世界で戦うメガベンチャーを作る、日本最大のレシピ動画『kurashiru』運営のdelyが総額30億円を資金調達

日本最大のレシピ動画アプリ『kurashiru(クラシル)』を率いるdelyは、シリーズCで総額約30億円の資金調達を実施した。今回のラウンドでは、ジャフコをリード投資家に迎え入れ、YJキャピタル、gumi ventures、Das Capital(CEO 木村新司氏)と、エンジェル投資家の佐藤裕介氏(フリークアウト・ホールディングス代表取締役社長)他既存投資家、新規個人投資家等が参加した。

世界中で利用されるiPhoneが登場してから、今年で10年が経った。iPhoneの登場は日本のITサービス市場を大きく変えた。それまで携帯電話でのコミュニケーション手段と言えば、iモードのメールに代表される携帯電話事業者が提供するメールが当たり前だった。それがスマートフォンの登場によって、LINEのようなチャットアプリへと移り変わった。アプリストアで様々なアプリの中から自由に好きなアプリを選んでダウンロードできる、今では誰でもわかることだが、これが日本ひいては世界のITサービス市場を大きく変えた。

こうした背景の中、モバイル時代の最後の砦と言われるのが「料理動画」である。世界で最も権威のある「ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)」の中で、今最も成功しているのは2014年に立ち上げたレシピサービス『クッキング(Cooking)』だ。また、新興ウェブメディアの「バズフィード(BuzzFeed)」にとっても、2015年に開始した料理動画サイト『テイスティ(Tasty)』は事業の中心である。

日本でも料理動画のベンチャー企業が勃興し、海外勢も日本のマーケットに攻め込んで来ている。元LINE社長の森川亮氏が立ち上げた女性向け動画メディア「C Channel」、かつてソーシャルゲーム大手グリーで取締役を務めて一世を風靡した『釣り☆スタ』『探検ドリランド』を立ち上げた吉田大成氏が創業した「エブリー」の料理動画メディア『デリッシュ・キッチン』、Buzzfeedが運営する『テイスィ(Tasty)』やアメリカの料理動画サイト『テイストメイド(Tastemade)』の日本進出など、これまでモバイルで数々の歴史を築いてきたベテラン勢も、アメリカの巨大ベンチャー企業も、この最後の大きな波に乗ろうとしている。もちろん、起業家やベンチャー企業だけでなく、投資家も大いに注目し、数億円の資金調達が相次いでおり、大きな期待が寄せられていることがわかる。

その中でも一際異彩を放っているのが、レシピ動画メディア『kurashiru(クラシル)』を運営する「dely」である。若手起業家の宝庫と言われる1992年生まれの堀江裕介氏によって2014年に設立され、レシピ動画メディア『kurashiru』を2016年2月に立ち上げた。すべて動画で構成される料理メディアは、独自の撮影技術と豊富なオリジナルレシピを使って、一つひとつ丁寧に仕立てられる。昨春、iOSアプリのリリースしてからは一気にその名を全国区へと広げた。

* 参考記事:参考記事:月間1億再生!国内最大分散型動画メディア『KURASHIRU』、シリーズAで資金調達を実施…dely代表堀江氏が初めて語る『KURASHIRU』の全貌

アプリのリリースから1年足らず、累計レシピ数は6000件を超え、今でも毎月1000件ずつ増加し続けている。これは競合企業と比べると既に5倍程度の規模となっている。

* 参考記事:参考記事:dely代表 堀江氏「インターネット業界に新たな歴史を作る」 国内最大級料理動画レシピ『KURASHIRU』がYJキャピタルなどから総額5億円を資金調達

料理初心者でもわかる工程、プロの料理研究家らが生み出す巧みなレシピによって生まれる料理は、家庭料理からフォトジェニックなアイデア料理まで幅広く親しみがある。1分間の動画には、食材の切り方から焼き方、茹で方、盛り付けまでの一連の工程をふんだんに収録されており、普及に拍車をかけた。「気軽に作れるものから本格的なものまで、動画だからわかりやすくて、毎日の料理が楽しくなった」波打つような広がりを見せるユーザーのコメントとレビューは、一般に広く認知され日常生活に溶け込んでいることを証明している。短期間でこれだけの成長を遂げるのは非常に異例のことだ。

日本最大のレシピ動画アプリ『kurashiru』を率いるdelyは、本日、シリーズCで総額約30億円の資金調達を実施した。今回のラウンドでは、ジャフコ(ジャフコSV5共有投資事業有限責任組合、ジャフコSV5スター投資事業有限責任組合)をリード投資家に迎え入れ、YJキャピタル(YJ2号投資事業組合)、gumi ventures(gumi ventures2号投資事業有限責任組合)、Das Capital(CEO 木村新司氏)と、エンジェル投資家の佐藤裕介氏(フリークアウト・ホールディングス代表取締役社長)他既存投資家、新規個人投資家等が参加した。

**今回の資金調達は、本気でdelyが世界で戦うために最高のサポーターに集まっていただきました。視座が高く短期、中期、長期で大きな戦略を一緒に描いてくれています。また自分が若く、まだまだ未熟なところが多いため多くのアドバイスを頂いています。自分の良いところを最大限伸ばして頂けているなと感じています。僕らのような若手ベンチャーは資金の面で他社に押されることもありますが、今回の資金調達でその心配がなくなりました。これからもユーザーを第一に考えてサービスを提供して、今年はマス広告にも挑戦していきたいと思っています。**(堀江氏)

