

これらの目標は、決して達成不可能ではない。実際、日本政府観光局(JNTO)によれば、2016年年間訪日外国人数は過去最多となる前年比21.8%増の2400万人以上で過去最高を更新した。ただし、伸び率では昨年の47.1%増から大幅に低下しており、成長鈍化という側面も見られる。

[出典:日本政府観光局]

今、日本の観光業は大きな節目を迎えている。観光業がこれからも持続可能な成長を遂げるためには、今以上に強力な取り組みが必要となる。こうした中、元リクルートと元クックパッドのメンバーが、日本中を楽しみ尽くすためのきっかけの提供と最大化に向けて立ち上がった。それが「WAmazing(わめいじんぐ)株式会社」である。

WAmazing社は、訪日外国人旅行者対象のスマートフォン向けアプリサービス『WAmazing』を1月26日より提供開始したと発表した。また、創業以来、技術顧問として参画していた、元クックパッドCTOの舘野祐一氏を、2017年1月よりCTOに迎え入れたことも明かした。

Pedia Newsでは、WAmazing株式会社 代表取締役社長 加藤史子氏と、CTO 舘野祐一氏にインタビューを実施し、彼らが今まさにこれから提供する新しいプラットフォーム『WAmazing』について伺った。

WAmazing社は、2016年7月に創業された会社。創業メンバーは、代表の加藤氏をはじめ元リクルートの5名と元クックパッド舘野氏の6名でスタート。観光事業者・地域にとって、新規の顧客となる「国内の若者」や「海外からの訪日客」向けに、マッチング(送客)事業を展開する。

WAmazing社では、創業以来、2016年6月までリクルートライフスタイルが運営していた『マジ☆部』を業務委託にて運営するも、ずっと謎に包まれていた自社サービスがベールを脱いだ。それが訪日外国人旅行者対象のスマートフォン向けアプリサービス『WAmazing』である。

『WAmazing』アプリは、外国人旅行者にニーズの高いインターネット通信環境を無償提供することで、アプリ内にて日本各地の観光情報を発信し、かつ実際に交通手段や観光アクティビティをアプリ内で手配・予約・購入できる。現在、香港・台湾に居住する訪日外国人旅行者を対象としており、中国語(繁体字)で提供を開始しているが、順次言語については拡大予定とのこと。

訪日外国人旅行者の多くは、日本の通信環境の悪さに不満を持っている。総務省と観光庁が2016年1月にまとめた「訪日外国人旅行者の国内における受け入れ環境整備に関する現状調査」によると、訪日外国人旅行者が旅行中に困ったこととして、「無料公衆無線LAN環境」が46.6%で最も多い。次いで「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」が35.7%、多言語表示が20.2%で続く。空港やホテルでは無料公衆無線LANが利用できることもあるが、一歩街へ出ると、鉄道をはじめ、多くの施設で十分な通信環境が整っていないのが現状である。また、訪日前に利用するつもりで利用できなかったものとして最も差が目立ったのが「SIMカードの購入」である。特に、近年訪日旅行者が増加する香港、タイ、インドネシアなどで利用意向が高い。

そこで、『WAmazing』アプリでは、事前に居住国で『WAmazing』アプリをダウンロードし、会員登録することで、日本で最大5日間・500MBまで無料で使えるSIMカードを無償提供する。もちろん、データ通信量の追加購入や利用日数を延長することも可能で、その場合にはアプリ内決済で簡単に申し込みできる。

何と言っても魅力的なのが、そのSIMカードの受け取り場所が日本入国直後の「空港」であることだろう。2月1日より、成田空港第1・第2・第3ターミナルビルの国際旅客到着口付近に合計4台設置される『デジタルサイネージ付無料SIMカード受取機』に、アプリ内のQRコードをかざすだけで、SIMカードを受け取ることができる。これは、訪日外国人のニーズの高い通信・交通・魅力的な旅行先提案をワンストップで提供する、日本初の取り組みでもある。

加藤氏によれば、このSIM受取機は、SIMカードの受け渡しとしての役割に加え、デジタルサイネージとしても利用できるため、訪日外国人旅行者に対して空港内でマーケティング、プロモーションを実施したい企業にとっても魅力的な端末にも見える。

また『WAmazing』アプリを利用すれば、日本旅行を楽しむコンテンツが予約・手配・購入できる。その第一弾として、チェッカーキャブ無線協同組合と連携し、『東京23区内発着の<雪国行き>観光貸切タクシー商品』をアプリ内で1月26日より販売する。さらに、東京の法人タクシー会社が加盟する一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会が運営するスマートフォンでのタクシー配車アプリ『スマホdeタッくん』とも連携し、日本語や電話を使わずに都内の約1万2000台のタクシーを配車できる「日本初インバウンド特化型タクシー配車アプリサービス」を2月1日より開始する。

『WAmazing』アプリなら、訪日外国人旅行者が、スマートフォンを片手に、日本を旅行中に、訪日外国人旅行者のニーズが高い「人気観光スポットのチケット購入」「交通手配」「日本を代表する観光資源の体験」を、言語対応の心配もすることなく自らの行動(アクション)で自由に決めることができる。まさに、『WAmazing』アプリが、国境を超えて、日本と世界を繋いでくれる。これを実現するために、WAmazing社では、インバウンドプラットフォーム事業者として、観光事業者、交通事業への送客手数料をもらう。

