九州ベンチャーを支援する専門会社をドーガンが新設…ドーガン・ベータ林代表が語る、「地の利を生かす」投資支援

ドーガンは、九州地域における起業家・ベンチャー支援事業を、より専門性と機動性をもって加速させるために、会社分割を実施し、新会社「ドーガン・ベータ」を設立した。Pedia Newsでは、ドーガン・ベータ 代表取締役パートナー 林龍平氏にインタビューを実施し、ドーガン・ベータの新設経緯、そして今後の展望などを伺った。

地方創生の要となる、ベンチャー企業の育成。中でも、九州では福岡市を中心にベンチャー企業が活発だ。福岡市の開業率は7.0%と全国21主要都市の中でも最も高い。福岡市内の総生産90%以上を、商業、サービス業などの第三次産業が占める。起業が盛んになることで、雇用が生まれ、地域の活性化に繋がる。

地元・九州から起業家を生み出す影の立役者が、福岡市に拠点をかまえる「ドーガン」だ。ドーガン](http://www.dogan.jp/){: target=”_blank”}は、[1月4日、九州地域における起業家・ベンチャー支援事業を、より専門性と機動性をもって加速させるために、会社分割を実施し、新会社「ドーガン・ベータ」を設立した。

Pedia Newsでは、ドーガン・ベータ 代表取締役パートナー 林龍平氏にインタビューを実施し、ドーガン・ベータの新設経緯、そして今後の展望などを伺った。

ドーガンは、九州にてベンチャービジネスの育成、M&A・企業再生支援・戦略コンサルティングや、ベンチャー・企業再生・事業承継等への投資ファンド運営を行う会社。

**ドーガンは、九州の地域経済活性化にコミットすることを念頭に経営してきました。2006年に約10億円の1号ファンドを組成し、現在、ファンド規模約11億円の2号ファンドを運営しています。1号ファンドを組成した2006年は、ちょうどライブドアショックの時期とも重なり、九州にスタートアップと言っても今のような状況ではなくソーシングが難しい中で、中小企業の第二創業などを中心に投資支援してきました。実際、1号ファンドでは16社に投資しましたが、そのうちの半分がIT系で、残りは地元の製造業など地元老舗中小企業の海外進出・新規事業への投資が多かったです。**

**その後、2号ファンドを設立した2012年を境に、潮目が大きく変わってきました。九州のベンチャーは、それまで、IT系でも、受託やB2Bビジネスを行う”手堅いベンチャー”が多かったのですが、2012年以降は、東京でのITベンチャーブームの波も受け、自社サービスで勝負する”高い成長性を持ったスケーラビリティのあるベンチャー”が出てくるようになりました。また、2014年より、福岡市が国家戦略特区に指定され、”グローバル創業・雇用創出特区(創業特区)”となったことも影響していると思います。**

**2号ファンド設立後2015年までは、投資先企業のほとんどが福岡発のベンチャーでしたが、2016年からは福岡から他県にも波及しています。2号ファンドは、これまでに24社のベンチャーに投資をしていますが、ことし沖縄、宮崎、長崎のベンチャーに1社ずつ投資しています。また投資先のうち、IT系は全体の7割を占めます。**

**また2号ファンドを立ち上げた際に、九州のスタートアップエコシステムの一環として、福岡市にインキュベーション併設型コワーキングスペース「OnRAMP」を作りました。福岡市にもいくつかコワーキングスペースはありますが、OnRAMPでは投資家が常駐しているので、ベンチャーが僕ら投資家に会いたい時にいつでも会えるようにしています。**(ドーガン・ベータ 代表取締役パートナー 林龍平氏)

ドーガンでは、九州を中心とする中小企業へのM&A斡旋、投資育成、成長支援、再生支援を、約13年にわたり実施してきた。まさに、ドーガンは九州のスタートアップシーンの生き字引とも言えよう。

今回、ドーガンは、ベンチャー支援専門会社「ドーガン・ベータ」を新設した。会社名でもある”ベータ”は、投資におけるリターンの源泉となる不確実性(リスク)を表現する投資用語であり、システム開発の領域ではサービス開発中の段階であることを意味する。”未成熟であるからこそ無限のチャンスがあり、リスクを取るからこそ成長がある”をコンセプトに、九州特有の五感を持った相手を思いやる”どげんですか?どがんですか?”で九州地域のベンチャーに特化して投資支援を行う。

林氏によれば、**「意思決定を速くする」「専門性を高める」**ためにドーガン・ベータを設立したという。最後に、林氏は、ドーガン・ベータにかける想いを語ってくれた。

**ドーガン・ベータでは、2号ファンドがそのまま引き継がれる形でスタートします。本体のドーガンでは、銀行、監査法人出身のメンバーが多く、PE投資のような緻密なワークシートを使って投資判断するケースが多くありました。ただ、その方法では、成長性やチームに投資するシード投資とは真逆なスタイルのような部分もあり、これからもっとシードのベンチャーに良い投資をしていきたいと考え、別会社化を決断しました。**

**現在、投資先の起業家のボリュームゾーンは、30代が多い傾向にあります。最近、九州のベンチャーで多いのは、大企業や首都圏でスタートアップを経験して九州に戻ってきて創業する方や、地縁や血縁など一切なく九州に移り住んで起業する方が増えています。東京と比較して、ベンチャー人材が非常に豊富というわけではありませんが、九州ならではの特性を活かすベンチャーが多く、採用がうまくいっているケースが多いです。**

**僕らは、九州のベンチャーにコミットすることにこだわっているので、全国的に見ても”九州ぽい”と思われるような九州らしさを活かすベンチャーに投資していきたいと考えています。九州は、地理的にもアジアと非常に近いので九州からアジア展開を狙うベンチャーや、自然に恵まれている環境を活かしたアウトドア特化型ベンチャーなど、”地の利を生かす”ことを目指していきます。**(ドーガン・ベータ 代表取締役パートナー 林龍平氏)