導入店舗数4200店を突破!ビットコイン決済サービス『Coincheck』運営レジュプレス大塚氏が語る「マクロ経済で見る、ビットコイン」

Pedia Newsでは、ビットコイン決済サービス「Coincheck(コインチェック)」を運営するレジュプレス株式会社 取締役COO 大塚雄介氏にインタビューし、ビットコインのこれまでを伺った。

今年2017年の年始早々、為替相場で不安定な動きが続く中、大幅に急騰し急落したビットコイン。今、ビットコインは取引対象が通貨だけでなく、証券といった金融商品にまで広がり、利用も急速に拡大している。

Pedia Newsでは、ビットコイン決済サービス「Coincheck(コインチェック)」を運営するレジュプレス株式会社 取締役COO 大塚雄介氏にインタビューし、ビットコインのこれまでを伺った。

ビットコインは、2008年、サトシ・ナカモトと名乗る人物がインターネット上に投稿した論文によって提唱された。それからわずか3ヶ月後、2009年1月には、ビットコインの理論を実現するためのソフトウェアがオープンソースで公開され、すぐさまに最初のビットコイン取引が行われる。

ビットコインとは、公開鍵暗号によるデジタル署名の連鎖であり、P2Pいわゆる一対一の電子署名により取引され、その記録は第三者により承認される。ビットコイン自体には、発行主体や管理主体がないが、第三者による取引記録の承認を通じて、データ改ざんによる偽造や二重使用といった不正取引が回避される。

2009年後半には、New Liberty Standardにより、ビットコインと法定通貨の交換レートが表示され、ビットコインと法定通貨間の交換が初めて行われ、2010年には、実際の店舗で初めてビットコイン決済の実施やビットコイン取引所Mt.Goxがサービスを開始した。その後、2011年にはMt.Goxが日本を本社とするTiBanneに買収され、日本国内で最初のビットコイン取引所が誕生した。それから5年の月日が経過した2016年は、国内・国外ともに過去最高水準の出来高を記録した。

これまでのビットコインの価格推移を見よう。2010年に実際の店舗で初めてビットコイン決済が利用された時には、ピザ2枚計25ドルと1万ビットコインが取引されていたが、2011年2月には1ビットコインが1ドルの価値をもつようになった。2013年3月には、ギリシャ財政危機の影響を受けたキプロス金融危機に際し、欧州やロシアの投資家がビットコインを購入したため、相場は急騰し、2013年年初の1ビットコインが13ドルから100ドルと大幅に上昇した。これについて、大塚氏は、**「ビットコインはマクロ経済と連動する」**と明言し、マクロ経済でのお金に対する不安がビットコインへの流通に大きく影響すると語った。

2013年10月には、中国のインターネット検索大手バイドゥ(百度)がビットコインを決済通貨として採用し、中国人の投資家がビットコインを購入し、市場価格が高騰し、同年11月末には1ビットコインが1242ドルとなった。しかし、同年12月、中国当局は、ビットコインを用いた金融商品や決済サービスの提供、ビットコインの両替などに対して注意喚起を行い、ビットコイン関連のウェブサイトの当局登録を義務付け、利用者に対して個人情報を開示の上で実名で取引することが義務付けられた。規制の背景には、格安な手数料での中国人民元のビットコインを経由した他国口座への送金によるマネーロンダリングがあったとされる。これを受けて、人民元建てビットコイン相場は、わずか1日で60%以上も値下がりした。

**今、ビットコインは黎明期のまっただ中にある。ビットコイン取引量が急増するにつれて、技術的な課題も多くなってきている上に、各国で法規制などが行われており、取引所の信頼性なども問われている。こうしたビットコイン自体の不安定な要因とマクロ経済の影響を受けながら、ビットコインは取引されている。**

**また、グローバルな金融マーケットで、中国はインパクトが大きい市場とされているが、ビットコインでも同じことが起きている。2013年に、中国政府による規制により、投資目的でビットコインを購入していた中国の投資家たちが一斉に手放したことで暴落した。これは2013年が特別というわけではなく、今でも同じ現象が起きている。ビットコインはマクロ経済と非常に密に連動している上に、国や政府機関などによる規制とも関係しており、これらの不安や焦りから世界中でビットコインの買いや売りが走る。2015年には銀聯(ぎんれん)カードの規制が進んだことで、海外で爆買いしたい中国人が資産を外へ持ち出す手段としてビットコインに買いが走って、ビットコイン価格が高騰した。**(大塚氏)