**もともと2014年頃にリクルートの社内新規事業で、インバウンド市場で通信の自由化を活用しながら何か新しいことができないかと考えていた。2015年末のIVSで、ソラコムの玉川さんからIoT向けの通信事業を聞いたときに、これを訪日外国人旅行者向けに提供できるのではと感じた。**

**今回のサービスでは、物理的なモノであるSIMカードの受け渡しが発生するので、リクルートでホットペッパー事業に携わっていた時に、フリーペーパーの配布場所にこだわっていた知見から、”ユーザーとのタッチポイントをどこにするか”を重視した。訪日外国人旅行者がたくさん集積する場所であり、かつ、通信に対するニーズが最初に発生する場所である”空港”をユーザーとの最初のタッチポイントとして開拓していきたい。空港側にとっても、顧客満足度や利便性の向上に繋がる上に、これまで空港でしか接点がなかった旅行者とWAmazingアプリを通じて旅行中ずっと繋がることができ、新しいマーケティングやプロモーションもできるようになる。まさに、訪日外国人旅行者も事業者も私たちもみんなが”Win-Win-Win”の関係をWAmazingで作れる。**

**将来的には、WAmazingをインバウンドプラットフォームにしていきたい。観光ガイド情報だけではなく、交通、観光・体験などアプリ内で手配が完結するコンテンツを拡充し、日本の様々な地域と旅行者の出会いを作り、各社とレベニューシェアしながらプラットフォームサービスを構築していきたい。**(加藤氏)

訪日外国人旅行者の心の声に寄り添い、彼らが一番繋がりたいと思う時に通信環境を無償提供し、ツアー旅行だけでなく今後増えていくだろう個人・家族旅行に向けて、彼らにコンテンツを提供し選択の自由を与えることで、国内事業者による真のおもてなしを実現できるのだろう。

WAmazing創業者である加藤氏の強い想いと、WAmazingアプリが挑むインバウンド市場とその問題解決に魅了されたのは、何も国内の事業会社だけではない。創業以来、技術顧問として関わっていた元クックパッドCTOの舘野祐一氏がCTOとして正式に参画した。舘野氏によれば**「プラットフォーマーになることは、技術的にも難易度が高く、エンジニアとしてやりがいがある」**という。

**もともと個人的に新しい事を考えていたときにに、たまたま知り合いを通じて紹介を受けた。WAmazingの事業内容を聞くと、エンジニアとしてもやりがいがあると感じた。SIMカードを利用する点では通信インフラよりのおもしろさがあり、プラットフォームになるためには技術的な難易度も高い。また、空港への機械の設置のようなハードウェアとソフトウェアの融合を、IoTとITの技術を使って挑戦できる。また、WAmazingでは、ソラコムを利用しており、ハードウェアであるSIMカードもAPIを通してソフトウェアのように制御できる。ハードウェアで価値を提供したいと思ったに、挑戦する敷居が少しずつ下がりつつあると思う。これまでインターネットで繋がるのが難しかったハードウェアも、様々な機器の低コスト化により、安価で繋がれるようになっている。少し前は、インフラ構築するにはデータセンターが必須だったが、今はソフトウェアを組み合わせることで同等なインフラを構築が出来る。。インフラにソフトウェア化の世界が到来したように、ハードウェアとITがデジタルな世界でなめらかに融合できるようになった。**

**また、ユーザー体験を考えるといった視点でも、 WAmazingアプリは対象ユーザーが訪日外国人旅行者のため、toC向けのスマホサービスを使いこなし、文化的背景も異なる外国人向けに”どのようなサービスを提供すればいいか”を考えることは、これまで経験してきた、身近なユーザーの課題を解決する考え方とは全く異なっており、開発で苦労している点でもある。使用する言語も生きてきた文化も違うからこそ、どのようなサービスを提供すればいいのか苦悩する部分ではあるが、わからない者に対してどのような世界を作っていくかを考えることはチャレンジしがいがある。ITサービスの良い点は、学習サイクルが短いこと。スピーディーに開発して細かくバージョンアップしていくことで、ユーザーに何が刺さるのかを見極めて正解を見つけていきたい。ベンチャーだからこそ、スピード感を持ってチャレンジし続けたい。**(舘野氏)

総勢20名、そのうち半数がエンジニアというモノ作り集団「WAmazing」。日本人なら誰もが知るtoCサービスを生み出し続けるリクルートとクックパッドの出身者が、日本人に愛されるサービス作りで培ってきたノウハウと経験を活かし、未来の日本を担う成長産業であるインバウンド市場で新しい挑戦を歩みはじめた。

「日本中を楽しみ尽くすきっかけがあふれる、Amazingな人生に。」ーーーその実現に向けて、WAmazingは、ひとつのインバウンドプラットフォームで、日本中の可能性がある産業や文化を掘り起こし、魅力を磨き、価値を再構築すると共に、様々なきっかけを創りだし、「驚き」と「感動」に満ちた出会いを提供し、ヒトとコト、ヒトとヒトを世界と日本で繋ぎあわせる。

WAmazing 株式会社