弁護士ドットコム、リーガルテック・ポートフォリオ戦略で大幅な増収増益を達成(2017年3月期第1四半期決算)

今回、Pedia Newsでは、決算短信及び四半期報告書をベースに、2017年3月期第1四半期決算(2016年4月~6月期)を紹介する。

国内で2017年3月期の企業の第1四半期(2016年4月~6月期)の決算発表が本格化する一方で、海外でも2017年12月期の企業の第2四半期(2016年4月~6月期)の決算発表が本格化している。(参考記事:決算シーズン到来!注目IT・ゲーム関連株の決算スケジュールまとめ(2016年7月末)

その中でも注目企業の一つであるのが、弁護士ドットコム。

弁護士ドットコムは、2014年12月に東証マザーズに上場した会社。今月1日(8月1日)には、大手クレジットカード会社クレディセゾンがWeb完結型クラウド契約サービス「クラウドサイン」を導入するなど、いま波に乗るリーガルテックベンチャーだ。

### 弁護士ドットコム、2017年3月期第1四半期決算

今回、Pedia Newsでは、7月27日に公開された決算短信及び、8月10日に公開された四半期報告書をベースに、2017年3月期第1四半期決算(2016年4月~6月期)を紹介する。

### 大幅な増収増益を達成

売上高は前年同期比54.6%増の3億5,800万円、営業利益は同44.1%増の7,800万円、経常利益は同44.0%増の7,700万円、四半期純利益は同43.8%増の5,000万円(前年同期比)。売上高・各利益ともに、前年同期に比べて大幅の増収増益となった。

### 売上の内訳は?

売上高の内訳をみると、弁護士マーケティング支援サービスが前年同期比58.3%増の2億4,300万円、有料会員サービスが同60.1%増の7,000万円、税理士マーケティング支援サービスが同33.8%増の2,300万円、広告その他サービスが同27.1%増の2,000万円。弁護士マーケティング支援サービスを中心に各種サービスが順調に増加したといえよう。

### 販管費は、人件費と本社移転で増加

一方、販売費及び一般管理費は、継続的な人採用で人件費が増加、本社移転などに伴いその他費用を増加して、2億4,200万円。

### 営業利益は微増、営業利益率は微減

これを受けて、営業利益は微増し、営業利益率は前四半期の22.6%から21.8%へ減少した。

### 「弁護士ドットコム」「税理士ドットコム」が好調

今回の決算には、法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」、税理相談ポータルサイト「税理士ドットコム」をはじめとした、各サービスの会員数が順調に増加したことが大きく寄与した。

それでは次に、サービスの状況をみよう。

### 「弁護士ドットコム」事業の事業進捗は?

主力事業である「弁護士ドットコム」において、ユーザーに向けた有益なコンテンツの提供やユーザビリティの向上に注力するとともに、身近な話題を弁護士が法的観点から解説するオウンドメディア「弁護士ドットコムニュース」の記事配信による認知度の向上に注力した。

#### 月間サイト訪問者数は約50%増加で826万人を突破

これより、「弁護士ドットコムニュース」の2016年6月における月間サイト訪問者数は前年同月比49.6増の826万人となった。

#### 会員登録弁護士数は約36%増加で1万1,000人を突破

また、2016年6月末時点の会員登録弁護士数が前年同月比35.9%増の1万1,192人で、1万1,000人を突破。そのうち、弁護士マーケティング支援サービスの有料会員登録弁護士数が同50.9%増の2,496人。

#### 有料会員数は約60%増加で8万2,000人超え

さらに、「弁護士ドットコム」の有料会員サービスの有料会員数は同57.5%増の8万2,206人。累計法律相談件数は同7%増の46万件。

### 「クラウドサイン」事業の事業進捗は?

次に、2015年10月より提供開始した日本初のWeb完結型クラウド契約サービス「クラウドサイン(CloudSign)」の事業進捗をみよう。

今四半期における事業進捗としては、

1. **契約書作成支援機能など新機能をリリース**
2. **導入企業数は2,300社を突破**
3. **累計契約締結件数は2万件を突破**

の3点がある。

「**1. 契約書作成支援機能など新機能をリリース**」では、企業活動で利用頻度の高い契約書のひな形を無料で提供し、中小企業や個人事業主における契約書の作成を支援。これより、ユーザーは、NDA、業務委託契約書、雇用契約書など、頻繁に利用する契約書のひな形をから契約類型を選択して、氏名、金額などの必要事項を入力するだけで簡単に契約書を作成できる。

「**2. 導入企業数は2,300社を突破**」では、サービス開始7カ月で導入企業数は2,000社を突破し、現在導入企業数は2,300以上。

導入企業には、株式会社クレディセゾンや株式会社インテリジェンスなどの大企業から社会保険・雇用保険の手続きを自動化するクラウド型ソフトウエア「SmartHR」を提供する株式会社KUFUなどの急成長ベンチャー企業を含む。

特に、①契約締結における煩雑な手間、多大な時間、郵送代等のコストなど、多くの企業が抱える悩みを一気に解決し、契約締結のスピード化、コスト削減、管理機能が強化できる点、②Web完結型かつ無料で利用可能であり、クラウドサインに登録していない企業とも契約を締結することができるなど、導入ハードルが低いサービスである点、が人気だという。

「**3. 累計契約締結件数は2万件を突破**」については、新機能のリリース、導入企業数の拡大によって、8カ月で累計契約締結件数は2万件を突破したとのこと。

### 新サービスと挑む!リーガルテック・ポートフォリオ戦略でさらなる飛躍へ

弁護士ドットコムでは、複数事業へのポートフォリオ化戦略に向けて、新サービスの開発・育成が進めている。

最後に、今期より開始したサービスをみよう。

#### 「LegalTech Lab」を新設

まず、6月に新設した「LegalTech Lab(リーガルテックラボ)」についてみよう。

「LegalTech Lab」は、弁護士ドットコムと首都大学東京システムデザイン学部自然言語処理研究室(小町研究室、教員:小町 守准教授)と共同研究開始に伴い、人工知能関連技術による法律サービスおよびブロックチェーン技術により資産移転・所有権移転を可能とするスマートコントラクト・システムなどのリーガル・テック領域の研究・開発を行う部署として新設された。

「LegalTech Lab」の研究領域は、以下のとおり。

* **首都大学東京小町研究室との共同研究**
* インターネット法律相談サービス「みんなの法律相談」における検索精度の向上
* 一般ユーザーの法的トラブルをインタラクティブに問題解決するサービス
* 人工知能関連技術を活用した弁護士の業務支援サービスを検討
* **IBM Watson日本語版を使った研究**
* IBM Watson日本語版を活用した企業法務サービス「コグニティブ法務案件FAQ」や対話式法律相談サービスの開発に着手
* **ブロックチェーン技術を活用した 「スマートコントラクト・システム」の開発**
* 株式会社デジタルガレージとその投資先であるブロックチェーン関連技術の開発を手がけるBlock stream社と連携し「スマートコントラクト・システム」の開発を検討

#### その他にも新サービスを多数展開

その他に、直近のサービスインしたものをまとめると、

* 5月 弁護士・法務担当者向け人材紹介サービス**「弁護士ドットコム キャリア」**を開始
* 7月 弁護士および税理士のマーケティング支援に加え業務支援も行うために**「弁護士ドットコムPro」「税理士ドットコムPro」**をリリース

となった。

リーガルテック・ポートフォリオ戦略で、さらなる飛躍に挑む「弁護士ドットコム」。日本のリーガルテックの第一人者である彼らの活躍に期待したい。