ビットコインの取引は世界で拡大している。2016年11月の売買高は前月比50%増の15兆円で過去最高を記録した。為替相場の混乱を受けて、欧米でも資産を海外に移すための取引としてビットコインの買いが膨らんでいるが、全体の取引の9割を占めるのが中国である。実際、金融商品が少ない中国では、昨秋の米大統領選挙後、ドル高・人民元安が進んでいることから、リスク回避を目的に人民元でビットコインをドルなどの外貨に変換する個人が増えている。ただ、中国当局は資本の海外流出に警戒心を強めており、企業から個人へ規制対象を拡大しつつある。今年2017年年初には、中国当局が資本規制を強めたことで、上海外国為替市場で人民元が大幅に上昇した一方で、資産拡大のためにビットコインを購入していた中国の投資家らが人民元の買い戻しに走ったことを受け、中国人民元建てのビットコイン価格は一時30%近く下落している。

**ビットコインは、自国で自国のモノを購入する時よりも、国をまたいで支払い・購入する時に価値を発揮する。ビットコインを使えば、安い手数料で早く送金ができる。それがユーザーから支持されており、取引所が自らアプローチせずともその利便性を享受するためにユーザーが自ら自分の意思でビットコインを選ぶようになっている。**(大塚氏)

一方、日本の動向を見ると、昨年2016年にビットコインを貨幣として認められた。もちろん、取引所を登録制にするなど監督強化も盛り込まれているが、利用が弾むきっかけともなった。その結果、世界におけるビットコインの取引量を国別に見ると、今や、中国についで日本の取引が多い。大塚氏によれば、**「取引量は2:8の法則」**で行われており、全体の2割が数千万円〜数億円の取引を行っており、残りの8割が数万円〜数十万円の取引を行っているという。利用シーンとしては**「Eコマースや留学先への仕送りなど海外への送金が多い」**とのこと。

**Coincheckにとっても、2016年は利用者が急増した年だった。導入店舗数が、オンライン・オフライン含めて、2014年末の63店舗、2015年末の918店舗から、2016年末には4213店舗へ増加した。この背景には、個人のビットコイン所有者が増加したことが大きい。Coincheckの場合、店舗側は手数料がわずか1%で、スマートフォンやタブレット端末からアプリをダウンロードさえすれば、リスクゼロでビットコイン決済を導入できる。**

**もともと、ビットコインは、地球上にある金をデジタルに応用している。ビットコインは無限にあるわけではなくて、あくまでも有限なモノにすぎない。ビットコインは、分散型ネットワーク内に存在することで、技術的に不正ができないように暗号化した上で、人の感情で循環的にまわるように設計されている。ビットコインを持っている人がビットコインで支払えば支払うほどに、ビットコインの価格が上がる。もちろん口コミで利用者が増加すれば、さらにビットコインの価格も上昇する。ただ、経済的に言えば、インフレを起こすような設計もされている。**(大塚氏)

最近では、シンガポールのDigixが金などの現物資産をトークン化させるブロックチェーンプラットフォーム『Digix Proof of Asset (PoA)』、米Circleはドル・ポンド・ユーロを手数料ゼロで交換できるアプリ『Circle Pay』、オープンソースプロジェクト『Spark』などを発表したほか、米ビットコインスタートアップ大手Coinbaseもデジタル通貨のビットコインから金融サービスのプラットフォームへと広がりを見せている。

中央政府が主導する通貨ではなく、全世界に分散的に散らばる巨大なネットワークによって守られ利用される「ビットコイン」。各国で様々な規制や問題により抑圧される一方で、消費者や事業者が自らの意思でより安価でシンプルな金融システムとしてビットコインの存在感が強まっている。混沌とした世界情勢で、政治、経済が不安定な動きを見せる中、自国通貨の価値を真に問う動きがビットコインを後押しするのだろう。

**これまでは技術だけが先行していたが、2016年に日本が世界に先駆けてビットコインに関連する法規制の整備を進めることができた。ニューヨークでは州法としてビットコイン二関連する法規制が定められていたが、非常に保守的で重厚的なものであったため、産業としてビットコインを成り立たせるのが難しくなった。日本は、技術の目を潰さずに、顧客保護の視座に立ってレギュレーションを整備したことで、産業としてもビットコインが発展しやすい環境を作り出した。また海外ではブロックチェーンが魔法の杖のように言われており、期待値が非常に高まりすぎてバブルな状況にあるが、今年は結果が伴わなければ期待値が急降下する可能性があると思う。一方、日本は、ここ1年を通じて、ビットコインやブロックチェーンに対する理解を深めてきたことで、非常に現実的なものとして受け入れ、それらを使って何ができるのかを真剣に議論してきた。日本からビットコイン産業を生み出して世界でマーケットリーダーになれる、その兆しが今見えており、今年2017年はそれを実践する年になると思う。**(大塚氏)

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