今回の資金調達で、資金調達額は累計約37億円に及ぶ。この規模の資金調達になると、財務専任担当者であるCFOを持つことも多い。しかし、delyにはCFOのポジションに就いてる人がいない。つまり、若干24歳の堀江氏が、同年代の仲間たちと一緒に築き上げてきた『kurashiru』の成長をもって数十億円の資金調達を成し遂げているのだ。

今回の資金調達によって、delyは『kurashiru』において国内レシピ動画サービスNo.1という確固たる地位を築くためにさらなる事業を進めていきたい考えだ。長期的には、グローバル展開も検討しており、国内レシピ動画市場の開拓と併せて推進していく予定だ。さらに、料理動画サービス周辺事業等、多数の新規事業を生み出すと共に、今後はM&Aなども積極的に行うことで、会社の規模拡大に最速で取り組む姿勢である。

**当初は分散型メディアとして始まりましたが、今ではアプリからの流入がダントツで多いです。ユーザー数もかなり大きくなっていて、単純にベンチャー企業と戦っているというよりは大手企業と戦い始めている領域に入っています。短期間の勝負ならコンテンツ数とアプリが鍵をにぎる、そう考えてこの1年ずっと作り込んできました。もともとアプリ用に動画を数多く作り込んでいたことが、今となっては僕らの優位性に繋がっています。最後発で半年から1年遅れて料理動画ジャンルに参加をし、全く人も資金もなかった中で、こういった短期、中期での戦略が、他社と比べて無駄がなく正確に誰よりもはやく作れるようになって、僕らのような若くて何も強みのないベンチャーでも、この競合がひしめく大きなジャンルの中でずば抜けてきた一つの結果だと思っています。やっと今春、ワンシーズン通したコンテンツを揃えられます。とにかくコンテンツを豊富に揃えることで、大手企業にも負けない料理分野でNo.1になる準備をしていきたいです。**

**僕らにとっては、リテンションも大切な指標のひとつです。toCアプリの性質上、カスタマーサポートを非常に重視しています。ユーザー数の規模も大きくなってきたことで、コメントの中にはいろんなものがありますが、一つひとつカスタマーサポートのメンバーが確認して返答しています。**

**今は細かいA/Bテストのフェーズに入っており、ユーザーの反応を見ながらアップデートを繰り返しています。これまでに、トラフィックが予想以上に上がりすぎてしまって、それに対応できるような大型のアップデートを行ったりしていましたが、今後はさらなる改善を進めながら新しい機能も加えていきたい思っています。**(堀江氏)

これまでの料理メディアのイメージから大きくシフトしたkurashiruは、レシピという制限の中で無限の可能性を感じさせてくれるものがある。生活の要である食だからこそ、ユーザーに寄り添うと共に、高度な技術と優れた感覚が要されるが、彼らは十分にそれらを備えている。

**これから僕らがやるべきなのは短期でいえば国内のレシピサービスNo.1を確実に取ること。そして中長期ではレシピ動画の次を描くことです。時価総額数千億円の規模であればワンプロダクトでも十分に挑めるかもしれませんが、1兆円規模の企業を作るには楽天やサイバーエージェント、GMOのように常に変化し続け、いつでも新規で巨大なマーケットに挑戦するプロダクトが生まれ続けなければならないと考えています。時代の流れや技術の進化はどんどんと加速しているため、常に過去に捉われず変化と成長をし続けられる骨の太い組織を作っています。**

**直近1年間は多くのユーザー獲得をし40億近くの資金を集めました。しかしこれから、これ以上の成長スピードで毎年会社を伸ばしていかなければいけません。今はそんな危機感も持っています。僕らはモバイルの最後の波にギリギリすべりこんで、ここまで成長することができました。モバイルの波が生まれた時に、僕らが慣れ親しんだサービスを生み出してきた起業家の方々は、モバイルの波の前にある程度資金を準備していた方々だったと感じています。次の波が来た時にはど真ん中で大勝負をかけたい。そのためにも、僕らは国内と海外でしっかり事業を伸ばして、料理ジャンルを勝ち取りにいきます。ワンプロダクトで利益を出すには2〜3年ほどかかるとも言われているので、今年は思いっきり国内に集中して、いずれ海外にも攻め込んでいきたいです。そして20代のうちには絶対に海外で勝負すると共に、30代ではソフトバンクのように本気で世界で戦うメガベンチャーを作っていきたいと考えています。今はそのために着実に良いサービスをつくり込み、ユーザーさんに何十年も愛されるサービスを作っていきます。今はとにかくkurashiruにフォーカスです。**

**今までdelyは周りから見たら絶対に勝ち目がないだろという戦いや賭けに何度も勝ってきてここまで来ています。そんなことをこれからもずっと言われながらも途轍も無い高みまで行きたいですね。**(堀江氏)

dely株式会社

日本最大のレシピ動画アプリ『kurashiru(クラシル)』(ウェブ)

日本最大のレシピ動画アプリ『kurashiru(クラシル)』(iOSアプリ)